トヨタ ハリアー(現行型)▲クロスオーバーSUVとして新境地を開拓してきたハリアー。現行型である4代目はさらに洗練されたスタイルで2020年6月に登場

デビュー直後から人気沸騰の新型ハリアー、中古車は?

ハリアーはトヨタが販売しているミドルサイズSUV。

それまでのSUVといえば、無骨でタフ、質実剛健、その代わりに快適装備や豪華装備は最小限、というのが定番だった。その常識を変えたのがハリアーという車だ。

初代は1997年にデビュー。初代、2代目まで日本ではトヨタ車として販売されたが、北米などではレクサス RXとして登場し、世界的な大ヒットを記録。

日本国内でも従来のSUVにはなかったオンロードでの上質な乗り味、高級セダンのような内装、使い勝手の良い車内空間がユーザーから高く評価されて大人気となった。

ハリアー(初代) ▲これまでのSUVにない鮮烈なスタイリングで人気となった初代。1997年12月から2003年1月まで生産された
ハリアー(2代目) ▲2003年2月から2013年7月という長い生産期間を誇った2代目
ハリアー(3代目) ▲レクサス RXから分離してトヨタ独自のモデルとなった3代目。2013年12月から2020年5月まで生産された

日本に「レクサス」ブランドが導入され、RXの発売が始まってからもハリアーはトヨタの1車種として生き残り、代を重ねていった。

2020年6月に登場した現行モデルは4代目にあたる。約7年ぶり、待望のフルモデルチェンジということで話題となり、発売開始からの1ヵ月間で月間販売目標台数の4倍にあたる約9000台の受注を獲得。

しかし、昨今の半導体不足や新型コロナ感染拡大の影響で、納期は大幅に遅れている模様。その一方で、中古車市場に目を向けるとかなりの台数が流通している。

新車が納車されるまで待っていられない、という人は中古車を狙ってみてはいかがだろう? この記事では4代目ハリアーの概要や中古車市場の現況について解説する。

ハリアー(現行型) ▲ボンネットからリアまで流れるように続く美しいフォルムがハリアーの特徴だ

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【ボディサイズ】見た目よりも車内空間は広い!

ハリアーのボディサイズは全長:4740mm × 全幅:1855mm × 全高:1660mm。先代の3代目よりもホイールベースで30mm、全長で20mm、全幅で20mm拡大された4代目。その一方で、全高は30mm下げられ、ロー&ワイドなフォルムとなった。

車体の大きさだけで言うなら、三菱 アウトランダーやマツダ CX-5などのミドルクラスSUVに近いボディサイズである。

しかし、運転感覚はセダンに近く、SUVに乗っていることを意識させないプロポーションと乗り味が特徴だ。

ハリアー(現行型) ▲3代目よりもわずかにワイドとなった4代目
ハリアー(現行型) ▲RAV4とプラットフォームを共有したことで、車内空間も拡大した

外から見ると車内が狭そうに見えるかもしれないが、ハリアーはトヨタ RAV4とプラットフォームを共有しており、室内高ではほとんど差がない(しかも室内長ではハリアーの方が上! )

特に後席居住空間には余裕があり、同乗者も快適なドライブを楽しめるだろう。

ハリアー(現行型) ▲開放感よりも安心感が強く感じられるハリアーの車内
ハリアー(現行型) ▲広いラゲージスペースも魅力
 

【デザイン】高級車にふさわしいエレガントな内外装

ハリアー(現行型) ▲ヘッドライトは上位グレードでプロジェクター式LED、通常グレードでLEDとなる

ハリアー最大の特徴であるクーペライクで流麗なフォルムは4代目でさらに磨きがかけられた。

フロントマスクはグリルとヘッドライトを弧状に連続させるデザインとして、精悍さを表現。豊かな表情を作り出すLED式ヘッドランプ&シグネチャーランプも未来感ある造形だ。

初代以来、エンジンを横置き搭載して車内空間を最大限に確保してきたハリアーだが、4代目ではあえて大型のセンターコンソールを配置し、適度な包まれ感が醸し出された。

この大型センターコンソールは馬のくらをイメージしてデザインされたという。

ハリアー(現行型) ▲大型のコンソールは収納力確保のためでなく、安心感を演出するためのもの
ハリアー(現行型) ▲上位グレードにオプション設定される調光式パノラマルーフはトヨタ車初採用となった

インテリアではガラスの濃度をシームレスに調整できる「調光パノラマルーフ」が採用(上級グレードにメーカーオプション)されたことも話題になった。

障子越しのような柔らかい光が車内に差し込む粋な演出となっている。

 

【パワートレイン/グレード】ガソリンからPHEVまで多彩なパワーユニットをラインナップ

ハリアー(現行型) ▲ハイブリッド車の4WDはモーターで後輪を駆動する「E-Four」

ハリアーのパワートレインは、ガソリン車とハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(2022年9月に追加)と3種類をラインナップ。

ガソリン車には2L 直4自然吸気エンジンが、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車には2.5L 直4ガソリンエンジン+モーター(2WD車は前のみ、フルタイム4WD車は前後)が搭載される。

ガソリン車とハイブリッド車にはFFとフルタイム4WDを用意。プラグインハイブリッド車は全車フルタイム4WDとなる。

3代目に設定のあったガソリンターボモデルは廃止されたが、4代目のガソリンエンジンは最高出力126kW(171ps)、最大トルク207N・m(21.1kg・m)という必要十分以上のパワー&トルクを発生するもの。

モーターのアシストが加わるハイブリッド車、プラグインハイブリッド車の加速性能はさらに強烈だ。

ハリアー(現行型) ▲直列4気筒エンジン搭載のハイブリッドモデルの燃費は21.6km/L~(WLTCモード)

グレード展開は以下のとおり。

「S」:ガソリン車、ハイブリッド車の量販グレード。本革ステアリングやオプティトロンメーター、スマートキーを装備
「G」:ガソリン車、ハイブリッド車の上級グレード。フロントLEDフォグランプや運転席パワーシートなどを装備
「Z」:ガソリン車、ハイブリッド車の最上級グレード。プラグインハイブリッド車はこのグレードのみ。12.3インチTFTメーターやヘッドアップディスプレイなどの豪華装備が付く。本革シート&助手席パワーシートとなる「レザーパッケージ」が設定される(プライグインハイブリッド車は全車レザーパッケージ仕様)

 

【安全装備】どのグレードでも先進安全機能が充実

夜間の歩行者や自転車運転者(昼間のみ)も検知可能なトヨタ最新の先進安全技術「Toyota Safety Sense」を全グレードに標準装備する。

2022年9月のマイナーチェンジで、交差点右折時の対向直進車および右左折時に対向方向から横断してくる歩行者の検知にも対応。マイナーチェンジ後のモデルでは、デジタルインナーミラー(「S」以外のグレードに標準装備、「S」にオプション)に前後カメラが捉えた映像を録画する機能も追加された。

安全装備について、グレード間でほぼ差別されていないのはハリアーの長所と言えるだろう。

ハリアー(現行型) ▲マイナーチェンジ後モデルのデジタルインナーミラーには録画機能を追加
 

【中古車で買えるモデル】ガソリン車の流通量が豊富! お買い得感ある価格帯に

デビューからまだ3年ほどしかたっていない4代目だが、中古車市場には1800台前後とまずまずの台数が流通。年式では2020~2021年に大半が集中しており、2022年式はまだ少ない。

グレードでは最上級の「Z」が全体の70%弱、続く上位グレードの「G」が25%程度、残りが「S」と、上級グレードほど多く流通している。新車人気を反映したものと考えて良いだろう。

パワートレイン別ではガソリン車が全体の7割。ハイブリッド車の比率が高めだが、2022年に追加されたばかりのプラグインハイブリッド車はまだほとんど流通していない。

価格の一例を挙げると、2021年式・走行距離5000km未満の「Z」ガソリン車・FFで総額375万円ほど。新車価格が403.8万円であることを考えるとかなりお買い得感のある相場となっている。

ハリアー(現行型) ▲プラグインハイブリッド車は装備内容も最上級グレード+レザーパッケージと同等の豪華仕様

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※記事内の情報は2023年2月15日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/尾形和美、トヨタ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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