Q.販売店が車庫証明は自分で取れることを教えてくれなかった

車庫証明書を自分で取れることを購入後に知りました。手間もかからないということなので、知っていれば自分で取ったのですが…。販売店から説明がなかったことが原因だし、車庫証明代行料を返してもらうことはできませんか?

A.契約書に捺印をしている限り、返金は難しいでしょう

確かに、手数料がかかるものなら説明があってもよかったでしょう。しかし、見積書には「車庫証明代行費用」と記されているはずなので、捺印がされているということは、あなたは契約自体に納得をしているということになります。そう考えると、一方的に返金を求めるのは難しいでしょう。

とはいえ、一般常識からかけ離れた代行費用を請求されている場合は別です。今回の相談では金額の詳細はわかりませんが、1万円前後の金額であれば一般的な相場だと思われます。これを大きく上回り、5万円、10万円となればある程度返金を交渉する余地はあると考えられます。

ちなみに駐車場を確保したあとの車庫証明の申請手順を大まかに説明すると、まず、駐車場のあるエリアを管轄している警察署に行って必要書類を受け取ります。そこに駐車場の寸法などを書き込んで提出するという流れになります。

ただし平日の日中に先述した警察署に3度行かなければならなりません(申請書をもらいに行くときと、出しにいくときと、申請が受理されて発行された証明書を受け取りにいくとき。販売店で申請書をもらえれば2度ですみます)。また賃貸の駐車場を利用している人は、その駐車場の管理会社にも足を運ぶ必要があります(保管場所使用承諾証明書に署名、捺印をもらうため)。詳しくはこちらで確認してみてください。

とはいえ車庫証明書の取得は、自動車の手続きの中では比較的簡単なもの。最近は、この手続きを客側にお願いする販売店も多くなっています。
いずれにせよ契約時には車庫証明の代行を含め、不明な明細に関してはかならず内容を聞くようにしましょう

第75回:購入後に自分で車庫証明を取れることを知った場合は!?|渋滞ができる法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

車庫証明書(しゃこしょうめいしょ)
正式名称は自動車保管場所証明書。自動車の新規、移転及び変更登録に必要な書類。「自動車保管場所証明申請書」「保管場所標章交付申請書」「保管場所の使用権原を疎明する書類」(「自認書」または「保管場所使用承諾書」)「保管場所の所在図・配置図」に記入して、使用の本拠の位置が確認できるもの(免許証や公共料金支払いの領収書など)と共に申請する。申請書は交通課の「車庫証明窓口」に提出。ちなみに東京都の場合、申請手数料は普通自動車で2100円。また標章交付手数料に別途500円必要。