【三菱 ランサーエボリューションの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
カテゴリー: 特選車
タグ: 三菱 / スポーツセダン / クルマを選び始めた人向け / サーキット / カスタム / ランサーエボリューション / 人気中古モデル徹底ガイド / 高橋満
2021/08/01
▲世界ラリー選手権(WRC)で戦うために生まれたランサーエボリューションシリーズ。23年の歴史の中で4世代、I~Xまで生産された三菱 ランサーエボリューションの中古車は今
世界ラリー選手権(WRC)で勝つために生まれ、最大のライバルであるスバル インプレッサWRX STIと熱いバトルを繰り広げてきた三菱 ランサーエボリューション。
4つの世代で、シリーズⅠからⅩまで約23年にわたり生産された人気モデルである。
初期のものは登場から30年近くたち、また海外での人気から輸出される中古車も多いので、第3世代までの中古車はかなり台数が少なくなっている。
一方、最終世代のランエボXは惜しまれつつ生産終了になったこともあり、プレミア相場で販売される中古車も少なくない。
ライバルであったとはいえ、インプレッサと比較するのも難しいオンリーワンな存在だけに、中古車市場でも根強い人気が続いている。
ここからは歴代ランサーエボリューションの特徴や中古車相場について紹介する。
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三菱 ランサーエボリューション × 全国ランサーエボリューション第1世代(I/II/III)の特徴と中古車相場
■ランサーエボリューションI DATA
生産期間:1992年10月~1993年12月
中古車流通量:0台
▲ランサーエボリューションI。ギャランVR-4に搭載された2Lターボとパワートレインが移植された■ランサーエボリューションIの特徴
▲パリダカでも有名な三菱の篠塚建次郎選手が開発に関わったエボI1967年から国際ラリーに参戦していた三菱。1988年からはギャランVR-4でWRCに参戦。1991年には篠塚建次郎選手が日本人ドライバーとしてWRC初優勝を果たした。
1993年は開幕戦からランサーエボリューションでの参戦を計画。そのホモロゲーションモデルとして登場したのが、1992年10月に登場した初代ランサーエボリューションだ。
デビュー時はランサーGSRエボリューションという名称で登場した。主な仕様は以下のとおり。
・ギャランVR-4に搭載されたサイクロン2000 DOHC 16バルブインタークーラーターボエンジンを改良して搭載(最高出力250ps/6000rpm、最大トルク31.5kg-m/3000rpm)。
・ランサーの軽量ボディを高剛性化。パワーウェイトレシオを4.96㎏/psに
・ランサーGSRからショックアブソーバー、スタビライザーなどの見直し
・ビスカスカップリングとセンターデフを組み合わせた三菱独自のフルタイム 4WD システムを採用
▲エボIのエンジンは圧縮比を引き上げ、低速・中速域のトルク向上が図られた■ランサーエボリューションII DATA
生産期間:1994年1月~1995年1月
中古車流通量:約5台
中古車価格帯:240万~330万円
▲ランサーエボリューションII。最高出力が250psから260psにアップ。タイヤサイズも大型化された■ランサーエボリューションIIの特徴
▲エボIIはWRC参戦車両と同じOZ製のアルミホイールを採用次いで、1994年1月に発売されたランサーエボリューションIIは、エボIの弱点を埋めることを目指して開発されたモデルだ。エボIからの主な改良点は以下のとおり。
・超大型インタークーラーと空冷式オイルクーラを装着した 2L DOHC ターボエンジンを搭載。最高出力は従来より10psアップの260psに
・クロスレシオトランスミッションを採用
・ホイールベース(+10mm)、トレッド(前+15 mm、後+10mm)を拡大
▲新デザインのレカロシートでホールド製が大幅に高められた■ランサーエボリューションIII DATA
生産期間:1995年2月~1996年7月
中古車流通量:約5台
中古車価格帯:90万~240万円
▲ランサーエボリューションIII。最高出力が270psに高められ、足回りと4WDシステムもチューニングが施された■ランサーエボリューションIIIの特徴
▲リアスポイラーのデザインが一新され、迫力あるスタイルに1995年2月に発売されたランサーエボリューションIII。このモデルでは空力特性とエンジン性能を中心に改良が加えられた。
エボIIからの主な改良点は以下のとおり。
・エンジンの圧縮比を高め、ターボチャージャーのコンプレッサーを変更し、最高出力を270psに
・フロントエアダムの両サイドに設けたエアダクトによりブレーキの冷却性能が向上
・エアロパーツを一新して揚力低減など空力特性が大幅に向上
