三菱 デリカミニ(現行型)▲頼もしさと可愛らしさのあるルックスで一躍人気者となったデリカミニ。デビューから間もなく2年で、中古車市場も活気づいてきた

デリカミニの流通量が順調に増加、価格も求めやすくなっている

かっこカワイイ三菱の軽スーパートールワゴン、デリカミニが素晴らしい快進撃を続けている。

デビュー年には半年強で3万7000台以上を販売。一年後の2024年6月には、新車累計受注台数で5万台を達成した。もちろん中古車市場も活況だ。

現在の中古車流通量は1800台前後になり、価格的にも総額100万円台後半から狙える物件が多数存在する、充実した状況だ。

ところで、デリカミニって一体どんな車だっけ? 買うとしたら、どんなモデルがオススメ? 今回はそんな疑問に答えてみよう。デリカミニのモデル概要を振り返るとともに、中古車市場の動向を解説、さらにオススメのグレードを紹介していく。

三菱 デリカミニ(現行型) ▲レーダークルーズコントロールを含むマイパイロットなど、装備が充実しているのもデリカミニの長所だ

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モデル概要:スーパーハイトワゴン×SUVのクロスオーバー

デリカミニは2023年5月、三菱eKシリーズの一員としてデビューした。全くの新モデルなのに、なぜeKシリーズ?

実はこのデリカミニ、eKシリーズのクロスオーバーSUVであるeKクロススペースの大規模マイナーチェンジモデルという位置づけであり、基本設計はほぼ一緒なのだ。

外観デザインはむしろeKクロススペースの方が、デリカの本家であるD:5に近いものだった。デリカミニでは小型犬のような勇ましさと可愛らしさが同居したフロントマスクを与えるとともに、外観にSUVらしいラギッド感をプラス。このルックスが話題になり、一躍大ヒットモデルとなった。

三菱 デリカミニ(現行型) ▲本家デリカD:5ほどの悪路走破性能ではないにしても、4WD車なら日常使用域のオフロードを何ら問題なく走れる

魅力は何と言っても、広大な車内空間だ。中でも後席の広さは特筆もので、320mmものシートスライド量を確保。前席を一番後ろにスライドさせた状態でも、らくらく後席に座ることができる。また車内高にも余裕があるから、小さな子供なら立ったまま着替えることが可能。ファミリーにとってはこの上ない利点だろう。

シート生地が撥水になっていたり、荷室床&後席背面が樹脂製(プレミアム系グレードへの装備)になっていたりして、ラフに使えるのもポイント。見た目だけでなく、使い勝手もちゃんと “SUVしている” というわけだ。

三菱 デリカミニ(現行型) ▲インパネのデザインはeKクロススペース時代とあまり変わらないシンプルなもの。ターボ車にはパドルシフトが備わる

エンジンは660cc自然吸気ガソリンと、660ccガソリンターボの2種類。エンジンごとにグレードが設定されている。デリカミニの主なグレードは以下のとおり。

「G」:NA車の標準グレード
「G プレミアム」:運転席側電動スライドドアなどが装備される、NA車の上級グレード
「T」:ターボ車の標準グレード
「T プレミアム」:運転席側電動スライドドアなどが装備される、ターボ車の上級グレード

それぞれのグレードにFFと4WDが設定され、計8種類のラインナップとなる。4WD車は専用の大径タイヤとなり、見た目や乗り味が異なることも留意しておきたい。

助手席側電動スライドドアや衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全機能e-Assistは全車標準装備。プレミアム系グレードにはさらに高速道路同一車線運転支援機能などを含むマイパイロットが装備される。軽自動車とは思えない充実した装備内容だ。

三菱 デリカミニ(現行型) ▲後席居住空間は広大。シートをたためば背の高い物もらくらく積載できる
三菱 デリカミニ(現行型) ▲4WDシステムは前後をプロペラシャフトでつなぎ、必要に応じて後輪へと駆動力を配分する本格的な構造
 

