三菱 デリカD:5(現行型)▲2019年2月にビッグマイナーチェンジが施された三菱 デリカD:5。2.2Lディーゼル×4WDに一本化され、ディーゼルエンジンは改良によって最大トルクが380N・mに高められた

新車より安く買って、その分をキャンプ等の費用に充てよう

資材費の高騰や原油高による輸送費の増加などに伴い、新車価格も続々と値上げが行われている。

三菱自動車の人気ミニバン、デリカD:5も8月1日に価格が改定された。全グレード一律で8万8000円引き上げられ、最安のエントリーグレード「M」も、ついに車両本体価格が400万円を超えてしまった。

一方、納車時期も9月現在同社のホームページを見ると、他の人気モデル同様に遅延が発生しているようだ。

こうした状況は致し方ないところだが、だからといって素直に受け入れるのもちょっと……と思っている人もいるのでは?

それならば、一度中古車を検討してみてはどうだろう。

デリカD:5の中古車には、ディーラーが試乗用などで登録をしたもののほとんど使われていない「登録済未使用車」が結構あり、車両本体価格も約360万円から狙える。

もちろん、走行距離がもう少し延びているものならさらに安いものもある。

空前のアウトドアブームで人気の高まっているデリカD:5だが、少しくらい走行距離が多いのは妥協してその分安く手に入れ、浮いたお金でキャンプ道具を揃える、なんて選択があっても良さそうだ。

以下、より詳しくデリカD:5の中古車状況を見ていくとともに、どんな物件が狙い目なのかチェックしてみよう。

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三菱 デリカD:5(現行型)×2019年2月以降生産モデル×全国
 

登場から3年が経った後期型の物件も豊富

原稿執筆時点(2022年10月6日)での掲載台数は、デリカD:5全体で見ると約1460台。

そのうち、現在新車で販売されている2019年2月マイナーチェンジ以降の後期型は、登場から3年以上経過したこともあり約400台と豊富。

この後期型に絞ると、価格帯は約330万~約520万円で、最廉価グレードの「M」は1台も見つからない。

また、前述のとおり「登録済未使用車」も約120台と豊富な状況で、諸経費などを含めた支払総額で420万円程度から狙うことができる。


なお、後期型の約6割が走行距離5000km以下だが、中には5万km以上といった物件も見つかる。

ちなみに、マイナーチェンジ前の前期型は、支払総額50万円以下から十分狙えるため、気になる人はチェックしてみると良いだろう。

 

【モデル概要】マイナーチェンジ後の後期型は「ディーゼル×4WD」のみに!

デリカD:5(現行型)▲2019年2月のマイナーチェンジで同車のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が取り入れられた。大きなグリルと縦型のLEDヘッドライトが特徴的。2.2Lディーゼルターボエンジンはアドブルーによって排気ガスをクリーンにする
デリカD:5(現行型)▲従来の「ローデスト」と切り替わるように設定された「アーバンギア」。ノーマル系と比べ、アウトドアより街中が似合うエクステリアデザインをまとう

では、以下簡単にデリカD:5はどんなモデルなのか、簡単に振り返ってみよう。

「ミニバン×本格派SUV」という、唯一無二の存在である三菱 デリカD:5。

現行型は2007年1月にデビューしたが、2019年2月にフルモデルチェンジかと思うほどの大がかりなマイナーチェンジが施された。

前期型は2.4Lガソリンエンジン搭載車から始まり、2Lエンジンや2.2Lディーゼルターボ搭載車が加えられ、エンジンのバリエーションが豊富だった。

しかし、2019年2月のマイナーチェンジのタイミングで、パワートレインは2.2Lディーゼルターボ×8速AT×4WDに一本化された。

前期型にも2.2Lディーゼルターボがラインナップされていたが、マイナーチェンジ後のものは従来のものから約5割の部品が変更された改良型だ。

また、コーナリング時に車両姿勢を安定させる制御が追加されたり、足回りが改良されるなど、走行安定性と悪路走破性はさらに高められている。

さらに、同社の先進安全運転支援機能「e-Assist」が全車に標準装備された。同機能には衝突被害軽減ブレーキの他、アダプティブクルーズコントロール、ロー/ハイビーム自動切替機能、車線逸脱警報システムなどが備わる。

後期型デビュー時のグレード展開は手頃な価格順に、ノーマル系がM<G<G パワーパッケージ<P、都会的なエクステリアを備えるアーバンギア系がG<G パワーパッケージで、車両本体価格は384万2640~421万6320円だった。

