レクサス RX(2代目)▲国内では2代目(旧型)となるレクサスRX。北米でハリアーをレクサス RXとして販売していたモデルを入れると4代目にあたる

レクサス RXの旧型が半年で「さらに」約50万円も安くなった!

プレミアムブランドのレクサスの中でも、スタイリッシュなエクステリアデザインやSUVならではの使い勝手の良さから高い人気を誇るRX。

その旧型となる2代目RXの中古車価格が大きく下落していると、昨年7月に報じたばかりだが、それから半年が経った今も値落ちが止まらないのだ。
 

 

前回は半年で約80万円ダウンした中古車価格が、半年の時を経てさらに50万円ほど安く、つまり1年で130万円も安くなっているのだ。

中古車としてのお得感が増してきた旧型RXだが、今狙うならどんな物件がオススメか? モデル概要や中古車状況を振り返りつつ見ていこう。
 

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【中古車状況】半年でさらに流通量が増加し、さらに価格の下落が進んだ

前述のとおり、昨年7月には2代目(旧型)レクサス RXの中古車平均価格が2023年6月ついに500万円を切り、過去最安値となる496.6万円を記録したと報告した。

それからさらに半年ほど経ったわけだが、2024年1月時点での中古車平均価格は444.8万円。2023年6月と比べて51.8万円、約1年前の2023年1月と比べるとなんと134.2万円も下落しているのだ!
 

レクサス RXの中古車平均価格推移グラフ

主な価格下落の要因は、2022年11月に新型(現行型である3代目)へとフルモデルチェンジしたことで、旧型・2代目の中古車流通量が増加したことだろう。

需要と供給のバランスで価格が決まる中古車では、基本的に台数(供給)が増えると価格は下がる。おそらく、新型への買い替えが順調に進んだことが背景にあると思われる。

そして、その傾向は以前続いているようで、2023年6月には約1900台だったものが、2024年1月は約2250台にまで増えている。
 

レクサス RXの中古車流通台数推移グラフ

ただし、最近は流通量の増加ペースが鈍化しているので、この先の値落ちペースは緩やかになることが予想される。ということは、今はさらなる値落ちを待つタイミングではなく、豊富な選択肢の中から良コンディションを期待できる物件も見つけやすい買い時のタイミングと言えそうだ。
 

 

【モデル概要】ドイツ勢がライバルとなる国産プレミアムSUV

レクサス RX(2代目)▲「Fスポーツ」や「バージョンL」グレードは3眼LEDヘッドライトが、その他は単眼LEDヘッドライトが備わる(写真は450h Fスポーツ)

今のオススメを検討する前に、2代目レクサス RXの魅力を再確認しておこう。

2代目となる旧型レクサス RXは、2015年10月に登場。レクサスのプレミアムSUVであり、当時はまだレクサス LX(2021年12月登場)が日本では販売されていなかったため、日本におけるレクサスSUVのトップモデルでもあった。

ライバルは国産車ではなく、メルセデス・ベンツ GLEやBMW X5といったドイツのプレミアムSUV。彼らと競うべく、走行性能は磨きがかけられ、内外装が一新された。特にエクステリアは、初代の優しそうな表情から一転し、至るところにエッジの効いた、シャープなデザインが採用された。
 

レクサス RX(2代目)▲「Fスポーツ」や「バージョンL」グレードはリアも“流れるように光る” にLEDシーケンシャルターンシグナルランプが採用された(写真は450h Fスポーツ)

インテリアでも、レーザーカット本杢(レーザーで線を加工した本杢)やバンブーといった、先進的かつ日本的な素材を用いるなど、ライバルにはないプレミアム感が追求された。

また乗り心地の快適性と、素直な操縦性を向上させるべく、足回りの構造やプラットフォーム(車の骨格)、ボディ剛性など、隅々まで改良が施されている。

そして先代後期モデルから加わったスポーツグレードの「Fスポーツ」は、デビュータイミングで設定された。走る楽しさを重視し、NAVI・AI-AVS(カーナビ情報を元に先回りしてサスペンション制御を最適化しておく機能)を標準装備するなど専用チューニングが施されている。

