ホンダ ストリーム▲背の高いスライドドアミニバンが主流の中で、走りにこだわったコンパクトミニバンとして支持を集めたストリーム

ホンダ ストリームの中古車は今

スポーティな走りを楽しめるコンパクトミニバンとして、人気の高かったストリーム。2000年から2014年まで、2世代にわたり生産された。

ベースは3列シートを備える7人乗りで、2代目では2列目が2座になった6人乗りや、3列目を廃した5人乗りも追加された。

初代は、大半が予算50万円で購入できる物件。しかし、生産終了から約15年が経過していることもあり、中古車流通量が激減している。街で見かけることも少なくなったため、「他人とは違うミニバンに乗りたい」という人のニーズには応えられるだろう。

2代目は、ほとんどの物件が予算100万円で購入可能で、50万円以内のものも多い。全体流通量は約500台あり、人気のスポーツグレードである「RSZ」も探しやす状況だ。

ここからは各世代に分け、オススメの選び方や特徴、中古車相場について紹介する。
 

 

ストリーム(初代)の特徴と中古車相場

■ストリーム(初代)DATA
生産期間:2000年10月~2006年6月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:10万~50万円
 

ホンダ ストリーム ▲曲線的なボディラインで、クーペのような雰囲気が演出されている初代ストリーム

■ストリーム(初代)の特徴
当時、ホンダの人気ミニバンだった、オデッセイの弟分的な存在としてデビューしたストリーム。特徴は、5ナンバーサイズに収まるコンパクトボディに3列シートを配置したことと、全高を低めに設定して重心を低くし、高い走行性能が与えられたことだ。

この全高を低くしたデザインにより、見た目はミニバンというよりもステーションワゴンのような印象で、リアに向かってなだらかに傾斜していくスポーティなフォルムは当時、好評を得た。

後部座席のドアはスライドドアではなく、ベーシックなヒンジ式を採用。3列目シートはスペースが広くないため、どちらかというと「短時間、人を乗せることになった時用」の座席と考えた方がいいだろう。ただし、2列目席に前後240mmのスライド機構が付いているので、3列目に人が座るときは足元空間の調整が可能だ。

シフトノブをインパネシフトにしたことで、1列目は左右のウォークスルーができるようになっている。また1列目席は、サポート性に優れたスポーティなシートが奢られた。
 

ホンダ ストリーム ▲1列目席はホールド性に優れた形状。3列目席は補助席的な位置付けだった

搭載エンジンは2種類。「L」と「G」は1.7L VTEC、「iS」と「iL」は2L DOHC i-VTECになる。2Lは最高出力113kW(154ps)を発揮する、スポーティなエンジンだ。燃費はどちらも14.2km/Lとなっている(10.15モード)。

「iS」と「iL」のFF車のトランスミッションは、クラス初となるマニュアルモードのSマチックが付いた5速ATが採用された。

2003年9月のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインを一新。1.7L車には、専用のスポーツチューンドサスペンションと、高剛性ボディを採用したグレード、「アブソルート」が加わった。このタイミングでディスチャージヘッドライトを「S」、「S Sパッケージ」、「アブソルート」に標準装備している。

同年12月には、新開発の2.0L DOHC i-VTEC Iエンジンを搭載した「2.0 アブソルート」を追加。トランスミッションは、7速MTモード付きのCVTになる。
 

