ジムニー(4代目・JB64型)▲これまで高めの水準が続いてきたジムニー(4代目・JB64型)の中古車価格がついにダウン。かなり求めやすい状況になってきた!

3ドアの本家ジムニー、流通量アップの要因は?

ええっ! あの4代目ジムニーの中古車流通量が爆増? しかも総額100万円台前半で狙える物件が出てきたって本当?

2018年のデビュー以来、大ヒットを記録してきたジムニー(4代目・JB64型)。あまりの人気から新車は一時期、受注停止に。当然、中古車市場も活況で、ある程度の流通量をキープしつつも常に需要増で、高めの価格水準が続いてきた。

しかし、ここにきて中古車の状況が大きく変わってきた。最近は追加された5ドア版、ノマドに注目が集まっていたが、今注目すべきはジムニーなのでは!? ここで改めてジムニー(4代目・JB64型)のモデル概要を振り返りつつ、オススメの狙い方を見ていきたい。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲ジムニー(4代目・JB64型)がデビューしたのは2018年7月。今でも高い人気をキープしているのはすごい

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スズキ ジムニー(4代目・JB64型)
 

モデル概要:唯一無二の存在感は変わらず

世界中を見渡しても、現行車種においてジムニーほど悪路走破性能に優れたモデルは極めて希有だ。数少ないライバルにランドクルーザーやジープ ラングラーがあるが、ジムニーにはコンパクトなボディサイズという強力な武器がある。ある意味、日本独自の軽自動車規格があったからこそ生まれた至宝とも言えるだろう。

4代目ジムニーJB64型は従来型の登場から約20年を経て、ついにフルモデルチェンジした通算4代目となるモデル。

ラダーフレーム構造の強固なボディ、ストローク豊かな前後リジッド式サスペンション、十分に低い減速比をもつ副変速機といった歴代ジムニーの伝統を守りながら、先進的な安全運転支援機能が取り入れられた。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲高い視座で運転感覚は独特。一部グレードにはスズキセーフティサポートが装備される

外観は2代目を思わせるスクエアなフォルムに。ヘッドライトやウインカーはあえて真円に近くデザインされ、ノスタルジックかつ無骨な雰囲気が強調されている。

現代の軽自動車では希有な、エンジンを縦向きに配置する駆動系レイアウトも特徴。前後重量バランス、駆動輪を直結するパートタイム式4WDを採用するためのものだが、同じ軽自動車でもハスラーなど横置きエンジンを採用するモデルに比べてキャビンはどうしても狭くなる。

そうした犠牲を払ってでも悪路走破性を最重視する思想こそジムニーのジムニーたる由縁であり、長年にわたってファンから熱烈に支持されてきた理由だ。4代目ではトラクションコントロールや衝突被害軽減ブレーキといった先進機能がとり入れられ、オンロードでの快適性は確実に向上しているが、本懐であるオフロード走行においても歴代モデルに決して劣るものではない。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲後席の可倒方法はグレードによって異なる

ジムニー(4代目・JB64型)のグレード構成はシンプルで、下記のとおり。

XG
最もベーシックなグレード。後席シートバックは一体式。スズキセーフティサポート装着車の設定あり(~2022年6月)
XL
快適装備が充実した中級グレード。後席シートバックは分割・リクライニング機構付き。スズキセーフティサポート装着車の設定あり(~2022年6月)

XC
LEDヘッドライトなどが装備される最上級グレード。スズキセーフティサポートを標準装備

駆動方式は全グレードとも手動で2WD(FR)~4WD~ローレンジを切り替えるタイプのパートタイム式4WD。先代の後期型(JB23-6型~)ではスイッチ式トランスファーが採用されていたが、4代目でレバー式に戻された。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲トランスファーはフロアにあるレバーで切り替える昔ながらの方式

4代目デビューから約7年が経過したが、大規模な変更はまだ行われていない。主な変更は下記のとおりだ。

2021年10月:4速AT車に停車時アイドリングストップ機構を装備。「スズキセーフティサポート」非装着車にもオートライトシステムを装備
2022年7月:全車に「スズキセーフティサポート」を標準装備。5速MT車にも停車時アイドリングストップ機構を追加

基本性能や基本的なデザインが年式やグレードなどで大きく違わないことは、中古車を購入するうえで選びやすいだろう。

 

中古車状況&考察:流通量アップが価格ダウンの要因

ここからは現在の中古車概況を見ていこう。ジムニー(4代目・JB64型)の登場から約7年。新車販売については現在でも月販3000~5000台をキープしており、注文から納車まで1年前後かかるともいわれている。新車人気はほとんど衰えていないのだ。

ただ、中古車においては経年とともに流通量が着実に増えてきた。延べ掲載台数は、2024年初旬から徐々に増加。2025年に入ると急増し4000台を突破。直近では5000台に迫る、4610台となっている。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲ジムニー(4代目・JB64型)における2024年8月~2025年7月のカーセンサー掲載台数推移

そうした状況を反映してか、中古車平均総額もダウン傾向に。2024年4月ごろからコンスタントに下がり続け、2025年初旬にはついに230万円台前半まで下降。直近(2025年8月時点)ではなんと210万円台まで下がった。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲ジムニー(4代目・JB64型)における2024年8月~2025年7月の中古車平均総額推移

価格ダウンの背景はいくつかの要因が考えられるが、最も大きい理由は経年による中古車市場への供給量アップだろう。デビューから7年が経過し、新車を買った人の一部が乗り替えを検討、中古車市場への供給量が増えた……と推測できる。

ノマドの登場による人気の分散も要因として考えられなくはないが、あちらは小型車であり、軽自動車のジムニーとは市場が全く異なる。加えて、中古車流通量もまだごく少数。中古車価格への影響は少なそうだ。

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スズキ ジムニー(4代目・JB64型)
 

オススメの狙い方①:価格重視で総額100万円台前半の物件を狙うのはアリ?

