6代目セレナ▲7人乗りの車は広い車内による乗車人数の多さと積載性の高さが魅力。写真は日産 セレナ(6代目)

7人乗りの車は、普段から多人数乗車をするファミリーや荷物をたっぷり積み込みたい人にとって有力な選択肢だ。しかし、一口に7人乗りと言ってもシート設定やボディタイプの違いなどによって多種多様。「どのように選べば良いの?」と悩む人もいるだろう。

ここでは7人乗りの車を選ぶ際のポイントを解説。併せて今オススメの車種も紹介するので、自分の車選びの参考にしてほしい。
 

 
 

【7人乗りの車の選び方①】普段の乗車人数を重視する

7人乗りの車選び最大のポイントは「普段の乗車人数」。なぜなら乗車人数によってメインで使うシートが異なり、2列目と3列目で選ぶべきシートの種類が変わってくるからだ。

普段の乗車人数が少ないなら3列目はサブシートとして捉え、2列目シートの快適性を追求。対して普段から乗車人数が多い場合、3列目の居心地まで考慮するべきだろう。

その具体的な目安は「4人以下」と「5人」「6人以上」。以下それぞれの乗車人数で優先したいシートと、その理由を説明する。

4人乗車以下が基本なら2列目キャプテンシートを優先
普段、車に乗るのが4人以下なら、2列目はキャプテンシートがオススメ。左右が独立しているので広々と座ることができ、シート自体の作りもしっかりとしている。肘掛けやオットマンなど装備も豊富で、ロングドライブでも疲れづらい。

シートレイアウトが限られるといった短所もあるが、ファーストクラス級の居心地のよさを味わえるのは大きな魅力。キャプテンシートを選ぶ際は、装備内容や設定できるリクライニングの角度、シートスライド量などをチェックしたい。
 

アルファードのキャプテンシート▲素材や装備が豪華なのがキャプテンシートの特徴。2列目がウォークスルーとなり、3列目にアクセスもしやすい。写真はトヨタ アルファード(4代目)

5人乗車が基本なら2列目ベンチシートを優先
普段、車に乗るのが5人なら、2列目はベンチシートが最適だ。3列目はどうしても2列目よりも狭くなるため、2列目に3人が座れるベンチシートを選ぶのが無難。2列目に子供が座る場合なら、3人が横並びとなっても窮屈さを感じることはないだろう。

シートレイアウトが多彩なのも利点。ただ、2列目の分割方式によって使い勝手が少し異なる。「5:5」と「6:4」「4:2:4」の3種類があり、7人乗りの場合は6:4分割式が主流だ。しかし、まれに使い勝手に優れる4:2:4を採用する車種もあるので注目してみると良いだろう。
 

ステップワゴンのベンチシート▲3列目へのアクセスに手間を要するが、5人乗車なら3列目は基本的に荷室として活用されるので問題なし。写真はホンダ ステップワゴン(6代目)

6人乗車以上が基本なら3列目シートの快適性を優先
普段6人以上が車に乗るなら、3列目シートの快適性にこだわりたい。乗用車の場合、3列目はラージサイズミニバンであっても3列目を2列目並みの快適性にするのは難しい。だからこそ、できるだけ座り心地がよいシートを備える車種を選択するべきだ。

シートの快適性を左右するのは、クッションの厚さや背もたれの高さなど。2列目との席間距離やシートのスライド量、リクライニング幅も重要だ。ただ、シートの詳細を細かくチェックするのは難しい。実際に座ってみることが、座り心地を見極める近道だ。
 

アウトランダーの3列目ベンチシート▲3列目にも収納があるか、エアコンの空気が届いて暑くないかなども確認すると良いだろう。写真は三菱 アウトランダー(3代目)
 

【7人乗りの車の選び方②】ボディタイプ・サイズを重視する

普段の乗車人数と並んで、7人乗りの車選びの判断基準となるのが車両のボディタイプとサイズだ。7人乗りが設定されるボディタイプは、主にミニバンとSUV、ステーションワゴンの3種類。各タイプはボディ形状の違い、7人乗りにおいても異なった個性をもつ。

タイプ別に7人乗り仕様の特徴と傾向について紹介するので、3タイプのいずれかが自分のライフスタイルに向いているか確かめてほしい。

1:ミニバン
基本的に3列目シートが設定されるミニバンは、コンパクトからラージまで大きさに限らず、多くの車種で7人乗り仕様をラインナップしている。2列目は少し前までベンチシートであることが多かったが、最近ではキャプテンシートを設定する車種が増えている。