もちろん、先進運転支援機能「レクサス・セーフティ・システム・プラス」は全車標準装備。Bluetooth対応のSDナビや12.3インチディスプレイ、TVチューナーも全車に標準で備わり、フルカラーのヘッドアップディスプレイも最廉価グレードの200t以外は標準装備となる。
 

レクサス RX(2代目)▲レクサスプレミアムオーディオシステムは全車に標準装備
レクサス RX(2代目)▲素のグレードはシート地がファブリック。Fスポーツは専用本革スポーツシート、バージョンLはセミアニリン本革シートが標準装備される
レクサス RX(2代目)▲エンブレムに手をかざすと開くタッチレスパワーバックドアを標準装備。荷室容量は553Lで、9.5インチのゴルフバッグを4つ横置きでできる

デビュー時点のパワートレインは、2Lターボエンジン×6速AT(200t系)と、3.5L+モーターのハイブリッドシステム(450h系)の2種類で、いずれも2WDと4WDがある。

ただし「Fスポーツ」は、2種類のパワートレインのどちらにも用意されたが、当初は4WDのみという設定で、2WDは2016年8月に追加されている。

また、2017年12月には2Lターボエンジン搭載グレードの「200t」が「300」へと名称を変更し、RXとして初めてとなる3列シート・7人乗り仕様モデル「450hL」が追加された。450hLはその名のとおり450h系のストレッチモデルで、全長は5mに達する。
 

レクサス RX(2代目)▲450hL。後席に行くほど座面が高くなるシアターレイアウトや、3列目専用エアコンが採用された

2019年8月にはマイナーチェンジが施され、内外装デザインが一新されるとともに、乗り心地や操縦性能を高めるためにボディや足回りが見直された。併せて「レクサス・セーフティ・システム・プラス」の精度や、12.3インチディスプレイの使い勝手の向上が図られている。
 

レクサス RX(2代目)▲ヘッドライトが小型化された他、フロントフォグランプの位置がバンパー下部に移動し、丸型から長方形になった
レクサス RX(2代目)▲バンパー下で足を振ると開閉するハンズフリーパワーバックドアが標準装備された
レクサス RX(2代目)▲Apple CarPlayやAndroid Autoに対応するようになったのもマイナーチェンジ以降の後期型だ

以上が旧型・2代目RXの大まかなヒストリーだが、以降はケースごとのオススメ物件はどんなものか見ていこう。
 

 

【オススメ1】とにかく安く狙うなら「200t Fスポーツ」か「200t バージョンL」を

とにかく安く旧型のレクサス RXを手に入れたいなら、2Lターボを搭載した初期型の「200t」系が狙い目になる。中でも素の「200tの2WD」は走行距離5万km未満でも総額300万円以下から見つけることができるが、流通量が全体の約1%と少なすぎるのが難点。

そこでオススメなのが、走る楽しさを追求した「200t Fスポーツ」か、装備の充実した「200t バージョンL」だ。200t Fスポーツの流通量は全体の約7%、200t バージョンLは約6%あるので、素の200tよりも探しやすいはずだ。
 

レクサス RX(2代目)▲FスポーツとバージョンLは、デザインは異なるが、どちらも20インチアルミホイールを履く。ちなみに素のグレードは18インチが標準

200t Fスポーツは専用のメッシュグリルのスピンドルグリルや専用本革スポーツシートなどが備わるなど走行性能だけでなく、見た目にもスポーティなモデル。対して200t バージョンLは自車を俯瞰で見られるパノラミックビューモニター(200t Fスポーツはサイドモニター)や高級本革シートなどが備わる。

