日産 デイズルークス ▲スライドドアの開口高は1230mm、開口幅は580mm、リアステップ地上高は370mm。写真は日産 デイズルークスのスポーティモデルであるハイウェイスター

日産と三菱合作による人気スーパーハイトワゴンがお得になってきた

日産と三菱が軽自動車事業のために設立した、合弁会社NMKV。その第1弾として2013年に登場したハイトワゴンが日産 デイズ/三菱 eKワゴンで、第2弾として2014年2月に登場したスーパーハイトワゴンが、今回取り上げる日産 デイズルークス/三菱 ekスペースとなる。

ユーザーから要望の高かった広さと使い勝手を両立したモデルで、2020年3月にフルモデルチェンジするまで約6年間販売された。(なお、このタイミングでデイズルークスはルークスへと名称を変更した)

デビュー時の車両本体価格は日産 デイズルークスが124万50~185万2200円、三菱 ekスペースが122万4300~177万5550円。現行型が登場して1年が経ち、いよいよ中古車平均価格が100万円を切るようになってお買い得感が増してきた。

以下で詳しく見てみよう。

三菱 ekスペース▲こちらは三菱 ekスペースのスポーティモデルであるカスタム。デイズルークスとはグリルまわりのデザインが異なる

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日産 デイズルークス(初代)/三菱 ekスペース(初代)×全国

両モデルともに平均価格100万円切り

人気車ゆえ値落ちはゆっくりだが、それでもデイズルークスはekスペースより台数が多いこともあり、2020年3月のフルモデルチェンジを機に価格の下落基調が鮮明になり、2021年4月ついに平均価格が100万円を切った。

その後も順調に値を下げており、直近の6月の平均価格は97.1万円となっている。

日産 デイズルークスの相場グラフ▲フルモデルチェンジ前までは、平均価格は上がったり下がったりといった状況だが、現在は順調に値を下げ続けている

一方で、ekスペースもデイズルークスと比べれば緩やかに見えるが、やはり2020年3月を機にハッキリと下落基調に入り、デイズルークスよりも早い2020年12月に100万円を切った。

以降も順調に値を下げており、直近の6月の平均価格は90.1万円と、デイズルークスよりも7万円も安い状況だ。

三菱 ekスペースの相場グラフ▲ekスペースも同様に値落ちが続いているが、デイズルークスに比べて全体的に1割ほど安い

どちらも現行型への乗り替えが進んだことで中古車の台数が増え、それに伴い値落ちが進んでいるようだ。

実際、デイズルークスを例に挙げれば、フルモデルチェンジ前の2019年3月の掲載台数は4221台だったが、2020年3月には約3000台も多い7766台となっている。

デイズルークス(初代)/ekスペース(初代)の特徴

日産デイズルークス▲高い室内高を生かし、後席は前席より座面位置が60mm高いため、前方を見晴らしやすい(写真は日産 デイズルークス ハイウェイスター)
日産デイズルークス▲一部グレードを除き標準装備されるオートエアコンは、タッチパネル式(写真は日産 デイズルークス)

ホンダ N-BOXを筆頭にダイハツ タント、スズキ スペーシア……と強豪がひしめくスーパーハイトワゴンクラス。

それまで日産はルークスを、三菱はekスペースをそれぞれで開発して投入していたが、先行するライバルを追うために両社は合弁会社NMKVを設立した。

ここでは、日産が主にマーケティングノウハウを生かして企画段階から関わり、三菱が製造を担当している。そのNMKVから生まれた軽自動車の第2弾が、前述のとおりスーパーハイトワゴンの日産 デイズルークス(現行型はルークス)/三菱 eKスペースというわけだ。

今回紹介する旧型モデルは、ライバルたちより高い1400mmという室内高をはじめ、広い室内空間を備えていたのが大きな特徴だ。この広さを生かして、軽自動車最長となる260mmのスライド量がある左右分割式リアシートが用意されている。

室内空間が広いことで、子供の着替えやチャイルドシートへの乗せ降ろしがしやすく、自転車をはじめ大きな荷物も載せやすい。また、後席に座る子供が眩しくないようにリアドアの窓にはロールシェードも用意されているなど、子育て層を意識した装備も多い。

さらに、駐車が苦手というドライバーのために、ルームミラー内にモニターが設けられ、自車を俯瞰して映すことができる機能(日産の名称はアラウンドビューモニター、三菱はマルチアラウンドモニター)も一部グレードに標準装備されている。

日産 デイズルークス▲左右分割で大きくスライドできるリアシートは、チャイルドシートを備えた助手席側の後席を運転席の近くまで寄せることができるため、安心して運転できる。写真は日産 デイズルークス
日産 デイズルークス▲両方に取っ手の付いたベビーマグも置ける、助手席シートバックテーブルが設定されている。写真は日産 デイズルークス

搭載されるエンジンは660ccの自然吸気と、ターボエンジンの2機種。これに、CVTが組み合わされる。また、スポーティな内外装を備えたハイウェイスター系(デイズルークス)とカスタム系(eKスペース)もラインナップされた。

ターボエンジンはハイウェイスター系とカスタム系の一部グレードのみに用意されたが、eKスペースは2016年12月に標準モデルにもターボ車を追加している。

安全装備については、名称や搭載されるグレードの展開に若干の違いがあるものの、2014年12月に衝突被害軽減ブレーキと踏み間違い衝突防止アシスト機能を備えたモデルが追加された。

継いで、2015年4月にデイズルークスは全車標準となったが、eKスペースは非装着車も引き続き設定され、2018年5月には機能向上が図られた。同時に、eKスペースも全車標準装備されている。

2016年12月にはマイナーチェンジで内外装が変更されるとともに、ハイ/ロービーム自動切替など機能の向上も図られた。

日産 デイズルークス▲写真は2016年12月のマイナーチェンジ時の日産 デイズルークス・ハイウェイスター
三菱 ekスペース▲写真は2016年12月のマイナーチェンジ時の三菱 eKスペース・カスタム

原稿執筆時点でデイズルークスは4554台、eKスペースは863台見つかった。

価格帯はデイズルークスが約16万~180万円、eKスペースが約20万~170万円と、生産年数も長かったゆえ幅広い。走行距離5万km未満は両車ともに7割以上あって狙いやすいのも特徴だ。

また、衝突被害軽減ブレーキ搭載車も、デイズルークスは7割以上、ekスペースは5割以上あり、こちらも探しやすくなっている。

お買い得感が高いのは非ハイウェイスター/カスタム系

日産 デイズルークス▲写真は2016年12月のマイナーチェンジ時の日産 デイズルークスの標準モデル
三菱 ekスペース▲写真は2016年12月のマイナーチェンジ時の三菱 eKスペースの標準モデル

ハイウェイスター系やカスタム系といったスポーティモデルは人気が高く、標準モデルよりも高め。そのため、乗り替え需要による値落ちの恩恵を最も受けれられるのは標準モデルとなり、デイズルークスならX、eKスペースならGだ。

いずれもアラウンドビューモニターまたはマルチアラウンドモニター、リアロールサンシェードを標準装備し、助手席側のリア電動スライドドアは、ワンタッチで開閉可能と装備は充実している。

中でも、もはや必須と言える衝突被害軽減ブレーキを搭載した中古車がオススメだ。

また、若干だが全体としてeKスペースの方がお買い得感は高い。そこから考えると、最もオススメなのは衝突被害軽減ブレーキ付きのeKスペースG eアシストだ。走行距離5万km以下でも支払総額約70万円から狙え、2016年式の走行距離3万km未満でも支払総額110万円前後で見つけることができる。

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日産 デイズルークス(初代)×非ハイウェイスター系グレード×全国

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日産 デイズルークス(初代)×全国

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三菱 ekスペース(初代)×非カスタム系グレード×全国

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三菱 ekスペース(初代)×全国
文/ぴえいる、写真/日産、三菱

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。