三菱 デリカミニの新車価格と納期にプチ絶望した人に贈る「100万円以下で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: ホンダ / スズキ / 三菱 / ダイハツ / 軽自動車 / ムーヴキャンバス / スペーシア / N-ONE / N-BOXスラッシュ / ハスラー / デリカミニ / 伊達軍曹
2024/07/12
上級グレードの新車乗り出し価格は250万円以上
「デリ丸」という名の公式キャラクターでもお馴染みの軽スーパーハイトワゴン、三菱 デリカミニが大人気です。
販売台数は2023年5月の発売から10ヵ月で年間目標の3万台を軽く上回り、直近の軽乗用車販売台数ランキングでも安定のトップ10圏内。やはりあのビジュアルと雰囲気は、多くの人の心をとらえたようです。
とはいえ、デリカミニは決して安価な軽乗用車ではありません。一番人気の「T プレミアム(4WD)」というグレードは車両本体価格が223万8500円ですので、オプション装備と諸費用を合わせた乗り出し価格は250万円を軽く超えてしまいます。
また、人気モデルだけに新車の納期も決して短くはなく、三菱自動車の公式サイトによれば、直近の工場出荷時期のめどは「3ヵ月程度」とのこと。そしてまだ登場から間もないため、中古車相場も「お得になっている!」という状況ではありません。
であるならばデリカミニの新車総額の半額程度で、つまり「総額100万円以下」で、デリカミニと似たような魅力をもつ軽乗用車をさっさと買ってしまった方が、もしかしたら人生のコスパは向上するのかもしれません。
ということで、総額100万円以下で狙える「デリカミニの代わり」を探してみることにしましょう!
デリカミニの「人気の理由」はこの4ポイント
総額100万円以下の予算で「デリカミニと似たような魅力をもつ軽乗用車」を探すためには、まず初めに「そもそもデリカミニの魅力とは何ぞや?」という点を整理しておく必要があります。
三菱 デリカミニの魅力とは、主には以下の4点に集約されるでしょう。
「甘すぎず辛すぎず、でもやっぱりなんだかとってもかわいい」というあの絶妙な外観こそが、デリカミニが大人気となっている最大の理由でしょう。
デリカミニは全高1800mmの「軽スーパーハイトワゴン」というジャンルに属する軽乗用車。これは「スーパー背が高い」ということですので、車内を広~く使えることが魅力となります。
デリカミニの後部ドアは、左右ともにスライドドア。乗り降りや荷物の出し入れに便利であり、狭い場所に止めた際、隣の車に「ドアパンチ」を食らわせないで済むというメリットもあります。
デリカミニの4WD車は、決して「本格的な悪路もガンガン走れる」というタイプの車ではありません。しかし、ファミリーキャンプなどを楽しむ際にしばしば遭遇する「ちょっとした悪路」であれば、普通に快適に走ることが可能。このあたりも、デリカミニが人気を集めている大きな理由でしょう。
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三菱 デリカミニ(初代) × 全国それでは次章以降、以上の4ポイント(かわいい/背の高さ/スライドドア/4WD)を基準に、総額100万円以下の予算で狙える「デリカミニと似たような魅力をもつ軽乗用車」を具体的にリストアップしてみます。
候補1|ダイハツ ムーヴキャンバス(初代)
カワイイ ◯|背の高さ △|スライドドア ◯|4WD ◯
想定予算:総額80万~130万円
「デリカミニほど極端に背が高くなくてもOK」ということでしたら、背の高さ以外はすべて◯となる注目株がこちら、ダイハツ ムーブキャンバスの先代モデルです。
先代にあたる初代ムーヴキャンバスは、両側スライドドア付き軽乗用車の利点は生かしつつ、「でも、そこまで背が高くなくてもいいんじゃね?」的な考えに基づき、全高をあえて1655mmに抑えた軽ハイトワゴン。
そして往年のワーゲンバス(フォルクスワーゲン タイプ2)をほうふつとさせるカワイイ内外装デザインも、ムーヴキャンバスの素晴らしいポイントです。
前述のとおり「かわいい」については、デリカミニと方向性はまったく異なりますが十分以上で、「スライドドア」も全車標準装備。ちなみに車内に標準装備されている収納スペースの「置きラクボックス」は大変便利に使うことができます。
「背の高さ」は△となりますが、4WDの設定はありますので、ハードな悪路は無理ですが、普通のファミリーキャンプ場であれば特に問題なく到着可能です。
このデザインを「甘すぎてちょっと……」と感じる人には向きませんが、逆にこの世界観が好みであれば、便利に使えるデリカミニの対抗馬として、初代のムーヴキャンバスは大いにオススメできる1台です。
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ダイハツ ムーヴキャンバス(初代) × 全国候補2|スズキ スペーシア ギア(2代目)
カワイイ ◯|背の高さ ◯|スライドドア ◯|4WD ◯
想定予算:総額100万~140万円
遺憾ながら総額100万円を少々超えてはしまうのですが、すべての項目が◯となるスズキ スペーシア ギアもかなり有力な選択肢です。
スズキ スペーシア ギアは、軽スーパーハイトワゴンであるスズキ スペーシアの先代モデルをSUV風味に仕立てた1台。
専用デザインのフロントバンパーや、プロテクターを模した装飾パネルなどを採用したスタイリングの方向性は、デリカミニとまったく同じではありませんが、ジャンルとしてはおおむね同じ。甘すぎず辛すぎずな、しかし結論としてかわいい感じのオフロードテイストです。
ちなみに荷室のフロアや後席のシート裏面も、汚れに強い防汚仕様になっています。
