GLB▲かつてメルセデス・ベンツのSUVといえばGクラスのみだったが、最近のラインナップではクロスオーバーSUVが主流になってきた(写真は初代GLB)

ボディサイズもパワーユニットもバリエーション豊か

メルセデス・ベンツは世界的なSUVブームを先導してきたブランドのひとつだ。伝統的な本格四駆からスタイリッシュなクロスオーバーまで、幅広いバリエーションのSUVを取り揃えている。

電動化にも積極的で、ピュアEV専用モデルだけで3車種もラインナップ。この記事では現行型メルセデス・ベンツSUVの人気モデルをガソリン&ディーゼル車とEVに分けて一挙に紹介する。

モデル 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) 中古車価格帯
GLAクラス
(2代目)
4430 1805 1505~1510 330万~740万円
GLB
(初代)
4650 1845 1700 390万~820万円
Gクラス
(2代目)
4660 1930 1975 790万~2830万円
GLC
(2代目)
4720~4725 1890 1640 730万~1000万円
Cクラスオールテレイン
(初代)
4760 1840 1495 530万~790万円
GLE
(2代目)
4930~4955 1950~2020 1770~1795 580万~1460万円
GLS
(2代目)
5210~5220 1955~2030 1825 780万~1800万円
EQA
(初代)
4890 1870 1920 170万~1170万円
EQB
(初代)
4930 1840 1540 410万~880万円
EQC
(初代)
4950~4985 1980~1990 1925 900万~1950万円
モデル 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) 中古車価格帯
GLAクラス(2代目) 4430 1805 1505~1510 330万~740万円
GLB(初代) 4650 1845 1700 390万~820万円
Gクラス(2代目) 4660 1930 1975 790万~2830万円
GLC(2代目) 4720~4725 1890 1640 730万~1000万円
Cクラスオールテレイン(初代) 4760 1840 1495 530万~790万円
GLE(2代目) 4930~4955 1950~2020 1770~1795 580万~1460万円
GLS(2代目) 5210~5220 1955~2030 1825 780万~1800万円
EQA(初代) 4890 1870 1920 170万~1170万円
EQB(初代) 4930 1840 1540 410万~880万円
EQC(初代) 4950~4985 1980~1990 1925 900万~1950万円
GLBリア ▲質実剛健な作りや高級感に注目されがちなブランドだが、使い勝手などの機能も一流!(写真は初代GLB)
 

GLAクラス(2代目)

・生産期間:2020年6月~
・全長:4430mm
・全幅:1805mm
・全高:1510mm

 GLAクラス(2代目) ▲初代よりも全高をやや高くしつつ、スタイリッシュさをキープ

Aクラスのプラットフォームをベースに開発された、スタイリッシュなクロスオーバーSUVの2代目。

コンパクトながらエンジンを横置き搭載しており、広い車内空間が確保されている。外観も都会的なので、買い物や子供の送迎にもぴったりの1台となるだろう。

ラインナップではフルタイム4WD の2L直4ディーゼルターボ(「200d」)を主力に、2021年1月からはFFの1.4L直4ガソリンターボ(「180」)も用意。2023年9月のマイナーチェンジでは外観がよりスポーティになるとともに装備内容が充実した。

 GLAクラス(2代目) ▲センターパネルにある3連のエアコン吹き出し口がユニーク

デビューから約4年。中古車市場での流通台数は150台前後、中古車平均価格は510万円前後と順当な水準だ。エンジン・駆動別ではディーゼルの4WDが圧倒的に多い。

価格帯は幅広く、300万円台から十分に狙える。例えば2021年式・3.6万kmの「200d AMGライン」なら支払総額339.8万円だ。

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GLB(初代)

・生産期間:2020年6月~
・全長:4650mm
・全幅:1845mm
・全高:1700mm

 GLB(初代) ▲コンパクトで可愛らしい外観は、3列シート車に見えない

クロスオーバーSUVとしてはやや角張ったユニークなフォルムは、Gクラスからインスパイアされたものだという。

外観こそ勇ましいが、エンジンを横置き配置する現代的な設計とし、さらに全高を高めとしてゆったりとした車内空間を確保。比較的短めの全長としながら3列シート7人乗車を実現したパッケージは驚きだ。個性的かつ使い勝手の良いSUVを求める人にもってこい!

