クラウンアスリート▲今回は11代目クラウンアスリートにフォーカスします!

トヨタ17クラウンアスリート、台数減少に伴い相場が上昇!?

2022年7月にワールドプレミアされた新型クラウンは、まずクロスオーバーを市場に投入。同時に公開されたスポーツは2023年秋頃(PHEVは2023年冬頃)、セダンは2023年秋頃、エステートは2024年に発売予定となっています。

新型はこれまでのクラウンのイメージを覆すアバンギャルドなデザインで世間を驚かせました。そして振り返れば2012年に登場した210系、2018年に登場した220系も歴代クラウンがもっていた伝統的なスタイルを打ち破るデザインでした。

そうなるとクラウンらしい風格が好きだったという人は選びづらくなってしまったところがあるかもしれません。

そんな人に注目してほしいクラウンが1999年に登場した170系。実はこの次の世代となる180系、いわゆる“ゼロクラウン”からクラウンのイメージが変わり始めているので、“らしさ”を味わいたいならこの世代が刺さるはず。

しかし25年近く前のモデルということあり流通台数はかなり少なくなって、それに伴い中古車相場も上昇しています。2023年2月のクラウンアスリートの平均価格は137.8万円でしたが、1年前の2022年2月の平均価格は96.4万円。つまり40万円以上も価格が高騰しているのです。

クラウンアスリート

そんな170系クラウンアスリートのモデル概要を振り返りつつ、現在の中古車事情を見ていきましょう。
 

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トヨタ クラウンアスリート(170系)×全国
 

【モデル概要】スポーティモデルの“アスリート”を新設定

170系の先代モデルである150系まで、クラウンにはロイヤルシリーズ以外にスポーティグレードとしてロイヤルツーリングが設定されていました。170系からはロイヤルツーリングが“アスリート”という新たな系譜に変わりました。

アスリートは丸形4灯のヘッドライトとメッシュグリルを採用してスポーティさを高め、ロイヤルシリーズとの差別化が図られました。ヘッドライトはディスチャージ式で、ワイドビュードアミラーも採用されました。

とはいえ、流麗さを増した210系以降のクラウンと比べると、どっしりとした四角いボディが印象的で、高級セダンらしい風格に溢れたスタイルとなっています。

クラウンアスリート▲こちらがアスリートのフロントです
クラウンアスリート▲リアも角ばったデザインでセダンらしい雰囲気

1980~90年代に盛り上がったハイソカーブームでは、サッシレスドアを採用したハードトップが人気でした。クラウンにもハードトップが設定されていましたが、170系から窓枠が付いたセダンになり、ボディ剛性が高められました。

シートは専用のものが奢られ、シフトノブはゲート式を採用。ステアリングでシフトのアップダウンを行えるステアシフトマチックも装備されます。

グレードはアスリート、アスリートFour、アスリートG、アスリートVの4種類を用意。アスリートとアスリートFourには2.5L直6エンジン、アスリートGには3L直噴直6エンジン、アスリートVには2.5Lターボが搭載されました。2.5Lターボは最高出力280ps/最大トルク38.5kg-mを発揮。わずか2000回転で30kg-mを超える大トルクを発揮します。

クラウンアスリート
クラウンアスリート▲写真上がアスリートV、下がアスリートGのインテリア

また、アスリートVはフロントが205/55R16、リアが225/50R16という前後異径タイヤでスポーティさを強調しています。サスペンションも専用チューニングが施されました。

2001年8月にはアスリート、ロイヤルともにマイナーチェンジを実施。リアコンビランプがアスリート専用の丸形6灯式に変更されました。フロント215/45ZR17、リア225/45ZR17の扁平タイヤ(新デザインアルミホイール)がオプション設定されました。

そしてアスリートVをベースにシャシーとエンジンにヤマハ発動機が手を加えた限定モデル“アスリートVX”が発売されました。最高出力300ps/最大トルク390N・mに高められ、エンジンルーム内にはヤマハのパフォーマンスダンパーを装着しています。タイヤサイズはフロントが225/40ZR18、リアが245/40ZR18で、BBS製アルミホイールが装着されました。
 

 

【中古車情報】流通の大半は2.5Lターボモデル

170系クラウンアスリートの掲載台数は35台。25年近く前のモデルとはいえ、2022年6月には60台弱掲載されていたので、急激に流通量が少なくなっていると言えるでしょう。

中古車価格帯は40万~460万円。これだけ幅がある理由は後期型で300台限定販売されたアスリートVXが430万~460万円という値がついているから。アスリートVXを除くと価格帯は40万~280万円になります。

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流通している中古車の半数は2.5Lターボ搭載のアスリートVおよび特別仕様車のアスリートVプレミアムになります。

価格帯のボリュームゾーンは100万~140万円台ですが、100万円以下の中古車もあるので予算を抑えて乗りたい人も大丈夫。ただ、アスリートVに的を絞るなら予算は最低でも100万円は見ておいた方がいいでしょう。

スポーティセダンということで派手にカスタムされたものも流通していますが、数は少なめ。ノーマルに近い中古車が多いので安心して選べるはず。ただ、製造からかなり時間が経っているので、購入時は販売店スタッフと一緒に状態をよく確認してください。
 

クラウンアスリート▲スポーティなモデリスタエアロを装着したクラウンアスリート

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※記事内の情報は2023年4月24日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL