日産 リーフ、受注再開したが新車価格がまさかの値上げ……だったら中古車を見てみませんか?
2023/02/01
昨今の状況を鑑みて車両本体価格がアップしてしまった日産 リーフ
世界初の量産電気自動車として2010年に初代モデルが登場した日産 リーフ。2017年には2代目へとフルモデルチェンジを果たし、進化したバッテリーやモーターなどによってさらなる航続距離の延長や、バッテリーの長寿命化など、より日常的に使える電気自動車へと進化しました。
しかし、昨今の世界情勢の影響などにより2022年9月からオーダーストップとなり、2022年12月に販売を再開したものの、車両本体価格が一気に上昇。ベーシックな40kWhのバッテリーを搭載するグレードでもおよそ37万~45万円、大容量バッテリーを搭載する「e+」系に至っては100万円以上の値上がりとなってしまったのです。
昨今の事情はやむを得ないにしても、購入を検討していたユーザーにとっては、ここまでの値上がりは悩ましいところ。一応、2023年度も新車のEV購入に対する補助金は継続して出る予定となっていますが、補助金の額は2022年度と同等となるといわれており、車両自体の値上がり分は全く吸収できないといわれています。
特に今回は、改良や装備の変更などは一切行われていない純粋な値上げということもあって、最上級グレードの「e+ G」の600万円に迫る価格を見て、購入を断念したり、他車種を検討したりし始めた人もいるのではないでしょうか?
しかし諦めてしまう前に、中古車という選択肢はいかがでしょうか? 今回の値上がりのタイミングでは幸か不幸か車両の装備などは一切変更がなされていないため、マイナーチェンジ後の中古車であれば、車の仕様は同等ということになります。
それでいて、値上がり後の新車価格よりも大幅に安く狙うことできると考えれば、悪くない選択肢ではないでしょうか? それでは早速、モデル概要を振り返りつつ、現行型リーフの現在の中古車事情をのぞいてみましょう!
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日産 リーフ(現行型)×全国モデル概要:先代よりも航続距離をアップし運転支援システムも充実した現行型
2017年9月に登場した2代目リーフは、初代のコンポーネンツを流用しながらもバッテリーやパワートレインなどを大きくアップグレードして誕生しました。
搭載されるバッテリーは先代よりも大型の40kWhとなり、WLTCモードでの航続距離は322km未満を実現。上級グレードには先進の運転支援システムの「プロパイロット」や駐車支援システムの「プロパイロットパーキング」を搭載しました。
2018年7月にはスポーツコンバージョンモデルとなる「NISMO」を追加。これは他車種のNISMOと同じくスポーティさに磨きをかけたモデルとなっており、レースで培ったエアロダイナミクスを採り入れたエアロパーツや専用サスペンションの他、専用チューニングコンピュータも採用し、電器自動車の走りをよりスポーティに仕立てたものとなっています。
そして翌年2019年1月には大容量バッテリーを搭載した「e+」を追加。WLTCモードで458km(当時)という航続距離を実現しただけでなく、モーターの出力も160kW/340N・mと40kWhモデルよりも強化されており、より上質な走りを楽しめるモデルとなりました。
さらに、同年5月にはプレミアムスポーティを標榜する「AUTECH」が新たに追加。これはオーテックジャパン(当時)が手がけたカスタムカーで、人とは違ったプレミアムさを求めるユーザーに応えたもの。お値段は張るものの、より上質なものを求めるユーザーに好評を集めた仕様となっています。
2019年12月にはマイナーチェンジが実施され、それまで7インチの画面だったニッサンコネクトナビゲーションシステムが9インチへと大型化。プロパイロットやプロパイロットパーキングもより性能の向上が図られた他、安全装備の機能も強化されました。
2022年4月には仕様向上が図られたうえでおよそ10万~20万円の値下げがなされましたが、同年9月ごろにいったん受注を停止。12月には受注を再開しましたが、前述のとおり、大幅な値上げがなされてしまったのです。
狙い方1:新車に近いコンディションが欲しい! 流通は少なめ、e+は特に急ぐが吉
では、そこまで走行距離が進んでおらず、まだ新車の香りが残っているような走行1万km未満かつ、ナビが9インチへと大型化がなされた(オーディオレスとなる「S」を除く)2020年1月以降の2代目リーフの中古車はいくらくらいなのかチェックしてみたいと思います。
執筆時点で870台ほどの掲載がある2代目リーフですが、走行距離1万km未満に絞るとおよそ65台がヒット。
40kWhバッテリーを搭載するモデル(「S」を除く)はおよそ55台が該当し、総額250万円前後から物件が存在。装備が充実する「X Vセレクション」(現在の新車価格431万8600円)であっても総額270万円前後~とかなり買いやすい価格となっています。
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日産 リーフ(現行型・40kWhモデル)×2020年1月以降モデル×走行距離1万㎞未満×全国一方、大容量バッテリーを搭載した「e+」系は10台ほどの掲載となりますが、安価な物件では総額370万円前後から、最上級グレードとなる「e+ G」(現在の新車価格583万4400円)であっても総額400万円を切る物件も存在しています。
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日産 リーフ(現行型・e+モデル)×2020年1月以降モデル×走行距離1万㎞未満×全国狙い方2:価格を抑えたいならエントリーグレードを! 20万円ほど予算アップで上位グレードも狙える
では、2代目リーフの中でも最も安価な部類の物件はどんなものが中心となっているのでしょうか?
執筆時点で最も安価な部類の2代目リーフは、総額160万円をわずかに下回るものとなっていましたが、さすがにこのあたりの価格帯の物件は最もベーシックな「S」が中心となり、EV専用のコネクティッドナビやプロパイロットも非装着となるため、やや物足りない感は否めません。
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日産 リーフ(現行型・Sグレード)×全国しかし、予算を総額180万円前後までアップすることでプロパイロットなどを装備した「X」系や「G」グレードが射程圏内となり、走行距離も5万km未満のものも複数台存在するといった状態となっています。
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日産 リーフ(現行型・X/Gグレード)×全国なお、初代では劣化スピードが早かった走行用バッテリーですが、2代目になってからは耐久性が飛躍的にアップし、掲載物件の中でも執筆時点で最も走行距離が進んでいる12.2万kmの車両がようやく1セグメント欠けの11セグメントになっているという状態となっています。
バッテリーの劣化は走行や充電の仕方によっても左右されるので一概には言えませんが、初代モデルのように数万km乗ったら満充電でも100km程度しか走れないほどバッテリーが劣化してしまう、ということはないと言っても過言ではありません。
狙い方3:特別感のあるNISMOやAUTECHが欲しい! 予算は300万円程度は見ておきたい
リーフのラインナップの中でも最もスポーティな性格をもつNISMO(2018年7月追加)と、プレミアムスポーティを標榜するAUTECH(2019年5月追加)は、ひと味違ったリーフを求める人に好評を集めている特別なモデルでしょう。
掲載台数はNISMOが61台と最も多く、AUTECHが7台、e+ AUTECHが5台となっており、通常仕様に比べるとかなり希少であることが分かります。
ただ、総額で400万円を超える中古車物件は大容量バッテリーを搭載するe+ AUTECHのみで、総額300万円を切る物件の中にも走行距離2万km未満の物件もチラホラ存在しているほど。
NISMOは走りに重きを置いたモデルということもあって、航続距離は通常モデルよりもやや短めとなっていますが、EV特有の俊敏な走りを楽しみたいならうってつけの1台ですし、AUTECHは希少かつプレミアムな内外装で、所有欲を満たしてくれる1台と言えるでしょう。
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日産 リーフ(現行型・NISMOグレード)×全国▼検索条件
日産 リーフ(現行型・AUTECHグレード)×全国ということで今回は、一気に大きく値段が上がってしまったリーフの中古車事情をチェックしてみましたが、現在のところは新車価格のハネ上がりもそこまで中古車の価格には反映されていないというのが現状のようです。
とはいえ、今後は新車価格に合わせて中古車の価格が上がっていく可能性も大いにありますから、検討している人は早めによさげな物件を抑えてしまった方がいいのではないでしょうか。
※記事内の情報は2023年1月25日時点のものです
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。