レクサス LMの新車価格約1500万円に絶望した人に贈る「半額で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
2024/06/15
4人乗りは2000万円、6人乗りでも1500万円……
日本市場向けとしては初代モデルとなる「レクサス LM」が2023年12月、ついに発売されました。
まず登場した2列・4人乗りのLM500h“エグゼクティブ”は、雲上のごとき乗り心地と数々の超快適装備を備えた、現行型トヨタ アルファードをも超えるトップ・オブ・トップのミニバン。そして2024年5月には3列・6人乗りのLM500h“バージョンL”も追加されたことで、いよいよ「レクサス LMが欲しい!」と考える人の数も増えていることでしょう。
しかし、「欲しい!」と思うだけならタダですが、実際にLMを購入するには天文学的な(?)予算が必要となります。
2列・4人乗りの「エグゼクティブ」は新車価格2000万円であり、3列・6人乗りという現実的なパッケージングの「バージョンL」も、車両本体だけで1500万円。……さすがにちょっと出せない金額だといえるでしょう。
そしてレクサス LMはあまりにも人気が高いため、中古車価格がこの先大きく下がることも考えにくく、逆にプレミアム価格が付いてしまう可能性もあります。
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レクサス LM(現行型) × 全国しかし、それでも「レクサス LMのことが気になって仕方ない!」というのであれば、「LMの代わり」になり得るモデルを現実的な価格帯で探し、それを購入するしかありません。具体的な金額の目安は、レクサス LM“バージョンL”の半額である「750万円」といったところでしょうか。
総額750万円以下の予算で入手できる「LMの代わり」になり得るモデルとは、果たしてどんなモノなのか? 以下、具体的に挙げてみることにしましょう。
候補1|トヨタ アルファード(3代目)
予算目安:総額650万~800万円
レクサス LMの代わりになる得るモデルとしてまず考えられるのは、トヨタの最上級ミニバン「アルファード」の先代モデル、その中でも最上級グレードである「エグゼクティブラウンジ」でしょう。これの3年落ち以内で走行1万km台までの物件を、総額650万~800万円ほどで狙うことができます。
30系こと先代のアルファードについて今さら過剰な説明は不要かと思いますが、30系アルファードは2015年から2023年途中まで販売されたLサイズミニバン。その中でも2018年式以降となる後期型の、なおかつ最上級グレードである「エグゼクティブラウンジ」または「エグゼクティブラウンジS」であれば、レクサス LMにも十分対抗できます。
エグゼクティブラウンジは左右独立タイプの豪華な2列目シートが自慢のトップグレードで、電動オットマンや大型アームレスト、収納式テーブル、ヒーターおよびベンチレーション、12.1型モニターといった旅客機のビジネスクラスと同等の機能、そして十分な広さが備わっています。
もちろんそれらもレクサス LMと直接比べれば「若干劣る」と言わざるを得ないのですが、そこはもう世代も値段も違うわけですから、割り切るしかありません。世の中、広さにしても豪華さにしても“上”を見ればキリがありませんが、仮にとことん広くてとことん豪華な車だったとしても、1人の生身の人間がフルに使い切れるものでもありません。実は“そこそこ”で十分なのです。
「そこそこで十分」というと後ろ向きな発言に感じられるかもしれませんが、先代アルファードのエグゼクティブラウンジまたはエグゼクティブラウンジSの広さと豪華さは十分以上。いや、ここで推奨しているのは「3年落ち以内で、かつ走行1万km台までの先代エグゼクティブラウンジ」ですから、十分なんて言葉では言い表せないほどゴージャスで快適であることは間違いありません。
それをレクサス LMの半値または半値以下で入手できるなら悪くない話かと思うのですが、いかがでしょうか?
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トヨタ アルファード(3代目) × エグゼクティブラウンジ × エグゼクティブラウンジS × 全国候補2|トヨタ ヴェルファイア(2代目)
予算目安:総額370万~660万円
アルファードの兄弟車である「トヨタ ヴェルファイア」の先代(2代目)エグゼクティブラウンジも、魅力というか特徴は先代アルファードのエグゼクティブラウンジとおおむね同様です。
こちらはアルファードと比べると若干人気薄だったため流通量が少ないのがネックであり、デザインの面でも「先代アルファードの後期型の方が好き」という人が多そうでもあります。しかし先代ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジには「比較的お安く狙える」という美点があります。
「レクサス LMに(ある程度)近い車を軽めの予算で狙いたい」と考える人には、悪くない選択であるはずです。
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トヨタ ヴェルファイア(2代目) × エグゼクティブラウンジ × エグゼクティブラウンジZ × 全国候補3|メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型)
予算目安:総額690万~800万円
もしも輸入車でもOKなら、現行型メルセデス・ベンツ Vクラス後期型の「エクスクルーシブシートパッケージ」が装着されている中古車を選ぶという手もあります。
メルセデス・ベンツ Vクラスは、日本では1998年に初代モデルが発売されたLサイズミニバン。通算3代目となる現行型は2015年5月に上陸し、2019年10月にマイナーチェンジが実施されました。
パワーユニットは2.2Lの直4ディーゼルターボで、そのパワーはシステム最高出力371psのハイブリッドシステムを搭載するレクサス LMに及びませんが、ディーゼルターボならではの380N・mという極太トルクは、現行型Vクラスの巨体を十分以上の力感とタイムでもって加速させます。
そして現行型メルセデス・ベンツ Vクラスの魅力のひとつは、今申し上げた「巨体である」という部分です。
ロングボディ版のボディサイズはレクサス LMと比べてもおおむね遜色ない全長5150mm×全幅1930mm×全高1930mmで、ホイールベースはレクサス LMの3000mmより200mm長い3200mm。そのため現行型Vクラスの車内はきわめて広大です。
