支払総額200万円で狙う! 今後ますますレアになっていくであろう、ディーゼルエンジン搭載のセダン
2020/10/12
ディーゼルセダンは希少車種になる!? 楽しめるウチに乗っておこう
日本では2012年に登場したマツダ CX-5(初代)でディーゼルエンジンの人気に火が付いたと思ったが、現在ディーゼルエンジンを搭載する国産車はマツダ以外に、三菱とトヨタしかなく、しかもSUVとミニバン、そして商用バン程度。
一方、ディーゼル先進国といわれていたヨーロッパでは、厳しい排ガス基準「ユーロ6」をクリアしたクリーンディーゼル搭載車がようやく日本にも登場してきたと思われた矢先、cafe(Corporate Average Fuel Economy)規制によって、ガソリン・ディーゼルといった内燃機関ではなく、電動化に進まないとマズい!って方向に。
つまりせっかく低燃費で、日本では燃料費も安く、高トルクだからアクセルをあまり踏まずともスーッと進むなど、メリットがたくさんあるのに、このままじゃいつしか乗れなくなる!? なんて状況だ。
低燃費・低燃料費・高トルクの恩恵を受けるのは、何もSUVやミニバンだけじゃない。例えば、セダンなら旅行や通勤、買い物などはもちろん、フォーマルな場にだってピッタリだ。
そんなディーゼルセダン、以前はマツダ アテンザぐらいしか選択肢がなかったが、今はBMWやメルセデス・ベンツのセダンも支払総額200万円以下から選べるようになってきた。
電動車はやがて世の中の主流になるだろうから、いずれは乗れるはず。むしろ、乗れなくなる前に、ディーゼルの美味しさを、お手頃価格になってきた今のうちに味わおう。
デビューが古く、改良が多いだけに、購入時の年式に注意を
マツダ アテンザ(3代目)
マツダのフラッグシップとして、2012年11月に登場したアテンザ。4Lガソリン車並みのトルク420N・mを発揮する2.2Lディーゼルエンジンを主力に、2Lと2.5Lガソリン車も用意されたが、原稿執筆時点で中古車を見ると、全掲載台数279台中、7割以上の206台がディーゼル車。ディーゼルが絶対的支持を得ていることがうかがえる。
デビュー時の燃費は、ハイブリッド車を除けば3ナンバー車トップとなる20.0km/L(6速AT)と22.4km/L(6速MT、いずれもJC08モード)。
衝突被害軽減ブレーキを含む、先進安全機能のアイ・アクティブセンスもデビュー時から用意されていたが、2013年には低速時の衝突被害軽減ブレーキのみ全車に標準装備となった。
2014年にはアイ・アクティブセンスの機能向上が図られ、自動防眩機能を備えたLEDヘッドライトや、レーンキープアシスト機能、後退時誤発進抑制機能などが加えられた。
2014年末のマイナーチェンジ(発売は2015年から)では、静粛性の向上やシートのクッション素材変更など、フラッグシップとしての性能向上が図られた。
さらに、2016年8月にはスムーズにコーナリングできる「Gベクタリングコントロール」機能が追加され、静粛性はさらに向上、衝突被害軽減ブレーキは歩行者も検知可能になった。
2017年8月には全車に高速域からの衝突被害軽減ブレーキ機能を含むアイ・アクティブセンスが標準装備され、2018年5月に最後のマイナーチェンジが行われた後、2019年8月にマツダ6へと名称変更された。
デビュー時のディーゼル車の車両本体価格は、290万~340万円。
原稿執筆時点(2020年10月8日)では、支払総額200万円以下で200台近くあり、100万円以下でも十分見つかる。上記のとおり毎年のように改良が行われているので、購入時には事前に改良点などをチェックしよう。
▼検索条件
マツダ アテンザ(初代)×ディーゼル×総額200万円以下×全国低速からの力強い“駆けぬける歓び”を、支払総額約100万円から
BMW 3シリーズセダン(F30型)
旧型となるF30型3シリーズセダンが日本デビューしたのは、2012年1月。最初は2Lガソリンターボの328iから導入され、同年4月に同じく2Lガソリンターボの320i、7月にハイブリッドモデルと続いて、8月に2Lディーゼルターボの320dが追加された。
最大トルクは328iをしのぐ380N・m。8速ATが組み合わされ、JC08モード燃費は19.4km/Lとなる。1750回転という低回転から最大トルクを発生し、段差の少ない8速ATということもあって、スタート時から非常にスムーズかつ力強く加速する。
2013年8月には3シリーズ全車に衝突被害軽減ブレーキが標準装備されると、直後の同年9月には歩行者も検知するように。同時に車線をはみ出そうとしたり、歩行者に近づくと警告が発せられるようになった。
さらに2014年8月には、完全停止を含む先行車追従型のアクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)が3シリーズ全車(MT車を除く)に標準で備わった。
2015年のマイナーチェンジでは、ガソリンエンジンに改良が加えられたが、ディーゼルエンジンに大きな変更はない。ただしダンパー特性の変更など足回りが変更され、よりリニア感のある走りを楽しめるようになった。
2016年5月には400N・mを発揮する新しい2Lディーゼルターボエンジンに切り替わり、JC08モード燃費も21.4km/Lに向上している。
デビュー時の車両本体価格は、内外装の装備の違いで470万~514万円。
原稿執筆時点では旧型3シリーズセダン全掲載台数700台中、約4割にあたる294台がディーゼル車だった。支払総額100万円前後から狙え、支払総額200万円以下では100台近く見つかる。ほぼマイナーチェンジ前のモデルとなる。
▼検索条件
BMW 3シリーズ(F30型)×ディーゼル×総額200万円以下×全国街中ではディーゼルの力強さと5シリーズの静粛性が光る
BMW 5シリーズ(F10型)
6代目となる旧型F10型5シリーズは、2010年3月に3Lガソリンの528iと4.4Lガソリンの550iでまず日本に登場した。さらにガソリン車のバリエーション増やされ、ハイブリッドモデルも追加された後、2012年8月に最大トルク380N・mを発揮する、3シリーズと同じ2Lディーゼルターボを搭載した523dが加わった。
8速ATが組み合わされ、JC08モード燃費は16.6km/Lと、当時のハイブリッドモデルの13.6km/Lをしのぎ、5シリーズの中で最も低燃費となる。
車格が上ということもあり、3シリーズよりもさらに静粛性が高く、ディーゼルエンジン特有のカラカラとした音や振動はほぼ車内に伝わってこない。
市街地ではディーゼルが得意とする低回転域のみでほとんど済み、非常にジェントルな振る舞いだ。アクティブステアリング(速度域に応じて前後輪が微妙に逆を向く)が標準装備されるので、全長4910mmという大柄なボディでも取り回しがしやすく、一方で高速での直進性はビシッと定まり、コーナリングは心地いい。
翌2013年9月にはマイナーチェンジを受け、内外装のデザインが変更された他、歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキが全車に標準装備された。さらに、同年11月にはカメラを併用した衝突被害軽減ブレーキシステムに切り替わり、精度が増した他、523dにも完全停止を含むアクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)が備わった。
2.5L直4ターボの523iの最大トルク350N・mをしのぎ、3L直6ターボの535iの400N・mに肉薄する380N・mの2Lディーゼルターボだが、5シリーズを求める人はハイパワーを重視するようで、523dは原稿執筆時点で全320台中66台と約2割しかない。それでも支払総額200万円以下で20台以上が見つかる。
▼検索条件
BMW 5シリーズ(F10型)×ディーゼル×総額200万円以下×全国5Lガソリン車並みの540N・mでラグジュアリーに走れる
メルセデス・ベンツ Eクラス(W212型)
この1世代前、旧々型Eクラスで国産車よりも早くクリーンディーゼルを投入したEクラス。2009年5月に登場した旧型Eクラスにも、もちろん3Lディーゼルターボを搭載したE350ブルーテックが2010年2月に追加された。
7速ATが組み合わされ、最大トルク540N・mは5Lガソリン車並みで、10・15モード燃費は13.2km/Lと2Lガソリン車並みだと同社はアピールした。
2013年5月にマイナーチェンジが行われ、最大トルク620N・mに向上した新型3Lディーゼルターボに切り替えられた。エンジンストップ機能が備わり、JC08モード燃費は18.5km/Lとなる。同時に歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ機能や完全停止も含むアダプティブ・クルーズ・コントロール機能、車線内をスムーズに走るようステアリング操作をアシストする機能などを含む「レーダーセーフティパッケージ」が用意され、E350ブルーテックはオプションで設定された。
さらにモデル末期となる2015年3月に、2.2Lディーゼルターボを搭載するE220ブルーテックが追加された。最大トルクは400N・mで、JC08モード燃費は18.6km/Lとなる。
デビュー時のE350ブルーテックの車両本体価格は798万円。こちらも5シリーズ同様、ディーゼル搭載車は全281台中52台と2割程度。原稿執筆時点で支払総額100万円以下から見つかり、支払総額200万円以下では10台ほど見つかった。ほとんどがE350ブルーテックだが、後期型やE220ブルーテックも狙える。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラス(W212型)×ディーゼル×総額200万円以下×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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