中古車の価格は200t Fスポーツと200t バージョンLであまり差がなく、走行距離5万km以下の2WDでどちらも約330万円から見つけることができる。

好みに応じて選んで問題ないだろう。
 

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レクサス RX(2代目)×200t Fスポーツ×全国

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レクサス RX(2代目)×200t バージョンL×全国
 

【オススメ2】ハイブリッドモデルをお得に狙うなら「前期型・450h バージョンL」を

システム最高出力313psというハイパワーと、クラストップレベルのJC08モード18.8km/Lという低燃費を両立する3.5Lハイブリッド搭載車を、なるべく安く手に入れたいなら2015年10月~2019年7月生産の前期型、中でも450hのバージョンLがオススメだ。

素の450hの流通台数が少ないのは上記200tと同じだが、ハイブリッドモデルではバージョンLとFスポーツの中古車価格に差があるようだ。

そもそもFスポーツは電動アクティブスタビライザー(コーナリングや車線変更時の車両の傾きを抑制する)を唯一装備することもあり、新車時車両本体価格はバージョンLより約14万円高かったが、中古車ではその差がさらに広がっており、バージョンLのお買い得感が増しているのだ。
 

レクサス RX(2代目)▲バージョンLのステアリングは本革+本木目またはバンブーの組み合わせとなる。また、ステアリングヒーターも備わる

具体的には走行距離5万km以下の2WDで比べると、バージョンLが約340万円から見つかるのに対し、Fスポーツは440万円からと、約100万円高い。それだけ450h Fスポーツの人気が高いということだろう。

ちなみに、流通量は450h Fスポーツの2WDが全体の約8%、4WDは約16%。バージョンLの2WDが約17%、4WDが約13%。このように450h バージョンLの2WDの方が多い、つまり選びやすい。ハイブリッドモデルを手頃な価格で狙うなら、前期型の450hのバージョンLの2WDが正解だろう。
 

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レクサス RX(2代目)×2015年10月~2019年7月生産×450h バージョンL×全国
 

【オススメ3】よりスタイリッシュな後期型狙いなら「450h Fスポーツ」を

内外装が一新され、乗り心地や操縦性能が向上。ディスプレイがタッチ式になるなど使い勝手も良くなったマイナーチェンジ後のモデル(後期型)を狙うなら、450h Fスポーツがオススメだ。

お手頃かという観点で言えば300系グレードの方が安い。しかし乗り心地が向上し、操縦性も高くなった「後期型のFスポーツ」のお買い得感は見逃せない。
 

 
レクサス RX(2代目)▲Fスポーツの専用本革スポーツシートは運転席&助手席が8way電動シートとなる

そもそも後期型は比較的高年式の物件も多く、ディーラー保証付き物件の割合も高い。そこでディーラー系の物件を中心に見てみると、後期型の300 Fスポーツは2WD/4WDとも約490万円から見つかるのに対し、450h Fスポーツは2WD/4WDとも約530万円から狙えるのだ。

マイナーチェンジ時点の新車時の車両本体価格をおさらいしておくと、300 Fスポーツの2WDは約591万円、4WDが約618万円。一方の450h Fスポーツは2WDが約733万円、4WDは759万円。

つまり、新車時にあった価格差が中古になって大きく圧縮され、ハイブリッド車のお得感がかなり高まっているのだ。ちなみに、両グレードの4WD同士を比較すると、新車時の価格差約141万円が、40万円ほどになっており、450h Fスポーツの4WDモデルのコスパがいかに高いかわかるだろう。

450h FスポーツはRXで電動アクティブスタビライザーを唯一搭載する、乗り心地や操縦性が向上した後期型を象徴するモデル。お買い得感の高い今こそ、狙ってみてはいかがだろう。
 

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レクサス RX(2代目)×2019年8月~2022年10月生産モデル×450h Fスポーツ(2WD・4WD)×全国

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文/ぴえいる、写真/レクサス、尾形和美

※記事内の情報は2024年2月14日時点のものです。
 

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。