▲ハイエースの中でも一般ユーザーのマイカーとして親しまれてきているのが、ハイエースバンです ▲ハイエースの中でも一般ユーザーのマイカーとして親しまれてきているのが、ハイエースバンです


5代目となるトヨタ ハイエースバンは2004年デビューのロングセラーモデル。ボディやサイズ、エンジン、登録区分(乗用車/商用車)の別などで種類が多いワンボックスカーの中でも、トップクラスの人気を誇ります。仕事から趣味まで様々なニーズに応え、幅広いユーザーに愛されています。

そこで、モデルの変遷からグレード、走行性能からユーザーの口コミまでを網羅的に解説。5代目ハイエースバンの魅力や選び方を紹介します。
 

 

【概要】レジャーでも仕事でも優等生のマルチプレーヤー

広い車内の使い道は、まさにユーザー次第。キャンプ道具やオートバイを載せて出かければ遊びの幅が広がるし、資材を上手に積んで現場に向かえば仕事の質も上がります。カスタムパーツが豊富なので、ドレスアップを楽しむユーザーも増えています。

1967年のデビューから半世紀以上。ハイエースの初代から3代目までは、昭和の経済成長を背景にタフな商用車として活躍してきましたが、4代目以降はアウトドアなどレジャーを楽しむ趣味層に受け入れられ、マイカーとしても市場に浸透してきました。

国内向けの現行型は「200系」と呼ばれる5代目で、2004年のデビューからすでに15年。おかげで、中古車の中心も現行型です。ハイエースはボディタイプが3種類あり、バンとワゴン、そしてコミューター(マイクロバス)です。ワゴンは乗車定員10名と広い室内をシートの設置に割いているのに対し、バンは2~9名まで幅広く基本的には荷物を積むことを重視した貨物車。常日頃、多人数を乗せて運転する人以外は、ハイエースバンの方が使い勝手が良くオススメです。

そんなハイエースバンの主なグレードは上から「スーパーGL」「DX“GLパッケージ”」「DX」があります(2019年7月5日現在)。スーパーGLは2/5人乗り、DXとDX“GLパッケージ”は2/5人乗り、3/6人乗り、3/6/9人乗りがあります。DXには荷室重視の3人乗りも存在します。

各グレードの新車価格は、現時点でスーパーGLが約297万~386万円(北海道地区メーカー希望小売価格を除く)。DX“GLパッケージ”は約247万~348万円。ほぼ事業者向けとなるDXでは約229万~332万円となっています。遊びも仕事もこなすトランスポーターとして磨き抜かれている分、プレミアム志向のアルファード/ヴェルファイアなどよりリーズナブルです。

なお、ロングセラーだけに200系の中でも1型~4型とマイナーチェンジごとに分類されることも。さらに2017年11月の一部改良以降を5型とするケースもあります。中古車で探すときは、欲しいのは何型かを意識するとより調べやすくなります。
 

▲2019年7月5日時点でのボディサイズは全長4695~5380mm×全幅1695~1880mm×全高1980~2285mm。サイズは仕様によって大きく異なります ▲2019年7月5日時点でのボディサイズは全長4695~5380mm×全幅1695~1880mm×全高1980~2285mm。サイズは仕様によって大きく異なります

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【変遷】3度のマイナーチェンジに注目

2004年8月 デビュー
ハイエースは、4代目の100系が車幅で4ナンバー/5ナンバーのサイズに収まる仕様だったのに対し、200系では全長で小型車のサイズを超え、ワイドボディ仕様も追加されました。

3種類のボディタイプの中で、主力となるのはバン。車幅が標準とワイド、ルーフが標準/ミドル/ハイルーフの設定で4ナンバー(商用車登録)/1ナンバーの2ラインナップされました。一般ユーザー向けは、基本的には4ナンバーとなります。なお、ワゴンはワイドボディでミドルルーフの3ナンバー仕様で、マイクロバスのコミューターはワイド&ハイルーフの2ナンバーでした。