ジムニー(4代目・JB64型)の中古車にも、ついに総額100万円台前半の物件が流通し始めた。気になるのは、そうした格安物件を買っても大丈夫なのか、ということだろう。

まず、総額150万円以下の物件数は今のところ流通量全体の1%以下、と決して多くはない。それらを大ざっぱに分類すると、ひとつは修復歴ありの物件、もうひとつは走行距離が10万km前後の物件となる。

“修復歴ありの物件”については、当該の車にダメージが残っているか否かが選ぶときのポイントだ。修復歴は事故などによってフレームなど車の骨格部分を修復した場合だけでなく、ルーフやトランク部分を修復しても適用となる。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲事故などによってラダーフレームを損傷し、修理した場合は「修復歴あり」となる

ジムニーはボディとフレームが別体のラダーフレーム構造であるため、ボディに損傷を負ったとしても走行に支障が出るケースは少ない。きちんと修復されている物件なら問題ないだろう。

いずれにしても、どんな箇所に、どんな修復を行ったのか販売店に尋ねることはマスト。そのうえで物件を自分の目でチェックし、問題なさそうなら購入してOKだ。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲競技などで激しいオフロード走行を経験してきた物件には注意。下まわりに大きな損傷があるかも

次に“走行距離が10万km前後の物件”について。これはオイル交換や点検など定期的にメンテナンスされてきた物件なら、走行距離が多少延びていてもOK。ジムニーの耐久性は軽自動車の中でもずば抜けて高く、走行距離が20万~30万kmになっても問題なく走っている車両がたくさんある。

ただし、オルタネーターやウオーターポンプ、ゴムブッシュ類など消耗部品の交換は必然。購入予算にあらかじめ、消耗部品の交換費用を見込んでおこう。また、極端はオフロード走行をしてきた物件か否かも要チェック。下まわりをのぞいて、サスペンション部分などに大きな損傷跡がある物件は避けるべきだろう。

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スズキ ジムニー(4代目・JB64型) × 総額150万円以下
 

オススメの狙い方②:コスパの良い「XG」をターゲットに

流通量が充実してきたジムニー(4代目・JB64型)だが、価格と性能のバランスがいいコスパ良好なモデルはどれだろう。それは「XG」だ。

「XG」は最廉価グレードでホイールはスチール製、ヘッドライトもハロゲン式、リアシートは一体式、と簡素な装備内容だ。2022年6月までは「スズキセーフティサポート」オプション扱いだった。

しかしジムニー(4代目・JB64型)の本質的な魅力は装備内容にあらず! よくできたシャーシにあるはずだ。その点では最上級グレードも「XG」も全く変わらない。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲スチール製ホイールの素朴さが「XG」の味。カスタマイズのベース車にするのも良いだろう

以前は中古車市場での流通量が少なめだった「XG」だが、全体のボリュームがアップしたために俄然狙いやすくなった。現時点で100台近くもの選択肢がある。

例えば2020年式・走行距離3.5万kmの「XG」、5速MT仕様で総額149.9万円。4速AT仕様も総額160万円台から狙える状況だ。

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スズキ ジムニー(4代目・JB64型) × XG系
 

オススメの狙い方③:アクティブな走りをより楽しみたいならマニュアル車

マニュアル車の比率が比較的多めなのも、ジムニー(4代目・JB64型)の特徴。中古車市場でも全体の2割以上が5速MT車となっている。

ジムニー(4代目・JB64型)は全グレードに4速AT車と5速MT車が設定されており、新車価格はMT車の方が10万円ほど安い。その影響が中古車市場にも反映されているようで、同じコンディションなら5速MT車の中古車価格が安い傾向にある。

ジムニー(4代目・JB64型) ▲ダイレクトな走りを楽しめるだけでなく燃費も良い5速MT車

もちろんオフロード走行やスポーツ走行でも、MT車なら一層楽しめる。そのうえ燃費においても4速AT車が14.3km/Lなのに対して、5速MT車は16.6 km/L(ともにWLTCモード燃費・「XG」グレードでの比較)と有利だ。

ということで価格の一例を挙げると、2020年式・走行距離1.2万km・修復歴なしの「XL 5速MT車」の場合で価格は総額159.1万円。マニュアル車に乗れる免許を持っている人なら、ぜひ一度は検討してみてほしい。

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スズキ ジムニー(4代目・JB64型)× MT車

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スズキ ジムニー(4代目・JB64型)× 全国
文/田端邦彦 写真/スズキ
※記事内の情報は2025年8月6日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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