【トヨタ ウィッシュの中古車を買うなら?】世代ごとの相場やグレードなどまとめ
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / ミニバン / クルマを選び始めた人向け / ウィッシュ / 人気中古モデル徹底ガイド / 田端邦彦
2021/03/07
トヨタ ウィッシュの中古車は今
2000年代初頭のミニバン・ブームで立役者となったトヨタ ウィッシュ。5ナンバーに収まるコンパクトなボディ(3ナンバーもあった)に3列シート、それでも走りはスポーティという個性派。現在のミニバンで主流の後席スライドドアではなく、ヒンジ式ドアとして全高を低く抑えているのも特徴だった。
初代ウィッシュは全高を抑えたスタイリッシュな、3列シートミニバンとして大人気になったモデル。ただし、生産終了からすでに10年以上経過しているため、現在の流通量は多くない。中古車市場では1.8Lエンジン搭載車が中心だ。
2代目ウィッシュは最終生産年が2017年と比較的新しく、走行距離の少ない良質な物件が数多く見つかる。オートエアコンなどの快適装備、エアバッグなどの安全装備も充実しているモデルだ。
ここではウィッシュ各世代の特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していこう。
▼検索条件
トヨタ ウィッシュ × 全国ウィッシュ(初代)の特徴と中古車相場
■ウィッシュ(初代) DATA
生産期間:2003年1月~2009年3月
中古車流通量:約180台
中古車価格帯:10万~70万円
■ウィッシュ(初代)の特徴
ホンダ ストリームへの対抗馬としてトヨタが放ったスポーツ・ユーティリティ・ミニバン。同社の4ドアFFセダンであるプレミオのプラットフォームをベースとし、キャビンフォワード化したのが初代ウィッシュだ。
エンジンを車体前方に横置き配置し、前席も前方に配置することで広いキャビンスペースを生んでいる。競合車には後席スライドドアを採用するモデルもある中で、ウィッシュはあえてヒンジ式ドアを採用。
また、外観はシンプルなモノフォルムとした。一見、3列シートが収まっているとは思えないスッキリとしたいでたちが特徴となっている。
1300kgというミニバンとしては軽量なボディ(前期1.8 X FF)と全高を抑えた設計により、走りもスポーティだ。エンジンには1.8L 直列4気筒ガソリンと2L 直列4気筒ガソリンの2種類を設定。ともにVVT-i(トヨタの可変バルブタイミング&リフト機構)搭載で、後者には直接筒内噴射技術(D-4)も採用されている。
トランスミッションは1.8Lエンジンが4速AT、2LエンジンにはCVTが搭載され、一部グレードには当時のミニバンとしては珍しく、スポーツシーケンシャルシフトマチックが備わった。
グレードは2003年1月のデビュー当初、エンジンは1.8Lエンジンのみ、7人乗り「X」を基本に2種類のパッケージを設定するシンプルな構成でスタート。その3ヵ月後に2.0Lエンジンを搭載する「G」と「Z」が追加された。
「Z」はオーバーフェンダー、17インチタイヤ、スポーツシーケンシャルシフトマチックを搭載するスポーツモデルで、2列目がキャプテンシートの6人乗り仕様となっている。
初代ウィッシュにおける大きいマイナーチェンジは2005年9月。ヘッドランプがプロジェクター化、ブレーキランプがLED化され、フロントバンパーなどの外装デザイン、内装デザインも変更されている。また、1.8L FF車にシーケンシャルシフトを搭載、2L車のシーケンシャルシフトのマニュアルモードが6速から7速に変更されるなど、機能面でも改良された。
■ウィッシュ(初代)の中古車相場
かつて大ブームと言えるほどの人気を誇った初代ウィッシュだが、現在の中古車市場における流通量は今や多くない。最終生産から11年以上経過していることもあり、中古車平均価格は約25万円とかなり低い水準だ。
分布を見ると、全流通量の9割方が1.8L車に集中しており、2.0L車はごくわずか。初度登録年で見ると大規模マイナーチェンジ前となる2005年以前の前期型は少なく、後期型の方が多い。1.8L車(FF)も2.0L車もこのMCを境にトランスミッションが進化しており、外観や内装も断然、洗練されているので、後期型を選んでおいて間違いないだろう。
オススメは「1.8 X」グレードの後期型で、できるだけ走行距離の少ないもの。「エアロスポーツパッケージ」や特別仕様車「Xリミテッド」なら、ヘッドランプがディスチャージ式となるなど装備内容も現代的だ。
