日産 エクストレイル▲SUVならではの力強い走りと使い勝手の良さに加え、先進技術も織り込まれた新型エクストレイル。まず4WD車が発売され、2WD車は追って秋に発売される

発電用に可変圧縮比エンジンのVCターボ起用

日産自動車は7月20日、エクストレイルをフルモデルチェンジして4WD車を7月25日に発売する旨を発表した(2WD車は今秋発売予定)。

4代目にあたる新型エクストレイルは、初代からのDNAである「タフギア」を継承しながら「上質さ」を加え、第2世代のe-POWERとVCターボ、e-4ORCE(イーフォース)を搭載している。

設定グレードと税込み価格は次のとおりである。なお、表記のないモデルは2列シート5人乗り。

【2WD】
・Sグレード 319.88万円
・Xグレード 349.91万円
・Gグレード 429.88万円

【4WD】
・S e-4ORCE 347.93万円
・X e-4ORCE 379.94万円
・X e-4ORCE(3列シート7人乗り) 393.03万円
・G e-4ORCE 449.9万円

滑らかな走りを実現するe-POWERには高出力モーター採用の第2世代が起用されている。

発電用エンジンには、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジンのVCターボが採用され、常用域から加速時までエンジン回転数を抑えることで優れた静粛性を実現。

プラットフォームも刷新され、高剛性ボディと遮音構造によって魅力が高められている。

アクセルペダルだけで車速をコントロールできるeペダルステップには、e-POWER車で初めてブレーキ協調制御が採用されており、状況に応じて油圧ブレーキも作動する。
 

日産 エクストレイル▲発電用エンジンのKR15DDT型1.5L直3ターボは106kW/250N・mをマーク。圧縮比は状況に応じて8.0から14.0の間で変動する

電動駆動四輪制御技術のe-4ORCEは、前後2基の高出力モーターと左右のブレーキを統合制御することで四輪の駆動力を最適化。雪道や山道で高い走破性を発揮するだけでなく、市街地走行でも快適な走りをもたらす。e-4ORCEの特徴は下記のとおりである。

●ドライバーの意のままの走り:タイヤの摩擦力が最大限使い切れるよう、前後モーターの駆動力とブレーキがキメ細かく制御されて最小限のステアリング操作で思いどおりのコーナリングが行える。

●路面を問わない安心感:つねに最適なトラクションを確保することで、スリップやスタックを回避してスムーズな発進と走行を可能にしている。

●乗る人すべてに快適な乗り心地:減速時に前後モーターの回生量が調整されて車体の挙動を安定させ、乗員の頭部の揺れを軽減。

●力強く滑らかな走り:アクセルペダルの踏み込みに素早く応答し、伸びのある加速を実現。
 

日産 エクストレイル▲前後モーターと左右のブレーキが制御されて四輪の駆動力が最適化されるe-4ORCEにより、狙いどおりのラインがトレースできる。スリップやスタックを回避できるメリットも有する

全方向の安全を確保する360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)が採用されており、新たにSOSコールやアダプティブLEDヘッドランプも設定。また、高速道路で運転を支援するプロパイロットにはナビリンク機能が加わり、地図データをもとに設定速度の切り替えやカーブ前の減速支援など、ドライバーの操作頻度を軽減。

駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキを自動制御して縦列&並列駐車と車庫入れをサポートするプロパイロット・パーキングも用意されている。
 

タフさに加えて上質さも感じさせる内外装

エクステリアは、初代から継承されているタフさに加えて上質さを感じられるエッセンスを追加。フロントマスクには、上段にポジションランプとターンシグナル、下段にヘッドランプが配された上下2段ランプが採用されている。

また、リアコンビランプのインナーレンズには日本伝統の切子パターンにインスパイアされた加工が施されている。
 

日産 エクストレイル▲ポジションランプとターンシグナルが上段に、ヘッドランプが下段に置かれた特徴的なフロントマスク。最上級グレードにはシーケンシャル・ターンシグナルも備わる

ボディカラーは、ツートーン5種類とモノトーン7色の計12色から選べる。初代からイメージカラーとして親しまれている赤には、日本初導入となるカーディナルレッドを起用。エレガントな色合いのシェルブロンドとスーパーブラックのツートーンは、シャンパンのような上質さを演出し、力強さの象徴でもあるステルスグレーもラインナップされている。

インテリアもタフさと上質な心地よさの両立をめざしてデザインされた。宙に浮いたブリッジ式センターコンソールの下にはボックスティッシュが収納できるスペースを用意。また、アームレストを兼ねるコンソールリッドは観音開き式に仕上がっている。リアドアには直射日光を遮るロール式サンシェードを設定。

シート素材には、日産が独自開発したテーラーフィットを初採用。しっとりした肌触りと包まれる心地よさが見どころだ。この他、タン色のナッパレザー、防水シートも用意されている。
 

日産 エクストレイル▲タフさを感じさせるブリッジ式コンソールにはラージサイズのカップホルダーが内蔵されている。写真は最上級グレードにオプション設定のナッパレザーシート

メーターパネルには、2種類の表示モードが選択できる12.3インチのディスプレイを採用。また、12.3インチのコネクトナビには自然な発話で操作できる音声認識機能やAmazon Alexaが搭載されている。

さらに、10.8インチの大型ヘッドアップ・ディスプレイによってドライバーは目線を大きく移動させることなく、必要な情報を把握することができる。専用チューンされた9スピーカーのBOSEプレミアム・オーディオ、AC100V・1500W電源も用意。

ラゲージスペースは荷室幅と開口部の幅を広げることで使い勝手が向上し、クラストップレベルの広さを確保。
 

日産 エクストレイル▲12.3インチのメーターパネルは表示モードが2種類から選べる。センタークラスターに備わるコネクトナビの画面も12.3インチで、音声コマンドにも対応している
日産 エクストレイル▲ナビやプロパイロットの情報もカラーで表示される10.8インチのヘッドアップ・ディスプレイは最上級グレードに専用装備として標準化されている
文/マガジンX編集部、写真/日産