エンジンは当初、2Lと2.7Lのガソリンエンジンに2.5Lのディーゼルエンジンという構成。後にディーゼルエンジンは動力性能アップのため3Lに拡大され、さらに新たな排気ガス規制を受けて最もクリーンかつハイパワーを発揮する2.8L仕様へと進化しました。

5代目の魅力的なポイントは大別して5つあります。第1に、広い室内と高い衝突安全性能。第2に、時代とマッチした環境性能。第3に、機能と美しさは追求されたデザイン。第4に、豊富なボディバリエーション。そして第5に、利便性を高める各種機能・装備の豊富さです。つまり、ワンボックス車としてスタイルや仕様、メカニズムなどがとても優れているのです。

当時の最新技術も導入されていて、上級グレードのスーパーGLには運転席側と助手席側にスライドドアイージークローザーが標準装備、オプションでワイドマルチAVステーションII(GPS・CDボイスナビゲーション付)や音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニターも設定されていました。

また、全グレードに後方の障害物を検知するバックソナーと、フロントとリアのコーナーまわりの障害物を知らせるクリアランスソナーが採用されたのもトピックでした。なお、デビューから2007年8月までのマイナーチェンジまでが、200系1型と呼ばれます。

2005年11月 灯火類の改良と助手席の機能向上
対向車への眩惑を少なくする光軸調整用のマニュアルレベリング機構が採用され、ヘッドランプが改良されました。同時にハイマウントストップランプが全車に標準装備され、安全性も向上しています。室内では助手席のリクライニング機構をDXにも設定された他、HDDナビゲーションやDVDナビゲーションがオプション設定されました。

2007年8月 マイナーチェンジ
200系2型といわれるモデルです。ディーゼルエンジン車に、可変ノズル式ターボチャージャーを装備した3L直噴ディーゼルターボエンジンを搭載。PM(粒子状物質)を浄化するDPR触媒が新たに採用されました。

ラインナップではスーパーGLにワイドボディ仕様が、DXに“GLパッケージ”が追加設定されました(ちなみにワゴンでは新グレードのGLが追加)。

内外装では、フロントグリルやシート(トリコット)のデザインが変更。アルミホイールがオプション設定に加えられました。さらにボディカラーにはグレーメタリック(バンのみ)、ブラックマイカ、ノーブルパールトーニングII(ワゴンのみ・オプション)の3色が新設定されています。

2010年7月 マイナーチェンジ
200系3型。高性能触媒DPRの改良などによって、3L直噴ディーゼルターボ搭載車の環境性能が大幅に改善されました。燃費や静粛性も向上し、自動車取得税と自動車重量税がディーゼル車で75%の減税。ガソリン車(2WD)では同50%の減税となりました。

外観では、フロントバンパーやヘッドランプ、フロントグリルがよりスタイリッシュに。一部上級グレードではディスチャージヘッドランプ(オートレベリング機能付)がオプション設定されました。さらにオートエアコンが標準化された他、DXにはパワーウインドウ(運転席キーOFF後作動可能ワンタッチ式・挟み込み防止機能付)も標準装備。ボディカラーではホワイトパールクリスタルシャインとゴールドメタリックが新設定されています。

2012年11月 特別仕様車を追加
最上級グレードのスーパーGLをベースとした特別仕様車「スーパーGL “プライム セレクション”」が登場。シートとドアトリムに専用トリコット(エンボス加工付)が採用され、ステアリングホイールとシフトノブには本革巻き&サイバーカーボン調加飾が施されています。

また、ディスチャージヘッドランプ(ロービーム・オートレベリング機能付)が装備され、専用のエンブレムとスカッフプレートも採用されました。
 

▲スーパーGL “プライム セレクション”では、ボディカラーに特別色の「ボルドーマイカメタリック」を含む全4色が設定されています ▲スーパーGL “プライム セレクション”では、ボディカラーに特別色の「ボルドーマイカメタリック」を含む全4色が設定されています

