ネイキッド▲軍用車をほうふつとするラギッドな外観がネイキッドの特色。インテリアも個性的だ

ダイハツ ネイキッドの中古車は今

四角いフォルムに丸いヘッドライト、むき出しのボルト……。

ダイハツ ネイキッドは道具感を全面に出した、異色の軽トールワゴンだ。

約4年間生産されたが、後継車種は作られずに1世代のみで幕を閉じた。

唯一無二のキャラクターから中古車市場でも人気の車種だが、中古車平均価格27万円とリーズナブル。流通量もまずまずあるので、今が狙いやすいタイミングと言えるだろう。

ここではダイハツ ネイキッドの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していく。
 

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ネイキッド(初代)の特徴と中古車相場

■ネイキッド(初代) DATA
生産期間:1999年11月~2003年11月
中古車流通量:約240台
中古車価格帯:10万~120万円
全長:3395mm×全幅:1475mm×全高:1530~1550mm
 

ネイキッド ▲フロントグリルやバンパーコーナーはボルトオンされている設計。ユーザー自身で純正オプションや社外品と交換できる

■ネイキッド(初代)の特徴
5代目ダイハツ ミラをベースに、無骨なスタイルのトールワゴンに仕立てられたネイキッド。

“トール”とはいっても全高は1550mm以内に抑えられており、立体駐車場にも対応していた。外観は丸型ヘッドライトとエッジの効いたフォルムが特徴。

バンパーコーナーやフロントグリルは外板に露出したボルトで留められており、ユーザー自身が簡単に着脱できる構造になっていた。

ドアヒンジにも現代の車では珍しい外ヒンジ式を採用。90度近くまで大きく開く構造だ。

こうした道具としての機能性とデザインと融合させる手法は、DIYを趣味にするような若い年齢層から大いに評価された。

シートは簡単な動作で前方に倒すことができ、後席については取り外すこともできる。見た目だけでなく、使い勝手も抜群に良い。

エンジンには自然吸気とターボの2種類。エンジンの違いがそのまま「ネイキッド」「ネイキッドターボ」というグレード名になっていて、それぞれに5速MTと4速AT、FFとフルタイム4WDが組み合わされている。

「Gパッケージ」は助手席SRSエアバッグ、キーレスエントリー、リアシートヘッドレスト、シートバックボード、助手席シートアンダートレイ、リアワイパーなどが装備された。
 

ネイキッド ▲インテリアのデザインも直線基調で個性的なもの。内装色を選ぶこともできた

4年という短い生産期間だったが、マイナーチェンジは多い。

比較的大きな変更がったのは2002年1月で、角型ヘッドランプ仕様の「Fシリーズ」が追加されている(後にパッケージ化)。

シンプルな装備内容、グレード展開でスタートしたネイキッドだったが、市場からの声に応えてバリエーションを増やしていった結果だろう。

■2000年7月
【安全性能】
・全車にデュアルエアバッグとプリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトを標準装備
■2000年10月
【安全性能】
・MT車にクラッチスタートシステム採用
・衝突安全ボディ「TAF」の性能強化および安全インテリア「SOFI」の導入
【エンジン】
・自然吸気エンジン車が「良-低排出ガス車(★)」認定を取得
【グレード】
・従来の「Gパッケージ」の装備品をすべて標準装備化した「G」と「ターボG」としてグレードに追加
・リアリクライニングシートとスペアタイヤレス仕様のセットオプションを追加
・外板色6色と内装色2色の自由な組み合わせが可能に

■2000年12月
【グレード】
・ディスチャージヘッドランプ、専用センターグリル、メッキパーツ、専用撥水シート生地、本革巻ステアリングホイールなどを装備したドレスアップグレード「ターボX」を追加

■2002年1月
【グレード】
・角型ヘッドランプなどを装備した「Fシリーズ」を追加(4速AT車のみの設定)
・従来の丸型ヘッドランプ仕様は「Gシリーズ」とし、フロントデザインを変更
・「Gシリーズ」AT車にベンチシート&コラムシフトを採用
・ディスチャージヘッドランプ、革巻ステアリングホイールなどを装備した最上級ターボ車「GEAR」を新設(4速AT車のみの設定)

■2003年5月
【グレード】
・シンプル装備の「L」、充実装備の「G」、「ターボG」の3グレードにグレードを整理
・「Fシリーズ」をグレードから廃止し、パッケージオプション化
 

ネイキッド ▲2002年1月以降のモデルではAT車のシフトレバーがコラムシフトとなる

■ネイキッド(初代)の中古車相場
2003年に生産終了してから18年経つが、現在の中古車市場においても240台ほどが流通している。

中古車平均価格(車両本体価格)は30万円前後とリーズナブルだ。しかし、年式が古いだけにコンディションには気をつけて選びたいところ。

ネイキッドは走行性能や安全性能に関わるマイナーチェンジが少なかったため、年式にはあまりこだわらなくていい。走行距離やボディ、内装の状態、装備内容を重視したいところだ。

流通している物件のうち過半数は走行距離10万kmを超えているが、5万~9万km以内の物件も100件近く存在している。走行距離と価格はさほど相関していないようなので、少ないに越したことはないだろう。

装備については基本的にシンプルだった。それがウリでもあったが、現代なら最低限の利便性は求めたい。

「Gパッケージ」や「Sパッケージ」、「SPパッケージ」などのパッケージ車、ターボ車の最上級グレードである「ターボX」「GEAR」、もしくは特別仕様車を選べば満足度は高いだろう。

なお、ネイキッドはオルタネータ(発電機)のアジャスティングバーが破損するトラブルが報告されており、当該現象が発生した場合には無償・無期限で修理してくれる。詳しくは下記を参照されたい。

・ダイハツ「テリオスキッドなど13車種 オルタネータ アジャスティングバーの保証受付期間の変更」
https://www.daihatsu.co.jp/info/recall/13091.htm

 

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※記事内の情報は2021年8月4日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/ダイハツ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。