トヨタ クラウンの旧型中古車価格が約1年で90万円安くなった! 人気の国産セダン、今オススメの買い方は?
2023/10/20
トヨタ クラウンの旧型中古車が安くなってきた
2018年6月に登場した15代目クラウン。2022年9月に後継車となるSUV風フォルムのクラウンクロスオーバーが誕生し、つい先日スポーツSUVのクラウンスポーツもデビュー、残りのセダンとステーションワゴンも間もなく登場する予定など、後を継いだ16代目クラウンはボディバリエーションが豊富なようだ。
しかし、昔からの根強いファンを中心に「クラウンといえばセダンでしょ!」と思う人も多いのでは?
クラウンクロスオーバーがクラウン第2章の幕を開けたのだとしたら、1955年以来約67年間続いた、セダンを柱にしてきた第1章の最終到達点が15代目クラウンと言えるかもしれない。その熟成クラウンが約1年間で90万円以上も安くなってきた。
いよいよ買い時を迎えた15代目クラウンの相場状況から、早速確認してみよう。
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トヨタ クラウン(15代目)×全国【中古車状況】流通量激増で平均価格が1年で90万円以上もダウン!
まずはクラウン(15代目)の流通台数の推移から見てみよう。
2018年6月のデビューから5年以上が経ち、現在の中古車の流通台数は過去最高に増加している。特に、クラウンクロスオーバーが登場した2022年9月以降は、急激な右肩上がりで増加した。2022年10月の964台と比べて、2023年7月には2680台と3倍近くまで増え、同年8月時点でもまだ2568台と2500台超をキープしている。
こうした流通量の急増により中古車平均価格の値落ちが進み、2022年10月には455.1万円だったが、2023年8月には361.9万円まで下げている。なんと1年足らずで93.2万円も値下がりしたことになるのだ!
つまり現在15代目クラウンの中古車は過去最高クラスに選びやすく、お得に手に入れられる可能性が高いというわけ。
では15代目クラウンのどのグレードを狙うべきか。そのためにまずはモデル概要をおさらいしておこう。
【モデル概要】ニュルで鍛えられた"走り"のクラウン
1955年、国産車を常にリードし続ける意味で “王冠(クラウン)”という名を、文字どおり“冠して”誕生したトヨタ クラウン(当時はトヨタ トヨペットクラウン)。「いつかはクラウン」というキャッチコピー(7代目)に人々が大きくうなずいたように、いつも高級車の代名詞であり続けてきた
2018年6月に登場した15代目も、“国産車をリード”するため、トヨタ車初の革新的なコネクテッド技術が採用された。具体的には、車載通信機DCMを全車に標準搭載することで、24時間365日ヘルプネットやオペレーターサービスなど、多様なサービス(T-Connectサービス)などが受けられる。このサービスは、中古車で買っても改めて契約すれば利用可能だ。
さらに、走りの性能を極めるために新型プラットフォーム(TNGA)が採用され、足回りも新開発された。そのうえでドイツのニュルブルクリンクサーキットで走行テストが行われ、意のままに操ることのできるハンドリング性能や、低速域から高速域、スムーズな路面から荒れた路面など、あらゆる状況において目線のぶれない走行安定性が磨き上げられている。もはやドイツのプレミアムセダンと比べても、「クラウンだからね」というヤワな走りではないのだ。
もちろん先進運転支援機能は当時の最新版「トヨタセーフティセンス」や、T-Connect SDナビシステム、LEDヘッドライトなどは全車に標準装備されている。
パワートレインは2Lターボと2.5Lハイブリッド、さらにトヨタブランド初となる3.5LのV6と組み合わせた3.5Lハイブリッドの3種類がある。
3.5Lハイブリッドの最高出力は、2.5Lハイブリッドが226psなのに対し、359psとなる。また、2.5L版のハイブリッドシステムが従来のリダクション機構付きTHS IIなのに対し、3.5L版は「マルチステージハイブリッドTHS II」となり、ハイブリッドでも低速から高速まで力強く加速することで、「走って楽しいハイブリッド」が目指された。
一方でWLTC燃費は、2.5Lハイブリッドが20.0km/Lなのに対し、3.5Lハイブリッドは16.0km/L、2Lターボは12.4km/L(いずれも2WD)。つまり2.5L版は燃費を重視したハイブリッドシステムだ。いずれにするかは、維持費や好みに応じて選ぶといいだろう。
新車時の車両本体価格は460万6200~718万7400円。
以降、生産が終了するまでの約4年間にマイナーチェンジは行われていないが、2020年4月に「T-Connect SDナビにスマホ連動機能が追加」され、同年11月には「トヨタセーフティセンスの機能向上」といった一部改良は行われている。
以上を踏まえて、今狙い目のオススメ中古車はどんなものか見ていこう。
オススメ中古車1|とにかく安く狙うなら「5万km超のハイブリッド2.5 S Cパッケージ」
