eWV東京モーターショーから名称を変更して開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」。例年どおり出展予定の総合モビリティメーカーSUZUKI(スズキ)の出展内容をご紹介したい。

いよいよ開催が迫るJMS 2023、スズキの出展内容は?

JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)が2023年10月26日(木)から11月5日(日)まで(一般公開は10月28日(土)から)の11日間、東京都江東区の東京ビッグサイトをメインに開催される。

55年続いた東京モーターショーという名称を改めた今回は、「未来の日本」をお客様に体感いただく場として、自動車メーカーだけでなく、他産業やスタートアップなど出展社は400社を超える。もちろん、例年に引き続き総合モビリティメーカーであるSUZUKI(スズキ)も出展予定だ。

今回のスズキの出展テーマは「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」とし、「将来のカーボンニュートラルにむけたスズキの多様な取り組みを、スズキらしいモビリティやサービスでお客様にお届けする。」というメッセージとともに、楽しさ(ワクワク)を体感いただけるブース展示、演出すると発表。

事前に行われたスズキの説明会では、四輪車と二輪車のコンセプトモデルをはじめ、電動車いすや電動小型モビリティ、電動パーソナル/マルチユースモビリティ、船外機、また新しい事業の紹介など、バラエティに富んだ出展になることもアナウンスされた。

この記事では、その一部をご紹介したいと思う。

スズキのEV世界戦略車第1弾「eVX」

2023年1月にインドで開催された『オート・エキスポ2023』で公開した、スズキのEV世界戦略車第1弾「eVX」がジャパンプレミアとなる。

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「eVX」は電子制御による操安性、走破性に優れ、500km(参考値)という十分な一充電走行距離と快適なキャビンを実現する電動SUVだ。また、洗練さとSUVらしい力強さ、そして冒険心を表現したデザインなどが特徴となっている。

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インテリアは今回初公開。デバイス類を透過・浮遊させることで先進的な空間を演出し、立体感のある造形とシンプルで直感的なインターフェースが特徴だ。

世界初出展の軽ワゴンEV「eWX」

「もっと快適、もっと楽しい、もっと優しい、軽のEV」をテーマに掲げた「eWX」。こちらは世界初公開となる。

eWX▲ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1620mm(参考値)

「eWX」はスズキの軽自動車の特長である楽しく実用的な軽ワゴンと、EVらしい先進感をクロスオーバーさせたコンセプトモデルだ。

EVらしくすっきりとしたシンプルなボディ造形に、親しみやすいキャラクターを施したエクステリアと軽やかで使いやすく居心地のよい室内空間で、毎日の生活を支える「相棒」のような存在を表現している。

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EVならではのアクセルレスポンス、静粛性といった利点と、居心地のよい室内空間や十分な航続距離(一充電走行距離230km)など、ガソリン車の利点もしっかり引き継いだモデルだ。

四輪車の出品、他には?

前述の2モデルに加え、商用車バンと市販車のコンセプトモデルも用意される。そのひとつが毎日の“はたらく”に寄り添う軽商用バンのEVコンセプトカー「e EVERY CONCEPT」だ。

e EVERY CONCEPT▲ベースはダイハツ ハイゼットカーゴ。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mm(参考値)

多くの荷物を積んでもEVらしい力強い十分な加速ができ、振動の少ない走行が可能。非常時には「動く蓄電池」として車の電気を外部に供給することもでき、地域社会への貢献もできる仕様となっている。

そして、個性的なデザインと広い車内空間が自慢の軽スーパートールワゴン「スペーシア」をベースにしたコンセプトモデルも、2モデル発表される。

スペーシア▲ルーフキャリアと「SPACIA」のロゴデカールは、タテのイメージを強調している
スペーシア▲こちらは上質感と華やかさをコンセプトにしたデザイン

「スペーシア コンセプト」はコンテナをイメージしたデザインとなっており、日常を彩る心地よさとワクワク感を表現。「スペーシア カスタム コンセプト」はカスタムらしい上質感と華やかさをデザインしたという。

どちらも後席空間には「マルチユースフラップ」を採用し、リビングのようなくつろぎスペースをイメージし快適性を向上。また、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」や「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」を搭載し、スズキの軽としては初となる予防安全システムも搭載されるそうだ。

そして、「Drive&Feel」というワードを大切に開発し続けてきた「スイフト」のコンセプトモデルも用意されている。

スイフト▲新色のボディカラーは、次世代スズキを象徴する「フロンティアブルー・パールメタリック」

“モノ”より“コト”が重視される時代にあって、「デザイン」と「走り」だけではなく「クルマと日常を愉しめる」という新しい価値を提供するという。

なお、先進運転支援システムについては、「デュアルセンサーブレーキサポートII」や「アダプティブハイビームシステム」「ドライバーモニタリングシステム」などを搭載。ガソリン車クラストップの燃費性能も実現するそうだ。

これらのコンセプトモデルに加え、「ジムニー シエラ(3ドア)」、「スーパーキャリイ」「ソリオ」「ハスラー」「ワゴンRスマイル」などの市販車も出展する。

インドで発表された「ジムニー 5ドア」の展示もあるかと期待されたが、「現在日本市場では3ドアのデリバリーが間に合っておらず、この時点での5ドアの発売に関しては未定(スズキ関係者)」とのこと。残念だが、もうしばらく発表の日を楽しみ待つことにしよう。

また、四輪車以外にも二輪車や小型電動モビリティの紹介も予定されている。

MOQBA▲次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)」
echoinori▲アシスト電動自転車の電動ユニットを使用した近距離モビリティ「e-choinori(イーチョイノリ)」
SUZUKIGO▲アルファベットの「G」から着想を得た、個性的なデザインのミドルシニア層向けモビリティ「SUZUKI GO!」
ランクル200▲毎日の生活や、通勤・通学時の使用を想定した「SUZU-RIDE」

公共交通機関では行きづらいような階段や段差の多い地域でも、車輪と4つ脚を活用して自由に移動が可能になる次世代モビリティ「MOQBA(モクバ)」や、あのチョイノリがEV仕様となって登場するなど、こちらも面白そうな内容。

気になる方は、ジャパンモビリティショー2023当日にスズキのブースを訪れてみてはいかがだろうか。出展場所は東5ホール中央あたりだ。

文/カーセンサー編集部 写真/スズキ