デビュー当初、日本市場でのラインナップは2Lディーゼル車(「200d」)がFF、2Lガソリン車(「250」)が4WDという特異な設定だったが、2021年4月のマイナーチェンジでディーゼル車も4WDとなり、1.4L直4ガソリンターボ(「180」)搭載のFFが追加された。

 GLB(初代) ▲メーターとインフォメーション表示を一体としたワイドディスプレイを採用

中古車市場での流通量は220台前後と十分、中古車平均価格も570万円前後と手に入れやすい価格帯になってきた。

ガソリン車の割合は中古車全体の2割ほどと少なめだが、2021年8月まで新車販売されていた「250」は比較的リーズナブル。支払総額300万円台から狙える物件もある。

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Gクラス(2代目)

・生産期間:2018年6月~
・全長:4660mm
・全幅:1930mm
・全高:1975mm

 Gクラス(2代目) ▲スクエアな外観は初代から踏襲したものだが、フロントまわりのデザインはやや丸みを帯びた

硬派一辺倒で長い生産期間を誇った初代Gクラスが、2018年に初めてモデルチェンジした。外観は初代のイメージを踏襲しており、型式も共通だが、中身は全くの別モノだ。

Gクラス伝統のラダーフレーム構造、リアのリジッド式サスペンションこそ引き継いでいるものの、フロントサスは独立懸架となるダブルウィッシュボーン式に変更。全長&全幅も初代より大きくなり、居住性は格段に向上されている。

「レーダーセーフティパッケージ」などの先進予防安全装備、トラクションコントロールなどの電子デバイスが積極的に採用されたのもトピックだ。エンジンのラインナップは4L V8ツインターボ付きガソリン(「550」)と、3L 直6ディーゼル(「350d」、「400d」)。

 Gクラス(2代目) ▲インテリアも洗練されたデザイン。助手席前のアシストグリップは健在だ

中古車市場でも大人気で、中古車平均価格は1800万円前後と、最上級グレードの新車価格を上回っている。流通台数は300台前後、ディーゼル車が圧倒的な人気だ。

なお、2代目デビュー後の2018年6月以降もしばらくの期間、初代Gクラスが新車販売されていた。モデル名で検索すると初代と2代目が混在する点に注意しよう。

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GLC(2代目)

・生産期間:2023年3月~
・全長:4720~4725mm
・全幅:1890mm
・全高:1640mm

 GLC(2代目) ▲Cクラス譲りの流麗で美しいフォルム。別車種としてGLCクーペも存在する

メルセデス・ベンツを代表する高級セダン、Cクラスをベースにクロスオーバー化したモデル。初代が大ヒットを記録し、2023年3月にフルモデルチェンジされた。2代目は伸びやかで洗練されたフォルムと、リアルウッドトリムなど豪華なインテリアが特徴だ。

パワートレインは最高出力197ps/最大トルク440N・mを発生する2L直4ディーゼル(「220 d」)のマイルドハイブリッド、駆動方式は4WDのみとなっている。2023年9月には2Lガソリンターボエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド仕様(「350e」)が追加された。

当然のように走りは成熟しており、セダンから乗り替えても違和感がない。これぞ王道というところで、日常使いからレジャーまで快適にこなせるはずだ。

 GLC(2代目) ▲センターパネルに縦型の大型ディスプレイを採用するなど、インテリアは先進的

デビューから1年強経過した現在の中古車市場流通台数は70台ほどで、ほとんどが「220 d AMGラインパッケージ」だ。

中古車平均価格は890万円前後と新車価格とほぼ変わらない水準となっている。

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Cクラスオールテレイン(初代)

・生産期間:2022年1月~
・全長:4760mm
・全幅:1840mm
・全高:1495mm

 Cクラスオールテレイン(初代) ▲ボンネットに隆起するパワードームがたくましい印象を与える

セダン、ステーションワゴンに続く5代目Cクラス第三のモデルがオールテレインだ。Cクラスとしては初のクロスオーバー車で、セダンよりも車高を40mmアップしつつ、多くの機械式駐車場に収まる全高としている。