そして全高1800mmですので「背の高さ」はデリカミニとまったく同じで、スライドドアも標準装備。そして4WDも設定されていますので、ファミリーキャンプなどのお供レベルであれば、デリカミニとほぼ同様に活躍するでしょう。
それでいて価格はデリカミニの新車の約半額ですので、かなりナイスな選択肢かと思われます。
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スズキ スペーシア(2代目) × ギア系グレード × 全国候補3|ホンダ N-BOXスラッシュ(初代)
カワイイ ◯|背の高さ △|スライドドア ×|4WD ◯
想定予算:総額80万~120万円
ホンダ N-BOXスラッシュは、超絶大人気の軽スーパーハイトワゴン、ホンダ N-BOXの先代モデルをベースに作られた軽ハイトワゴン。
開発コンセプトは「ファンキー・チョップトップ」で、先代N-BOXの上部を10cmチョップして(たたき切って)クーペ風のフォルムとし、ファンキーな(意訳すると「個性的な」)内外装デザインを採用した異色の軽乗用車として2014年12月に登場しました。
デリカミニの「かわいい」とはニュアンスと方向性が異なりますが、N-NOXスラッシュのデザインも「ある意味かわいい」と言えるでしょう。
「背の高さ」は、全高1670mmなので「まあまあ」といったところでしょうか。デリカミニの1800mmにはかないませんが、1670mmであれば普通に十分ではあります。
残念ながらスライドドアは採用されていないN-BOXスラッシュですが、4WDは設定されており、ちょっとした河川敷の駐車場程度であれば普通に走ることができます。
スライドドア付きではない点が問題にならないのであれば、総額100万円以下で買える「デリカミニの代わり」としては、なかなかナイスな選択肢であるはずです。
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ホンダ N-BOXスラッシュ(初代) × 全国候補4|スズキ ハスラー(初代)
カワイイ ◯|背の高さ △|スライドドア ×|4WD ◯
想定予算:総額70万~120万円
「両側スライドドア」と「極端な背の高さ」はなくても大丈夫ということであれば、スズキ ハスラーの先代モデルにも注目したいところです。
ハスラーは、「軽クロスオーバーSUV」という新ジャンルを開拓した軽トールワゴン。背の高さは全高1665mmゆえに「ほどほど」で、スライドドアも採用されていませんが、どことなくクラシカルでもあるオフロードっぽい外観デザインは非常にステキで、王道的な「かわいい」というのとは少し違うかもしれませんが、まぁ結論としてナイスでかわいい内外装です。
ちなみに車内は、ごく簡単な操作による多彩なシートアレンジが可能。ワンアクションで後席を倒せば、けっこう広大な荷室が現れます。
そして4WDも当然ながら設定されているだけでなく、4WDモデルには、急な下り坂を約7km/hの一定車速で降坂できるヒルディセントコントロールという仕組みが付いています。そして「アプローチアングル28°」「デパーチャーアングル46°」という本格的な設計ですので(悪路でもボディと路面が干渉しにくい、という意味)、デコボコ道を伴うキャンプ場などへも安心して走っていくことができるでしょう。
背の高さとドアの方式はさておき、総額100万円以下で買えるデリカミニの対抗馬としてはかなり有力です。
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スズキ ハスラー(初代) × 全国候補5|ホンダ N-ONE(初代)
カワイイ ◯|背の高さ △|スライドドア ×|4WD ◯
想定予算:総額50万~100万円
ホンダ N-ONEは、さほど背は高くないヒンジドア(スライド式ではないドア)の軽トールワゴン。そのデザインと雰囲気にオフロードテイストは皆無であるため、「これのどこがデリカミニの代わりなんだ?」と思うかもしれません。しかし先代にあたる初代N-ONEは、冷静に考えてみると「三菱 デリカミニの代わり」になり得る資質を有しています。
まず「かわいい」についてですが、N-ONEはとくかく「かわいい!」としか言いようがないデザインを採用しています。レトロというよりは「タイムレス」とでも言うべき普遍的な造形であり、「甘すぎず辛すぎず」という部分においてはデリカミニと同様です。
ちなみにN-ONEは2020年11月に2代目へとフルモデルチェンジされたのですが、初代のデザインの完成度があまりにも高かったため、2代目も「初代とほとんど同じデザイン」を採用するハメになったぐらいです。
そして「背の高さ」は、もちろん全高1800mmのデリカミニと比べればかなり低いのですが、初代N-ONEも実は全高1610mmですので、決して「背が低い」というわけでもないのです。まぁ高くはありませんが。
スライドドアについてはあきらめるほかないのですが、いちおう4WDの設定はあります。本格的な悪路走行は無理ですが、普通にお出かけする際に遭遇する程度のオフロードであれば、大きな問題はありません。
もちろん「デリカミニのオフロードっぽいビジュアルが大好きなんです!」という人にはまるで向かない選択肢です。しかし、「シンプルで“カッコカワイイ感じ”にデザインされた軽乗用車が欲しい」と考えている人であれば、初代N-ONEは意外とマッチングする可能性もあります。
ご自身の先入観をいったんクリアにしたうえで、ぜひ一度ご検討ください。
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ホンダ N-ONE(初代) × 全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。