フィアット 500C▲コンパクトカーのオープンカーには左右のフレームを残したまま、ルーフ部分をボディ下端まで開けられるようにするタイプが多い。写真はフィアット 500C

ルパン三世もジャン・レノもアダム・ドライバーも……
愛車に選んだのはコンパクトオープン

ルパン三世が巧みに操るはキャンバストップのフィアット 500、映画『グランブルー』のエンゾ(ジャン・レノ)もボロボロの屋根開き500だし、身長189cmのアダム・ドライバーが映画『デッド・ドント・ダイ』で乗るのはスマート フォーツーカブリオ……。

屋根の開くコンパクトカーは、アニメや映画によく登場し、乗り手をカッコよく見せてくれる。

そんなオープンコンパクトの中から、10年落ち以内、つまり2011年式以降でも支払総額150万円以下から見つけられる、全長4m以下のモデルを選んでみた。

峠のコーナリングで剛性感のある走りで攻められるホットハッチも確かに楽しいけれど、コーナリングで風を切ってゆったり走れるコンパクトオープンも心地いい。そんな楽しみ方を味わってみてはどう!?

登場以来大きな変更はないから、初期型狙いもアリ
フィアット 500C/アバルト 500C(現行型)

フィアット 500C▲ルパン三世の500よりは大きくなったが、それでも全長は約3.5mと軽自動車並みの大きさ。2016年にマイナーチェンジされるまで約8年間デザインはほぼこの写真のまま
フィアット 500C▲写真は全開にした状態。折り畳まれたキャンバストップがちょこんと後ろに載る、レトロなスタイルがこの車のキャラクターに合っている

2008年に日本へやってきた世界中の人気者フィアット 500(チンクエチェント)。続いて2009年に500Cも追加された。

ルパン三世の愛車で有名な500(ヌォーヴァ・チンクエチェント)は、最初からルーフ前方にキャンバストップが備えられていたが、現行型ではルーフを閉じた500と、ルーフ全体と後部を電動スライド式キャンバストップで覆う500Cの2モデルが用意されている。

これまでに搭載されたエンジンは1.4Lや1.2Lの直列4気筒の他、875ccの2気筒ターボ「ツインエア」がある。トランスミッションは主に2ペダルMTのデュアロジック。2020年に限定モデルで5速MTを搭載したモデルも販売された。10年以上販売されているが、エンジンの種類以外に大きな変更はない。

グッチがデザインを監修した500Cバイグッチをはじめ、特別仕様車が多いのも500Cの魅力のひとつ。また、総額150万円以下でも500Cのハイパフォーマンスバージョンというべきアバルト 500Cも選べる。こちらはシフトレバーの代わりに「N(ニュートラル)/1(1速)/R(リバース)」のボタン式となり、ギアチェンジはパドルシフトで操る。

デビュー時の車両本体価格は237万6000~299万円。原稿執筆時点で2011年式以降でも支払総額50万円ちょっとから狙うことができる。支払総額150万円以内なら2016年式あたりの走行距離5万km未満も十分狙える。

また、新車時329万~339万円だったアバルト 500Cは、2011年~2012年式なら支払総額150万円以内でも射程圏内。

次期モデルはEVになることが予定されている500シリーズ。エンジンを搭載する500(チンクエチェント)も間もなく終了!? 今のうちに乗っておきたい1台だ。

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フィアット 500C(初代)/アバルト 500C(初代)×総額150万円以内×2011年式以降×全国

▼検索条件

フィアット 500C(初代)/アバルト 500C(初代)×全国

優しい顔をして実は6速MTが標準だった硬派モデル
シトロエン(DSオートモビル) DS3カブリオ(初代)

DS3カブリオ▲デビュー時のキャンバストップの色は黒と青、そしてブランド品のような「DSモノグラム」なる柄が用意された。写真は2015年10月時点
DS3カブリオ▲キャンバストップの開閉時間は16秒。しかも120km/hまでなら走行中でも開閉可能だ。写真はデビュー当時のもの

