N-BOX▲広い車内、使いやすい両側スライドドア、しっかりとした乗り心地などが人気の現行型(3代目)ホンダN-BOX。2024年9月にアウトドアテイストモデルの「ジョイ」も加わった

“日本一売れる車”の中古車が爆速で増加中! 狙うなら選びやすい今!?

日本一売れる車、ホンダN-BOX。軽自動車だけではなく、登録車(軽自動車以外の乗用車)を含む新車販売台数が、2021~2023年度の3期連続で日本一となった。

その勢いは2023年10月に現行型(3代目)にフルモデルチェンジしても衰えず、2024年の上半期(1~6月)新車販売台数ランキングでも、登録車(軽自動車以外の乗用車)を含めて新車販売台数ナンバー1を獲得している。

そんな超人気車の中古車が爆速で増加しているのだ。早速どんな中古車があるのか、狙い目はどれか、確認してみよう。

日産 キューブのグラフ

▼検索条件

ホンダ N-BOX(3代目・現行型) × 全国
 

流通量は7000台を突破! 一方平均価格は190万円を切ってきた!

まずは、どれだけ現行型(3代目)N-BOXの中古車が増加しているか、下記でご確認いただこう。

日産 キューブのグラフ

このように、気持ちが良いほどの右肩上がりで急増している。11月時点で流通量は7000台を突破した。これはほぼ同時期(2023年11月)に登場した3代目スズキ スペーシアの2倍以上だ。

一方で中古車平均価格はというと、下落は緩やかだ。11月は、10月より若干上がったものの、それでも188万円と190万円を切っている。

日産 キューブのグラフ

中古車の価格は需要(欲しいというニーズ)と供給(流通量)のバランスで決まる。だから、これだけ増えたらもう少し下がっても良さそうなのに、と思うかもしれない。

しかし、なんといっても「日本一売れる車」ということは、それだけ欲しいというニーズが強いということでもある。それに登場からまだ1年ちょっと。平均価格を下げるほどの長距離走行車はほとんどないし、もちろん低年式車もない。逆に、新車に近い状態の中古車が大量に流入すれば、平均価格はどうしても高くなりがちだ。

そもそも軽自動車は全体的に需要が高い。例えば先ほど取り上げた同時期のライバル、スペーシアはN-BOXよりも平均価格は高いのだ。

以上を踏まえると、188万円という平均価格は決して高いわけではない。それどころか、つぶさに見ていくと、美味しい中古車が、流通量が多いこともあってゴロゴロと……。

続いて、そんな美味しい現行型N-BOXの中古車について紹介しよう。

 

モデル概要:“日本一売れる車”を最新技術でアップデートしたのが現行型だ!

現行型N-BOXを、ひと言で言えば“日本一売れる車”の旧型(2代目)のアップデート版だ。

旧型は登場以来、軽自動車では一度も首位の座を譲らず、先述のとおり登録車(軽自動車以外の乗用車)を含む新車販売台数では3期連続で日本一となった。

モデル末期(2023年9月)でも売れ続けたら、新旧の販売台数の合計となる2023年度も日本一になったのだ。それほどネガな部分などほとんどない旧型を、あらゆる角度から見直して改良したのが現行型というわけだ。

まず、内外装デザインは、最新のトレンドを取り入れつつ、しかも長く使い続けたくなるような、シンプルなデザインにまとめられた。

N-BOXは、伝統的に標準モデルとカスタムモデルがあるが、標準モデルから見ていくと、まん丸い目(ライト)と、シンプルな造形美が目を引く。

N-BOX▲標準モデルのフロントデザイン。ヘッドライトは人間の“瞳らしさ”が出るようにデザインされた
N-BOX▲標準モデルのリアデザイン。その名にたがわず、シンプルなボクシースタイルだ
N-BOX▲アウトドアテイストモデルの「ジョイ」。旧車風のスチールホイールが採用されるなど、SUVテイストというより、アウトドアグッズのようなデザインだ