ホイールベースは全モデル共通で、ボディサイズもバンパー部分を除けばステーションワゴンと変わらない。つまり使い勝手が抜群に良いということ。エンジンやトランスミッションの設定を任意に切り替えられる「DYNAMIC SELECT」には、オールテレイン専用モードとして雪道や悪路での走破性を高める「OFFROAD」が備わっている。釣りやキャンプなどアウトドアが趣味の人でも安心だ。

 Cクラスオールテレイン(初代) ▲インテリアはCクラス共通のものでラグジュアリー感が高い

中古車市場での流通台数は50台前後と少なめ。しかし新車価格が796万円~なのに対して、中古車平均価格は660万円前後と中古車のオトク感が高い。

価格の一例を挙げると、2022年式・走行距離2.4万kmの「C 220 d」で支払総額554.8万円。現行型クロスオーバーがこの価格なら嬉しいところだ。

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GLE(2代目)

・生産期間:2019年6月~
・全長:4930~4955mm
・全幅:1950~2020mm
・全高:1770~1795mm

 GLE(2代目) ▲高いオフロード性能をもちながら、居住空間もたっぷり確保されている

現在のメルセデス・ベンツSUVラインナップにおいて本格SUVの中核を担うのがGLEだ。先代でMクラスから名称変更された。

2代目ではボディサイズを拡大するとともに、全車3列シート化。そのオフロード性能はたくましく、SUVらしくアクティブに使えるのはもちろんだが、ファミリーカーとしても優秀だ。

パワーユニットは3L直6ディーゼル(「400 d」)、3L直6ガソリン(「450」)、2L 直4ディーゼル(「300 d」)の3種類。2021年12月の変更では「300 d」がマイルドハイブリッド化された。

 GLE(2代目) ▲本格SUVらしく、センタートンネルにはアシストグリップが備わる

中古車流通量は130台前後とやや少なめだが、価格帯はリーズナブル。新車価格が940万~1510万円なのに対して中古車平均価格は800万円前後となっている。

流通している物件の多くがディーゼルの「400 d」だ。価格の一例を挙げると、2019年式・走行距離5.2万kmの「400 d」で支払総額637万円。なお「400 d」は2023年8月までしかラインナップされておらず、現在では中古車でしか手に入らない。

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GLS(2代目)

・生産期間:2020年3月~
・全長:5210~5220mm
・全幅:1955~2030mm
・全高:1825mm

 GLS(2代目) ▲全長は5mを優に超えるが、全幅は2m前後で日本でもどうにか運転できるサイズ

メルセデス・ベンツが主に北米市場を狙って開発した3列シートのフルサイズSUV。もともとはGLクラスという名称だったが、2016年に名称変更、2020年にモデルチェンジして2代目となった。

メルセデス・SUVラインナップでも最大級のボディ、ふくよかなデザインは迫力満点。フラッグシップらしく装備内容も豪華だ。2代目では後席居住性が改善され、さらに広大でラグジュアリーな空間となっている。

エンジンラインナップは3L直6クリーンディーゼル(「400 d」)と、4L V8ガソリン(「580 スポーツ」)の2種類となり、前者は右ハンドル、後者には左ハンドル。2023年12月にはフロントグリルやバンパーなどのデザインを一新し、全車マイルドハイブリッド化する大規模な変更が行われた。

 GLS(2代目) ▲大きな送風口が調度品のような豪華さを感じさせる内装

登場から4年ほど経過しているが、中古車市場での流通台数は100台前後と少なめ。ガソリン車よりもディーゼル車が圧倒的に多い。

中古車平均価格は1300万円を超えているが、新車価格が1263万~2030万円であることを考えるとリーズナブルと言えるだろう。

最高峰のラグジュアリー性能を手に入れたいなら、アクティブサスペンション「Eアクティブボディコントロール」が装備されたガソリン車の「580 スポーツ」がオススメ。

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EQA(初代)

・生産期間:2021年4月~
・全長:4465mm
・全幅:1835mm
・全高:1625mm

 EQA(初代) ▲穴の開いていないフロントグリルがEVらしいところ。最小回転半径は5.3mとコンパクト

コンパクトハッチとSUVを融合させた、個性的なスタイルのピュアEV。駆動方式はFFだが、最低地上高200mmを確保し、取り回しの良さとSUVらしい使い勝手を兼ね備えている。

