日産 フェアレディZの旧型中古車価格が半年で30万円以上ダウン! 人気国産スポーツカー、今のオススメは?
2023/08/16
新型フェアレディZが話題だが、旧型もまだまだ現役!
日産が、いや日本が世界に誇るスポーツカーのひとつと言っても過言ではないフェアレディZ。1969年に登場した初代モデルから50年以上が経過した今でも、世界のファンに愛されるモデルとなっているのはご存じのとおりです。
そんなフェアレディZは現在販売されているモデルは通算6世代目となりますが、2022年夏にフルモデルチェンジに匹敵するようなビッグマイナーチェンジを実施し、内外装がほぼ一新されただけでなく、搭載エンジンも405psを発生するV6 3Lツインターボエンジンとなるなど、大幅な変更がなされました。
このビッグマイナーチェンジを受けた新型Zは多くの注目を集めており、半導体不足などの影響もあるとはいえ、執筆時点でも新車の受注は停止したままというほどの人気ぶりとなっています。
その一方で、なかなか下がることのなかった旧型フェアレディZの中古車平均価格ですが、下記グラフのとおり昨年末あたりからダウントレンドとなり、今年頭には285.7万円だった平均価格が2023年6月には252.0万円と、この半年で平均価格が30万円以上下がっているのです。
これは前述のとおり、新型の人気に押されて相対的に旧型のニーズが下がったこと、そして旧型の登場は2008年と15年ほど前であったため、人気スポーツカーとはいえ初期型を中心に比較的安価な物件が増えていることも、全体の平均価格を押し下げている要因と言えそうです。
この記事では、旧型となるZ34 フェアレディZのモデル概要を振り返るとともに、今の狙い目物件を紹介していきます。
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日産 フェアレディZ(Z34型)×全国【モデル解説】ロングライフの中で進化し続けたスポーツモデル
意外にも価格が下がっている旧型フェアレディZは、2008年12月に日本で販売を開始しました。先代のZ33モデルよりもホイールベースを短縮しながらも全幅を広げ、運動性能をより高めたディメンションとなりました。
また、搭載されるエンジンもV6 3.5LからV6 3.7Lへと排気量を拡大し、最高出力も標準モデルで336psと大きくパワーアップがなされています。
トランスミッションは6速MTと7速のMTモード付きATが用意され、6速MTにはシフトダウン時に自動的にエンジン回転数を合わせてくれる「シンクロレブコントロール」を世界で初めて採用。
ATにも同様にシンクロレブコントロールが採用された他、2速以降のギアにはすべてロックアップ機構が備わり、MTモードの変速速度も非常に速いスポーツATとなっていました。
2009年6月にはオーテックジャパン(当時)からカスタマイズモデルである「バージョンNISMO」が登場。これは先代モデルにも設定されていたよりスポーティなモデルであり、専用のエアロパーツや補強パーツ、ヤマハ社製パフォーマンスダンパーなどを採用し、パワートレインにも専用設計の等長フルデュアルエグゾーストシステムやコンピューターチューニングによって+19psの355psを発生するものとなっていました。
2012年7月にはマイナーチェンジを実施し、フロントバンパーを中心にエクステリアデザインを変更した他、バージョンSTとバージョンSにはユーロチューンドサスペンションや耐フェード性を高めたブレーキパッドが採用されています。
そして、2013年6月には「バージョンNISMO」の進化系とも言える「フェアレディZ NISMO」をリリース。これは現在も続くNISMOロードカーシリーズに組み込まれたことによる改名で、基本的なチューニング内容はバージョンNISMOに準じたものとなっていました。
そのNISMOは2014年7月にマイナーチェンジを実施し、他のNISMOロードカーと共通するエクステリアデザインに一新。エアロダイナミクスも見直されたことで前後のダウンフォースバランスが最適化されるなど、より高いレベルのスポーツモデルへと昇華しています。
その後も細かな改良を重ねながら生産が続けられた旧型モデルは、2022年夏に登場した新型へバトンタッチをして終売となりました。
まだまだ一線級の性能を誇り、スポーツカーらしいスタイリッシュな旧型Z34。今、中古車を狙うのであれば、どんな選択肢があるのでしょうか?