7人乗りミニバンの魅力は室内の広さ。一人ひとりのスペースを十分に確保でき、ゆったりとくつろげる。快適装備が多彩で、収納も随所に用意されるなど、居住性に優れている。移動中に快適さを追求するならミニバンが最右翼となるだろう。
 

セレナ▲車内だけでなく荷室も広く、積載性も抜群。実はアウトドアユースにもピッタリ。写真は日産 セレナ(6代目)

2:SUV
一般的にボディサイズが大きいイメージのあるSUVだが、7人乗りはアッパーミドルサイズ以上での設定となる。3列目は前倒し収納式がほとんどで、5:5分割式が多い。7人乗りSUVは国産車ではミニバンに数で劣るが、輸入車を視野に入れれば選択肢も多彩だ。

特徴となるのは、走行性能の高さ。ミニバンより車高が低いため、左右の揺れを抑えやすく、スポーティに走ることができる。悪路走破性も高く、積載性も十分。アウトドアでも活躍してくれるので、大人数でアクティブに過ごしたい人にはうってつけだろう。
 

CX-8▲スタイリッシュであったり、ワイルドだったりとデザインが多様なのもSUVの特徴だ。写真はマツダ CX-8(初代)

3:ステーションワゴン
ステーションワゴンの7人乗りは、基本的にミドルサイズ以上で用意されている。ただ、ステーションワゴン自体のモデル数が減っていることも相まって、採用する車種は少し前の車種となる。中古車での購入となるが、結果的にリーズナブルに狙えるのが強みだ。

そもそも走行性能に優れるステーションワゴンなら、年式が古い傾向にある7人乗りでも乗り心地は十分。ボディが小ぶりで、運転が比較的しやすいのも長所だ。普段の乗車人数が4名以下で、コスパが高い車が欲しい人は検討してみてほしい。
 

プリウスα▲ステーションワゴンは積載性も優秀。背も低いので都市部の立体駐車場にも止めやすい。写真はトヨタ プリウスα(初代)

7人乗りの中でも注目したいモデルを16車種セレクトした。ここからは前述した3つのボディタイプに分けて紹介する。
 

 

7人乗りの車 ミニバン編 オススメ7選

コンパクトからラージまで大小様々な車種を7つ厳選。自分の求めるサイズのミニバンを中心に検討してみると良いだろう。
 

 

1:ホンダ フリード(2代目)

■中古車流通台数:約2600台
■中古車価格帯:総額90.3万~347.7万円
■新車時価格:188万~333.3万円

フリード▲2016年9月に登場した2代目フリード。2列シート仕様となるフリード+も用意されている

現行型となる2代目フリードは、コンパクトながら十分以上な広さを確保。大開口のパワースライドアと低いステップ高で、乗降性にも優れている。最小回転半径も5.2mと、取り回しも良好。そのうえで高速道路でも力強く、オールマイティに使うことができる。

2列目キャプテンシートの7人乗りの印象が強いが、ベンチシートの7人乗りも設定。6:4分割タンブルシートを採用し、ソファのような座り心地となる。ただし、デザインがSUVテイストのグレード「クロスター」は6名乗りのみの設定なるので要注意だ。
 

フリード▲落ち着いた雰囲気のインテリア。3列目は少し狭めだが、街乗りなら大人が座っても問題ないだろう

カーセンサー掲載台数は約2600台だが、7人乗り仕様は約690台。うちハイブリッド車は約240台で3割強、カスタムモデルの「モデューロX」は約10台と希少だ。

7人乗りのボリュームゾーンは総額160万~250万円だが、総額100万円台からでも狙える。ただ、安全性能を優先するなら、先進安全装備の「ホンダセンシング」が標準化された2019年10月以降のモデルがオススメだ。
 

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ホンダ フリード(2代目) × 乗車定員7人 × 全国
 

2:トヨタ シエンタ(3代目)

■中古車流通台数:約330台
■中古車価格帯:総額204.9万~430万円
■新車時価格:195万~310.8万円
 

シエンタ▲2022年8月に登場した3代目シエンタ。外観はバンパーの角などを丸めた「シカクマル」デザインを採用している

現行型となる3代目シエンタは、使い勝手の良さが魅力だ。高剛性なボディで乗り心地がよい。取り回しも最小回転半径が5.0mとクラストップレベルだ。設定される1.5Lのガソリン車とハイブリッド車がどちらもクラストップレベルの低燃費となっている。

