新型N-BOXを徹底解説! 特徴や先代との違い、価格と中古車最新情報をお届け
2023/11/07
2011年12月に初代が発売されて以来、販売台数No.1を続けるホンダ N-BOX。2023年10月にフルモデルチェンジした3代目も大ヒットモデルとなるのは間違いないでしょう。
そんなN-BOXが3代目になってどのように進化したかを深掘りしていきます。
【概要】ホンダ N-BOXってどんなモデル?
N-BOXはホンダが生産、販売を行う、スーパーハイトワゴンと呼ばれる全高が高く設計されているタイプの軽自動車です。
2007年12月に登場した2代目ダイハツ タントがヒットしたことで、軽自動車の定番はスズキ ワゴンRやダイハツ ムーヴなどのハイトワゴンから、スライドドアを搭載したスーパーハイトワゴンに変わりました。
2代目タントと2008年1月に登場したスズキ スペーシアの前身モデルとなるスズキ パレットによる販売合戦に初代N-BOXが加わったことで、一気にスライドドアタイプの軽スーパーハイトワゴンが盛り上がりました。
そして熾烈な販売台数争いはN-BOXが勝利。その後、モデル末期になっても販売台数が落ちることのない絶対王者として君臨し続けています。
ここからは歴代のN-BOXを紹介していきます。
N-BOX登場以前、軽自動車はスズキとダイハツが頭一つ抜けていて、その他のメーカーはその後ろを追いかけている状況が続いていました。
ホンダは多くの人が選んでいる軽自動車のシェア拡大のため、全く新しいプラットフォームを開発。ホンダが四輪車を世に送り出してから追求しているM・M思想(人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に)を具現化しました。このプラットフォームで軽自動車のラインナップを刷新。その第1弾として登場したのがN-BOXでした。
初代N-BOXは新開発のエンジンとトランスミッションも採用。新プラットフォームで足回りもしっかり動くようになり、それまでの軽自動車の概念を買えるような上質な乗り心地とパワフルな走りを実現しました。実は初代N-BOXの開発には開発責任者の浅木泰昭氏をはじめ、ホンダのF1参戦に関わったエンジニアが携わっていました。
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ホンダ N-BOX(初代)
初代のデザインイメージを継承した2代目N-BOX。しかし中身は全面刷新されていて、新開発プラットフォーム、初代に比べて80kgもの軽量化、VTEC機構を搭載した新設計エンジンなどにより、乗り心地と走りが大幅に向上しました。
さらに、本モデルからホンダの予防安全パッケージであるHonda SENSINGを採用。今でこそ先進安全装備は軽自動車でも標準装備になっているのが当たり前ですが、ホンダはいち早く、このN-BOXで全グレード標準装備としたのです。
インテリアは前席がベンチシートになるタイプと、助手席に570mmの超ロングスライド機構を備えたセパレートシートタイプを設定。セパレートシートタイプは前後のウォークスルーも可能になっています。
2020年12月のマイナーチェンジでは内外装のデザインが刷新されるとともに、Honda SENSINGに後方の障害物の接近を検知しドライバーに注意を促すパーキングセンサーシステムを追加しました。
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ホンダ N-BOX(2代目)そして2023年10月に3代目へとフルモデルチェンジ。
軽スーパーハイトワゴンのベンチマークとして、常にナンバーワンの座にいた歴代モデル。ここからは3代目となる現行型N-BOXがどのような車か詳しく解説します。
【進化ポイント】新型N-BOXと旧型の違いはこれ!
初めに新型となる3代目N-BOXは、旧型からどこが進化したかを見ていきましょう。大きく変わったのは以下の3つです。
●視界
●安全性能
●コネクテッド
2代目N-BOXはメーターがダッシュボード前方にあり、ドライバーはステアリングの上側からメーターを確認する設計になっていました(アウトホイールメーター)。この構造は運転中の視線移動が少ないというメリットがありましたが、メーター部分が大きく膨らむため、運転席からの視界が遮られるという弱点がありました。
新型N-BOXはホンダの軽自動車で初採用となるTFT液晶メーター(7インチ)をステアリングホイールの内側から確認する構造に変更(インホイールメーター)。これによりダッシュボードがフラットになり、開放的な視界を確保し、車両の動きが把握しやすくなっています。
全グレード標準装備となる新型N-BOXのHonda SENSINGは、約100°の有効水平画角と高い解像度で対象物をいち早く検知するフロントワイドビューカメラと、前後8つのソナーセンサー車両周囲を検知します。
追加新機能として以下の2機能が搭載されました。
■近距離衝突軽減ブレーキ
壁などの障害物の見落としにより衝突するおそれがある際、運転者のブレーキ操作を支援し、停止または減速することにより衝突回避・被害軽減を支援。
■急アクセル抑制機能
システムがアクセルペダル開度と踏み込み速度から急アクセルを判断した時は加速を抑制し、音とマルチインフォメーション・ディスプレイの表示で警告。
また、ホンダの軽自動車で初めてマルチビューカメラシステムを搭載。前後左右4つのカメラで俯瞰映像などをディスプレイに表示します。
新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダ コネクト)」をHondaの軽自動車に初めて採用。スマホから車の操作や確認ができたり、スマホを車のキーとして使ったりできます。
【ラインナップ】新型N-BOXも標準モデルとカスタムを設定
新型N-BOXには先代同様に標準モデルとカスタムという2つのラインナップがあります。
グレード構成はシンプルでN-BOXはNAエンジンのみ、カスタムはNAエンジンとターボエンジン搭載車を設定。トランスミッションはすべてCVTで、全グレードFFと4WDが用意されています。
●N-BOX(標準モデル)