▲インテリアには新デザインのMOMO製ステアリングを採用■ランサーエボリューション 第1世代(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)の中古車相場
エボIのデビューから30年近くたっていることもあり、第1世代のランエボは中古車がほとんど流通していない。
本稿執筆時点でエボIは中古車が流通しておらず、エボII、エボIIIもごくわずか。
エボIIは走行距離が10万km以下のものが残っていて、エボIIIは走行15万~20万kmのものが中心に。エボIIの価格帯は新車時とほぼ変わらず、エボIIIは半数が価格応談の表記だった。
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三菱 ランサーエボリューションI × 全国 ※流通状況により物件がない場合があります▼検索条件
三菱 ランサーエボリューションII × 全国 ※流通状況により物件がない場合があります▼検索条件
三菱 ランサーエボリューションIII × 全国 ※流通状況により物件がない場合がありますランサーエボリューション第2世代(IV/V/VI)の特徴と中古車相場
■ランサーエボリューションIV DATA
生産期間:1996年8月~1997年12月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:180万~300万円
▲最高出力が280psに達したランエボIV■ランサーエボリューションIVの特徴
▲大きなリアスポイラーの下には三菱独自のデルタ型リアウィッカーが付けられているベースモデルであるランサーのモデルチェンジに伴い、ランサーエボリューションも第2世代へと進化した。
第1世代よりも攻撃的なルックスになり、大型のフォグランプが採用されているのが特徴。この世代で最高出力は当時の自主規制値である280psに到達した。
第2世代ランエボシリーズは、第1世代から走行性能が大きく進化。ランエボIVの主な仕様は以下のとおりとなっている。
・インタークーラーをエボIIIよりさらに大型化するとともにツインスクロールターボを採用。2L車で最高出力 280ps/6500rpm、最大トルク 36.0kg-m/3000rpmを達成
・高出力化に対応するためフロント16インチ、リア15インチベンチレーテッドディスクブレーキを採用
・クロスレシオトランスミッションを採用
・左右のタイヤの駆動力差で車両の旋回力(ヨーモーメント)を発生させる左右駆動力移動システム「アクティブヨーコントロールシステム(AYC)」を搭載
・エアロパーツを一新して空力性能が大幅に向上
▲初採用されたAYCは、現在のSH-AWCへとつながるシステムだ■ランサーエボリューションV DATA
生産期間:1998年1月~1998年12月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:190万~350万円
▲オーバーフェンダーを付けて3ナンバーサイズになったランエボV■ランサーエボリューションVの特徴
▲17インチのアルミホイールはOZ製。リアスポイラーは低速から高速まで走行条件に応じて最適なセッティングが可能な迎角調整式にランエボIVまでは全幅が1700mm以内の5ナンバーサイズだったが、ランエボVはオーバーフェンダーが取り付けられ全幅が1770mmに拡大。3ナンバーとなった。
これは、タイヤサイズの拡大に対応するための処置だった。ランエボIVからの主な改良点は以下のとおり。
・ターボチャージャーの改良、ラジエターとインタークーラーの大型化により最大トルクが38.0kg-mにアップ
・トレッドの大幅拡大
・225/45ZR17タイヤを採用
・フロント17インチ4ポットキャリパー、リア16インチ2ポットキャリパーのブレンボ社製ブレーキシステムを採用
・AYCにフロントヘリカルLSDを組み合わせ最適な四輪トルク配分を実現
・エアロパーツを一新
▲新形状のレカロ製バケットシート、MOMO製本革ステアリングなどを採用したインテリア■ランサーエボリューションVI DATA
生産期間:1999年1月~2001年1月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:190万~500万円
▲トミー・マキネンエディションも設定されたランエボVI■ランサーエボリューションVIの特徴
▲リアスポイラーはウィッカ型迎角可変式のツインスポイラーになった1999年のWRCレギュレーションを盛り込む形で開発されたランエボVI。ランエボVからエアロパーツが一新され、イメージが大きく変わっている。
ランエボVからの主な改良点は以下のとおり。
・フロントバンパーのランセンスプレートをオフセット化、オイルクーラーベンチレーターやエアブローダクトの採用により冷却効率・空力性能が向上
・足回り、スタビライザーのチューニングよりコーナリング時の操安性が向上
