ランボルギーニ ウラカン ▲新車で買っても中古車で買っても「5000万円以上!」となる場合が多い現行型のランボルギーニ。しかしV10エンジンをミッドに搭載する「ウラカン」だけは、現行世代にあるにもかかわらず、比較的お安い(?)予算で狙うことができます。そんなランボルギーニ ウラカンとはどんな車で、オススメのグレードは何になるのでしょうか? もろもろ検討してみます

アヴェンタドールと比べれば断然お安い「ウラカン」

世の中には「ランボルギーニ」のことをまったくご存じない人もいるでしょうが、少なくとも運転免許を持っている人であればほぼ全員が、大なり小なりご存じかと思います。ご承知のとおり、1960年代にイタリアで創業されたスーパーカーメーカーです。

ランボルギーニが作る車は「速い!」「カッコいい!」という特徴があるわけですが、それと同時に「高い!」というのがあります。

特に現行世代のランボルギーニにおいてそれは顕著で、フラッグシップモデルである「アヴェンタドール」は、新車で買うとなると車両本体だけで4500万円以上。……いろいろなオプション装備を付けた場合の支払総額は6000万円ぐらいでしょうか?

そしてアヴェンタドールは中古車で買うにしても非常に高額で、2023年2月上旬現在、その平均価格は約5050万円です。

「同じランボルギーニの現行モデル中古車でも、SUVならちょっとは安いかな?」と思って見てみると、確かにSUVである「ウルス」はアヴェンタドールの中古車よりは安いのですが、それでも平均価格は前述日現在で3700万円以上。……軽く気絶してしまいそうなお値段です。

しかし、ランボルギーニの現行モデルの中でも、パッと見はアヴェンタドールと似たようなカタチに思える「ウラカン」だけは中古車平均価格が約2800万円と、意外に格安です。いや2800万円が格安かどうかはさておき、相対的には「もしかしたら……?」と思わせる数字ではあります。

そんな「もしかしたらイケるかもしれない現行型ランボルギーニ」であるランボルギーニ ウラカンとはどんな車で、その中古車事情はどうなっているのでしょうか?

次章以降、もろもろ見てみましょう。
 

ランボルギーニ ウラカン▲こちらがランボルギーニ ウラカン。写真はLP610-4という最初期のグレード
ランボルギーニ ウラカン▲ちなみにこちらがランボルギーニのフラッグシップモデルにあたるアヴェンタドール

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ランボルギーニ ウラカン(現行型) × 全国

600ps超級のV10エンジンを搭載するミッドシップスポーツ

ランボルギーニ ウラカンは、その昔から俗に「ベビーランボ」と呼ばれているジャンルのランボルギーニ車の、現行世代。

V12エンジンを搭載する往年のカウンタックや現在のアヴェンタドールよりも小さなV10エンジンを搭載し、ボディサイズも本流のV12モデルと比べればやや小さめであることから、「ベビーランボ」と俗称されています。

そんなベビーランボの現行世代である「ウラカン」が日本へ上陸したのは2014年7月。上位モデルである「アヴェンタドール」と共通するイメージのフロントマスクを持ち、ひと目で「ランボルギーニ!」とわかるフォルムのボディは全長4459mm×全幅1924mm×全高1165mm。

とはいえ、ドアの開放方式はアヴェンタドールのように上方に向かって開く「シザーズドア」ではなく、普通に横方向に開くドアであるのは、ウラカンの若干残念なポイントかもしれません。
 

ランボルギーニ ウラカン▲前期型である「LP610-4」のフロントビュー
ランボルギーニ ウラカン▲LP610-4の運転席まわり。メーターは12.3インチの液晶で、トランスミッションは7速のツインクラッチ式AT
ランボルギーニ ウラカン▲ドアは残念ながら「シザーズドア」ではなく、普通に横方向に開く

シャシーはアルミと炭素繊維強化ポリマー(CFRP)の複合構造となるハイブリッドシャシーで、その中央付近に搭載されるエンジンは、最初期モデルである「LP610-4」においては最高出力610ps/最大トルク560N・mの5.2L自然吸気V10。

トランスミッションは「ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ(LDP)」と呼ばれる7速DCTで、駆動方式はアヴェンタドールと同じ、電子制御油圧多板クラッチで前輪と後輪をつなぐ方式の4WDです。

またシャシーや足回りに様々な電子制御が用いられているというのも、ウラカン世代の特徴となります。

まずは2014年7月に最高出力610psの4WD車「LP610-4」で始まった日本市場のランボルギーニ ウラカンですが、その後は様々な仕様が追加されていくことになります。だらだら書いても読みにくいかと思いますので、以下、箇条書きにてご説明しましょう。

●2015年12月:最高出力580psの後輪駆動車「ウラカン LP580-2」を追加
●2017年6月:640ps+専用空力システムの4WD車「ウラカン ペルフォルマンテ」登場
●2019年3月:マイナーチェンジモデル「ウラカンEVO」上陸。最高出力640psで、後輪操舵とトルクベクタリングシステムを統合制御する「ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)」を採用
●2020年1月:ウラカンEVOの後輪駆動版である「ウラカンEVO RWD」追加。最高出力は610ps
●2020年11月:レーシングモデルの技術を市販車にフィードバックした「ウラカンSTO」発売。後輪駆動で、エンジン最高出力は640ps
●2022年4月:「ウラカン テクニカ」登場。後輪駆動で、エンジン最高出力は640ps
 

ランボルギーニ ウラカン▲2017年6月に追加された高性能グレード「ペルフォルマンテ」
ランボルギーニ ウラカン▲2019年3月に発売された、マイナーチェンジモデルに相当する「EVO」
ランボルギーニ ウラカン▲モータースポーツ由来の空力性能と軽量化を両立させた「STO(Super Trofeo Omologata)」

限定車や、オープンモデルである「ウラカン スパイダー」については割愛させていただきましたが、ランボルギーニ ウラカンの日本におけるモデルヒストリーはおおむね上記のとおりです。

それでは「で、比較的お安く買えるのはどれなの?」という具体的な話に移ってまいりましょう。
 

超ざっくり言うと「前期型は2000万円台」で「後期型は3000万円台」

本稿の最初の方で「ウラカンの中古車平均価格は約2800万円。現行型ランボなのに(相対的には)安い!」という意味のことを申し上げました。しかしその平均価格は、最初期のLP610-4から最新のテクニカまでを含めたうえで計算された数字でしかありません。

ということで、個別の価格を見てみないことには「買えそう!」とも「無理そう……」とも言いきれないため、それぞれの中古車価格等を調べてみることにしましょう。なお、下記の数字はすべて「2023年2月上旬現在」です。

●最初期モデル「LP610-4」
・流通台数|18台
・中古車本体価格|2340万~3250万円
・中古車平均価格|2568.1万円

●初期の後輪駆動モデル「LP580-2」
・流通台数|5台
・中古車本体価格|2290万~2480万円
・中古車平均価格|2384.7万円
 

ランボルギーニ ウラカン▲LP610-4のV10エンジンを最高出力580psに抑え、4WDではなく後輪駆動とした「LP580-2」

●ハイパフォーマンス4WD車「ペルフォルマンテ」
・流通台数|7台
・中古車本体価格|3080万~3390万円
・中古車平均価格|3260.0万円

●マイナーチェンジモデル「EVO」
・流通台数|10台
・中古車本体価格|3230万~3700万円
・中古車平均価格|3414.4万円

●EVOの後輪駆動版「EVO RWD」
・流通台数|5台
・中古車本体価格|3198万~3670万円
・中古車平均価格|3353.6万円

●ほぼレーシングマシン「STO」
・流通台数|0台
・中古車本体価格|――
・中古車平均価格|――

●最新モデル「テクニカ」
・流通台数|0台
・中古車本体価格|――
・中古車平均価格|――
 

ランボルギーニ ウラカン▲「ほぼレーシングマシン」とも言える写真上の「STO」は中古車がまだ流通しておらず、同様に「テクニカ」の中古車もまだ0台

上記の各数字をざっくりまとめますと、「初期モデルは車両2000万円台半ばぐらいで、後期モデルは3000万円台半ばぐらい」ということになるでしょう。

ちなみに走行距離は、一番長い距離を走っているウラカンでも2.1万kmですので(※2023年2月上旬現在)、ほぼすべての中古車が「走行数千kmから1万km台」と思っていただいて構いません。
 

ローンシミュレーション:走行1万km台のLP610-4ならイケる……かも?

……となると、狙い目になるのは流通量が比較的豊富で、平均価格もお安い(?)「LP-610-4」になるでしょうか。例えば――。

2017年式ランボルギーニ ウラカンLP610-4
車両価格2460万円(支払総額2500万円)
オレンジメタリック/走行1.1万km/ホワイトレザーインテリア/D車/修復歴なし
問い合わせ:(株)カーセンサーオート

という、いかにもありそうな物件があったとして、こちらを「頭金0円の120回均等払い。金利は1.9%」という条件でローンの計算をしてみますと、月々の支払額は「22万8916円」という結果になりました。

……筆者には完全に無理な金額ですが、儲かっている自営業の社長さんでしたら、なんとか社用車として買える額のような気もいたします。
 

ランボルギーニ ウラカン▲オレンジメタリックの2017年式LP610-4というと、ビジュアルはこんな感じでしょうか?

問題はランボルギーニ ウラカンというスーパーカーを、税務署が社用車として認めてくれるかどうかですが、その問題について筆者が契約している税理士に確認したところ、下記のような返事が返ってきました。

「車名によって経費になったりならなかったり――ということはありません。『カローラならOKで、ロールスロイスは認められない』という条文や裁判例もないですから。問題は『その車が仕事のために使われているかどうか』という点です。会社名義で所有され、それを仕事に使っているのであれば、経費計上はまったく問題ありません。否認されるケースになるのは、会社名義といえども何台も車を持っている(かつ経費計上している)場合です。この場合はそれぞれの車の必要性を主張しなければ、否認される可能性も出てくるでしょう」

……いかがでしょうか? より詳しくは、各位が契約されている税理士さんや会計士さんとご相談していただきたいですし、税務署に否認された場合に「この記事を書いたライターのお前、責任取れ!」と言われても困ってしまうのですが、本稿をご参考にしていただきつつ、今後は現実味を帯びた視線でもってランボルギーニ ウラカンのことを眺めていただけたならば幸いです。
 

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ランボルギーニ ウラカン(現行型) × 全国
文/伊達軍曹 写真/ランボルギーニ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。