シートバリエーションは5人乗り2列目仕様と、7人乗り3列仕様の2種類。7人乗りの2列目はベンチシートだが、前後席間のスペースが最大1000mmも確保され、ゆったりとくつろげる。1列目がウォークスルーとなっており、後席にアクセスしやすいのも便利だ。
 

シエンタ▲前席より後席の着座位置を高くする「シアターレイアウト」によって、2列目3列目でも開放的

中古車流通台数は約330台だが、7人乗りは約270台。そのうち6割強がハイブリッド車で、グレード別で見ると「Z」が8割弱を占める。7人乗りのボリュームゾーンは総額270万~330万円だが、総額220万円の物件も見つけることができる。

デビューから1年が過ぎた程度なので低走行物件が中心。7人乗りでは6割強が登録済未使用車となっている。新車の場合、納車期間は「注文から6ヵ月程度。ハイブリッド車は4~5ヵ月程度」(いずれもトヨタ公式サイトより)となっているので、希望条件に合う物件があれば中古車での購入もアリだ。
 

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トヨタ シエンタ(3代目) × 乗車定員7人 × 全国
 

3:トヨタ ヴォクシー(4代目)

■中古車流通台数:約580台
■中古車価格帯:総額293.9万~539万円
■新車時価格:309万~396万円
 

ヴォクシー▲2021年12月に登場した4代目ヴォクシー。ノアとはデザインの異なる「兄弟車」となる

現行型となる4代目ヴォクシーは、洗練された雰囲気がもち味だ。「先鋭・独創」をキーワードにしたエクステリアはスタイリッシュ。室内長2805mm × 室内幅1470mm × 室内高1405mmとミドルサイズミニバンにふさわしい広さで、内装の質感も高い。

もちろん、居住性にも優れている。7人乗りは2列目がキャプテンシートとなり、オットマンとヒートシーター、サイドテーブルを装備。スライド量も前後に745mmと広く、左右のシート間も185mmあって、2列目シートのゆとりはたっぷりだ。
 

ヴォクシー▲室内は上質さの演出が巧み。3列目は跳ね上げ式で、ワンアクションで簡単にロックできる優れものだ

中古車流通台数は約580台。7人乗りが基本なモデルだけあって、約570台とほとんどが7人乗り。グレード別に見ると上級グレードである「S-Z」が8割強を占めている。

7人乗りのボリュームゾーンは総額360万~440万円だが、総額320万円からでも狙うことができる。走行距離5000km以下の物件が約8割強となっているのもポイントだ。公式サイトによると新車では6ヵ月以上もの納車待ちとなっているので、早く乗り出したい人は中古車を検討するのも一案だ。
 

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トヨタ ヴォクシー(4代目) × 乗車定員7名 × 全国
 

4:日産 セレナ(6代目)

■中古車流通台数:約560台
■中古車価格帯:総額265.2万~539.8万円
■新車時価格:276.9万~479.8万円
 

セレナ▲2022年12月に登場した6代目セレナ。格子状のグリルとライトが印象的だ

現行型となる6代目セレナの強みは、なんといっても室内の広さ。室内長3145mm × 室内幅1545mm × 室内高1400mmと、ミドルサイズミニバンで最大となっている。

7人乗りは上級グレード「e-POWER ルキシオン」のみ。2列目はアームレストが付いたキャプテンシートを採用している。8人乗り仕様が基本のため、キャプテンシートの装備はライバル車に対して不利だが、同クラスで唯一3列目のスライドが可能。3列シートの快適性にも考慮されている。
 

セレナ▲広く長いフロントガラスなどによって前面の視野が広く、室内の開放感も高い

中古車流通台数は約560台だが、e-POWER ルキシオンはわずか2台と超希少となっている。実は、デビュー時の2022年11月に発売されたのはガソリン車の2WDだけで、ハイブリッド車である「e-POWER」グレードは2023年4月からの販売。特に人気のe-POWER ルキシオンは中古車でも流通していない状況なのだ。

セレナのe-POWER車は新車なら3~6ヵ月程度の納車待ちとなるので、早く乗りたい人は中古車も視野に入れながら購入を検討するのが良いかもしれない。
 

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日産 セレナ(6代目) × 乗車定員7名 × 全国
 

5:ホンダ ステップワゴン(6代目)