・水温制御方式の変更、ピストンにクーリングチャンネルの追加、エンジンオイルクーラーの大型化によりエンジン冷却性が向上
■ランサーエボリューションVIトミー・マキネンエディションの特徴
2000年1月にはランエボVIの特別仕様車である、トミー・マキネンエディションが発売された。
WRC史上初の4年連続ドライバーズチャンピオンに輝いたトミー・マキネンの偉業を記念したモデルで、ターマック(舗装路)向けに走行性能を特化させていて、内外装も専用のカラーリングになっている。
▲フロントバンパーやフロントバンパーエクステンションは新デザインになっている■ランサーエボリューション 第2世代(IV/V/VI)の中古車相場
第2世代の中古車も、流通量はかなり少ない。
ランエボIVの流通量は約10台で、走行距離は10万kmを超えたものが中心。修復歴がないものは価格応談になっている。
ランエボVの中古車も約10台の流通。こちらも修復歴がないものは車両本体価格300万円を超えている。
ランエボVIはやや選択肢が多く20台弱流通している。走行距離にこだわらなければ200万円台前半でも修復歴なしの中古車が見つかる。トミー・マキネンエディションは5台以下で、最低でも予算400万円近くは見ておきたい。
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三菱 ランサーエボリューションVI× 全国ランサーエボリューション第3世代(VII/VIII/IX)の特徴と中古車相場
■ランサーエボリューションVII DATA
生産期間:2001年2月~2002年12月
中古車流通量:約40台
中古車価格帯:80万~520万円
▲前後輪への駆動配分を電子制御で行うアクティブセンターデフを搭載したランエボVII。初めてAT車も設定された■ランサーエボリューションVIIの特徴
▲タイヤサイズを235/45ZR17に拡大。旋回時のグリップ力が高められたベース車両がランサーからランサーセディアに変わり、ランエボも第3世代へと進化した。
この世代では、ATモデルやワゴンが設定されるなど、これまでにはない試みも行われている。
セディア顔に生まれ変わったランエボVII。本モデルではハンドリング性能の改善に重点を置いた変更が行われ、「走る・曲がる・止まる」がさらに高いステージに引き上げられた。
ランエボVIからの主な改良点は以下のとおりとなっている。
・新開発のアクティブセンターデフ(ACD)を採用。電子制御油圧多板クラッチセンターデフの前後輪差動制限力を、フリー状態から直結状態までコントロールできるようになった
・ACDとAYCをひとつのコンピューターで統合制御。単独制御に比べ、優れた加速性能や操縦安定性を実現
・ターボチャージャーの改良、インタークーラーの大型化などの改良により、2L ターボクラス最強の 206kW(280ps)/6,500rpm と 383N・m(39.0kg-m)/3,500rpm を実現
・ハンドル角センサーを新設したスポーツ ABS を採用
▲メーター内にはACD走行モードを表示するインジケーターを配置■ランサーエボリューションVII GT-Aの特徴
▲MTのランエボよりもおとなしめのデザインが採用されたGT-A2002年2月には、ランサーエボリューションシリーズで初となる、インベックスIIスポーツモード5速ATを搭載したランエボVII GT-Aが発売された。
公道での使用を重視して最高出力200kW(272ps)、最大トルク343N・m(35.0kg-m)に抑えられたが、これは2LのAT車としては世界屈指の動力性能になる。
エクステリアはランエボVIIとは異なるデザインで、洗練された印象を高めている。
▲スポーツモード5速ATのマニュアルシフト操作は、シフトレバーとステアリングスイッチでできるようになっている■ランサーエボリューションVIII DATA
生産期間:2003年1月~2005年2月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:200万~400万円
▲制御トルク量を増加させたスーパーAYCを搭載したランエボVIII。エンジンの最大トルクは40.0kg-m台に到達■ランサーエボリューションVIIIの特徴
▲リアスポイラーには量産4ドアセダン世界初となるCFRP(カーボン繊維強化樹脂)を水平翼・垂直翼の全面に採用三菱の新しいデザインアイデンティティが盛り込まれたランエボIII。フロントグリルは富士山をモチーフにデザインされている。
ランエボVIIからの主な改良点は以下のとおりだ。
・4G63型 2L 16バルブ DOHC 4気筒ターボエンジンを改良して、最高出力が40.0kg-mにアップ
・6 速マニュアルクロスミッションを GSR に標準装備。競技ベース車のRSは6速MT仕様と5速MT仕様を設定
・三菱自動車独自のオールホイールコントロールシステム「ACD+AYC+スポーツABS」は、新たに開発した「スーパーAYC」を採用して、さらに優れた運動性能を実現
