上津江町. ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)は、KTRおよびエクセレンスインターナショナルと共にPorsche Team KTRとして参戦する2015年のスーパーGT GT300クラス第7戦(オートポリス)の予選において、トラブルにより予選19位という結果になりました。

快晴、外気温12°C、路面温度25°Cという理想的なコンディションで行われることになった予選Q1セッションの開始を前にして、Porsche Team KTRはひとつの決断に迫られていた。朝のフリー走行で記録したベストタイムは1′46″401、18番手というポジションもさることながらGT300クラスのトップとの間に隔たる2.7秒の差は、ドライバーの頑張りだけで取り戻せる範囲ではない。Q2へ進出できる13位以内のポジションを確保するには、少なくとも0.5秒分はマシーンのセッティング変更でポテンシャルを稼ぎ出す必要がある。フリー走行に使ったタイヤと予選に使うタイヤの仕様は当然異なるし、路面コンディションの変化も計算に入れる必要がある。スーパーGTはテストできる時間が限られているため、セッション間でサスペンションセッティングを大きく変えることは当然ながらリスクが伴う。低中速コーナーの出口でオーバーステアが出やすく、全開にできるポイントが遅れるというドライバーのコメントを基に、チームの決断は早かった。「このままQ1に向かってもできる範囲は見えている。失うものは少ないのだから大胆に変えていこう」 リアサスペンションのスプリングを変更して内輪の接地荷重を増すことで、より高いトラクションを稼ぐことを目的としたセッティング変更を施すことになった。あえてスタビライザーのセットを変えなかったのは、このセッティングの方向がうまく働くのであれば、Q2ではさらにリアのロール剛性を落とす余地を残すためでもあった。
実際にこの攻めの姿勢は悪い選択ではなかった。アタックドライバーの坂本祐也はコースイン後2ラップ目でまず1′46″392のタイムを記録した後、充分にタイヤに熱が加わった状態でアタックラップへ突入し、セクター1、2でベストタイムをマーク。手応えを感じながらオートポリスの中で最も攻略しがいのある最終テクニカル区間へ突入していった。コーナー脱出時の挙動は安定しており、低速コーナーの連続から軽快に立ち上がっていくポルシェ911Rの姿は傍目から見ても安心できるものであった。だが好事魔多し。アタックラップの仕上げにあたる最終コーナーへアプローチする左高速コーナーでスロー走行する車両と遭遇、インへ飛び込むかアウトへ逃げるか瞬時の賭けが裏目にでて、クラッシュを避けるべくブレーキペダルに触れた瞬間、Q2進出の扉は閉ざされることになった。

チーム念願のポイント獲得をかけたSUPER GT IN KYUSHU 300kmレース決勝は、11月1日(日) 14:00スタートが予定されています。