中古車概況:流通量も平均価格も順調に推移

それではデリカミニの中古車状況を見ていこう。2023年5月にデビューしたデリカミニの中古車流通量は登場直後から順調に増え続け、2024年7月には1000台を突破した。

その後、2025年に入っても増えていき、2025年3月現在1800台を超えている。実質的な先代モデルとなるeKクロススペースよりも圧倒的に流通量が多い。4000~6000台もの流通量がある競合車、N-BOXやスペーシアには及ばないものの、購入検討するうえでは全く困らないはずだ。

三菱 デリカミニ(現行型)▲2024年2月~2025年2月までの中古車流通量推移

続いて中古車平均価格の推移をチェック。こちらも登場以来、大きな変動はないものの、順調に下がってきている。下落傾向に特段の理由があるとは考えにくく、単純に経年によるものだろう。

三菱 デリカミニ(現行型)▲2024年2月~2025年2月までの中古車平均価格推移

新車時価格が180.4万~227.2万円であるところ、記事執筆時の2025年3月20日時点での中古車平均価格は約208万円。年式やグレードによって総額100万台後半から狙える物件も決して少なくない。最も早い時期に初度登録された物件でも初回車検までにはまだ1年以上ある状況下で、この価格水準は嬉しい。

ボリューム的に最も充実しているのは2024年式、価格帯では190万円台となっている。走行距離別では500km未満の物件が圧倒的に多く、全流通量の半数以上が届出済未使用車だ。

といった中古車市場の状況を踏まえて、次章からはオススメのグレードを見ていこう。

三菱 デリカミニ(現行型)
 

オススメグレード①:「G」グレードの魅力は価格だけじゃない

デリカミニは標準装備が充実している。価格重視で選ぶなら……というか、ごく一般的なニーズなら「G」グレードで十分だ。

最廉価グレードでありながら助手席側電動スライドドアやe-Assist、撥水シートなどは備わっている。NAエンジンだけにパワフルではないものの、モーターアシスト付きなので市街地を走るうえでは痛痒を感じないだろう。WLTCモード燃費20.9km/Lという燃費性能も魅力。

ということで「G」の中古車をチェックしてみると、走行距離数kmの好条件で総額160万円前後の物件が多数見つかる。例えば2024年式・走行距離7kmの届出済未使用車の場合で総額159.9万円。新車価格が約180万円なので、20万円+諸経費分が安く手に入る計算だ。

三菱 デリカミニ(現行型) ▲上位グレードと外観上の違いは少ない

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オススメグレード②:パワーも装備も充実した「T プレミアム」は流通量も多め

ファーストカーとしてがんがん使いたい、長距離移動もこなしたいなら、最上級の「T プレミアム」がオススメだ。このあたりのグレードになると、装備内容はワンクラス上のSUVと同等。また軽自動車の中でもデリカミニは車重がやや重めだが、パワフルなターボ車なら気にならない。

前述したように現状の中古車市場では届出済未使用車が多めとなっている。おそらくデモカーや展示車、試乗車だった物件だろう。その影響か、グレード別分布ではプレミアム系が圧倒的に多い。最も多いのが、この「T プレミアム」で、実に全体の4割以上を占めている。

価格の一例を挙げると、2024年式・走行距離0.1万kmの物件で総額189.9万円。新車とあまり変わらないコンディションにもかかわらずリーズナブル! 当時の新車価格は207.5万円だ。

ちなみに「T プレミアム」全体のうち、6割以上が4WD車。これはデリカミニのキャラクターを反映したものだろう。こちらの価格は総額198万円~となっている。

三菱 デリカミニ(現行型) ▲プレミアム系グレードは両側電動スライドドア、ステアリングヒーターなど充実した装備が魅力

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※記事内の情報は2025年3月20日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/三菱、尾形和美
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。