2013年11月 マイナーチェンジ
200系4型。フロントバンパーやグリル、ヘッドランプ、リアコンビネーションランプなどが変更され、さらに力強いルックスに。ヘッドランプは全車ともLED仕様(ロービーム)になりました。ボディカラーはスーパーGLにボルドーマイカメタリックが新採用された他、DX(ロングボディ)にブラックマイカが追加設定されています。

内装では、エアコンのボタンやダイヤルをはじめとするセンタークラスターパネルがデザイン変更。平均燃費や外気温度など各種情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイが全車に標準装備されました。

また、バックドアにイージークローザーが採用された他、デュアルパワースライドドア(挟み込み防止機能付き)、スマートエントリー&スタートシステム、ステアリングスイッチ(オーディオ)がオプション設定。より利便性が向上しました。

2014年12月 一部改良。ガソリン車ATは6速仕様に
ガソリンエンジンでDual VVT-iが採用されるなど、ガソリン車の燃費性能が向上。「平成17年度基準排出ガス50%低減レベル」の認定に加え「エコカー減税」の対象となりました。さらにガソリン車のATは4速から6速(シーケンシャルシフトマチック付)へと多段化。バンにはリアシートベルト(外側2点式・中央席3点式)が標準装備されました。

さらに、スーパーGLをベースとした特別仕様車「スーパーGL “ダーク プライム”」が設定されました。ダークメッキのフロントグリルやメッキバックドアガーニッシュが採用され、よりワイルドさをアピール。ボディカラーには、特別色のスパークリングブラックパールクリスタルシャインがオプションで設定され、計5色が用意されています。
 

▲スーパーGL “ダーク プライム”では、シートに合成皮革&ダブルステッチを採用。運転席まわりも、黒木目マホガニー調の加飾やダークシルバー加飾などによって質感が高められています ▲スーパーGL “ダーク プライム”では、シートに合成皮革&ダブルステッチを採用。運転席まわりも、黒木目マホガニー調の加飾やダークシルバー加飾などによって質感が高められています

2016年6月 一部改良
アクセサリーソケット(DC12V・120W)が全車に標準装備されました。ちなみに、ワゴンとコミューターでは車両の安定性を確保するVSC&TRCや、ヒルスタートアシストコントロールなどが標準化され、安全性能が高められました。

2017年11月 一部改良。ディーゼル車が2.8Lに進化
衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス P」が標準装備に。また、ディーゼル車では2.8Lクリーンディーゼルエンジンと6速ATが採用されました。ボディカラーでは、ワゴンにベージュメタリックとラグジュアリーパールトーニング(オプション)が新規設定されました。マイナーチェンジではないので正確には4型のままですが、大きな改良であったため、4.5型とも5型とも呼ばれることもあります。
 

▲ディーゼルエンジンがよりクリーンな2.8Lに進化。また、特別仕様車であるスーパーGL “ダーク プライム”の仕様も改められました ▲ディーゼルエンジンがよりクリーンな2.8Lに進化。また、特別仕様車であるスーパーGL “ダーク プライム”の仕様も改められました

2018年8月 特別仕様車を追加
特別仕様車として「スーパーGL “ダーク プライム II”」と誕生50周年記念の特別仕様車「スーパーGL“50TH アニバーサリーリミテッド”」が設定されました。
 

特別仕様車のスーパーGL“50TH アニバーサリーリミテッド”は期間限定生産で発売されました 特別仕様車のスーパーGL“50TH アニバーサリーリミテッド”は期間限定生産で発売されました

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【グレード】スーパーGLとDX“GLパッケージ”、DXに焦点を絞る

ハイエースバンには、ボディの長さや幅などサイズの違いがあっても、グレードは上級のスーパーGLとベーシックなDXで構成されてきました。この2つのグレードの間には装備の違いによって新車価格でおおむね50万~100万円の価格差があります。スーパーGLはボディサイズや乗車定員のバリエーションを絞った豪華仕様、DXは逆に豊富なバリエーションとシンプルな装備で実用性重視という位置づけです。ほとんどのグレードで2WDと4WDが設定されています。

さらに現行ラインナップには、DXグレードの中にDX“GLパッケージ”というモデルがあります。これはシンプルな装備のDXをベースに、快適&便利な装備の組み合わせた中間グレード。ただし、DX“GLパッケージ”のようにユーザーに多くの選択肢をもたらす仕様は以前からありました。“GLパッケージ”という名称が付いていないだけで、DXには豊富なバリエーションがあるのです。

グレードを選ぶ際は第1に、ほぼフル装備のスーパーGLか、実用性重視のDX、もしくはDX“GLパッケージ”という選択をすること。次に、用途や経済性によってエンジンや駆動方式(2WD/4WD)を選ぶ、という流れが良いでしょう。

DX
もともと幅広いラインナップのあるグレードなので、DXにはベース車というイメージが希薄です。商用車としては優秀な「ルートバン」が新車の最廉価で200万円前半から購入できるので、企業や個人事業のユーザーには人気があります。最新モデルではシートがジャージ素材で、DX“GLパッケージ”とほぼ同等です。

とはいえ、ルートバンでは後席のサイドウインドウが付いてないので、「簡素な装備も、安くハイエースバンを手に入れたい」という人は、サイドウインドウが備わったDXグレードを選んだ方が良いでしょう。上位モデルに比べると快適装備などは盛り込まれていませんが、その分趣味の車としてアレンジしやすいのが魅力でしょう。

ボディカラーにはソリッドなホワイト、シルバー、ブルー、イエロー系がラインナップ。シルバーやブルー系にはメタリック仕様が設定されているモデルもあります。
 

▲ハイエースは用途に応じたバリエーションが展開されています。DXは装備や価格から下位グレードといえますが、単純にグレード分けではかれないバリューを持っています ▲ハイエースは用途に応じたバリエーションが展開されています。DXは装備や価格から下位グレードといえますが、単純にグレード分けではかれないバリューをもっています

DX・DX“GLパッケージ”
DXをベースに内外装で差別化した中間グレードです。2019年7月5日現在では、DXとの新車価格差は約10万円。違いは外装品にあり、リアコンビネーションランプがクリアレンズ仕様になっていたり、グリルやバックドアの取っ手がメッキになっていたりとします。

また、2017年11月の改良のタイミングでディーゼル車が2.8Lに進化した際に安全装備で先進のトヨタセーフティセンスが盛り込まれたほか、視界機能としてリアサイド、リアクオーター、バックドアの各ウインドウにプライバシーガラスが採用されています。

つまり、DXよりも少しスタイリッシュで、安全装備が充実している仕様なのです。 ボディカラーはDXより選択の幅が少なくなっています。例えば、現行モデルではイエローなど、業務車らしい色が設定されていません。価格帯よりも各グレードの個性に合わせたカラーが用意されていると考えるべきでしょう。

スーパーGL
上級グレード。乗車定員は5名のみで、前席が左右セパレートの2名がけ、2列目シートが折りたたみ可能な3名がけになっています。

トリムやコンソール類の装備や素材で差別化され、より乗用車に近い仕様となっています。エクステリアでは、ホイールもDXグレードと共通性のあるスチールホイール+フルホイールキャップ(ハイグレードタイム)が標準装備。現行モデルではフロントグリルやドアミラー、ドアハンドルがメッキ加飾されていて、高級感を演出しています。