▲6速MT化に伴い、シフトノブはプルリングタイプの誤操作防止機構を採用■ランサーエボリューションVIII MRの特徴
▲ヘッドライトとリアコンビライトにブラック塗装が施されたランエボVIII MR2004年2月には、ランエボVIIIの熟成モデルとしてMRが登場した。MR は“Mitsubishi Racing”を意味する。ランエボVIIIからの主な改良点は以下のとおり。
・エンジンを細部にわたり改良。低速からのフラットなトルクバンドはそのままに、中から高速域で厚みの増した出力特性に変更
・コアを2段増設した大型のオイルクーラーを採用して冷却性能が向上
・スチール製モノコックボディの国産車では初めてアルミ製ルーフパネルを採用し、ルーフパネルで約4kgの軽量化を実現
・ビルシュタインと共同開発した専用ショックアブソーバーを採用
・「ACD+スーパーAYC+スポーツABS」の強調制御を細かく変更
▲フロントのレカロシートにはショルダーサポート部に発泡樹脂コーティングを施したニットを採用してホールド製が高められている■ランサーエボリューションIX DATA
生産期間:2005年3月~2006年12月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:290万~550万円
▲「GSR」、競技用の「RS」に加え、新グレードとして「GT」が設定されたランエボIX■ランサーエボリューションIXの特徴
▲リアスポイラーはカーボン製の水平翼を中空化することで、重心の高さが下げられた「GSR」と競技用車両である「RS」に加え、中間グレードとして「GT」が新設定されたランエボIX。外観ではVIIIで採用された富士山型のグリルが外されている。
ランエボVIII MRからの主な改良点は以下のとおり。
・「GSR」と同様の遮音性能を向上させたボディに「RS」と同様のターボチャージャーと駆動系システムを採用した新規設定グレード「GT」をラインナップ
・吸気側に連続可変バルブタイミング機構(MIVEC)を採用。高回転域における高い性能を確保しながら、燃費が10・15モードで10km/Lに
・最大トルクが400N・m(40.8kg-m)にアップ。「GT」と「RS」の5速MT車は最大トルクが407N・m(41.5kg-m)に
▲レカロ製フルバケットシートは前面サイドに本革を配置■ランサーエボリューションIX MRの特徴
▲ランエボIX MRでは、フロントバンパー下部の左右エアダム形状が変更されている2006年8月にはランエボIXの熟成モデルとしてMRが登場した。
ランエボIXからの主な改良点は以下のとおりとなっている。
・MIVECの最適化、ターボチャージャーのタービンホイール材質の変更などで従来の性能を上回る発進加速性能を実現
・スプリングレートを高めに変更したアイバッハ製コイルスプリングとビルシュタイン製ショックアブソーバーにより減衰力を最適化
・サスペンションシステムの改良に合わせて、スーパーAYC の左右後輪の駆動力制御量を約10%増大
▲インパネオーナメントとセンターパネルを深みのあるピアノブラック塗装に変更■ランサーエボリューションワゴン DATA
生産期間:2005年9月~2006年12月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:140万~460万円
▲ランエボIXをベースにリアまわりを補強したランサーエボリューションワゴン。6速MTと5速ATが用意された■ランサーエボリューションワゴンの特徴
▲ランエボIXのプラットフォームにランサーワゴンのボディを移植する形で製造されたランエボワゴン。ボディの随所に補強が施され、剛性を高めている2005年9月には、ランサーエボリューションシリーズ初のワゴンモデルが登場。ランエボIXをベースに、剛性の高いワゴンボディが載せられている。
グレードは6速MTの「GT」と、5速ATの「GT-A」が用意された。
6速MTの「GT」は最高出力 206kW(280ps)、最大トルク392N・m(40.0kg-m)。5速ATの「GT-A」は最高出力200kW(272ps)、最大トルク343N・m(35.0kg-m)を達成。どちらも低中速でのトルクが高められた設計になっている。
サスペンションやブレーキなどは、ランエボIXから踏襲された。
▲ランエボワゴンMRではアルカンターラと本革を組み合わせたレカロ製フロントフルバケットシートにレッドステッチが追加された2006年8月、ランエボIXがMR になったのと同じタイミングで、ワゴンもMR に進化。
6速MTを搭載する「GT」はMIVECを最適化し、ターボチャージャーのタービンホイール材質の変更などを施してレスポンス性が向上。内外装にも変更が施されている。
■ランサーエボリューション 第3世代(VII/VIII/IX)の中古車相場
第3世代のランエボの流通量もそれぞれ50台以下だが、選択肢がないという状況ではない。