そしてさらに現行型Vクラスは、2019年10月のマイナーチェンジで「エクスクルーシブシートパッケージ」が選べるようにもなりました。このパッケージで装着されるエクスクルーシブシートというのは、要するにアルファードのエグゼクティブラウンジに装着されているシートのようなもので、大ぶりなアームレストやオットマン、リクライニング機能、シートヒーターおよびベンチレーターなどが付いている超ゴージャスなシートです。
新車時86万円のオプションだったこれが付いている後期型メルセデス・ベンツ Vクラスであれば、レクサス LMと完全に同等かどうかはさておき、近いニュアンスの満足感を覚えることができるはずです。なお、カーセンサーの検索ではオプションの絞り込みができないため、エクスクルーシブシートパッケージ付きモデルをお探しの方はフリーワード検索などで探してみるとよいでしょう。
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メルセデス・ベンツ Vクラス(現行型) × 後期型 × 全国候補4|メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)
予算目安:総額700万~800万円
「レクサス LMが気になる!」と考えている人の中には「専属の運転手さんを雇用し、自分は常に超快適な2列目シートに座っていたい」と考えている人も、当然ですがいらっしゃるでしょう。しかし、多くの人は「自分がLMのステアリングを握り、自分で運転する」と想定しているのではないかと推測します。
……何が言いたいのかと申しますと、「ならばミニバンじゃなくてもいいんじゃないですか?」ということです。
本来はショーファーカーであるレクサス LMをドライバーズカーとして欲しいと考えているということは、「あの2列目空間が欲しい」というわけではなく、「何らかの強烈な存在感がある高級車を買って、人から注目を集めたい」というのが、本当の本音なのではないでしょうか?
もしもこれが完全に的外れな推測であったならば謝りますが、もしも「……実はそうなんだよね」ということでしたら、例えば「先代のメルセデス・ベンツ Gクラスを総額750万円ぐらいで買ってみる」という選択もオススメとなります。
ご承知のとおりメルセデス・ベンツ Gクラスは、NATO(北大西洋条約機構)に制式採用された軍用車の民生版として生まれたオフローダーです。しかし、時の流れとともに、いつしか「富裕層御用達のゴージャスなSUV」という立ち位置で大人気を博すことになりました。
そんなメルセデス・ベンツ Gクラスの現行モデル(2018年6月~)は、さすがに総額700万円台ではまだ無理なのですが、現行型へ切り替わる直前にあたる2016年あたりの一番人気グレード「G350d ロング ディーゼルターボ 4WD」であれば、総額700万円の予算でもまずまず好条件な1台を見つけることができます。
至れり尽くせりの豪華快適装備や、車内の広さに関してはレクサス LMの圧勝となります。しかし“存在感”に関しては先代Gクラスの後期型も決して負けていませんし、極太トルクを発生する3Lディーゼルターボエンジンがもたらす走りも、レクサス LMと方向性は完全に異なりますが、これはこれで大いに魅力的です。
もしもミニバンであることにこだわりがないのであれば、2016年式付近のGクラス G350d ロング ディーゼルターボ 4WDは「レクサス LMの代わり」として十分以上に機能するでしょう。
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メルセデス・ベンツ Gクラス(初代) × G350d ロング ディーゼルターボ 4WD × 全国候補5|トヨタ センチュリー(先代または現行型)
予算目安:(先代)総額100万~400万円 (現行型)総額880万~1400万円
同じくミニバンというボディタイプであることには特にこだわらず、「最上である」「素晴らしい乗り心地である」という点のみにこだわっているのであれば、いっそ先代トヨタ センチュリーでもいいのかもしれません。
ご承知のとおりトヨタ センチュリーは、企業の社長さんや皇族などが後席に乗ることを想定して作られたトヨタの最上級車種。レクサス LMとある意味同じ「ショーファーカー」です。その乗り心地のよさはほぼロールスロイスに匹敵しているため、レクサス LMを狙っていた人でも、間違いなく大満足できるでしょう。
そして1997年から2017年まで販売された先代モデルは、今や世界的に見ても貴重なV12エンジンを搭載しています。V12特有の「静かで上質な力強さ」とでも言うべきフィーリングは、一度経験してみれば誰もが絶句するほど感動するはず。レクサス LMのターボエンジンをベースとするハイブリッドシステムも素晴らしいですが、センチュリーのV12エンジンの素晴らしさだって相当なモノです。
先代トヨタ センチュリーの中古車は走行距離が鬼のように延びている場合も多いのですが、きわめて頑丈な作りの車であるため(そうでないと、真のVIPを乗せることはできません)、走行距離の多寡はさほど気にする必要がありません。比較的お安い物件であっても、メンテナンス次第で長~く楽しめるはずです。全長が5270mmもあるため「停められる場所を探すのに苦労する」という車ではあるのですが、それは全長5215mmのレクサス LMでもある程度同じかもしれません。
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トヨタ センチュリー(2代目) × 全国また、総額750万円という想定予算ラインを大きく超えてはしまいますが、もしも「レクサス LMのバージョンLを買うより安い金額なら出せる!」というなら、総額1200万円前後で現行型のトヨタ センチュリー セダンを狙ってみてもいいかもしれません。こちらはV12エンジンではなく5L V8エンジンをベースとするハイブリッドですが、当然ながら素晴らしい乗り心地の車であり、存在感やインパクトも、ある意味レクサス LM以上だといえるでしょう。
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トヨタ センチュリー(現行型) × 全国この記事を読んでいる人にオススメの動画
※記事内の情報は2024年6月10日時点のものです。
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。