メルセデス・ベンツ CLAクラスの中古車価格が1年で約100万円ダウンし、過去最安に! 注目の輸入セダン、今オススメな選び方は?
2023/09/09
1年で約100万円も安くなった! 日本で取り回しやすい“メルセデス・ベンツのセダン”
代を重ねるにつれ大きくなるCクラスに代わり、メルセデス・ベンツの中でも日本で取り回しやすいサイズのセダンとして人気を集めているのが、CLAだ。
Cクラスよりコンパクトな「4ドアクーペ」として2013年7月に初代(旧型)が上陸。そして2019年8月に2代目となる現行型に切り替わった。
そんな、デビューしてまだ3年という現行型の中古車平均価格が、昨年9月から今年7月の間に95.3万円もダウンしているのだ。
わずか1年で約100万円も下がるなんて、CLAには何か不具合でもあるのか?とか、故障しやすいのか? なんていぶかる人もいるだろうが、もちろんこの値落ちには訳がある。
さらには値落ちによって「お買い得」になったCLAの中でも、グレードによってお買い得感に差がある。
「じゃあ、どのCLAを選べばいいんだ!」という疑問や、値落ちの理由について、次章以降でじっくり見てみよう。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ CLA(現行型) × 全国1.モデル概要:セダンでもハッチバックでもない、Aクラスの4ドアクーペ
どのCLAがお買い得なのかを知るためにも、まずは現行型CLAとはどんな車なのか?を、ざっとおさらいしてみよう。
メルセデス・ベンツのコンパクト4ドアセダンのひとつがCLAだ。4ドアセダンとしたが、同社ではCLAを「4ドアクーペ」や「CLAクーペ」と呼ぶ。4ドアなのに2ドアクーペをほうふつさせる美しいスタイリングに、セダンの実用性を融合させた新ジャンルの車というわけだ。ちなみに同社の4ドアクーペ第1弾は2004年に登場したCLSとなる。
2代目となる現行型は、2019年8月に登場した。車名に「A」が入るとおり、ハッチバックのAクラスや、初代Aクラスセダンとプラットフォーム=車の骨格を共有している。
AクラスセダンとCLAは4ドア+トランクというスタイルが同じだが、Aクラスセダンは車名にも入るとおりあくまで「セダン」であり、CLAはあくまで「4ドアクーペ」という位置付けだ。同社のホームページでもCLAは「クーペ」にカテゴライズされている。
そのため新車時の車両本体価格も、AクラスセダンがしっかりCクラスセダンよりも抑えられているのに対し、CLAはCクラスセダンとかなり近い価格設定になっている。セダンのヒエラルキーには属さないというわけだ。
デビュー時のパワートレインは2Lディーゼルターボ×8速AT(200d系)と2Lターボ×7速AT(250系)の2種類だったが、2020年2月に1.3Lターボ×7速AT(180系)が追加された。また、200d系と180系は前輪駆動のみだが、250系は4WDのみとなる。なお、250系は2022年4月以降ラインナップから外れている。
同社の最上級セダンであるSクラスと同等の先進運転支援機能「レーダーセーフティパッケージ」は、デビュー時こそオプションだったが、2020年9月に全車に標準装備された。
また、「暑い」と言えばエアコンの温度を下げてくれるなど、車と話すように各種操作ができる同社の対話式音声認識機能「MBUX」や、スマートフォンのワイヤレスチャージ機能は全車に標準装備されている。
2021年9月には、車内の雰囲気を64色のライティングから任意に選べるアンビエントライトとカーナビを標準装備するグレードが拡充されている。
なお、今年1月に欧州ではマイナーチェンジが行われているので、間もなく日本にもマイナーチェンジモデルがやってくると思われる。
以上が、2023年9月時点での現行型CLAについての概要だ。
2.価格状況&考察:新車の納車遅れが解消、中古車価格が下落に転じた
では、気になる「なぜ1年間で約100万円も値下がりしたのか?」だが、「新車の納期遅れ解消が中古車価格下落につながったから」ということが大きいだろう。
コロナ禍による半導体不足や生産停止などにより、新車の大幅な納車遅れが社会現象になると、「納車を待っていられない!」という人が今すぐ乗れる中古車に殺到。中古車の価格は、需要(欲しいというニーズ)と供給(流通量)で決まるが、このように需要が供給を上回るほどになると、なかなか中古車価格が落ちにくくなる(車種によっては価格が上昇することもある)。
