絶滅危惧車のセプタークーペは、セダンがベースだからリアシートも広々快適だ!
2018/08/31
北米市場では需要があったが日本市場では……
トヨタ セプターは1992年から1996年までアメリカのケンタッキー工場で「カムリ」として生産、販売されていた車両だ。
セダンは日本で生産され、ステーションワゴンとクーペはいわゆる“逆輸入”というかたちで日本に導入された。
当時、トヨタは日本における海外生産車両販売割合を引き上げる策を推し進めていた。1992年からはDUO店にてフォルクスワーゲン・アウディの取扱を開始したと同時に、北米生産のトヨタ車両の取扱にも積極的だった。
面白いもので日本語のプレスリリースには特段、海外生産車両販売割合の引き上げ策について発表はなされていない。しかし、トヨタの英語アーカイブをあさってみると、ハッキリと「海外生産車両販売割合の引き上げ」について言及されている。
クーペが日本導入されたのは1993年11月からのことで、月間販売300台をもくろんでいた。
フロントマスク、ダッシュボード、エンジンラインナップ(2.2L 直4、3L V6)などは3モデル共通となっていた。
ちなみに全長4780mm、全幅1770mm、ホイールベース2620mmはセダンとクーペで変わらない。ステーションワゴンのみ、全長が40mmだけ長かった。
そもそも北米市場がターゲットだったセプターゆえに、室内の広さはバッチリ。加えてセダンと変わらぬディメンションを持ったクーペは端的に言って、広かった。後席の足元の広さは昨今のクーペと比較しても群を抜いている。
ステーションワゴンは当時のブームに乗って順調な販売を記録したが、セダンは不調でクーペに至っては絶不調だった。
セプタークーペは実用的なパーソナルモビリティとして北米市場ではある程度、需要があったことは理解できる。しかし日本市場には、まったくもって合わなかったのだろう。
セプタークーペは特段、優雅でもなければ、高級だったわけでもない。だからこそ、現在まで“生き残って”いることも奇跡的と言わざるを得ない。
裏を返せば、日本の中古車市場でセプタークーペは天然記念物との遭遇のようなもの。新車を購入した前オーナー、廃車にせず乗り継いだ前オーナーに感謝したくなるほど、珍しい存在だ。
そして、売れなかったからこそ“ユニーク”な存在として現在も目を引く存在へと昇華している。何の変哲のないセダンのスタイルでクーペボディをまとい、リアシートに座ってみればセダンのように広々。良い意味で笑みが浮かんでくるに違いない。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
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