■中古車流通台数:約300台
■中古車価格帯:総額289.8万~498.9万円
■新車時価格:299.9万~391.3万円
 

ステップワゴン▲2022年5月に登場した6代目ステップワゴン。シンプルなデザインで老若男女の支持を集めている

現行型となる6代目ステップワゴンは、見事に居住性と実用性を両立。「家族のための大空間」をコンセプトに車内を広々とさせ、飽きのこないデザインを採用しているのが特徴だ。

7人乗りは2列目がキャプテンシートで、上級グレードにはオットマンも装備。前後のロングスライドだけでなく、左右にもスライドできる。3列目では“特等席”を目指してクッションを厚くしながら、座面の位置を向上。平衡感覚を保ちやすい水平基調のデザインで、車酔いもしにくいような設計になっている。
 

ステップワゴン▲2列目シートが前後左右に動くことで、席のレイアウトは多彩。乗員それぞれがリビングのようにくつろげる

中古車流通台数は約300台で、7人乗りが約290台と大半をしてめている。そのうち約110台がハイブリッド車で、グレード別に見るとエアロボディの「スパーダ」が6割強。最上位となる「スパーダプレミアムライン」は約50台あるのも見逃せない。

7人乗りのボリュームゾーンは約310万~420万円。走行距離は最も多いものでも100km以下と超低走行で、登録済未使用車も約140台と多い。中古車で積極的に狙いやすい状況と言えるだろう。
 

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ホンダ ステップワゴン(6代目)× 乗車定員7名 × 全国
 

6:トヨタ アルファード(4代目)

■中古車流通台数:約5台
■中古車価格帯:総額1070万~1500万円
■新車時価格:540万~872万円
 

アルファード▲2023年6月に登場した4代目アルファード。より堂々としたエクステリアとなり、存在感も増した

高級ミニバンの代表格といえばアルファードだろう。現行型となる4代目でも、質感の高さは折り紙付きだ。室内は長さ3005mm ×幅1660mm×高さ1360mmと広大。さらに、後席の足元に暖気を送る「リアヒーターエアカーテン」や左右独立式のムーンルーフなどの進化した装備がこれでもかと採用されている。

4代目は全車7人乗りで、2列はグレードによって異なるキャプテンシートを採用。エントリーグレードの「Z」にはパワーオットマンなどを備える「エグゼクティブパワーシート」、上級グレードの「エグゼクティブラウンジ」には格納式テーブルなど豪華装備の「エグゼクティブラウンジシート」が用意されている。
 

アルファード▲エグゼクティブラウンジシートには5.5インチのタッチディスプレイを装着。オーディオや照明などを手元で操作可能

デビューから間もないため、中古車流通台数は10台以下と少なめ。グレードはすべて「Z」だが、ガソリン車が半数以上を占めている。ただ、ユニバーサルステップやムーンルーフなどオプション装備を備えた物件が多い傾向にある。

メーカーが納車時期について「詳しくは販売店にお問い合わせください」と発表するなど不透明な状況にあるためか、高値安定となっている。早く乗りたい人は検討する価値があるし、少し待って中古車数が増えて価格が落ち着くのを狙うのも手だろう。
 

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トヨタ アルファード(4代目)× 乗車定員7名 × 全国
 

7:メルセデス・ベンツ Vクラス(3代目)

■中古車流通台数:約140台
■中古車価格帯:総額312.7万~1190万円
■新車時価格:535万~1330万円
 

Vクラス▲2015年10月に発売された3代目Vクラス。エクステリアは切れ長なヘッドライトで迫力が満点

個性的な高級ミニバンをお望みなら、3代目のVクラスが最有力だ。輸入車では珍しいスライドドアを採用し、乗降性にも考慮。メルセデス・ベンツらしい質感の高い内装と、力強い走りもアピールポイントだ。

全車7人乗りで、2列目と3列目シートが脱着式となっているのもユニーク。席を対面にしたり、席を取り外して広大な荷室にしたりと臨機応変な使い方が可能だ。また、ボディは全長の異なる「標準」「ロング」「エクストラロング」の3種類を用意。自分の用途にあった長さを選べるのも利点だろう。
 

