トヨタ 30プリウスの特徴は? 前期・後期の違い、中古車価格や流通量を徹底解説!
2023/05/11
30プリウスを徹底解説! どんなモデル? いくらで狙える?
2009年5月にデビューした3代目プリウス(30系)。デビューの3ヵ月前にはホンダからハイブリッドカーの2代目インサイトがデビューし、また、同年の4月からエコカー減税がスタートしたこともあり、ハイブリッドカーへの注目度が急速に高まりました。
日本でハイブリッドカーが本格的に普及する立役者となった3代目プリウスがどんなモデルだったのか、中古車はいくらで買えるかなどを解説します!
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トヨタ プリウス(3代目)× 全国【概要】30プリウスってどんなモデル?
1997年に初代、2003年に2代目が登場したプリウス。3代目はハイブリッドシステムが刷新され(システム全体の90%以上を新開発)、燃費が2代目最後期の29.6km/Lから32.6km/L(いずれもJC08モード)まで進化しました。
ハイブリッドシステムはエンジンが1.5Lから1.8Lになり、ガソリンエンジンとモーター、モーターのトルクを増幅して大トルクに変換するリダクションギアを組み合わせた『リダクション機構付きのTHS II』になりました。
エンジンの排気量がアップしたので「燃費に不利」と思う人もいるかもしれませんが、逆に排気量が大きくなったことで高速走行時にエンジンの回転数を抑えることができ、燃費が向上したのです。
また、燃費優先の制御を行う『エコドライブモード』、ハイブリッドならではの力強い走りを味わえる『パワーモード』、エンジン音を出したくないときに短距離ではあるもののモーターのみで走行できる『EVドライブモード』という3つの走行モードを選択できるのも特徴でした。
3代目プリウスは月販目標台数が1万台だったのに対し、発売から1ヵ月で約18万台を受注するというメガヒットモデルとなったのです。
さらに2011年11月、3代目プリウスはマイナーチェンジを実施します。
このマイナーチェンジでは、スポーツコンバージョンモデルとなるSツーリングセレクションG’sが追加されました。これは専用のチューニングサスペンションやメンバーブレースを装備し、スポット溶接打点を追加。ボディ剛性を一層高めて気軽にスポーティな走行を楽しめるようにしたモデルです。
2012年10月には、東日本大震災以降要望が多くなったAC100V電源(最大1500Wまで使用可能)をオプション設定しました。
また、ハイブリッドカーのプリウスに外部からの充電機構を備えたプラグインハイブリッドモデル『プリウスPHV』が2012年1月に登場しました。大容量バッテリーを備えたことで、満充電で26.4kmのEV走行が可能に(JC08モード)。買い物や送迎など、近距離ならガソリンを使わずに移動することができます。
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トヨタ プリウスPHV(初代)× 全国【注目ポイント】30プリウスの前期と後期の違いはこれ!
2011年11月のマイナーチェンジで後期型となった30プリウス。前期型との主な変更点は以下のとおりです。
■フロントバンパー、フロントグリル、アンダーグリル、リアコンビネーションランプ、15インチホイールキャップなどのデザイン変更
■SとGのヘッドライトをディスチャージ式に変更
■クリアランスランプをLEDに変更
■ボディカラーにボルドーマイカメタリック、フロスティーグリーンマイカ、ライトパープルマイカメタリックを新設定
■シフトノブまわりやステアリングスイッチベースを高輝度シルバー塗装に変更
■ブルー&ブラック、ブラウン&ブラックのツートーンシートカラーをメーカーオプション設定
■車両接近通報装置を全グレード標準装備
■Gグレード系にJBLプレミアムサウンドシステムをオプション設定
【ラインナップ】30プリウスは3種類のグレードを設定
3代目プリウスには大きく分けて、L、S、Gという3種類のグレードがありました。
■L:燃費性能を追求したグレード
■S:標準グレード
■G:クルーズコントロール、上級シート表皮が備わるグレード
さらにSとGには17インチアルミホイール、専用チューンドサスペンション、LEDヘッドライト、リアバンパースポイラーなどが備わるツーリングセレクションが設定されました。
そしてGにはツーリングセレクションの装備に加えて、プリクラッシュセーフティシステムとレーダークルーズコントロール、ステアリングスイッチの指の触れた場所をセンターメーターに表示するタッチトレーサーディスプレイ、パーキングアシスト、本革シート、ナビゲーションシステムが備わるツーリングセレクションレザーパッケージが設定されました。
さらに後期型では上記グレードに加え、SツーリングセレクションG’sが設定されました。
【サイズ・外装】先代よりも後部座席の居住性がアップ
30系プリウスのボディサイズは全長4460×全幅1745×全高1490mm。先代より一回り大きなサイズとなっています。ホイールベースは2700mmで、先代と同じ数値になります。
