若者よ、R32&R33スカイラインGT-Rはいいゾ~。 クセを理解して物件の状態を見極めよ!
カテゴリー: 特選車
タグ: 日産 / スカイラインGT-R / 編集部 神崎洋平
2019/07/30
まだまだ若きスポーツカー好きを応援したい!
こんにちは! カーセンサー編集部の神崎と申します。
若者の皆さん!! 車は好きですか? 私は常々「若い車好きの人を増やしたい!」と思ってこの仕事をしています。
でも、ただ単に「車って楽しいから買って!」とか「乗ったらわかるからとにかく乗っとけ!」と言っても、なかなか人の心を動かすことはできません。
そこで、まずは私が心から魅力的だと思うモデルについて、何が魅力なのかをお伝えすること。そして、実際に買うとどうなのか、リアルな「今」もしっかりお見せしたうえで、「この車に乗ってみたい!」「見に行ってみたい!」「頑張って買うぞ!」と思ってもらうこと。
そしてゆくゆくは1人でも多くの若者が車を好きになっている、そんな未来を目指し今回の企画をスタートしました。
第1弾となった前回は、「トヨタ スープラ(A80型)」を徹底取材しました。
この勢いで続けてもう1台取材しました! 当時、スープラと様々な場面で熱いバトルを繰り広げたライバル、「日産 スカイラインGT-R」です!
今回は、中でも年式的に状態の良い物件が減りつつある、R32&R33について徹底取材してきました。
ちなみに、ワタクシ、数ある車の中でR32スカイラインGT-Rが一番好きだということをお伝えしておきます。
それでは前回と同じく、スポーツカーを多く取り扱うGTNET横浜店 店長の石川さんにお話をお伺いしました。
石川さん、引き続き32と33のGT-Rについてお話を聞かせてください!! いやぁ~、ワクワクが止まりませんよ!!!!
はい、よろしくお願いします! 神崎さん、なんかテンション高いですね?(笑)
わかっちゃいます? 実は私、数ある車の中でスカイラインGT-Rが一番好きで、特にこの32が大っっっ好きなんです!!
そうなんですね。当店はいろいろなスポーツカーを取り扱っていますが、やっぱりスカイラインGT-Rの人気はすごいですよ! 若い方からご年配の方まで、まんべんなく人気ですね。
若い方もいるのはうれしいですね! 時代は変われど、この車の良さはこの先も語り継がれていくのでしょうね。
ハイテクを満載した新世代のGT-R
R32 スカイライン GT-R
1989年5月に8代目スカイライン(R32)が登場、そして8月にGT-Rが追加されました。先代のR31やR30にはGT-Rが設定されておらず、実に16年ぶりの復活となり多くのファンが歓喜の声を上げました。
当時のグループAレースを勝つために開発され、ベース車より60mm幅広となるブリスターフェンダーに加え、専用のフロントスポイラー&リアスポイラーを採用。
搭載されるエンジンは直6 2.6Lに、インタークーラー付きツインターボチャージャーを装着したRB26DETT、当時日本車最強の280psというパワーを獲得しました。
そして、歴代のGT-RはFRレイアウトを採用していましたが、R32では4WDを採用したことも大きなトピックです。アテーサE-TSという電子制御トルクスプリットシステムが組み合わせられることで、世界トップクラスの運動性能を手に入れました。
ハンドリングの面で、当時レースの世界ではFRが主流だったため、「4WDなんかでレースに勝てるはずがない」という声も上がったといいます。しかし、32GT-Rが築き上げたレースシーンでの数々の成績を見れば、そんな心配は杞憂だったことがわかります。
32GT-Rは、まさに当時の日産の技術が集結されたモデルだったのです。
最新の電子デバイスで低評価を覆した
R33 スカイライン GT-R
9代目となるR33型スカイラインは1993年8月に登場、そして遅れること1年5ヵ月後の1995年1月にGT-Rが誕生しました。登場した当時は、先代のR32と比べ大きく重くなったことを理由に、評価はとても低かったです。
しかし、トルクアップされたエンジンに加え、アクティブLSD(Vスペックに標準)や4WDシステム“アテーサE-TS”、ヨーレイトフィードバック電動スーパーハイキャスなどの最新電子デバイスを装備、標準装備となったブレンボ製のブレーキシステムなどにより、ボディの大きさを補って余りあるほどの運動性能を手に入れました。