Vクラス▲独立シートによって座り心地は抜群。窓も広く、開放感も良好だ

台数は約140台。ガソリン車は限定車のみなので、9割以上がディーゼルターボ車だ。ボディ別に見比べるとロングが約100台と最多。スポーティなAMGも約70台掲載されている。

ボリュームゾーンは総額750万~1150万円だが、総額350万円で狙える物件もある。安全性能を優先するなら「レーダーセーフティパッケージ」が標準化された2020年7月以降のモデルがオススメだ。
 

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メルセデス・ベンツ Vクラス(3代目)× 乗車定員7名 × 全国
 

7人乗りの車 SUV編 オススメ7選

7人乗りのSUVはいずれも個性的。独自の魅力にあふれる車種を7つピックアップしたので、希望条件や好みに合った1台が見つかったなら選択肢のひとつに加えてほしい。
 

 

1:マツダ CX-8(初代)

■中古車流通台数:約1620台
■中古車価格:総額139.2万~504.2万円
■新車時価格:289.4万~511万円
 

CX-8▲2017年9月に登場した初代CX-8。存在感抜群のボディサイズ

現行型となる初代CX-8は、快活な走りと上質さを兼ね備えている。パワートレインは、2.2Lのディーゼルターボと2.5Lのガソリンエンジンとターボの3種類が設定。いずれもパワフルに加速し、優れた電子制御で抜群の走行安定性を発揮する。内装は本杢やレザーシーなど素材にこだわり、高級感を演出している。

7人乗りは2列目にベンチシートを採用。シートレイアウトが多彩で、2列目を倒せばフラットな床面を作れる。2列目の座り心地ではキャプテンシートの6人乗りの方が有利だが、積載性においては7人乗りがリード。つまり、キャンプなどをアクティブに楽しみたい人には7人乗りが向いている。
 

CX-8▲3列目シートでは身長170cmの人が快適に過ごせる。フル乗車でも9インチのゴルフバッグ2個を載せられるのも◎

中古車流通台数は約1620台で、7人乗りは約740台。そのうち8割がディーゼルターボ車となっている。グレードで見ても2022年11月まで設定されていた中間グレードの「XD プロアクティブ」が最多で、価格的にも狙いやすくなっている

7人乗りのボリュームゾーンは総額210万~総額300万円だが、総額180万円台からでも見つけられる。年次改良によって年式が高いほど走行性能と質感が向上されるため、価格とのバランスを見るのが購入のポイント。オススメなのは、ディーゼルの出力が高められた2020年12月以降のモデルだ。
 

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マツダ CX-8(初代)× 乗車定員7名× 全国
 

2:日産 エクストレイル(4代目)

■中古車流通台数:約110台
■中古車価格帯:総額340.2万~579.7万円
■新車時価格:319.9万~533万円
 

エクストレイル▲2022年7月に登場した4代目エクストレイル。従来よりも都会的なルックスとなり、全体的に質感が高められている

現行型となる4代目エクストイルは実用性の高さがウリだ。大容量の荷室や90度近く開くドア、随所に配置された収納など利便性は良好。全車にエンジンで発電しモーターで駆動するハイブリッド車の「e-POWER」とすることで、静粛性も上々だ。

7人乗りは「X e-4ORCE」のみ。2列目はベンチシート、3列目が2名掛けの5:5分割式を採用している。3列目は基本的に荷室を使うことを前提としているが、緊急時の使い勝手には不足なし。電子制御技術「e-4ORCE」による優れた走行安定性によって、快適なドライブを楽しめるだろう。
 

エクストレイル▲4代目のコンセプトは「タフギアと洗練の融合」。室内はまるで高級セダンのようだ

中古車流通台数は約110台だが、7人乗りは約5台と激レア。5人乗りがメインであることに加えて、登場からほどなくして受注停止となり、2023年4月9日までストップしたことが大きな要因だろう。

気になる価格は総額434.8万~471.8万円。新車時では3~6ヵ月程度の納車待ちが発生しているので、自分好みの物件がないかチェックしてみるのも良いだろう。
 

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日産 エクストレイル(4代目)× 乗車定員7名 × 全国
 

3:三菱 アウトランダー(3代目)

■中古車流通台数:約160台
■中古車価格帯:総額411万~602.6万円
■新車時価格:462.1万~570.6万円
 

アウトランダー▲2021年12月に登場した3代目アウトランダー。たくましさを感じさせながら、メッキ加飾などで高級感も強調

現行型となる3代目アウトランダーは、外部充電可能なPHEVである点が強みだ。プラットフォームこそ4代目エクストレイルと共通だが、三菱独自のシステムを搭載。街ではモーターで力強く走り、高速走行ではエンジンで伸びやかに加速。給電能力を有しており、アウトドアや災害発生時にも活躍してくれる。

バッテリーによってレイアウトが制限されるPHEVでありながら、リアモーターとコントールユニットを一体化&小型化して、7人乗りを設定。PHEVの国産7人乗りSUVを望むなら、3代目アウトランダーが唯一の選択となる。
 

アウトランダー▲内装は高級志向。最上級グレード「P」では腰部へのマッサージ機能を運転席に搭載

中古車流通台数は約160台で、7人乗りは約150台と大半を占める。そのうち8割が「P」グレードとなっている。オプションとなる電動パノラマサンルーフを備えた物件が4割以上なのもうれしいところだ。

7人乗りのボリュームゾーンは総額530万~570万円だが、450万円台から狙える。走行距離5000km以下の物件が7割強と低走行車が中心で、中古車としての“おいしさ”が増してきている。
 

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三菱 アウトランダー(3代目) × 乗車定員7名 × 全国
 

4:トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)

■中古車流通台数:約1720台
■中古車価格帯:総額205万~754.3万円
■新車時価格:315万~554.3万円
 

ランドクルーザープラド▲2009年9月に登場した4代目ランドクルーザープラド。外観はマイナーチェンジによって洗練されていった

オフローダーとして世界的に名声を集めるランドクルーザープラド。4代目は圧倒的な悪路走破性で、アウトドア派からも支持されている。頑丈なラダーフレーム構造や、本格的なフルタイム4WDを採用し、険しい道でもグイグイと進む。

大柄なボディを生かして室内は広く、5人乗りと7人乗りを設定。7人乗りは2列目がベンチシートの2-3-2レイアウトだ。7人乗りがメインとなるが、3列目は格納が前提。ただ、中間グレード以上では3列目に電動格納・展開が可能なシートを採用するなど、シーンに応じて使い分けしやすい。
 

ランドクルーザープラド▲4代目は内装の質感向上が図られ、シティ派SUVと比べても遜色ない居心地となっている

中古車流通台数は約1720台で、うち7人乗りは約1100台。2015年6月に追加されたディーゼルターボ車は約300台であり、ガソリン車の方が多くなっている。グレート別に見ると最多は中間グレードの「TX Lパッケージ」。上級グレードの「TZ」や「TZ-G」は合わせて約80台と希少だ。

7人乗りのボリュームゾーンも総額450万~600万円だが、2013年8月以前の前期モデルなら総額220万円台から見つけることができる。一方で、安全装備を考慮するなら「トヨタセーフティセンス P」が標準化された2017年9月以降の後期モデルがオススメだ。
 

▼検索条件

トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)× 乗車定員7名× 全国
 

5:メルセデス・ベンツ GLB(初代)

■中古車流通台数:約200台
■中古車価格帯:総額420.4万~728.9万円
■新車時価格:512万~704万円
 

GLB▲2020年6月に登場した初代GLB。ボディ下部の黒いプロテクターなどでSUVらしさを強調

7人乗りSUVに走りの上質さを求めるなら、現行型の初代GLBが候補となる。路面の凹凸をいなす足回りと、ハンドリングも軽やか。全長4650mm × 全幅1845mm × 全高1700mmのミドルサイズSUVとは思えない取り回しとなっている。

日本では7人乗りのみの設定。2列目はベンチシートだが、140mmのスライドと8段階のリクライニングを備え、「さすがはメルセデス・ベンツ」といった居心地のよさだ。ただ、3列目シートは最低限の仕様。本国では安全面から「身長168cm以下の乗員のみ使用可能」としているので注意が必要だ。
 

GLB▲対話型インフォメントシステム「MBUX」など装備は先進的。荷室も大容量で、2列目シートも倒すと1680Lまで拡大可能

中古車流通台数は約200台で、そのうち6割強がディーゼルターボ車。スポーティなAMGモデルは約120台と半数以上を占めるので、スポーティさを追求するなら積極的に狙いたい。

ボリュームゾーンは総額520万~600万円。最初期モデルなら、走行距離3万km台で総額430万円台の物件も見つけられる。マイナーチェンジによってパワートレインの変更や装備の向上が図られているが、実用性においては大きな差とならない。希望条件に合えばコスト優先で選ぶのが良いだろう。
 