他にもスーパーGLには専用装備が多く、2017年11月の改良後は以下のような内容となっています。

装備内容
・トヨタセーフティセンス(2018年4月以前はトヨタセーフティセンスP)
・カラードバンパー(フロント・リア)
・リアメッキエンブレム(車名+グレードロゴ)
・ウオッシャー連動間欠式フロントワイパー(時間調整式)
・オプティトロンメーター(タコメーター・マルチインフォメーションディスプレイ付)
・コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)
・車速感応パワードアロック(運転席・助手席ドアキー連動、衝撃感知ドアロック解除システム付)
・ベゼル付4本スポークステアリングホイール
・シートスライド(運転席・助手席)
・フロントシートヘッドレスト(分割式)
・フロントシートシートバックポケット
・リアシート分割式ヘッドレスト(2個)
・インストルメントパネルアッパー部シルバーメタリック加飾
・センターコンソール(リア席用カップホルダー2個付)
・バニティミラー付ファブリックサンバイザー(運転席・助手席)
・リアクオータートリムポケット
・大型成形スライドドアステップ(ステップランプ付)
・フロントオートエアコン
・プッシュ式フロントエアコンコントロールパネル
・リアクーラー(冷房)
・リアヒーター(暖房)
・4スピーカー
・オーディオレス(カバーレス)
・ガラスアンテナ
 

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【内外装】実用性を貫いたインテリアとエクステリア

エクステリア
スクエアだけど柔らかみのあるボディのおかげで、ワンボックス車として実用的ながら、街にもアウトドアにも馴染むデザインになっています。

荷室が長く、フロアの高さからルーフまでほぼ垂直に伸びているため、ボディは四角四面となっています 。しかし、ウインドウの面積や形、ピラーの角度や形状などが工夫され、無骨なイメージを見る人に与えません。

また、フェンダーまわりやウエストラインにプレスラインをくっきり刻むことで、ボディをスポーティに見せています。さらに、グリルや各部ハンドルをハイライトにし、ドアウインドウとそれに続くサイドウインドウの上下幅に変化を与えるなど、カジュアルさも演出されています。

デザインは改良やマイナーチェンジごとに手を加えられいますが、基本的にはマイナーチェンジごとに変更されていると覚えれば問題ありません。つまり、1型~4型のデザインをチェックすればOKです。
 

▲こちらが1型。現行モデルと比べると上下のグリルが狭く、商用車のイメージが強いデザインとなっています ▲こちらが1型。現行モデルと比べると上下のグリルが狭く、商用車のイメージが強いデザインとなっています
▲2型は1型よりもグリルがよりワイドになり、押し出し感が増しています ▲2型は1型よりもグリルがよりワイドになり、押し出し感が増しています
▲3型は、2型からさらにワイド感がアップ。バンパーまわりのデザイン変更によって、よりスタイリッシュな雰囲気になりました ▲3型は、2型からさらにワイド感がアップ。バンパーまわりのデザイン変更によって、よりスタイリッシュな雰囲気になりました
▲4型はメッキ加飾の大型グリルによって、従来よりもプレミアム感が高められていますす ▲4型はメッキ加飾の大型グリルによって、従来よりもプレミアム感が高められています

インテリア
室内は外から見る以上に広々としています。特に、垂直に近い角度でルーフまで伸びるボディラインのおかげで、座席上部の空間はゆとりたっぷりです。

荷室はとても長く、2列目シートを畳むと荷室長が3mまで拡大。これは2列目シートの畳み方が工夫されているおかげ。人も荷物も、たくさん乗せるワンボックス車としての設計がしっかりなされている証拠でしょう。

シートはグレードによって素材や機能(リクライニングの有無など)に違いはありますが、差はあまり感じないでしょう。形状が似ていて、カラーもグレー系でまとめられているからです。

荷室は広大で、荷室長3000~3540mm×荷室幅1520~1730mm、荷室高1320~1635mmです。スーパーロング、ワイドボディ、ハイルーフ仕様が各サイズの上限を引き上げていますが、加減となる標準仕様でも十分以上に活躍してくれるでしょう。

▲スーパーGLのインテリアは前席がセパレートの2名分。インパネやステアリングの仕様も上質で、トリム類もDXとは差別化されています ▲スーパーGLのインテリアは前席がセパレートの2名分。インパネやステアリングの仕様も上質で、トリム類もDXとは差別化されています

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【スペック】サイズ感や室内の広さなどをチェック

型式 QDF-GDH201V 最小回転半径 5m
駆動方式 FR 全長×全幅×全高 4.7m×1.7m×1.98m
ドア数 5 ホイールベース 2.57m
ミッション 6AT 前トレッド/後トレッド 1.47m/1.47m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1930kg
シート列数 2 最大積載量 1000kg
乗車定員 5名 車両総重量 3055kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.2m
マニュアルモード    
標準色

ホワイト、シルバーマイカメタリック、グレーメタリック、ブラックマイカ、ボルドーマイカメタリック、ダークブルーマイカメタリック

オプション色

ホワイトパールクリスタルシャイン

掲載コメント

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型式 QDF-GDH201V
駆動方式 FR
ドア数 5
ミッション 6AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ホワイト、シルバーマイカメタリック、グレーメタリック、ブラックマイカ、ボルドーマイカメタリック、ダークブルーマイカメタリック
オプション色 ホワイトパールクリスタルシャイン
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 5m
全長×全幅×
全高
4.7m×1.7m×1.98m
ホイール
ベース
2.57m
前トレッド/
後トレッド
1.47m/1.47m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1930kg
最大積載量 1000kg
車両総重量 3055kg
最低地上高 0.2m
掲載用コメント -

※2017年12月~生産中の2.8 スーパーGL ロング ディーゼルターボ

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【メカニズム】キーワードはクリーン化と安全走行

ニーズに合わせて改善されたエンジン
5代目ハイエースのエンジンには、発売当初からの2Lと2.7Lのガソリンエンジンと、2.5Lから始まり現在は2.8Lとなったディーゼルエンジンが用意されています。

それぞれ大小の変更を受けながらパワーアップとクリーン化が進められてきました。軽快さが魅力で積載量が増えると燃費が気になるガソリンエンジンでは、パワーと経済性の両立を追求。たくましいながらも排気ガスによる環境性能が気になるディーゼルエンジンでは、クリーン化が進められてきました。

現行モデルでは、ガソリンエンジンは2Lの「1TR-FE」が最大出力100ps/最大トルク182N・m、2.7Lの「2TR-FE」が最大出力160ps/最大トルク243N・m。ディーゼルエンジンは2.7Lの「1GD-FTV」が最大出力151ps/最大トルク300N・mとなっています。

燃費はグレードやボディの仕様によって異なりますが、FF車で比べると2Lガソリン車がJC08モードで10.2~11.0km/L、2.7Lガソリン車で9.7~9.9km/L、2.7Lディーゼル車が12.2~13.0km/L。ボディサイズを考えれば、なかなかの燃費性能といえるでしょう。

どちらが良いとは一概に言えませんが、車両価格を抑えることや走りの静粛性を求めるならガソリンエンジンを、力強さと経済性を考えるならディーゼルエンジンを選ぶのがオススメです。

荷物を積んでも安定走行を実現させる4WD
フルタイム式の4WDシステムが採用され、ほとんどのグレードで選択できます。ただ、2Lガソリン車には4WDモデルは設定されていません。

4WDはスリップしやすい不整地などを走るときに実力を発揮しますが、ハイエースでは乾いた舗装路面でも活躍してくれます。一般的にワンボックス車は車高が高く、乗車状態や積載状態によって重量バランスの変化が大きくなりがち。ハイエースのフルタイム4WDシステムは、滑りやすい路面にあるタイヤの駆動力を他のタイヤに伝達。スリップを防止し、姿勢の変化も小さく抑えてくれます。
 

▲オンロードでも走りを安定させるフルタイム4WD。積載状況によって重量バランスが偏っても、4つの駆動輪でトルクを分け合って姿勢を保ちます ▲オンロードでも走りを安定させるフルタイム4WD。積載状況によって重量バランスが偏っても、4つの駆動輪でトルクを分け合って姿勢を保ちます

2種類のセンサーによる先進安全装備
安全装備も見逃せないポイント。2017年に受けた一部改良によって、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が標準装備されました。なお、2018年4月からは「トヨタセーフティセンス」に名称が変更されています。

システムとしては、ミリ波レーダーと単眼カメラという2種類のセンサーによって高い認識性能と信頼性を両立。「歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ」「レーンディパーチャ―アラート」「オートマチックハイビーム」の3つ装備によって、衝突の回避や衝突時の被害軽減をサポートしています。
 

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【走行性能】パワフルで燃費の良いディーゼルエンジン

運転がしやすくなったのを普段の街乗りで感じる

アルファード/ヴェルファイヤのようなプレミアムカーに比べ、ワンボックス車として実用性が追求されたハイエースでは、ドライブの快適さに直結する静粛性がどうしても劣ります。これはボディ構造や遮音装備の違いなどによるもので、ハイエースのガソリン車自体はとても優秀です。

一方のディーゼル車は、積載量が多い状態でも頼もしい走りを見せてくれます。キャブオーバーなので前席の下から音や振動が伝わってきてしまいますが、それを補うパワフルな走りがディーゼルの魅力でしょう。また、 排気ガス規制を受けて繰り返し改良され、新しいモデルほど排気ガスはクリーンです。

また、2017年11月から搭載された2.8Lディーゼルエンジンは6速ATとの組み合わせで従来型より1~1.6km/Lの燃費が向上。これで「平成27年度燃費基準+15%」を達成し、「平成21年基準排出ガス10%低減レベル」の認定も取得。「エコカー減税」の免税措置対象になりました。
 

▲6速ATとの組み合わせが実現し、新しい2.8Lディーゼルエンジンの燃費は従来型より大幅に向上しています ▲6速ATとの組み合わせが実現し、新しい2.8Lディーゼルエンジンの燃費は従来型より大幅に向上しています

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【オプション】安全性能に関わる装備がオススメ

VSC&TRC・EBD付ABS+ブレーキアシスト
積載性の高い車だから重量バランスの変化によって走りが不安定になることは避けたいもの。VSC&TRC・EBD付ABS+ブレーキアシストは、その心配を大幅に減らしてくれます。電子制動力配分制御とブレーキアシストによって姿勢を乱さずブレーキングでき、坂道でも不安なく発進できます。

LEDヘッドランプ
標準装備はハロゲン式ですが、明るくて耐朽性のあるLED式は安全面でもアドバンテージがあります。このオプションにはオートレベリング機能が備わっていて、積載量が変化してもその都度、光軸を調整し直す必要がありません。姿勢が変わっても最初に設定した光軸を保ち、明るい視界を作り出してくれます。
 

オートレベリング機能付LEDヘッドランプは、積載量による姿勢変化で光軸が上下にずれてしまう問題を克服。光軸は自動的に調整されます ▲オートレベリング機能付LEDヘッドランプは、積載量による姿勢変化で光軸が上下にずれてしまう問題を克服。光軸は自動的に調整されます

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【口コミ】ユーザーの評価と、その理由を解説

良かった点

意外と見切りがいい、小回りが利く。乗れば乗るほど愛着がわくクルマです。なんといっても室内が広く、自分だけの移動部屋ができた感じです。 ガソリン車キャブオーバーなのにうまく遮音されているからか意外と静かです。 前席は、前輪にダブルウィッシュボーン仕様だからか意外と乗り心地いいですよ。タフに使用してきましたが全く壊れない。

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  DAIさん/兵庫県

解説:見切りの良さや室内の広さは、ボディ形状によるところが大きいでしょう。タフさについては折り紙つきで、業務用に設計されているため、一般的には過走行とされる走行距離がハイエースではごく当たり前の範疇。シャーシやサスペンションも重い荷物を積むことが前提なので、とても頑丈です。耐久性の高さも多くのユーザーに支持される由縁でしょう。
 