フロントに搭載されるモーターは最高出力190ps/最大トルク370N・mを発揮、66.5kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載される。コンパクトかつ軽量な車体には十分なスペックだ。422km(WLTCモード)と十分な航続距離が実現されているので、ちょっとした買い物から週末のドライブまで幅広く活躍してくれるだろう。

 EQA(初代) ▲メーター一体型ワイドディスプレイの採用でインテリアはすっきりとした印象

中古車市場での流通台数は70台前後と、輸入車のピュアEVとしてはまずますの豊富さ。およそ半数が2023年式で、走行距離もおおむね少なめだ。

中古車平均価格も500万円前後と求めやすい。初めてのEVとして選ぶのも良いだろう。

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EQB(初代)

・生産期間:2022年7月~
・全長:4485mm
・全幅:1835mm
・全高:1705mm

 EQB(初代) ▲全体のフォルムはGLBと共通だが、フロントグリルやテールランプはEQシリーズ専用のものとなっている

EQBはプラットフォームをGLBと共有し、ピュアEVに仕立てられている。EQAと比較すると全長はわずかに長く、全幅は同じ、全高は高め。取り回しの良いサイズ感でありながら、よりSUVらしいスタイルとなっているのが特徴だ。

パワートレインは、前輪を駆動する「250」と4WDの「350 4MATIC」の2種類。航続距離は520km(「250」・WLTCモード)も確保されており、ロングトリップにも対応できる。

 EQB(初代) ▲キャビンもGLBと同じ3列シート7人乗り仕様だ。ただし3列目の乗員は身長165cmまでに限られる

登場から約2年経過した現在の中古車市場流通台数は100台前後と豊富。全体の約4割が4WDだ。

走行距離も1万~2万kmの物件が多い中、中古車平均価格は560万円前後とかなりリーズナブル。2022年式・走行距離2.2万kmの「250」で新車価格より390万円も安い支払総額398万円の物件もあるなど、オトク感の高い1台だ。

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EQC(初代)

・生産期間:2019年7月~
・全長:4761mm
・全幅:1884mm
・全高:1624mm

 EQC(初代) ▲存在感たっぷりの外観。独特の意匠は他のEQシリーズにも採用された

メルセデス・ベンツ初のピュアEVがEQCだ。EQシリーズでは最大級のボディサイズとなる。

前後にひとつずつモーターを搭載し、最高出力408ps/最大トルク765N・mという必要十分以上のパワーを発生する。全車4WDで通常時は前輪のみを駆動、必要に応じて後輪も駆動。走行効率とオフロード性能を両立する駆動方式が採用された。

航続距離は400km(WLTCモード)と他のEQシリーズに比べるとやや短めだが、ピュアEVにもパワーを求めたい、個性的なSUVが欲しい人にとって絶好の1台となるはずだ。

 EQC(初代) ▲運転席からの景色でも、先進的なEVであることを感じさせてくれる

中古車市場には40台ほどしか流通していない。年式では2022年式が最も多くなっているが、中古車平均価格は620万円前後で、新車価格(895万~1200万円)からすると思いのほか低い。EQCを選ぶなら中古車がオトクだ。

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メルセデス・ベンツのSUV中古車人気ランキングTOP5

最後にカーセンサーnetにおけるメルセデス・ベンツSUV人気ランキング最新TOP5を紹介!

 GLC(2代目)
順位 メーカー 車種 世代
1位 メルセデス・ベンツ Gクラス 初代
2位 メルセデス・ベンツ Gクラス 2代目
3位 メルセデス・ベンツ GLB 初代
4位 メルセデス・ベンツ GLCクーペ 初代
5位 メルセデス・ベンツ GLAクラス 初代
順位 メーカー 車種 世代
1位 メルセデス・ベンツ Gクラス 初代
2位 メルセデス・ベンツ Gクラス 2代目
3位 メルセデス・ベンツ GLB 初代
4位 メルセデス・ベンツ GLCクーペ 初代
5位 メルセデス・ベンツ GLAクラス 初代

※記事内の情報は2024年6月5日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/メルセデス・ベンツ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。