とにかく安く狙うなら、本来であれば新車時の車両本体価格が最も安い2Lターボ車を狙うのが定石だが、実は15代目クラウン全中古車のわずか約5%しかない。そのため、2Lターボ車だけを狙うのには無理がある。
そこで注目したいのが、全体の80%以上を占める2.5Lハイブリッド車だ。台数も多く、価格帯も広いため予算に応じた15代目クラウンを見つけやすいだろう。
2.5Lハイブリッドの中でなるべく安い物件を狙うなら、「ハイブリッド2.5 S Cパッケージ」がオススメだ。走行距離5万~10万km程度の物件なら、支払総額250万円前後から選べる。
デビュー時の車両本体価格が515万7000円の同グレードは、1つ上のグレード「ハイブリッド2.5 G」と同じ17インチアルミホイールを履き、本革ステアリングやファブリックシートを備える。また「Cパッケージ」には、ブラインドスポットモニターやリアクロストラフィックオートブレーキ、AC100V・100Wコンセントなどが標準装備されている。
原稿執筆時点で予算の目安は、先述のとおり、走行距離5万~10万kmなら支払総額250万円前後、5万km以下でも総額280万円前後。走行距離が少なければ中古車価格は当然上がるが、走行距離とコンディションは決して一律で比例するわけではないので、気になる中古車を見つけたら、実車を確認して好みの1台を探そう。
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トヨタ クラウン(15代目)×ハイブリッド2.5 S Cパッケージ×全国オススメ中古車2|RS系狙いなら「ハイブリッド 2.5 RS アドバンス」
ニュルブルクリンクで磨かれた走行性能を味わいたいなら、電子制御式ダンパーであるAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)が標準装備される、スポーティグレードの「RS系」を狙いたいところ。
新車で購入した人もそう考えた人が多かったようで、掲載車の約60%がRS系だ。中でも2.5LハイブリッドのRS系が圧倒的に多い。
2.5LハイブリッドのRS系の中でも、最も台数が多くて選びやすいのが、「ハイブリッド 2.5 RS アドバンス」。つまり2.5LハイブリッドのRS系の頂点グレードで、全掲載車でもダントツの約30%を占めているから、こだわりたい条件の物件が見つけやすいはずだ。
デビュー時の車両本体価格が579万9600円の同グレードは、1つ下の「ハイブリッド 2.5 RS」に対し、アダプティブハイビームやカラードヘッドアップディスプレイ、スエード調人工皮革(ブランノーブ)+合成皮革のシート地などが備わる。
走りも装備も十分なハイグレードモデルだが、原稿執筆時点で走行距離5万km以下なら支払総額約310万円から狙うことができ、お得度は高い。
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トヨタ クラウン(15代目)×ハイブリッド 2.5 RS アドバンス×全国オススメ中古車3|ハイグレード狙いなら「ハイブリッド 3.5 G エグゼクティブ」
せっかく15代目クラウンを狙うなら“トップ・オブ・クラウン”を狙ってみてはどうだろう。デビュー時の車両本体価格が唯一700万円を超えた“高級車” 「ハイブリッド 3.5 G エグゼクティブ」だ。
RS系ではないので電子制御式ダンパーであるAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)は備わらないが、18インチアルミホイールやアダプティブハイビーム、カラードヘッドアップディスプレイを装備。シート地は本革が採用されている。
また、電動リクライニングやリア電動サンシェードなど、後席の装備が充実しているのも特徴だ。
そして、レクサス車で導入されていた「マルチステージハイブリッドシステム」をトヨタ車で初採用し、高級車らしい余裕ある走りを実現。まさに15代目クラウンの頂点と言える。
デビュー時の車両本体価格は、スポーティグレードの「RS アドバンス」よりも約30万円高い718万7400円だったが、上記のとおりRS系の人気は高く、そのため中古車では価格が逆転。 走行距離5万km以下の物件を見ると、ハイブリッド 3.5 RS アドバンスが支払総額約350万円から見つかるのに対し、ハイブリッド 3.5 G エグゼクティブは支払総額約310万円から見つけることができるなど、お得感も高い。
原稿執筆時点での台数はハイブリッド 3.5 RS アドバンスに若干及ばないものの、“トップ・オブ・クラウン”はお買い得とも言えるグレードなので、積極的に探してみよう。
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トヨタ クラウン(15代目)×ハイブリッド 3.5 G エグゼクティブ×全国▼検索条件
トヨタ クラウン(15代目)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。