トヨタ アクア▲7月19日に発売された新型アクア。モデル初のフルモデルチェンジとなった

新開発の電池やトヨタ初採用の新機構を搭載

初代アクアは、2011年東日本大震災が発生した年にトヨタ自動車東日本(当時の関東自動車工業)の岩手工場で誕生した。「ハイブリッドカーを身近なものにする」との思いが込められて、「次の10年を見据えたコンパクトカー」を追求。

高い実用性だけでなく、ハイブリッド専用車として圧倒的な低燃費と静粛性を手頃な価格で実現し、全世界で約187万台が売れた。その結果、アクア全体で約1240万トンのCO2削減に貢献したという。

7月19日に発表&発売された新型アクアは、「さらに次の10年を見据えたコンパクトカー」として安全&安心に使える充実装備と優れた環境性能を追求。

最良グレードのWLTCモード燃費は35.8km/Lで、全車にAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントが標準装備され、停電時などに電気を取り出して電気ポットやドライヤーといった家電が使える。

設定グレードと税込み価格は以下のとおり。
・Bグレード(FF) 198万円
・Bグレード(E-Four) 217.8万円
・Xグレード(FF) 209万円
・Xグレード(E-Four) 228.8万円
・Gグレード(FF) 223万円
・Gグレード(E-Four) 242.8万円
・Zグレード(FF) 240万円
・Zグレード(E-Four) 259.8万円
 

トヨタ アクア▲「さらに次の10年を見据えたコンパクトカー」として開発された新型アクア。WLTCモード燃費で35.8km/Lを記録している
トヨタ アクア▲AC100V・1500Wアクセサリーコンセントは全車に標準装備されており、停電など非常時に役立つ給電機能も含まれる

バッテリーには、駆動用車載電池として世界で初めてバイポーラ型ニッケル水素電池を採用。先代モデルに使われていたニッケル水素電池と比べて出力が約2倍に向上し、アクセルペダルを踏み込んだ際の応答性が向上。低速からスムーズな加速を実現している。

また、電気だけで走れる速度域が拡大したことで、街中など多くのシーンでエンジンに頼らず走行できるという。

バイポーラ型ニッケル水素電池とは集電体の片面に正極、もう一面に負極を塗ったバイポーラ電極を複数枚、積層させてパックにした電池のことである。従来のニッケル水素電池と比べて部品点数が少なくコンパクトにできる点が特徴で、従来方式と同等サイズなら、より多くのセルを搭載することが可能だ。

また、通電面積が広くて抵抗が低減できるため、大電流が一気に流れて出力の向上を図ることができる。
 

トヨタ アクア▲集電体の両面に電極を塗ることでコンパクトにでき、大電流によって高出力化を実現したバイポーラ型ニッケル水素電池

アクセルペダルには、「快感ペダル」がトヨタ初採用されている。走行モードで「POWER+」を選ぶと、アクセルペダルを緩めるだけで回生によって減速度が増し、滑らかに減速できる機構だ。ブレーキペダルとの踏み替え頻度が減ってドライバーの負担軽減につながる。
 

トヨタ アクア▲「POWER+」モードで強い減速が得られる快感ペダルの作動イメージ。ペダルを踏み替える頻度が減ってドライバーにかかる負担が減る

搭載されるエンジンは、1.5L直3ダイナミックフォースエンジン。それに加え、最適化されたハイブリッドシステムによって、35.8km/Lの低燃費を実現。また、アクア初のE-Four(電気式4WD)もラインナップされている。
 

ボディサイズそのままにホイールベースを50mm延長し、室内広々

安全&安心をもたらすデバイスとして、トヨタ・セーフティセンスが全車に標準装備されている。

具体的には、右左折時にも対応するプリクラッシュ・セーフティ、全車速追従型レーダークルーズコントロール、同一車線内の中央を走るように操舵を支援するレーントレーシングアシスト、ペダル踏み間違い時の急加速を抑制するプラスサポートなどが搭載されている。

ステアリングとペダル類の操作およびシフトチェンジなど、駐車時の全操作を車が支援するトヨタチームメイト・アドバンストパーク。前後方向に加えて側方の静止物をも検知して警報とブレーキ制御で接触回避を支援するパーキングサポートブレーキもトヨタのコンパクトカーで初めて採用。

シャシーには、GA-Bプラットフォームが使われて高いボディ剛性と優れた静粛性、安定感のある走りを実現。ボディサイズは先代と変わらないが、ホイールベースは50mm延長されて後席の居住性と荷室が拡大された。
 

トヨタ アクア▲ホイールベースが50mm延長されて後席の居住性と荷室が拡大されたキャビン

エクステリアは、伸びやかなモノフォルム・シルエットと左右に張り出したリアフェンダーの組み合わせで、アクアらしいスマートな印象に仕上がっている。

ボディカラーは、新開発色のクリアベージュメタリックなど、全9色から選べる。
 

トヨタ アクア▲伸びやかな印象のモノフォルム・シルエットと張り出したリアフェンダーによって、アクアらしさが継承された外観

インテリアのテーマは、シンプル&クリーン。合皮巻きのアームレストや合皮とファブリックが組み合わされたパワーシートなど、クラスレスで上質なデザインにまとまっている。

ボックスティッシュも入る助手席アッパーボックス、スライド式トレイのセンターコンソールなど、収納スペースにも配慮。

また、操作性と視認性に優れた10.5インチの大型ディスプレイオーディオがトヨタのコンパクトカーで初採用されている。
 

トヨタ アクア▲合皮巻きアームレストやパワーシートが採用されて上質な雰囲気に仕上がったインテリア
トヨタ アクア▲グローブボックスとは別に用意されている助手席アッパーボックスには上開き式のリッドが備わっている

新型アクアは、サブスクリプション・サービスのKINTOでも購入できる。ウェブまたは販売店にて申し込み可能で、7年プラン・ボーナス月加算11万円の場合、月額1万9580円から利用できる。

福祉車両のウェブキャプ(車いす収納装置付車、助手席ターンチルトシート付きフレンドマチック取付用専用車)も揃っている新型アクアの月販売目標台数は9800台で、トヨタ自動車東日本の岩手工場で生産される。
 

文/マガジンX編集部、写真/トヨタ