ランエボVIIは車両本体価格140万円以下のものもあるが、AT仕様の「GT-A」となっている。「GT-A」の流通台数は20台弱で、走行距離は10万km以上のものが中心だ。
ランエボVIIの「GSR」は車両本体価格150万円から探せる。ほとんどの中古車が走行距離10万km以上で、10万km以下のものを探すなら予算300万円以上は見ておきたい。
ランエボVIIIはVII、IXに比べると価格帯はやや低めになっている。走行距離10万km以下で修復歴がない物件でも、予算280万円から探すことが可能。
ランエボVIII MRの中古車流通量は約10台と少ない。中古車は予算290万円から探すことができる。
ランエボIXは低価格帯でも走行距離10万kmをわずかに超えるくらいの中古車を探すことが可能だ。大半の物件が修復歴なしというのも狙いやすいポイントである。
その分価格は高めで、流通量が多いのは総額400万円前後のゾーンになる。
ランエボIX MRはもともとの販売台数が少ないこともあり、流通台数は10台以下。条件が合うものが見つかればすぐにアクションした方がいいだろう。
ランエボワゴンも流通量は20台以下と少ない。多くがAT仕様の「GT-A」と「GT-A MR」で価格帯は140万~280万円となっている。
MT仕様の「GT」と「GT-MR」は360万~460万円と、新車時より高値で取引されており、値下がりは見込みにくい状況だ。
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三菱 ランサーエボリューションワゴン× 全国ランサーエボリューション第4世代(X)の特徴と中古車相場
■ランサーエボリューションX DATA
生産期間:2007年10月~2016年3月
中古車流通量:約130台
中古車価格帯:130万~810万円
▲上品な大人のスポーツセダンへと進化したランサーエボリューションX■ランサーエボリューション第4世代(X)の特徴
第4世代のランサーエボリューションは、Xが長期にわたって製造された。
ランエボXはギャランフォルティスをベースに開発されている。コンセプトは『誰もが気持ちよく安心して高い次元の走りを楽しめる新世代ハイパフォーマンス 4WD セダン』だ。
▲GSRには大型のリアスポイラーを装備。これも上品なデザインになっているIXまでのランエボと最も大きな違いは、クラッチ操作が不要な2ペダルMT“ツインクラッチSST”がメインのモデルになったことである。
これにより、今までランエボに興味をもってはいたがMTだからと敬遠していた人も選びやすくなった。トランスミッションは5速MTとなっている。
エクステリアデザインは、新しい三菱セダンのデザインアイデンティティである逆スラントノーズ+台形グリルのフロントマスクを採用。
エンジンフードとフロントフェンダーには、エンジンルームの熱を効率良く放出するためのエアアウトレットを設置。その奥にはターボチャージャー冷却用のエアスクープが設置されている。
▲最大トルクが43.0kg-mになった2Lエンジンエンジンはギャランフォルティスに搭載されるものをベースに高性能なターボチャージャーを搭載。最高出力は206kW(280ps)、最大トルクは422N・m(43.0kg-m)になる。
▲ツインクラッチSSTのシフトレバー。ステアリングに設置したパドルシフトでもシフト操作が可能。右下のスイッチで走行モードを切り替えるツインクラッチSSTはAT感覚で乗れる“オートシフト”とマニュアル感覚で操れる“マニュアルシフト”を選べる。さらにシフトレバー脇のスイッチで、変速タイミングやアクセルレスポンスなどを「Normal」「Sport」「S-Sport」の 3 つのモードから選択可能になっている。
GSRには三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」が標準装備された。
▲ランエボXのレカロシートは、ホールド製の高さはもちろん快適性や安全性にもこだわり新開発されたグレードはGSRのツインクラッチSSTと5速MT、「RS」が基本になっている。
これに、下記のパッケージオプションがある。
・ハイパフォーマンスパッケージ:アイバッハ製スプリングとビルシュタインダンパーなどを装備
・スタイリッシュエクステリア:バンパー部のグレー塗装やフードエアアウトレットなどで上品な雰囲気に仕上げ
・レザーコンビネーションインテリア:レカロ製レザーシートを装備
・プレミアムパッケージ:上記3つのパッケージオプションをすべて採用したうえで、BBS製アルミホイールを装備
その後、何度かマイナーチェンジや改良が行われている。主要なものは下記のとおりだ。
【2008年10月 マイナーチェンジ】
▲エクステンション部をブラック塗装したリアコンビランプにより引き締まった後ろ姿にこのマイナーチェンジでは上質な雰囲気を高めるとともに、新グレードを設定。主な変更点は以下のとおりである。
