スバル インプレッサXV ▲先代スバル インプレッサをベースに作られた人気のクロスオーバーSUV「スバル インプレッサXV」の2代目モデルの平均価格が、いよいよ新車時価格の半額ぐらいになってきました。買い時到来! なわけですが、いろいろあるグレードや種類のなかからどれを選ぶのが正解なのでしょうか? 考えてみました!

結局どれがコスパ良しなのか、ズバリご指南いたします!

「タンジェリンオレンジパール」や「デザートカーキ」などのしゃれたボディカラーと、黒い樹脂パーツとの2トーンがちょっと素敵なクロスオーバーSUV、2代目のスバル インプレッサXV。

そのたたずまいの良さや、スバル自慢の運転支援システム「アイサイト」などに興味津々でありつつ、「でも中古車としてはまだちょっと高いな……」と、二の足を踏んでいた人も多いかもしれません。

でも最近、2代目インプレッサXVの平均価格って実は「新車時の価格の半額以下」になってきているのです。であるならば、これを機に買うしかない! とも思うわけですが……問題は、

●インプレッサXVにはガソリンエンジン車の他にハイブリッド車もある
●それぞれの中にも何種類かのグレードがある
●さらに、モデルライフの途中で「年次改良」というやつが何回も行われた


ということで、「結局どれを買えばいいのかがイマイチわからない!」と感じる人もたぶん多いだろうということです。

そこで、本稿では「2代目スバル インプレッサXVの中古車を買うならこのあたりがオススメです!」ということを、ズバリ解説したいと思います。
 

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スバル インプレッサXV(2代目)×全国
スバル インプレッサXV ▲こちらが2012年9月に発売され、2017年途中まで販売された2代目のスバル インプレッサXV。パワーユニットは2L直4ガソリンエンジンと、そこにバッテリー+モーターを加えたハイブリッドの2種類がある

超基本は「アイサイト付き」を選ぶこと

まずは、「そもそも2代目インプレッサXVにはどんな種類があるのか?」ということを把握してみましょう。

2代目インプレッサXVを「グレード別」で分けると、下記のとおりとなります。

【カタログモデル】
●2.0i|ガソリン車の最廉価グレード。基本的な装備は普通に付いていますが、キモとなる「アイサイト」は付いていません。
●2.0i アイサイト|2015年10月に追加された「2.0iのアイサイト付き」。
●2.0i-L|上級グレード。でもアイサイトは付いてません。
●2.0i-Lアイサイト|上級グレードのアイサイト付き。

【特別仕様車】
●2.0i-L アイサイト ポップスター|2014年11月に発売された、専用色「サンライズイエロー」やサンルーフなどが特徴となる、上級グレードをベースとする特別仕様車。
●2.0i アイサイト プラウドエディション|2015年4月に発売された、最廉価グレードの2.0iにアイサイトを付加した特別仕様車。
 

スバル インプレッサXV ▲こちらは上級グレードをベースとするサンライズイエローの特別仕様車「ポップスター」
スバル インプレッサXV ▲前期型の運転席まわりはおおむねこのようなデザイン。写真はハイブリッド2.0i アイサイト

上記はすべてガソリン車ですが、「ポップスター」を除くそれぞれにハイブリッド版が存在します。

このように書くと「いっぱいあって覚えるのが大変……」と感じるかもしれませんが、結論としては、車名に「アイサイト」と付いているグレードならどれを選んでもそれなり以上に素敵なので、特に難しく考える必要はありません。

ただし、くれぐれもアイサイトが付いていないインプレッサXVだけは選ばないようご注意ください。アイサイトなしのスバルXVは価値がない……とまでは言いませんが、あえて選ぶ意味はさほどありません。
 

スバル インプレッサXV ▲画像のようないわゆる自動ブレーキの他、高速道路で前の車両を追尾してくれるアダプティブ・クルーズ・コントロールなどが含まれる「アイサイト」は、インプレッサXVを買うならマストと考えたい装備

予算的に可能なら2016年式以降がオススメ

次に「年次改良」による変遷を見てみましょう。スバルというメーカーは、年1回ぐらいのペースでいろいろな一部改良を行うメーカーなのです。

●2012年10月~|最初期モデル。
●2013年6月~|専用2Lエンジンとモーターを組み合わせた「XVハイブリッド」登場。
●2013年11月~|主に乗り心地と遮音性能を改良。
●2014年12月~|アイサイトがver.2からver.3に進化。その他モロモロも細かく改良。
●2015年10月~|内外装デザインを変更し、ガソリン車のホイールデザインも変更。新色「ハイパーブルー」などを追加し、「アドバンスドセイフティパッケージ」を新たにオプションとして設定。

以上の変遷から考えますと、選ぶ際の優先順位は下記のとおりとなるでしょう。

●第1優先|いろいろ良くなった2015年10月以降(要するに2016~2017年式)
●第2優先|アイサイトの内容が進化した2014年12月以降(要は2015年式)
●第3優先|乗り心地と遮音性が良くなった2013年11月以降(つまり2014年式)
●第4優先|最初期年式(2012~2013年式)
 

スバル インプレッサXV ▲こちらが2015年10月以降のガソリン車に採用された新デザインの17インチホイール
スバル インプレッサXV ▲同時期にインテリアも小変更を受け、ガソリン車のシートにはオレンジ色の、ハイブリッド車のシートにはシルバーのステッチが施されるようになった

ガソリン車も悪くないが、燃費良好なハイブリッド車はさらに◎

そして最後に、「選ぶべきはガソリン車か、それともハイブリッド車か?」という問題について考えます。

両者の流通量を解説すると、ハイブリッド車の流通量はガソリン車の約3分の1と少なめで、新車時はガソリン車より27万円ほど高かったハイブリッド車の方が、中古車価格は若干お安くなっているのです。そしてインプレッサXVのハイブリッド車は、カタログ燃費がガソリン車より30%ほど良好であるという美点もあります(JC08モード燃費はガソリン車が15.8km/Lであるのに対し、ハイブリッド車は20.0km/L)。

さらに、XVハイブリッドは天井裏やその他各部に厳重な遮音処置が施されており、荷室の下にバッテリーを積んでいる関係で、前後の重量バランスもガソリン車以上に良好……となれば、ここでの結論は下記のとおりとなるでしょう。

●第1優先|ハイブリッド車
●第2優先|ガソリン車
 

スバル インプレッサXV▲インプレッサXVのハイブリッドシステムは簡易的なマイルドハイブリッドであるため、「絶対にハイブリッドを選ぶべき!」というほどではない。ただ、もしも手頃な値段で良さげな個体が見つかるなら、ハイブリッドの方が何かとベターではある

結果発表! 以下の順番で探してみて!

さて、長々と検証した結果、答えはおおむね出たようです。これから2代目スバル インプレッサXVを買う場合はおおむね下記の順番で探してみれば、きっとご満足いただける結果となるはずです。

●検討順位1位|2016~2017年式ハイブリッド車の、アイサイトが付いているグレード
中古車相場:130万~210万円 流通台数:21台
 

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スバル インプレッサXV(2016~2017年)ハイブリッド2.0iアイサイト4WD、ハイブリッド2.0i-L アイサイト4WD ×全国

ナイスな選択であることは間違いありませんが、「やや高い」「流通量が少ない」というのがネックかもしれません。その場合は下記のジャンルで検討してみましょう。

●検討順位2位|2015年式ハイブリッド車の、アイサイトが付いているグレード
中古車相場:130万~160万円 流通台数:12台
 

▼検索条件

スバル インプレッサXV(2015年)ハイブリッド2.0iアイサイト4WD、ハイブリッド2.0i-L アイサイト4WD ×全国

相場は少し安くなりましたが、やはり流通量は少なめです。ここで探すのが困難だった場合には「検討順位3位」へ進んでください。

●検討順位3位|2016~2017年式ガソリン車の、アイサイトが付いているグレード
中古車相場:130万~240万円 流通台数:95台
 

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スバル インプレッサXV(2016~2017年)2.0iアイサイト4WD、2.0i-Lアイサイト4WD、2.0iアイサイトプラウドエディション4WD、2.0i-Lアイサイトポップスター4WD ×全国

相場は2016~2017年式ハイブリッド車のアイサイト付きとあまり変わりませんが、流通台数がグッと増えました。ここで走行距離5万km以下の個体を総額150万円前後(要するに新車時の総額の半額以下)で見つけられたら、なかなかいい買い物になるはずです。

●検討順位4位|2015年式ガソリン車の、アイサイトが付いているグレード
中古車相場:100万~220万円 流通台数:60台
 

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スバル インプレッサXV(2015年)2.0iアイサイト4WD、2.0i-Lアイサイト4WD、2.0iアイサイトプラウドエディション4WD、2.0i-Lアイサイトポップスター4WD ×全国

内外装デザインが小変更される前の世代ですが、アイサイトはver.3になっており、それでいてグッと手頃な相場になりますので、なかなか悪くない選択です。

●検討順位5位|上記以外の年式の、アイサイトが付いているグレード
中古車相場:90万~200万円 流通台数:220台
 

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スバル インプレッサXV(2012~2014年)2.0iアイサイト4WD、2.0i-Lアイサイト4WD、2.0iアイサイトプラウドエディション4WD、2.0i-Lアイサイトポップスター4WD ×全国

アイサイトのバージョンや内外装のレベルはやや落ちますが、その分だけ価格は手頃になります。流通量が多いので、このジャンルの中からでも走行短めのキレイな個体は見つけやすいはずです。
 

スバル インプレッサXV▲どのグレード、どの年式を選んだとしても、基本的には「走れて積めて、デザイン性も高い」というのが2代目インプレッサXVに共通する美点。手に入れれば、きっと日々の暮らしがより楽しくなるはず!

以上の手順で2代目インプレッサXVを探していけば、ほぼほぼシアワセになれることは間違いありませんが、ひとつだけ注意点があります。以下のグラフを見てください。
 

スバル インプレッサXV

実は、2019年と2020年ではほぼ変わらなかった2代目インプレッサXVの流通台数ですが、2021年に入ってからは明確に減少傾向となっているのです。

まだ過剰に焦る必要はありませんが、ぼやぼやしていると「ちょうどいい1台」の数は少なくなってしまいそうだといえます。このトレンドから考えると、欲しい人は「なる早」で具体的な検討を始めるべきでしょう。
 

文/伊達軍曹 写真/SUBARU

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スバル インプレッサXV(2代目)×全国

※記事内の情報は2021年8月5日時点のものです。
 

伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。