▼検索条件
トヨタ ウィッシュ(初代) × 全国ウィッシュ(2代目)の特徴と中古車相場
■ウィッシュ(2代目) DATA
生産期間:2009年4月~2017年10月
中古車流通量:約740台
中古車価格帯:20万~180万円
■ウィッシュ(2代目)の特徴
大ヒットを記録した初代だったが、その後、市場は変化し、ワンボックス・タイプの走行性能が進歩してミニバンの主流になりつつあった。そんなタイミングで登場したのが、この2代目ウィッシュだ。
スポーツ路線だった初代の外観、内装に対して、2代目は伸び伸びした印象のデザインに。キャビンフォワード・レイアウト、5ナンバーを基本としたコンパクトなボディサイズ、全高を抑えたフォルムなど初代のキャラクターは踏襲したうえで、ミニバンらしさがより強調されている。
2代目ウィッシュの特徴は、何といっても装備の充実度だ。オートエアコンは全車標準装備。多くのグレードではアルミホイールも標準装備されていた。
エンジンのラインナップは初代と同じ1.8L直4ガソリンと、直噴2.0L直4ガソリンだが、トランスミッションを全車7段マニュアルモード付きのCVT「Super CVT-i」とすることで燃費を最大約15%も向上(初代比)している。
また、車両姿勢を制御するS-VSC、サイド&カーテンシールドエアバッグ、運転席&助手席のアクティブヘッドレストを全車に標準装備するなど、安全装備も大幅に充実した。
グレード展開は2009年4月のデビュー当時、ベーシックな「1.8 X」、ディスチャージヘッドランプなどの充実した装備をもつ「2.0 G」、エアロボディをまとい3ナンバーサイズとなる「1.8 S」、オーバーフェンダーを装着し、走りを重視した「2.0 Z」の4種類でスタート。
このうち、「2.0 Z」のみが2列目キャプテンシート採用の6人乗り仕様、他は2+3+2の7人乗り仕様となる。
モデルライフを通じてCVTやバッテリー、オルタネーターの制御改良などは何度か行われたが、比較的大きなマイナーチェンジと言えるのは2012年4月。これ以降に生産された後期型はフロントグリルにメッキのアクセントラインが入り、ブレーキランプがLED式に、ドアミラーにサイドターンランプが内蔵されるなど、外観のお色直しがされている。
同時にグレード展開も見直され、「2.0 G」のエンジンを1.8Lに変更して「1.8 G」に、さらに「1.8 X」をベースに装備を厳選したエアロ仕様「1.8 A」を追加。このグレードは「1.8 X」と「1.8 S」の中間的グレードとなっている。
このように、後期型では1.8Lエンジン搭載のグレードが大幅に拡充され、そのほとんどが3ナンバーボディとなり、2.0Lエンジン搭載車は「2.0 Z」のみとなった。
■ウィッシュ(2代目)の中古車相場
販売期間約8年半という、ミニバンとしてはかなりのロングセラーモデルだった2代目ウィッシュ。そのため流通量が多く、カーセンサーへの掲載台数も700台以上と多めの数字になっている。
中古車平均価格は60万円前後とこなれているが、これは流通量の中心が2009~2012年式と比較的古い年式であるため。これ以降の後期型では70万~110万円台がボリュームゾーンとなり、年式に応じて順当に価格帯が上方に推移している。
数年前まで生産されていたモデルであり流通量が多いため、走行距離5万km未満の物件も多数存在する。年式を考えると、外観がリフレッシュされた2012年MC以降の後期型が妥当な選択となるはず。
ただし、必ずしも後期型にこだわる必要はないように思う。前期型と後期型で大きく異なるのは外観とグレード展開、一部グレードでCVTにスポーツモードが付いたこと、2列目シート中央席のシートベルトが2点式から3点式に変更されたこと。エンジンなどの基本性能は変わっていない。使い方によっては前期型で十分、という人もいるだろう。走行距離の少なさを優先したい。
オススメは1.8Lエンジン搭載で装備が充実した「1.8 S」。「1.8 G」、「2.0 G」あたりも魅力的なグレードだが、流通量は両グレードとも数十台程度とかなり少ない。
▼検索条件
トヨタ ウィッシュ(2代目) × 全国※記事内の情報は2021年6月22日時点のものです。
【関連リンク】
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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