ボディ形状は2代目が採用された『トライアングルシルエット』と呼ばれる、おむすび型のスタイルを継承。フロントピラーは2代目よりも25mm前方に出してフロントガラスをこれまで以上に傾斜させています。また、横から見たときにおむすび型の頂点を2代目よりも後方に移動させることで後部座席の居住性を高めているのが特徴です。
【内装・荷室・装備】シフトノブが宙に浮く未来感あふれるデザイン
3代目プリウスのインテリアで目を引くのは、インパネからセンターコンソールにかけて橋のように伸びるセンタークラスターでしょう。センタークラスター下にはスマートフォンをはじめ、大きめの小物も置くことができる収納が用意されています。
メーターは横長のセンターメーターに。センターメーターは初代からの伝統になります。
プリウスはバックドアを寝かせた空力重視のスタイルなので、背が高い荷物を積むのは苦手。それでも後席を格納すると約1700mmの長さがある荷室が出現するので、余裕をもって荷物を積むことができます。荷室形状もタイヤハウスの張り出しが少ないので使いやすくなっています。
ハイブリッドカーならではの先進的な装備として、ルーフに設置されたソーラーパネルで発電した電力を利用して室内の換気を行う『ソーラーベンチレーションシステム』と、スマートキーのスイッチにより車外からエアコンが作動可能な『リモートエアコンシステム』が搭載されました。
【中古車状況】総額50万円以下でも走行10万km以内の物件が見つかる!
3代目プリウスの中古車は約3700台流通。すでに2世代前のモデルとなったこともあり、数年前と比べると台数は減少傾向にありますが、条件に合う中古車を見つけるには十分すぎるほどの台数があります。
価格帯は10万~360万円で、ボリュームゾーンは40万~90万円台となっています。100万円以内の予算で中古車を探すのは苦労しません。予算50万円で探すことも可能です。
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トヨタ プリウス(3代目)× 全国すでにデビューから14年経過していることもあり、低価格帯でも上級グレードを見つけることができます。それでもコストパフォーマンス重視で中古車を探すなら、量販グレードのSがオススメ。
Sツーリングセレクションだと車両価格50万円以下には走行距離が10万kmを大きく超えているものが多くなりますが、Sなら10万km以下のものも見つけやすくなります。
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トヨタ プリウス Sグレード(3代目)× 全国予算を100万円までアップすると、上級グレードのGやSツーリングセレクションでも後期型で走行距離が10万km以下のものが見つけやすくなります。
走行5万km前後のものもあるので、低年式の30系でもコンディションがいいものが欲しい、ディスチャージヘッドライト付きにこだわりたい人にオススメです。
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トヨタ プリウス G、Sツーリングセレクション(3代目)× 全国豪華な仕様の30系プリウスを探したい人は、最上級グレードのGツーリングセレクションレザーパッケージ狙いで。シリーズ唯一の本革シートが備わるモデルで、レーダークルーズコントロールも装備されます。
Gツーリングセレクションレザーパッケージの価格帯は前期型が40万~110万円、後期型が60万~160万円となっています。高値圏はカスタム車になるので、実質的には130万円以下で探すことができます。
流通台数は80台弱と少なめですが、購入後の満足感を高めたい人はこのグレードに的を絞って探す価値は十分あります。
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トヨタ プリウス Gツーリングセレクションレザーパッケージ(3代目)× 全国スタイルにこだわりたい人は、後期型で追加されたSツーリングセレクションG’sに注目。この時期、トヨタはヴォクシー/ノアやアルファード/ヴェルファイア、ハリアーなどに『G SPORTS』『G’s』を設定しました。
家族のことを考えると86をはじめとするスポーツカーを選ぶことは難しい。でもスポーティさにはこだわりたい。そんな人に向けて開発されたこれらのモデルは新車での販売台数が少なかったこともあり、現在でも比較的高値で取引されています。
プリウス SツーリングセレクションG’sの中古車は約160台流通。価格帯は70万~170万円となっています。低価格帯は走行距離10万km以上のものが中心で、車両価格120万円くらいから走行5万km以下のものが見つかるようになります。
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トヨタ プリウス SツーリングセレクションG’s(3代目)× 全国▼検索条件
トヨタ プリウス(3代目)× 全国※記事内の情報は2023年5月8日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL