マークXジオ▲ミニバンとステーションワゴン、そしてセダンを融合する新ジャンルの車として生まれたマークXジオ

トヨタ マークXジオの中古車は今

トヨタ マークXジオは、ミニバンとステーションワゴンが融合した、希なキャラクターの車だ。

3列シートの6人乗り、7人乗り、そして2列シートの5人乗りという3つの仕様のモデルが存在する。

同社イプサム、ウィッシュなどのミニバン人気が落ち着いてきた2007年9月に誕生し、他にはない個性が求められた時代だった。発売開始から6年強で販売が終了し、1世代のみのモデルとなった。

販売終了から7年以上経過しているが、中古車では200台以上が流通していて平均価格も50万円を切っており、まだまだ魅力的なモデルと言える。

ここではマークXジオの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していく。

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マークXジオ(初代)の特徴と中古車相場

■マークXジオ(初代) DATA
生産期間:2007年9月~2013年11月
中古車流通量:約230台
中古車価格帯:10万~160万円
 

マークXジオ ▲他のミニバンとは一線を画す、丸みを帯びたフォルムが特徴的

■マークXジオ(初代)の特徴
マークXジオ最大の特徴は、何といっても「4+Free(フォー・プラス・フリー)」というコンセプトで開発されたシートアレンジだ。

3列シートを備えながら、サードシートは必要最小限の作りにとどめ、代わりにセカンドシートの居住性、荷室の使い勝手を良くしている。デビュー当初は、セカンドシートをキャプテンタイプとした「2-2-2」の6人乗り仕様(「240G」、「350G」)と、「2-3-2」の7人乗り仕様(「240」、「240F」)が設定された。

サードシートは未使用時、荷室床下にすっきり収まる構造となっている。

マークXジオ ▲3列目シートを倒せばフラットで広い荷室をつくることができる

ボディサイズは全長4695mm × 全幅1785mm × 全高1550mm(FF仕様)。頭上空間に余裕をもたせたパッケージとしながら、立体駐車場にギリギリ入る全高としているのがポイントだ。

骨格はプリウスα、ハリアーなどにも使われたFFベースの新MCプラットフォームを採用。本家のマークX(セダン)はFRベースだったが、こちらは居住空間を優先してFFベースとされた。

それでも「マークX」を名乗るのは、セダンの上質感、乗り心地をミニバンライクなパッケージの中で実現した新しい時代のサルーン……という役まわりを与えられたからにほかならない。
 

マークXジオ ▲2列目が2座になる6人乗り仕様では、2列目にアームレストを設置して快適性の向上が図られている

搭載されたエンジンは2.4L 直列4気筒ガソリンと、3.5L V6ガソリンの2種類で、前者がCVT、後者が6速ATのトランスミッションを搭載。この構成はデビューから生産終了まで共通だ。

2.4LにはFFの他、フルタイム4WDも用意された。

デビュー時のグレードは、「240」「240F」「240G」「350G」の4種類。

2009年には、ドアミラー一体型のサイドターンランプやステアリングオーディオスイッチを標準装備として追加するとともに、フロントバンパーやフロントグリルなどを専用デザインとした「エアリアル」がグレードに加えられた。

2010年7月には、3列目のシートを廃して5人乗り仕様とした「240ファイブスタイル」を追加。他グレードでサードシートが格納される部分は収納スペースになっている。

マークXジオ ▲デビュー当時はコンベンショナルなデザインだったが、2011年2月のマイナーチェンジでフロントマスクの印象が大きく変わった

外観で大きな変化があったのは2011年2月で、フロントグリルやアルミホイールなどのデザインを全面的に変更。エアリアルもよりスポーティな顔つきとなった。

同時にインテリアはシート表皮が変更され、「350G」に新たに本革巻き+木目調ステアリング、本革巻き+木目調シフトノブを採用し、高級感を向上させた。
 

マークXジオ ▲FF車の全高は1550mmで、立体駐車場に収まる高さとなっている

■マークXジオ(初代)の中古車相場
生産終了からすでに7年以上経過していることもあり、現在の中古車平均価格は50万円を切っている。流通量はまずまず豊富で、デビュー年とその翌年に過半数が集中している。

約6年のモデルライフの中で、走行性能などの機能面において大きな変化のなかったマークXジオ。そのためか、価格帯は前期でも後期でもさほど大きな差はない。

よって外観が大きく変わった、2011年2月のマイナーチェンジ以降モデルを本命にするのがいいだろう。予算80万円あれば、選択肢を確保することができる。

一方、最安値帯は総額30万~50万円。マイナーチェンジ前の前期型や走行距離7万km以上のものが多いが、中には5万km台という物件もヒットする。

乗車人数別に見ると、3列シート仕様がベースのモデルゆえ、7人乗りが約130台、6人乗りが約80台と大半を占め、2列の5人乗りは10台弱しか流通していない。

「4+Free」のパッケージこそ個性的だが、メカニズム的には特に複雑なものは採用されていないマークXジオ。それゆえに信頼性は高いが、2.4Lエンジン(2AZ-FE型)搭載車についてはエンジンオイルの消費量が増える現象が発生しており、新車からの保証期間を9年に延長したうえで無償修理対応している。

最終年式の物件であっても2022年まで(新車登録日から9年)の対応なので、中古車購入時は修理してあるかチェックし、されていない場合は正規ディーラーで修理してもらおう。

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※記事内の情報は2021年6月25日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/トヨタ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。