とにかく安いものが欲しいなら「マイナーチェンジ前のAT車を」
なるべく購入金額を抑えて旧型フェアレディZを狙いたい、という人は初期型のAT車を狙うのがオススメと言えるでしょう。
マイナーチェンジを迎える前の2008年12月~2012年6月生産モデルなら、支払総額100万円台前半のものが複数存在。
他のスポーツカー同様に、MT車は比較的高価なものが多いのですが、AT車であれば修復歴がない物件でも手頃なものが見つかります。
ただし、最初期のモデルは登録から13年が経過して重課税となっている年式なので、自動車税の支払い時期に負担が増えることは頭に入れておきたいところ。
また、走行距離10万km超のものも多いため、コンディション確認は必須と言えます。
そういう点では、この最安値帯の物件は、やや玄人向けの選択肢と言えそうです。
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日産 フェアレディZ(Z34型)×2008年12月~2012年6月生産モデル×AT×全国コスパ重視なら、「マイナーチェンジ後のAT車」か「初期型のMT車」を
2008年の登場から2022年夏の新型デビューまでと、かなり長期間にわたって販売されていた旧型フェアレディZ。それだけに価格や状態もピンキリとなっていますが、コストパフォーマンスに優れたモデルを狙うのであれば、2012年7月のマイナーチェンジ以降のAT車が狙い目です。
LEDデイライトなどを装着し、より近代的になったエクステリアをもつマイナーチェンジ後のモデル。
支払総額250万円ほどの予算があれば走行距離5万km程度の、比較的コンディションが期待できそうな物件を複数見つけることができ、中には充実装備のバージョンTやバージョンSTも存在しています。
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日産 フェアレディZ(Z34型)×2012年7月以降生産モデル×AT×全国
一方、MT車でコスパがいいものとなるとなかなか難しいところですが、純粋に走りを楽しみたいのであれば、あえて比較的安価なマイナーチェンジ前のモデルを狙うことをオススメしたいところ。
こちらも250万円程度の予算を見ておけば、走行距離10万km未満で、スポーツグレードのバージョンSなども射程圏内となってきます。
元々MTの中古車の方が少なめな旧型フェアレディZだけに、好みの車両を見つけるのはやや苦労するかもしれませんが、歴代モデルを見ていてもMT車は大きく値崩れする可能性は低そうなため、コストパフォーマンスに優れていると言えそうです。
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日産 フェアレディZ(Z34型)×2008年12月~2012年6月生産モデル×MT×全国「NISMO」系の中古車状況は?
通常モデルとは明らかに異なるオーラを放っているNISMO系モデルですが、旧型フェアレディZの中古車の掲載台数が250台ほどのところ、わずか30台ほどと貴重な存在となっています。
バージョンNISMOとNISMOの掲載台数はほぼ半々といったところですが、比較的安価なのは登場が古い「バージョンNISMO」。
価格帯は総額で200万円~といった状況で、MT車でも総額350万円ほどで狙うことができる物件も存在していました。
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日産 フェアレディZ(Z34型)×バージョンNISMO×全国
一方の「NISMO」に関しては、特にエクステリアデザインが他のNISMOモデルと同じものとした2014年7月以降のモデルでは総額で450万円~と高値安定。高年式の物件では新車価格に迫る600万円台のものも存在しているほどでした。
旧型のNISMOに関しては先日発表された新型のNISMOがAT車のみのラインナップだったこともあり、今後MTの旧型NISMOはさらに価格が上昇する可能性もありそうです。
狙っている人は相場の動向を注視しておいた方がいいかもしれません。
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日産 フェアレディZ(Z34型)×NISMO×全国▼検索条件
日産 フェアレディZ(Z34型)×全国※記事内の情報は2023年8月8日時点のものです
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。