N-BOX(標準モデル)ではベースグレードのN-BOXと、N-BOXファッションスタイルの2グレード展開。ファッションスタイルはオフホワイトのドアミラーやアウタードアハンドル、ボディと同色のフルホイールキャップでN-BOXの世界観を強調したグレードになります。
N-BOX FF:164万8900円 4WD:178万2000円
N-BOX ファッションスタイル FF:174万7900円 4WD:188万1000円
●N-BOXカスタム
N-BOXカスタムは、NAエンジン、ターボエンジンともにグレード構成は共通。ベースグレードのN-BOXカスタム、N-BOXカスタムコーディネートスタイルのモノトーンと2トーンという3グレードが用意されます。
コーディネートスタイルはダーククロームメッキ加飾のフロントグリルやリアライセンスガーニッシュ、ブラックアルミホイールでカスタムらしい個性を強調したグレードで、2トーンのルーフカラーはブラックになります。
N-BOXカスタム FF:184万9100円 4WD:198万2200円
N-BOXカスタム コーディネートスタイル モノトーン FF:205万9200円 4WD:219万2300円
N-BOXカスタム コーディネートスタイル 2トーン FF:211万9700円 4WD:225万2800円
N-BOXカスタムターボ FF:204万9300円 4WD:218万2400円
N-BOXカスタムターボ コーディネートスタイル モノトーン FF:216万9200円 4WD:230万2300円
N-BOXカスタムターボ コーディネートスタイル 2トーン FF:222万9700円 4WD:236万2800円
【サイズ・外装】N-BOXは丸穴デザイン、カスタムは品格を感じさせるデザイン
N-BOX(標準仕様)は初代から続くイメージを残し、ヘッドライトは四角い中に瞳のような丸いヘッドライトを配置。丸の上下が少し隠れることで親しみやすさを演出しています。
グリルは身近な家電製品に見られる丸穴デザインを採用して清潔感が演出されています。
N-BOXカスタムのグリルは光の当たり方で表情が変化するグロスブラックのパネルを使用。ヘッドライトは反射板や遮光板を使わずにレンズのみで集光・遮光を行うホンダ初のLEDライトを採用しました。
ポジションランプからセンターのアクセサリーランプが横一文字に光ることで、高級感を演出しています。リアコンビネーションライトがクリアレンズになるのもカスタムの特徴です。
【内装・荷室・装備】ラウンドリビングをテーマにした新型N-BOXのインテリア
家族や仲間が集い、語らえる空間として、古民家の囲炉裏をヒントにしたというN-BOXのインテリア。
インパネが低くなり視界が広がったことで開放感がアップ。一方でインパネからドアの表面処理、シートに一体感をもたせて包まれているような感覚も得られるデザインにしたといいます。
明るいグレージュ(グレーとベージュの中間のような色)を中心に構成されるN-BOXのインテリアは、インパネ表面に配置される石目調シボやコルクのような質感のインパネトレーにより、落ち着きのあるリビングをイメージした雰囲気に仕立てられています。
N-BOXカスタムのインテリアは精悍なイメージのブラックでコーディネート。インパネトレーは大理石のような質感を再現し、上質なリビング空間をデザインしています。
シートはNAのカスタムがブラックのトリコットシート、ターボはスエード調のトリコットをメイン素材にしてサイドを革感のあるプライムスムースにしたコンビシート、コーディネートスタイルは全面にプライムスムースを使ったシートになっています。
小さな子供がいるファミリーからの需要も高いN-BOXでは、子供への配慮も多く盛り込まれています。スライドドアは開口部の下部をつかみやすい形状にした乗り降りらくらくグリップを採用。センタータンクレイアウトによる低床パッケージも相まって、小さな子供もスライドドアから乗りやすい設計になっています。
スライドドアにはホンダの軽自動車として初めて予約ロック機構を採用。従来はゆっくり閉まるスライドドアが閉まり切るまで施錠することができませんでしたが、予約ロック機構があればあらかじめ施錠操作をしておくことで、ドアが閉まった後に自動で施錠。ドアが閉まり切るのを待たずに車から離れることができます。
【中古車状況】新型N-BOX|新車とほぼ同程度の価格帯で流通を開始
10月にデビューしたばかりの新型N-BOXですが、市場には早くも届出済未使用車が流通し始めています。
2023年10月23日現在の流通状況は以下のとおり。
N-BOX(ベースグレード):3台 総額173.9万~180.9万円
N-BOXカスタム:8台 総額186万~222.9万円
N-BOXカスタム コーディネートスタイル2トーン:1台 総額209.6万円
N-BOXカスタムターボ:7台 総額210.5万~245.3万円
届出済未使用車にはオプションのナビなどが付いているものもあるので、新車とほぼ同程度の価格で販売されていると思っていいでしょう。
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ホンダ N-BOX(3代目)【中古車状況】先代N-BOX|選択肢豊富で総額100万円以下から狙える
旧型N-BOXの中古車は1万1000台以上流通しています。標準モデルとカスタムの比率はおよそ6:4、NA車とターボ車の比率はおよそ4:1となっています。
低価格でN-BOXを探すなら、総額70万円程度で走行10万円前後のG L ホンダセンシングを探すことも可能。ただ、この価格帯だと走行10万kmを大きく超えるものも多いので、どこまで走行距離にこだわるかはあらかじめ考えておきたいところ。
両側スライドドア搭載車で走行5万km前後のものを探すなら、総額90万円前後でG L ホンダセンシングを探すことができます。
特別仕様車で人気のあったN-BOXコーディネートスタイルは、660L コーディネートスタイルが総額150万~220万円、N-BOXカスタムスタイルプラスブラックは総額160万~240万円で見つかります。
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ホンダ N-BOX(2代目)※記事内の情報は2023年10月23日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESELとスズキ ジムニー