その証拠に、世界一過酷といわれるサーキット・ニュルブルクリンクでのタイムが、R32に比べ21秒も短縮されました。「マイナス21秒ロマン」というキャッチコピーは有名です。
登場から20年近く経った今、改めてR33の評価が見直されている気がします。
R32スカイラインは、誕生から30年になりますが、価格はずいぶんと高値で推移していますよね。
そうですね。“25年ルール”というのは聞いたことがあると思います。北米では製造後25年経つ車はクラシックカーと見なされ、輸入の規制が大きく緩和されるんです。そのため北米のスポーツカー好きがこぞって輸入し出し、32の中古車がどんどん海外に流出することとなりました。
国内の流通量が減ることで、今後さらに希少性は高まっていきそうですね……。
R32の相場はすでに上がりきっている
R32のGT-Rの相場はすでに上がりきっているようです。そして、今後も下がるということは見込めそうにありません。
新車時価格430万~529万円だったものが、1000万円を超える中古車まで出てきています。ここまでくると、乗るための車ではなく「投資対象」になってきていると言えそうです。
他のモデル同様に、古くなるにつれて廃車になる台数も増えますが、R32は海外流出が多いということも考えなければいけないようですね。
R33の方はどうなんでしょうか? ちょっと前までは、GT-Rの中では少し人気がなく、価格も比較的安めだったと記憶しているのですが……。
確かにそんな時期もありましたね。でも、今はそんなことはないです。33“でも”と言ったら失礼かもしれませんが、相場が上がってきていることは間違いありません。
33が不人気だったというのは、もはや過去の話だということですね。
そうです。「33かぁ……」というお客さんの言葉は、今まで何度も聞いてきましたが、今は全くそんなことが言える状況じゃないと思います。
じわじわと上がっているR33の相場
ひと昔前までは、32や34と比べて不人気だったというのは間違いなさそうですが、今はそんなことはなく、4年ぐらい前から一気に価格が上がってきています。
当然ながら次に“25年ルール”を迎えるのはR33です。R32の価格が上がりきった今、同じように相場が上がることが見込まれるR33に注目が集まるのは、当然といえば当然のことですね。
購入を考えている人は、25年が経過する前に動いた方が良さそうです。そう考えると、今がちょうどギリギリのタイミングかもしれません。
こちらのお店には、32、33の中古車がたくさんありますね! ちょっとエンジンかけてみてもいいですか?
流通台数は年々減ってますが、頑張って入荷していますからね! どうぞエンジンかけてみてください。
(エンジンをかける)うぉー!! この音、たまりませんね! こちらの物件は、とても調子が良さそうですが、注意して見ておいた方が良いところってありますか?
ありがとうございます(笑)この年代のGT-Rは、いくつかウイークポイントがあるのですが、何はともあれ“サビ”の状態は必ず見ておいてください!
32、33ともに最大の敵は“サビ”
初度登録から20年以上経過している物件が多い32、33GT-R。この年代の日産車は、他のメーカーの車に比べてサビが発生しやすいという弱点があるようです。
ボディ全体を見ることはもちろん、下まわりもしっかり覗き込んで確認するようにしましょう。サビの浸食が進み穴が空いてしまっているものもあるようですので、確認は必須のようです。
合わせてR33については、特に後ろ半分の下まわりと、フロントストラット部分にサビが発生しやすいようで、重点的に確認してほしいとのことでした。
また、エンジン本体はパワーアップにも耐えられるように作られているため、非常に頑丈なようですが、イグニッションコイルやエアフロセンサーといった電装系部品がダメになっていることが多いといいます。
ただ、こういった部品は目視で確認するのが難しいため、整備記録簿などで交換の履歴があるかどうかを確認できればベストです。
せっかく手に入れても、次から次にトラブルが発生してほとんど修理工場に入庫したまま……という事態を避けるためにも、しっかりと状態は見ておいた方が良さそうです。
特に、若い人が頑張ってお金を貯めて買ったとしても、全然乗れなかったら悲しいですもんね。
購入時は少し予算をオーバーしてでも、状態の良いものを選んだ方が良さそうです。
こちらの物件、ほぼノーマルの状態ですよね? GT-Rってカスタムベースとしても人気の高い車だと思うのですが、流通している物件はいじられているものが多いのですか?
そうですね、GT-Rは他のスポーツカーよりもハードにカスタムされている物件が多いと思います。マフラーやエアロパーツなどはもちろん、ブレーキやタービン、ロールバーなど走りに直結するカスタムを受けていることが多い気がします。
さすが走りのモデルといった感じですね。
そうですね。だからなのかもしれませんが、オークションなどを見ていると、修復歴がある物件の割合が高いようです。
走りの車らしくカスタム率が高い
レースで勝つことを目指して作られた車だけに、趣味でサーキット走行などを行ってきた過去のオーナーも多いそうです。そのためパワーや剛性アップなどをはかるために、カスタムされている物件も多いといいます。
そのようなものは、本気で走り込まれていたことが多く、ノーマル以上に注意して状態をチェックする必要があるようです。
中でも石川さんが特に注意して見ているのは、「ブレーキを強化しているかどうか」だとか。
本気になればなるほど、しっかりと止まれることが重要になってきます。そのためブレーキが強化されているということは、本気で走り込んでいたということを物語っており、必然的に傷みの激しい物件が多くなるためのようです。
また、修復歴ありの物件割合が高いのも特徴のようです。ただし、きちんと直されていれば問題ない場合もありますので、選択肢を広げる意味でも修復歴車も含め探すのもありかもしれません。ただし、その分、良し悪しを見分ける選球眼は大事になってきます。
その他、購入するときに気をつけた方が良いことはありますか?
前回のスープラ編でもお話ししましたが、セキュリティーシステムはしっかり入れていただきたいですね。残念ながらGT-Rも盗難率は高いです。
せっかく頑張って手に入れた愛車、ちゃんと守らなければいけませんね!
スカイラインGT-Rは、ファンが多い車のためトラブル対応のノウハウがしっかりと蓄積されています。ウイークポイントの対策方法も豊富なので、気軽に販売店に足を運んで相談してほしいです。不安を払拭して、最高の1台を手に入れてください! 間違いなく楽しい車ですよ!
まとめ
◆R32の相場は上がりきっているので、少し時間をかけても吟味して状態の良いものを選ぶべし
◆R33の相場はジワリジワリ上がり気味。“25年ルール”適用前の今が狙い時
◆購入後に苦労しないためには、一番の大敵“サビ”の状態を要チェック
◆カスタムされている物件は、特に注意して状態チェックを行おう
前回に引き続き、販売店の方にリアルな話を聞いてきました。同じ年代のスポーツカーでも、見るべき点や気をつけることが全然違うのだと感じました。
特に今回見てきたスカイラインGT-Rは、価格というハードルを乗り越えるだけではなく、物件状態の見極めが非常に大切になってくるということがわかりました。
サビの状態やカスタムの有無などは、しっかりと実車を見ることで何とかチェックすることができそうです。
しかし、見た目では状態がわかりにくい電子部品の不調や車のわずかなゆがみなどは、経験や知識が浅いとまず見つけることができないと思いました。
そんなときには、今回お話をお伺いした石川さんのように、今まで多くの物件を見てきて経験も知識も豊富な人に、積極的にアドバイスをもらうようにするのが良いと思います。
具体的には、多くのスカイラインGT-Rを扱う専門店や、新車の時からたくさんの物件を見ているディーラー系販売店などに足を運んでみるのはいかがでしょうか。
買うときも、そして買った後もきっと心強い味方になってくれるはずです。
そんなアドバイザー的なお店そして販売スタッフさんを見つけることが、R32&R33スカイラインGT-R購入の第一歩となりそうです。
取材協力
GTNET横浜 店長 石川哲也さん
「GTNET横浜」
楽々120回ローンもご用意しております! 下取り高価査定中!!
住所:
神奈川県横浜市都筑区池辺町1231-1
電話:045-941-8800
カーセンサー編集部
神崎洋平
小さい頃から車が好きで、中学生のころからカーセンサーを愛読。若者の車離れに一矢報いたいという動機で、2017年にカーセンサー編集部にやってきた。好きな車はセダンとスポーツカーで、現在の愛車はE90型BMW 3シリーズ。趣味はダム観賞で、休日には全国各地のダムへ足を運んでいる。
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