もう一方のカスタムモデルもシンプル志向だ。ライバルであるダイハツ タントカスタムやスズキ スペーシアカスタムなどのライバルと比べると、“押し出し感”はやや控えめになっている。

しかし、横一文字に並ぶライト類や立体感のあるフロントグリルなど、「新しいカスタム像」を目指したというだけあり、ライバルと異なる唯一無二の存在感を放つ。

N-BOX▲カスタムモデルのフロントデザイン。左右のポジションランプと中央のアクセサリーランプが横一直線に並ぶ。
N-BOX▲初代、2代目に引き続き、縦のクリアレンズが備わるカスタムモデルのリアデザイン。バンパーのデザインも標準モデルと異なる

インテリアでは、軽自動車(商用車を除く)最大級の広い車内空間はそのままに、さらに運転がしやすい視界を手に入れた。

例えば、フラットなダッシュボードや水平基調になったインパネデザインなどにより車幅や、カーブを走行する際などの自車の傾きなどが把握しやすくなっている。

N-BOX▲標準モデルの運転席まわり。メーターはダッシュボードの上ではなく、ステアリングからのぞき込む位置に変わった
N-BOX▲カスタムモデルの運転席まわり。ディスプレイが載る助手席側~中央上部のトレイは、標準モデルがコルクの質感、カスタムモデルは大理石の質感が表現されている
N-BOX▲標準モデルはグレージュとグレーのツートーンのファブリック。カスタムモデルの内装色はブラックトーンで、ファブリックの他に本革調やスエード調がある
N-BOX▲容量が2代目(旧型)と比べて2倍以上になったグローブボックス(助手席前の収納)

またサイドミラーの改良によって、駐車時などで車をバックさせる際の後方視界も、より広い範囲が見えるようになった。

さらに、同社の軽自動車として初めて、車のフロント・サイド・リアに備わるカメラからの映像を、ディスプレイに映し出す「マルチビューカメラシステム」も用意された。これなら狭い道でのすれ違いやバック駐車など、シーンに応じて必要な映像を表示してくれるので、運転に自信のない人も安心だ。

もちろん同社の先進運転支援機能「ホンダセンシング」は、旧型に引き続き全車に標準装備された。ただし現行型では、カメラとセンサーが改良され、高速道路でのよりスムーズな加減速など、より扱いやすくなっている。

N-BOX▲ホンダセンシングは「近距離衝突軽減ブレーキ」や「急アクセル抑制機能(イラスト)」が追加された

このように最新機能が備わっただけでなく、走行性能も当然進化している。評判の良かった旧型と比べて、加速感はより力強く、スムーズになった。乗り心地や車内の静粛性も合わせて改良されている。

デビュー時のモデルバリエーションは、標準モデルとカスタムモデルの2タイプ。標準モデルはノンターボのみで、カスタムはターボも選べる。いずれも2WDと4WDが選べる他、標準とカスタムモデルにはスロープ(車いすも載せられる)仕様も用意された。

さらに2024年9月には、アウトドアテイストの新モデル「ジョイ」が追加された。標準モデルをベースに、内外装にキャンプやピクニックに使いたくなる仕様が盛り込まれたモデルだ。こちらはターボとノンターボがある。

以上が、現行型N-BOXの概要となるが、これらを踏まえ今のオススメ中古車はどんなものか、早速紹介しよう。

 

とにかく安く手に入れたいなら:標準モデルのベースグレードなら支払総額約140万円~

N-BOX▲標準モデルのベースグレードでもホンダセンシングは標準装備だし、助手席側スライドドアは電動開閉式だ

原稿執筆時点の現行型N-BOXのカーセンサー掲載台数は約5600台。平均価格は約177万円で、価格帯は約110万~290万円。特徴的なのは、平均走行距離が約0.1万km(約1200km)と、ほとんど走っていない中古車が多いことだ。

登録済未使用車(販売店が登録したものの使用されていない車。一度登録したので中古車扱いとなる)も約2600台と、5割近くを占めているのも、あまり他の車種では見られない状況だ。