当時のシトロエン C3の兄弟車として2010年に登場したのが、ハッチバックのDS3。さらに、DS3のオープンカーとして2011年に加えられたのがDS3カブリオだ。

この頃のDSはまだシトロエンの新ラインという位置付けだったが、2015年(本国では2014年)から独立した「DSオートモビル」ブランドになった。そのため、カーセンサーnetでは「シトロエン DS3カブリオ」「DSオートモビル DS3カブリオ」と分けているが、基本的には同じ車である。

C3が5ドアなのに対しDS3は3ドアハッチバック。DS3カブリオは上記500C同様、ボディ後端まで下がる電動スライド式キャンバストップを備えるため、リアがトランクになるので2ドアとなる。

搭載されたエンジンは、C3はもちろん、プジョー 207にも採用されたBMWとの共同開発による1.6Lターボ。これに、何と6速MTが組み合わされた。意外と硬派なのだ。

さすがに、2015年11月に1.2Lターボ×6速ATも追加され、2016年6月には1.6L×6速MTモデルはラインナップから外れた。なお、2015年2月から衝突被害軽減ブレーキシステムが搭載されている。

デビュー時の車両本体価格は311万円。原稿執筆時点では走行距離が約10万kmなら支払総額100万円から、5万kmなら150万円前後から狙うことができる。

なお、高年式(2015年式以降)にあたるDSオートモビル DS3カブリオの1.2Lターボ×6速ATも支払総額150万円以内で狙えるため、合わせてチェックするのが良さそうだ。

▼検索条件

シトロエン DS3カブリオ/DSオートモビル DS3カブリオ(初代)×総額150万円以内×全国

▼検索条件

シトロエン DS3カブリオ/DSオートモビル DS3カブリオ(初代)×全国

ベンツが開発したマイクロオープン、ブラバスモデルも射程圏内
スマート フォーツーカブリオ(2代目)

スマート フォーツーカブリオ▲全長約2.7m×全幅約1.6mというコンパクトボディで室内では左右の乗員の肩が触れるのを避けるため、助手席が少し後ろにズレている
スマート フォーツーカブリオ▲Bピラー上に転倒時の乗員の安全を確保するためのロールバーが備わる。全開にした際、写真のようにルーフレールを取り外せる。外したトランクにしまうこともできる

全長3mに満たない2人乗りシティコミューターとして一躍注目されたスマート。ダイムラー・クライスラー社(現ダイムラー)と、低価格な時計で有名なスオッチ社とで合弁会社を設立し開発された。

モノフォルムパッケージをもつフォーツーの初代は2000年12月から日本でも販売され、2007年10月に2代目へと切り替わった。

今回のターゲットはこの2代目のオープンカー、カブリオだ。ちなみに初代登場前後にスウォッチ社が撤退している。

2代目は、当時ダイムラー・クライスラー社と提携していた三菱自動車の1Lエンジンが採用された。これがリアに搭載されて、5速2ペダルMTが組み合わされる。初代同様後輪を駆動させるRRだ。

2008年には、アイドリングストップ機能を備え燃費が向上。2012年5月には、1Lターボエンジンに切り替わった。また、これより先の2008年以降は、ブラバスがチューンしたターボエンジン搭載の特別限定車がラインナップするようになっていた。

冒頭でアダム・ドライバーの話をしたが、映画で彼が運転していたのはまさにこの2代目カブリオ。ルーフ部分は電動ソフトトップで、全開にするとトランクの上にちょこんと折り畳まれるのは上記2台と同様。

デビュー時の車両本体価格は205万円。原稿執筆時点で2011年式以降でも支払総額100万円以下から狙える。走行距離はほとんどが5万km前後で、ハイパワーのブラバスモデルも支払総額150万円で探すことができる。

▼検索条件

スマート フォーツーカブリオ(2代目)×総額150万円以内×全国

▼検索条件

スマート フォーツーカブリオ(2代目)×全国
文/ぴえいる、写真/フィアット、シトロエン、スマート

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。