▼検索条件

メルセデス・ベンツ GLB(初代)× 乗車定員7名 × 全国
 

6:ボルボ XC90(2代目)

■中古車流通台数:約250台
■中古車価格帯:総額278.6万~1065.8万円
■新車時価格:774万~1359万円
 

XC90▲2016年1月に登場した2代目XC90。シンプルでモダンなデザインは、瀟洒な雰囲気を漂わせている

居住性を追求しながらもセンスの良さを車に求めるなら、現行型のXC90は外すことのできない選択肢だろう。内装はボルボならではの北欧デザイン。9インチの縦型センターディスプレイなどデジタル装備もインテリアの良いアクセントとなっている。

基本的には7名乗りで、シートは2-3-2レイアウトを採用。2列目は4:2:4分割可倒式で、それぞれ前後にスライドできる。3列目シートは「身長170cmまでは快適に座れる」としている。室内高を確保するのが難しいSUVにとっては十分以上。目安を明確しているのはむしろ好印象だろう。
 

XC90▲全長4950mm × 全幅1960mm × 全高1760mmという大柄なボディだけあって、室内も広くなっている

中古車流通台数は約250台。かつて展開していた4名乗りが1台のみ掲載されており、他はすべて7人乗りとなっている。ボリュームゾーンは総額650万~800万円だが、初期モデルなら総額400万円以下の物件もチラホラと見つけられる。

購入のポイントとなるのはパワートレインだ。現在はハイブリッド車とPHEVの二択だが、中古車では2020年7月まで用意されていたガソリン車とディーゼル車も選べる。環境性能を優先するならPHEVの「リチャージ」がオススメだが、コスパを重視するならガソリン車の「T5」や「T6」を中心に選ぶと良いだろう。
 

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ボルボ XC90(2代目) × 乗車定員7名 × 全国
 

7:キャデラック エスカレード(4代目)

■中古車流通台数:約50台
■中古車価格帯:総額1250万~1808万円
■新車時価格:1490万~1800万円
 

エスカレード▲2020年11月に登場した4代目エスカレード。巨大なボディとどデカいフロントグリルによる存在感は圧倒的!

「他の人とかぶらない7人乗りに乗りたい!」という人にとって、現行型の4代目エスカレードは唯一無二の存在と言えるかもしれない。全長5382mm × 全幅2060mm × 全高1948mmというボディサイズだけでも、他と一線を画す。6.2LのV8ガソリンエンジンで走り出せば、クルーザーを運転するような独自の走行感覚を楽しめる。

当然、室内は広大で全車7人乗り。2列目はキャプテンシートで、1列目のシートバックには12.6インチタッチディスプレイを備えている。3列目は6:4分割可倒式の電動シートとなっており、国産ミニバン並みの豪華仕様となっている。
 

エスカレード▲アメリカの高級車を代表するだけあって内装もシック。湾曲型OLEDディスプレイもスタイリッシュだ

中古車流通台数は約50台で、走行距離は1万km以下の物件が6割を占める。グレード別に見ると、ラグジュアリーな「プラチナム」と、黒いグリルがトレードマークの「スポーツ」が20台以上ずつ掲載。国産限定30台の「ホワイト スポーツ エディション」も2台掲載されている。

7人乗りの最高峰だけあって、物件価格はすべて総額1400万円以上! 7人乗りでありながら、他の超高級SUVに負けない格をお求めなら、ぜひ視野に入れてみてほしい。
 

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キャデラック エスカレード(4代目) × 乗車定員7名 × 全国
 

7人乗りの車 ステーションワゴン編 オススメ2選

7人乗りのステーションワゴンは現行型が存在せず、中古車においても希少。ただ、価格は控えめで、狙いやすくなっている。その中でも、オトク感の強い2車種をチョイスした。
 

 

1:トヨタ プリウスα(初代)

■中古車流通台数:約1600台
■中古車価格帯:総額48万~320.3万円
■新車時価格:235万~362.2万円
 

プリウスα▲2011年5月から2021年3月まで生産された初代プリウスα。3代目プリウスをベースにボディを拡大したモデルだ

7人乗りのステーションワゴンで真っ先に浮かぶのが初代プリウスα。ベースとなる3代目プリウスが4代目へと変わった後も継続販売された実力派モデルだ。10年以上前に登場したが、燃費性能は優秀。後期モデルではWLTCモードで20.7km/Lと、ミドルクラスSUV同等の低燃費となっている。

シートは2列目がベンチシートで、3列目が2名掛けの5:5分割式。どちらかというと「荷室を3列目にできる」仕様となっている。そうはいっても街乗りなら3列目シートは活躍してくれるし、2列目の座り心地も言わずもがな快適だ。
 

プリウスα▲後席ほど着座位置が高くなるシアターレイアウトも採用。3列目は前倒しすればフラットな荷室となり、積載性も上々

中古車流通台数は約1600台で、7人乗りは約280台。そのうち装備が充実した「G」グレードが約180台と6割以上を占めている。「S ツーリングセレクション」をスポーティに仕上げた「G's」「GRスポーツ」は20台以下と希少なので、走りにこだわるなら注目すると良いだろう。

7人乗りのボリュームゾーンは総額100万~180万円。ただ、2014年11月以前の前期モデルなら総額100万円以下でも十分に購入圏内となる。逆に安全装備を気にするなら「トヨタセーフティセンス P」が全車に標準化された2017年12月以降がイチオシだ。
 

▼検索条件

トヨタ プリウスα(初代) × 乗車定員7名 × 全国
 

2:プジョー 308SW(初代)

■中古車流通台数:約30台
■中古車価格帯:総額30万~91万円
■新車時価格:299万~389万円
 

308SW▲2008年9月から2014年10月まで生産されていた初代308SW。ルーフレールを装着してステーションワゴンらしさを演出

初代308SWは7人乗りの車選びで妙案となる。プジョーの代名詞である“猫足”は2世代前の初代でも健在。搭載する1.6Lターボエンジンもパワー不足を感じさせず、しなやかさで軽快な走りを楽しめる。

ステーションワゴンとしては珍しい全車7人乗りで、席はすべて独立式となっている。2列目は3席すべてがスライド可能。3列目はサブシート扱いだが、日常使いには問題ない広さを確保している。しかも3列目は着脱でき、荷室の最大容量は1736L! 荷室の使い勝手も優秀だ。
 

308SW▲運転席のシートも大きめ。パノラミックガラスルーフが標準装備されており、開放感もたっぷり

中古車流通台数は約30台。グレードで見るとエントリーグレードの「プレミアム」と、特別仕様車「スポーティアム」が半々となっている。デザインが変更さている2011年7月以降の後期モデルが約7割を占めている。

ボリュームゾーンは総額40万~80万円とかなりお手頃。平均走行距離は約5万5000kmだが、前期モデルなら約2万7000kmで総額43万円の物件を見つけることもできる。先進安全装備はいずれにせよ用意されていないので、コスパ重視で購入するのも賢いだろう。
 

▼検索条件

プジョー 308SW(初代) × 乗車定員7名 × 全国
 

【Q&A】7人乗りの車選びに関するよくある質問

Q.7人乗りと8人乗りどちらが良い?
A.どちらが良いかは普段の乗車人数によって異なる。ただ、8人で乗る機会がないなら7人乗りを選ぶのがベターだ。8人乗りが用意されるのはミニバンのみ。そのうえで席数の配置は2-3-3と、2列目はベンチシートで3列目も3名掛けとなる。

対して7人乗りは前述したとおり3つのボディタイプを選べる。席も2列目キャプテンシートの2-2-3と3列目が2名掛けの2-3-2の二択となり、7人以下の乗車なら居住性で8人乗りに勝る。つまり、8人乗車をする可能性がないなら7人乗りを選ぶのが無難だ。

Q.3列目シートの種類と特徴は?
A.3列目シートは前倒し収納式と床下格納式、跳ね上げ式の3種類に大別される。座り心地は、クッションを厚くしやすいため、跳ね上げ式が有利。対して収納は前倒し収納式が手軽で、積載性においては床下格納式に分がある。

ただ、これらはあくまで構造上の傾向だ。シートの厚い前倒し収納式や、ワンタッチで操作できる跳ね上げ式などもあり、一概には言えない。車種によって大きく異なるので、居心地と合わせて使い勝手も実車確認しよう。
 

文/綱島剛(DOCUMENT) 写真/尾形和美、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、三菱、メルセデス・ベンツ、ボルボ、ゼネラルモーターズ、プジョー

※記事内の情報は2023年8月28日時点のものです。
 

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