その中で、とにかく安く現行型N-BOXを手に入れたい人にオススメしたいのは、標準モデルの「ベースグレード」。ノンターボ車しか選べないが、新車時価格が安い分、中古車価格も他グレードと比べてお手頃で、登録済未使用車でも支払総額約140万円から狙える。

新車は支払総額約180万円はするから、中古車価格は約40万円はほど低いことになるのだ。

ベースグレードは全体の3割以上を占める約1800台あるので、比べて選びやすい。そのうち半数以上が登録済未使用車だ。

ベースグレードといっても、そもそも標準モデルは基本ワングレード。そのため助手席側スライドドアは電動だし、ホンダセンシングやフルオートエアコンも標準装備であるなど、装備が充実しているので購入後も満足度も高いのではないだろうか。

▼検索条件

ホンダ N-BOX(3代目・現行型) × 660(標準モデル・ベースグレード) × 全国
 

カスタム狙いなら:カスタムターボが支払総額約180万円から手に入る

N-BOX▲カスタムターボは唯一シート地が「プライムスムース×トリコット(スエード調)コンビシート」となる

カスタムモデルを狙うなら、オススメは「カスタムターボ」だ。登録済未使用車でも支払総額約180万円から選ぶことができる。こちらも、新車なら支払総額約220万円はするから、中古車価格は約40万円は低い。

原稿執筆時点の掲載台数は約770台で、ノンターボ車「カスタム」の約1540台のほぼ半数しかないが、それでもこれだけあれば、選びにくいということはないだろう。ちなみに、約770台のうち3割以上が登録済未使用車だ。

確かに、カスタムの方が登録済未使用車で支払総額約160万円から見つけるので安く手に入る。しかし、カスタムターボはエンジンにターボが備わるだけでなく、14インチから15インチアルミホイールになり、シート生地がより上質になって、運転席側も電動スライドドアが標準で、パドルシフトが備わるなど装備が一層充実する。

しかも電動スライドドアなど後付けできない装備もある。新車時の車両本体価格差(約20万円)が今のところ埋まっていないのだから、やはり今ならカスタムターボがオススメだ。

さらに、登録済未使用車でもカーナビなどオプション装備を付けて販売されている物件も散見される。好みのボディカラーや欲しい装備をしっかりと決めてから、お気に入りのカスタムモデルを選ぶようにしよう。

▼検索条件

ホンダ N-BOX(3代目・現行型) × カスタム 660 ターボ × 全国
 

デビュー間もない「ジョイ」も、これだけ流通量があれば狙える!?

N-BOX▲後部シートを床下に収納してバックドアを開ければ、お気に入りの景色を眺めてゆっくりできるのが、ジョイの魅力

2024年9月に登場したばかりの、アウトドアテイストモデル「ジョイ」。普通の車なら「まだ流通量が少なくて狙うのが難しい。あったとしてもプレミアム価格になって高い」のが当たり前だが、さすがは“日本一売れる車”。7000台超も中古車が流通していると、登場間もないグレードも“選ぶことはできる”。

原稿執筆時点でジョイの掲載台数は180台。標準モデルやカスタムモデルの1割以下しかないが、それでもこれだけあれば、近くの販売店にある可能性は否定できないし、好みのボディカラーが選べる可能性もある。まずはどんな中古車があるかのぞいてみることをオススメしたい。

ちなみに7割以上が登録済未使用車で、ノンターボの「ジョイ2トーン」の登録済未使用車で支払総額約180万円から。新車の支払総額は約200万円だから、標準モデルやカスタムモデルよりはまだ値落ち額は小さいが、探してみる価値はあるだろう。

▼検索条件

ホンダ N-BOX(3代目・現行型) × ジョイ × 全国

▼検索条件

ホンダ N-BOX(3代目・現行型) × 全国

※記事内の情報は2024年12月16日時点のものです。
 

文/ぴえいる、写真/ホンダ、尾形和美

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。

この記事を読んでいる人にオススメの動画