ホンダ ストリーム ▲フロントデザインが大きく変わった2003年9月以降の後期型。このタイミングでスポーツグレードの「アブソルート」が設定された

■ストリーム(初代)の中古車相場
初代ストリームの中古車は、流通量がかなり少ない。現在流通する約10台中、大半が後期型となる。

後期型の多くは「2.0 アブソルート」で、どれも予算50万円で手に入れられる。ストリームらしい軽快な走りを味わいたい人にオススメだ。

価格重視なら最安値帯に流通する前期型となるが、大人数で乗車する機会が多いなら、2Lエンジン搭載車の方が安心できるだろう。
 

▼検索条件

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ストリーム(2代目)の特徴と中古車相場

■ストリーム(2代目)DATA
生産期間:2006年7月~2014年5月
中古車流通量:約500台
中古車価格帯:10万~110万円
 

ホンダ ストリーム ▲横長のヘッドライトが採用された2代目ストリーム

■ストリーム(2代目)の特徴
縦長ライトから、横長ライトのシャープなイメージに変貌を遂げた2代目ストリーム。ボディ全体も塊感のあるスタイルになった。

ボディサイズは、5ナンバーとなる全幅1695mmをキープ。一方で、全高を1545mmに抑えたことで、一般的な立体駐車場に入庫できるようになっている。3列シートのミニバンでありながら、ステーションワゴン感覚で乗れるというのが、最も大きな魅力のひとつだ。
 

ホンダ ストリーム ▲初代よりも2列目と3列目の乗員間距離が拡大されたことで、3列目に座りやすくなった

ホイールベースを先代よりも20mm拡大するとともに、運転席のペダルレイアウトを調整して2、3列目の乗員間距離を拡大。特に3列目の居住空間が広がったことで、初代よりも3列目席に座りやすくなり、快適性が向上している。

さらに、フロアの凹凸を徹底的になくしたことで、ゆったりした姿勢で移動できるようになったのも、大きな評価ポイントだろう。
 

ホンダ ストリーム ▲フラットフロアにより、足元のスペースが拡大

パワートレインも刷新され、新開発の2L i-VTECと1.8L i-VTECという2種類のエンジンを用意。トランスミッションは1.8Lと2Lの4WDが5速AT、2Lの2WDはCVTになる。

さらに、スポーツグレードの「RSZ」には、パドルシフト付きの7速MTモードが備えられ、「ミニバンであっても、スポーティなドライビングを楽しみたい」というニーズにもしっかり対応した。他にも専用チューニングを施した足回りやリアスタビライザー、17インチタイヤなどが奢られ、スポーティ性が高められている。

2009年6月のマイナーチェンジでは、前後サスペンションを熟成させて乗り心地や応答性、走行安定性を向上させるとともに、静粛性も高められた。

また、このタイミングで2列シート仕様の「RST」を追加設定。専用チューニングしたサスペンションを採用し、さらに3列シート仕様よりも軽量化されたことでハンドリング性能が高められている。
 

ホンダ ストリーム ▲2列目中央がセンタートレイになったことで、6人乗りに変更された最終型ストリーム

2012年4月の仕様変更では、乗車定員を7名から6名に変更。2列目席にセンタートレイを設置したことで、後部座席の快適性向上を図っている。同時に、VSA(車両挙動安定化制御システム)が標準装備になった。
 

■ストリーム(2代目)の中古車相場
流通している6割以上が、予算50万円で購入可能。最安値帯は総額30万円前後となるが、このゾーンは前期型の比率が高く、多走行車が多い。

40万円プラスαまで予算をアップできれば、ベーシックな「X」を中心に、走行距離5万km以下の物件も見つけることができるようになる。コスパ重視ならこのあたりに注目したい。
 

ホンダ ストリーム ▲見た目も走りもスポーティな「RSZ」

ストリームらしい、スポーティな走りを味わいたい人には「RSZ」がオススメ。パドルシフトによるシフト操作を楽しみたいなら、2Lエンジン搭載の「2.0 RSZ」を、5速ATのスムーズな加速感を楽しみたいなら「1.8L RSZ」を探してみよう。

「2.0 RSZ」はナビなどが装備された特別仕様車も含め、約60台が流通している。価格帯は総額30万~80万円で、そのゾーンに広く分布している状況だ。中には走行距離4万km台の物件も。一方の「1.8 RSZ」の流通量は約170台と多い。こちらの価格帯も、「2.0 RSZ」と同程度となっている。

2列目シートの快適性を重視するなら、2列目にセンタートレイを装備した2012年4月以降の6人乗りモデルがオススメ。流通台数は少ないが、年式が比較的新しいこともあってか多走行車は少ない。総額70万~100万円が予算の目安だ。
 

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ホンダ ストリーム(2代目)× 全国

※記事内の情報は2021年6月18日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ホンダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL