セダン、ハッチバック狙いの人、必見! 人気の「リーフ」「クラウン」「プリウス」はどれを買えば安全装備が付いてる?
2019/08/24
人気モデルトップ3の安全性能【セダン・ハッチバック編】
自動車メーカーのたゆまぬ技術開発により、走りや乗り味、快適性など自動車はあらゆる面で進化を遂げています。
数年前までは、ハイブリッドカーが普及し、その後2009年にエコカー減税もスタートしたことで、燃費性能が注目されていました。
そして現在、メディアで様々な交通事故のニュースが流れていることから、
人々が大きな関心を寄せているのが先進安全装備でしょう。
交通事故をゼロにする、これはドライバーを含めた車に関わる人、みんなの悲願です。
そのために、自動車メーカーやサプライヤー、国、自治体などが技術開発やインフラ整備、啓発活動などを行っています。
そして現在、販売されている多くの車に先進安全装備が搭載されるようになりました。
自分が事故の当事者になるリスクを減らすため、
そして何より歩行者などを事故の被害者にしないために、先進安全装備が付いた車への乗り替えを考えている人も多いはず。
2019年現在、新車だけでなく中古車でも様々な先進安全装備が付いた車を選べるようになりました。
ただ、先進安全装備はその性能が常に進化しているため、
よくわからずに中古車を選ぶと機能は付いているけれど
自分が求めていた性能のものではなかったということになる可能性があります。
そこで、特に衝突被害軽減ブレーキで人を検知できるようになったのはいつかを中心に、人気車種の安全性能を振り返ってみましょう。
この記事では、【セダン・ハッチバック編】と題して軽自販連のデータを基に、2018年販売台数ランキングトップ3車種をピックアップして調べてみました。
また、「サポカー」「サポカーS」は、経済産業省と国土交通省が推進する高齢運転者による交通事故対策の一環として推進する愛称ですが、
それの搭載状況もあわせて記事にしています。
「サポカー」「サポカーS」については下記の記事に詳しく載せています。
●3位 日産 リーフ
初代(2015年12月~2017年9月モデル)~現行型(2017年10月~生産中モデル)
走行中にCO2を全く排出しない、ゼロ・エミッションを実現した日産の電気自動車(EV)がリーフ。
初代リーフが登場したのは2010年のことです。
リーフがエマージェンシーブレーキを搭載し始めたのは、30kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー搭載モデルが登場した2015年12月のマイナーチェンジ時。
カメラで車両前方の歩行者や車両を検知して、衝突の危険が高いとシステムが判断すると車がドライバーに警報。それでもドライバーが原則できなかったときに自動的に緊急ブレーキを作動させて衝突を回避、または衝突時の被害や傷害を軽減するものです。
エマージェンシーブレーキの能力は約10~約80km/hの範囲(歩行者に対しては約60km/hまで)。約30km/h以下での走行なら衝突回避の能力があるとなっていました。
さらに、同じフロントカメラを使って道路の白線/黄線を読み取り、走行車線から逸脱しそうな場合にメーター内の警告灯とブザーで注意喚起する車線逸脱警報もこのタイミングで装備されています。
これらの装備は全グレード標準装備になっていました。なお、先代リーフではまだ発進から超低速域でアクセルとブレーキを踏み間違えたときに、エンジン出力を抑制する誤発進抑制機能は備わっていません。
▼検索条件
日産 リーフ 初代(2015年12月~2017年9月モデル)×支払総額あり×全国
2017年9月に登場した現行型リーフは、日産が掲げる技術開発の取り組み「ニッサン インテリジェント モビリティ」を象徴するモデルとして、様々な先進技術が盛り込まれました。
代表的なものは
●一充電走行距離がJC08モード400kmまで延びた電気自動車としての性能
●高速道路の単一車線で車間距離と車線中央をキープしながら追従走行を行うプロパイロット
●ボタン操作で自動的に駐車操作を行うプロパイロットパーキング
●アクセルペダルのみで発進/加減速/停止ができるe-Pedal
などです。
先進安全装備に目を向けると、エマージェンシーブレーキは先代と同様に約10~約80km/hの範囲(歩行者に対しては約60km/hまで)。約30km/h以下での走行なら衝突回避の能力があるとなっています。
車線逸脱警報は、車線からはみ出しそうになったときに車線内に戻す方向に力が加わる、車線逸脱防止機能も備わりました。
また、現行型にはアクセルとブレーキを踏み間違えたときに急発進を防ぐ、踏み間違い衝突防止アシストを搭載。
他にも、死角になりやすい後側方から接近している車両を検知し注意喚起する機能、バック時に後方を横切る車両を検知し注意喚起する機能、進入禁止の標識を検知しドライバーに知らせる機能などが備わります。
充実した安全装備が欲しいなら迷わず現行型を。新車価格が約400万円する上級グレードのGでも車両価格250万円以下が見つけやすくなっています。
「価格にこだわりたいけれど先進安全装備も……」という人は、初代後期型の30kWhモデルを!
現行型は全グレード「サポカーS<ワイド>」に該当しています。
▼検索条件
日産 リーフ 現行型(2017年9月~生産中モデル)×支払総額あり×全国●2位 トヨタ クラウン ハイブリッド
クラウン アスリート/ロイヤル 4代目(2012年12月~2015年9月モデル)~クラウン 現行型(2018年6月~生産中モデル)
クラウンは系譜がアスリート系、ロイヤル系と分けられ、2008年2月のフルモデルチェンジでドライバーの目の開閉状態を検知する「ドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステム(PCS)」を搭載。
2012年12月のフルモデルチェンジでは、追突事故の90%以上の相対速度域に対応するよう減速性能を向上させた改良版を搭載しました。
PCSはレーダーセンサーで前方の車両などを監視。衝突の危険性が高いときにドライバーに警告します。それでも衝突が避けられないと判断すると、自動でブレーキをかけて衝突速度を低減するもの。
その際にカーナビの道路コーナー情報を取得し、コーナーの前からあらかじめ減衰すると同時に、ショックアブソーバーの減衰力もコントロールしています。
さらに、ペダル踏み間違い時の衝突被害の軽減を図るインテリジェントクリアランスソナー、歩行者との衝突時にボンネットフード後方を瞬時に持ち上げ歩行者頭部への衝撃を緩和するポップアップフードなどを設定しています。
▼検索条件
トヨタ クラウン アスリート/ロイヤル 4代目(2012年12月~2015年9月モデル)×支払総額あり×全国
2015年10月のマイナーチェンジで、クラウンの先進安全装備パッケージは上級モデルに搭載されたToyota Safety Sense Pになります。
PCSなど従来の先進安全装備に加え、ドアミラーで確認しにくい後側方にいる車両をレーダーで検知してドアミラーの中に設置したLEDを点灯させて存在をドライバーに知らせる、ブラインドスポットモニターを装備。
レーンディパーチャーアラート(車線維持システム/LDA)は、車線からはみ出しそうなときにドライバーに警報するとともにハンドル操作の一部を支援。ふらつきながら走行しているときもドライバーに警報する機能も付いています。
また、道路に設置されたインフラ設備と車、そして車同士が直接通信することで安全運転を支援するITS Connectを世界初採用しました。
2017年8月に登場した特別仕様車「J-FRONTIER Limited」には、駐車場など低速域でのアクセルペダル踏み間違い時の衝突被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナーが付いています。
▼検索条件
トヨタ クラウン アスリート/ロイヤル4代目(2015年10月~2018年6月モデル)×支払総額あり×全国
現行型 クラウンは
●昼夜の歩行者、昼間の自転車も検知するプリクラッシュセーフティ
●高速道路で車線内走行を維持し、はみ出しそうなときはステアリング操作の一部を支援するレーントレーシングアシスト
●全車速で先行車を追従して走行できるレーダークルーズコントロール
●ハイビームとロービームを自動で切り替えるオートマチックハイビーム、または先行車や対向車に光が当たる部分だけ自動で遮光するアダプティブハイビームシステム(グレードにより異なる)
●道路上の標識(最高速度、はみ出し通行禁止、進入禁止、一時停止)を自動認識するロードサインアシスト
以上が「Toyota Safety Sense」として標準装備となっています。
また、前後ともペダル踏み間違いによる誤発進を抑制するインテリジェントクリアランスソナーと先行車発進告知機能も全グレード標準装備に。
さらに、駐車場から後退して出庫する際に左右後方から接近する車両や歩行者を検知して自動的にブレーキ制御するリアクロストラフィックオートブレーキ、走行中にドアミラーで確認しづらい後側方の車両を検知して告知するブラインドスポットモニターを、多くのグレードで標準装備としました(一部グレードはメーカーオプション)。
最先端の安全装備が欲しい人は現行型狙いになりますが、Toyota safety Sense P搭載の2015年10月以降の先代モデルでも満足感は高いでしょう。
現行型は全グレード「サポカーS<ワイド>」に該当しています。
▼検索条件
トヨタ クラウン 現行型(2018年7月~生産中モデル)×支払総額あり×全国●1位 トヨタ プリウス
現行型(2015年12月~生産中モデル)
プリウスは、トヨタ自動車が1997年から製造・発売を開始した世界初の「量産ハイブリッド自動車」として誕生。プリウスは先代のフルモデルチェンジ(2009年5月)で、ミリ波レーダーを使ったプリクラッシュセーフティシステムを搭載。
そして2015年12月にデビューした現行型は、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を採用しました(A、Aプレミアムに標準装備)。
主な装備は以下のとおり。
●ミリ波レーダーと単眼カメラで車両と昼間の歩行者を認識し、衝突回避を支援するプリクラッシュセーフティ
●道路上の白線を認識して車線を逸脱しそうになると、ドライバーに警告するレーンデパーチャーアラート
●ハイビームとロービームを自動で切り替えるオートマチックハイビーム
●先行車の加減速に合わせて車間距離を保ちながらの追従走行するレーダークルーズコントロール
プリクラッシュセーフティは約10~約80km/hの範囲で作動します。
また、道路に設置されたインフラ設備と車、そして車同士が直接通信することで安全運転を支援するITS Connectも設定されました。
▼検索条件
トヨタ プリウス 現行型(2015年12月~2018年11月モデル)×支払総額あり×全国
プリウスの最新モデルは、フロントフェイスを中心にデザインがコンサバティブな雰囲気に変わり、先進安全装備もToyota Safety Sense Pから最新のToyota Safety Senseへと進化しました。
さらに、シフト操作時における急発進・急加速を抑制して衝突時の被害を軽減する、ドライブスタートコントロールを全グレード標準装備に。
低速取り回し時の衝突回避を行うインテリジェントクリアランスソナーと、隣の車線を走る車両をレーダーで検知するブラインドスポットモニターはA以上のグレードで標準装備になります。
現行型プリウスは、前期型と後期型でデザインが大きく異なるので好みの方に乗るのが一番。先進装備も押さえつつ、価格にもこだわりたい人は前期型でも満足できるはずです!
現行型は、インテリジェントパーキングソナーを装備したモデルが「サポカーS<ワイド>」、それ以外は「サポカー」に該当しています。
▼検索条件
トヨタ プリウス 現行型(2018年12月~生産中モデル)×支払総額あり×全国先進安全装備よりも大事なこと
セダン・ハッチバック編と題して人気モデルの先進安全装備の機能と搭載状況を紹介してきましたが、最後に大切なことをひとつ。
先進安全装備は完璧な機能ではありません。状況によっては機能が働かなかったり、働いたとしても衝突回避が間に合わなかったりする可能性もあります。
最も大切なのは日ごろから安全運転を心がけることだということは忘れないでくださいね。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット 500C by DIESEL
【関連リンク】
あわせて読みたい
- アウトドアブームの過熱を引き金に、規格外に車内が広い車の注目度が上がる!?
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 現行型ヴォクシーの平均価格が200万円切り目前|迫力重視の「煌」も、燃費重視のハイブリッドも買い時到来
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 2022年モデルのGT-Rニスモ、スペシャルエディションを投入
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 次期クラウンの開発事情
- 【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(前編)