・高回転域でのエンジン出力が向上
・キーレスオペレーションシステム、オートライトコントロール、雨滴感応オートワイパーが標準装備に
・スタイリッシュエクステアリア、BBSアルミホイール、アイバッハ製スプリング、ビルシュタインダンパーが標準装備になる「GSRプレミアム」を新設定
▲このマイナーチェンジからキーレスオペレーション(スマートキー)が標準装備に【2009年10月 一部改良】
・新形状のサイドエアダムを採用
・S-AWC の制御量表示、平均車速、燃費などの車両情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイをカラー液晶化
・エンジンヘッドカバーを樹脂化
・GSRプレミアムにクルーズコントロールを標準装備(GSRはオプション)
【2010年10月 一部改良】
・ツインクラッチSSTの制御変更。減速時のスキップシフトが可能に
・セキュリティアラームに車体傾斜検知機能と室内侵入検知機能を追加
・グローブボックス内にUSB端子を設置
【2011年10月 一部改良】
・走行中にアクセルとブレーキペダルを同時に踏んだ場合、ブレーキを優先するブレーキオーバーライド制御を全グレードに採用
・シフトポジションを「R」にすると、ルームミラー内蔵のカラー液晶モニターが後方の様子を映し出す「リアビューモニター付きルームミラー(自動防眩機能付)」をオプション設定
【ランサーエボリューションファイナルエディション】
▲最後のモデルにふさわしい上質で気品あるエクステリアに仕上げられたファイナルエディション2014年3月、三菱はこのモデルをもってランサーエボリューションの生産終了と、特別仕様車であるファイナルエディションの発売を発表した。
このファイナルエディションは1000台限定販売で、発売前に完売となっている。
なお、ファイナルエディションはツンクラッチSST車の販売が終了した後に登場したため、5速MTのみの設定になる。ファイナルエディションの主な特徴は以下のとおり。
・ダーククロームメッキのフロントグリル、グロスブラック塗装のバンパーセンターとボンネットフードエアアウトレットを採用
・ダーク調塗装のBBS製アルミホイールを採用
・ボディカラーにルーフをブラックにした2トーンを設定
・レッドステッチを施したレカロ製レザーコンビネーションシート、ステアリングホイール、シフトノブ、パーキングレバー、フロアコンソールリッドを採用
・新たにナトリウム封入エキゾーストバルブを採用したエンジンを搭載し、最高出力が230kW(313ps)、最大トルクが429N・m(43.7kg-m)に
・ハイパフォーマンスパッケージを標準装備に
・リアトランクに「Final Edition」のエンブレム、フロアコンソールにシリアルナンバープレートを採用
▲ファイナルエディションはシフトノブの前にシリアルナンバーが施される■ランサーエボリューション 第4世代(X)の中古車相場
流通している約130台の中古車のうち、約80台が「GSR」となっている。価格帯は130万~580万円。
新車価格より高い価格になっているのは、最終年式に近いもので走行距離も2万km以内の物件だ。200万円以下は走行距離が10万km前後のものが多い。
プレミアムパッケージ、スタイリッシュエクステリア、プレミアムは流通量がかなり少なくなっている。
アイバッハ製スプリングとビルシュタインダンパーなどを装備するハイパフォーマンスパッケージの中古車は約20台流通していて、価格帯は150万~560万円。低価格帯の中古車はかなり少ないので、こちらに狙いを絞るなら予算350万円以上は見ておきたい。
ファイナルエディションは約10台が流通。これは、シリアルナンバーが付いた記念モデルということもあり、プレミア相場になっている。
価格帯は420万~810万円。新車時価格に近いものはごくわずかで、購入するなら最低でも予算600万円は見ておいた方がよさそうだ。
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三菱 ランサーエボリューションX× 全国※記事内の情報は2021年7月30日時点のものです。

自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
この記事で紹介している物件
三菱
ランサーエボリューション 2.0 GSR VIII 4WD 社外地デジナビ 6MT 4WD HKSマフラー ARCエキマニカバー BRITS車高調 ETC レカロシート 社外エアクリ・シフトノブ・バンパー
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ランサーエボリューション 2.0 GSR VIII 4WD ターボタイマー RECAROシート ENKEIホイル 水温・ターボ後付メーター シフトインジケーター
本体価格265.0万円
支払総額280万円