大きめの車体にも関わらず乗りやすい車です。着座位置が高く見晴らしが良い事が理由と考えます。最小回転半径等の数値はそれなりにあるのですが、単純な数値には表れない使い勝手の良さが存在しているように思えます。積載量については、一般の方から職人さんまで対応出来る懐の深さが証明するように不満のないレベルです。全般において耐久性は高く、エンジンも丈夫。重い荷物を満載してデコボコ道を走ってもボティから変な軋み音が聞こえてくるような事もありません。安定感のある走りとアイポイントの高さ故か長距離移動は楽です。利便性のよさと所有欲を満たす面白味のある車だと考えております。

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  8dfy65dfさん/東京都

解説:ハイエースは商用車の4ナンバーが主流。一見大きく見えても、4ナンバー規定の中で、幅や長さ、高さともほぼ最大限になるよう(容積を稼いで荷室を大きくなるよう)デザインされています。結局は、高さがあるので大きく見えるのが実態です。

また、規定枠いっぱいを使ってデザインされているため、ボディ形状がスクエアです。運転席からでも車両感覚がつかみやすく、「見た目以上に運転しやすい」といった特徴につながっています。
 

気になった点

全体的に大きい車なので最初は運転に戸惑います。この車を運転した友人からは高さに慣れないという意見をよく聞きました。確かに目線が他の車に比べて高いので違和感は出てきてしまいます。ただ、慣れてくるとかなり味のある良い車なのかなと思います。

引用元 :カーセンサー内『口コミ』 ままぞんさん/大阪府

解説:ハイエースはキャブオーバー型、つまりエンジンの上にドライバーが座るレイアウトになっています。しかも衝突安全性能に配慮するため、安全確保のためのスペースを確保しなければならず、ドライバーや助手席のためのスペースが制約されています。結果、前席の足元スペースは狭く感じられます。ただ仰るとおり、慣れれば違和感なく運転できると思います。
 

解説:ハイエースの主流は4ナンバーのバン。商用車です。商用車の場合、フル乗車定員に加え、荷物をフルに積載(ハイエースの場合は1000kg)した状態を前提に、サスペンションのスプリングの硬さや、ダンパーの性能を決めます。それゆえに、荷物を積んでいない状況では、ご指摘のように跳ねたり(主にリア)、サスペンションが硬くて乗り心地が悪く感じられます。対策としては足回りのカスタムなどが考えられます。中古車ならカステム済みの物件を狙うのもアリでしょう。
 

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【中古車】人気だけに流通量もバリエーションも豊富

発売から15年目で続投中のハイエースバンですが、カーセンサー掲載車両の平均車両価格は約231万円(2019年7月5日現在)。当然、1型は100万円程度が平均価格になるのに対し、2017年11月以降の4.5型は約353万円と高めとなっています。さらに価格帯で見ると39万~883.2万円と、物件によって価格幅が大きいこともわかります。

理由としては、生産年月が長いのに加えて、キャンピングカーなどのカスタム車を含めてバリエーションが豊富なこと。また、人気モデルであるため、低年式車、さらには走行距離の多い車でも価値がなくならないのが広い価格帯の一因にもなっています。古くて走行距離の長い中古車でさえ、そのような状況ですから、コンディションの良いものではあまり値落ちしない傾向にあります。

価格にこだわらず装備を重視するのであれば、トヨタセーフティセンスが全車に標準装備された4.5型を選びたいところ。同時期に2.8Lのディーゼルエンジンが搭載されてパワーユニットもリフレッシュされているのもうれしいポイントです。

仕様や装備の違いより、とにかく荷室に遊びのギアを積み込んでガンガン使い倒したい人は、年式を問わずDXグレードに注目。中古車の台数が多いハイエースだからこそ、期待に応える1台が見つかるはずです。
 

text/グラブ
photo/トヨタ
 

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