ちょうどデビュー直後にそのあおりを受けた現行型CLAも例外ではなく、実は昨年まで中古車価格がなかなか落ちにくい状況だったのだ。
加えて材料費高騰などを背景に、新車の値上げが繰り返されたことも多少は影響しているかもしれない。だからこそ「少しでも安い中古車へ」となり、中古車価格がなかなか落ちなかったのではないか。なにしろ、2Lディーゼルターボを搭載する200dを例に挙げると、デビュー時の車両本体価格は472万円だったが、最新モデル(MP202302)は585万円と100万円以上も値上がりしているのだから。
しかし、納車遅れが少しずつ解消されてきた昨年末あたりから、中古車価格はまるで氷が溶けるように少しずつ下落に転じ始めた。今年に入るとその下落傾向ははっきりとしてきて、現行型CLAもようやく本来の値落ち基調に乗ってきたというわけ。
デビューから3年が経過して約100万円下がったということは、1年で割れば約30万円の値下がりだ。新車時価格500万円前後の輸入車の値落ちスピードを考えれば、年間30万円の値落ち額は、また年間値落ち率(値落ち額÷新車時車両本体価格)6%は妥当と言えるだろう。
つまり、新車の納車遅れのために下落しなかったが、その状況が解氷したことで、それまでの分を一気に取り戻すかのように急落したと考えることもできる。
別の見方をすれば、あまり値落ちをしていなかった昨年より、グンと値落ちした今は、かなりの「お買い得期」だと言えるだろう。
だから故障しやすいなどのネガティブな理由から値が下がっている、というわけではないのだ。
では、カーセンサーにはどんな中古車が掲載されているのか。2023年9月時点で掲載台数は約100台。平均価格は約421万円で、価格帯は約320万~590万円。平均走行距離は約1.5万kmで、5000km未満は全体の約2割を占めている。このように現在は、高年式&少走行距離車を選びやすい状況でもあるというわけだ。
そんな現行型CLAの、どんな中古車を選べばいいのか? 以下でオススメを紹介しよう。
3.中古車のオススメその1:コスパ重視なら「200d AMGライン」
コスパはもちろん、燃料費が高騰している今だからこそ狙いたいのが2Lディーゼルターボを搭載した200d系。中でもカーセンサー掲載台数が全体の7割以上とダントツに多くて選びやすい、200d AMGラインがイチオシだ。
CLAに先進運転支援機能「レーダーセーフティパッケージ」が標準装備されたのは2020年9月からだが、オプションだったデビュー時からも多くの人に選ばれていたようで、2023年9月時点でカーセンサーに掲載されているCLAの9割以上が装着している。
また、AMGラインは本革のスポーツシートや18インチアルミホイールなど、素の200dよりも上質な装備が奢られている。
だから安全性能が高くて、高速道路での運転も楽になる同機能を装備した、上質な現行型CLAが選びやすいというわけだ。
同機能を装備した200d AMGラインは、素の200dとの価格差がほとんどなく、走行距離約2万kmで総額約350万円から狙える。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ CLAクラス 200d AMGライン(現行型) × 全国4.中古車のオススメその2:コンディション重視なら「走行距離5000km未満」
コンディションを重視するなら、新車の香りが残っていそうな「走行距離5000km未満」の中古車を狙ってみよう。デビューしてまだ約3年のため少走行車が比較的多く、2023年9月時点で約2割が走行距離5000km未満と、今なら程度の良いCLAを探すには絶好のタイミングだ。
その中でも、やはり多いのは200d AMGライン。2022年式の走行距離0.4万kmの200d AMGラインなら、総額約440万円から狙える。
2022年モデルとはいえ、現在の200d AMGライン最新モデル(MP202302)の新車時価格が約623万円だから、ざっと180万円以上安く手に入れられる、ということになる。そう捉えれば、お買い得感は大きいのではないだろうか。
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メルセデス・ベンツ CLA(現行型)× 走行距離5000km未満 × 全国▼検索条件
メルセデス・ベンツ CLA(現行型)× 全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。