デリカD:5(現行型)▲電動スライドドアはグレード「M」には助手席側のみに、他のグレードには両側に備えられた。また、電動テールゲートは「G パワーパッケージ」と「P」に装備されている
デリカD:5(現行型)▲インテリアデザインもマイナーチェンジで一新された。オーディオレスが標準で、10.1インチのタッチ式ディスプレイ純正ナビがオプションで用意された。左右独立式フルオートエアコンとリアマニュアルクーラーが標準装備
デリカD:5(現行型)▲Mは8人乗り仕様のみ、他グレードは7人乗りと8人乗り(価格は同じ)が用意された。また、Mを除く全グレードにはフロアコンソールボックスにAC100Vコンセントが備わる。運転席&助手席シートヒーターはPとGパワーパッケージに標準装備

なお、2019年11月には新グレードとして、アーバンギアに最上級グレード「P エディション」が加えられ、同時にe-Assistに誤発進抑制機能(前進時)が追加。

続く、2020年12月にはステアリングヒーターがP、P エディション、G パワーパッケージに標準装備された他、雨滴感応オートワイパーが全車に標準で備えられるなど、改良が加えられている点はチェックしておこう。

デリカD:5(現行型)▲ラゲージスペースは初期型と同じ。3列目シートを左右に跳ね上げてラゲージを拡大することができる。ラゲージ容量は2列目シートのスライド位置によって変わるが、約94~約388L。3列目を跳ね上げれば7人乗りが約826~約1003L、8人乗りは約805~約982L
デリカD:5(現行型)▲3つのモードから任意に選べるダイヤル式セレクターは標準装備。燃費のいい2WD(FF)モードと滑りやすい路面などで車両を安定させてくれる4WDオート、深雪路や未舗装路を走る際に便利な4WDロックの3つのドライブモードから任意に選べる

以上を踏まえ、今狙うならどんな物件がオススメなのか紹介しよう。

 

価格重視なら「G パワーパッケージ」がオススメ!

後期型で最も手頃な価格のグレードはM。そのため本来最安値の中古車はMになるはずだが、実は原稿執筆時点でMは1台も見つからなかった。

簡易な装備のMはあまり新車で売れていないようで、もっと上のグレードの方が人気のようだ。

では次に安いGはどうかというと、これも掲載台数は約20台と少ない。そこで次に安く、しかも約130台見つかるG パワーパッケージを、今回お手頃な後期型としてオススメしたい。

デリカD:5(現行型)▲G パワーパッケージはGに対して、運転席電動シートや運転席&助手席シートヒーター、電動テールゲートが備わる

新車時にはGと比べて15万円程度高かったグレードだが、中古ではその価格差はほぼなくなっているのもオススメしたい理由だ。

走行距離1万km前後のものでも総額400万円以下から狙え、5万km程度であれば350万円くらいのものも見つかる。

後期型の中心グレードで、装備が充実しているので、購入後の満足感も高いのではないだろうか。

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三菱 デリカD:5(現行型)×2019年2月以降生産×2.2 G パワーパッケージ ディーゼルターボ 4WD×全国
 

コンディション重視なら「登録済未使用車」狙いで!

もし新車を検討中なら、コンディション的にも期待できる「登録済未使用車」もチェックしてみてほしい。

原稿執筆時点で約120台見つかり、その中でも最も多いのは最上級グレードのPで約60台、次いでG パワーパッケージが約50台という状況。つまり、この2つグレードが登録済未使用車のほとんどを占めている。

登録済未使用車は、ディーラーなどの販売店での展示用に使われることも多いため、より装備の充実した上級グレードが選ばれやすいためだろう。

デリカD:5(現行型)▲最上級グレードの「P」は自車周辺を俯瞰したように見ることができるマルチアラウンドビューモニターやレーンチェンジアシスト機能付き後側方車両検知警報システムなどが備わる

価格は新車時のとおり、G パワーパッケージの方がPより高いため、予算や欲しい装備の有無を比べてどちらにするか判断しよう。

G パワーパッケージは車両本体価格365万円から(現在の新車時車両本体価格は433万9500円)、Pなら378万円から(同447万5900円)から見つけることができ、新車よりも安くお得に手に入れることができそうだ。

▼検索条件

三菱 デリカD:5(現行型)×2019年2月以降生産×登録済未使用車×全国
 

ちなみに「前期型」の中古車状況は?

デリカD:5(現行型)▲2014年8月にディーゼルエンジンの改良が行われ、発進の加速性能やアクセルレスポンスが向上した。この時点でのJC08モード燃費は13.0km/L、最大トルクは360N・m

ここまで新車でも購入できる後期型を中心に取り上げてきたが、「前期型」の中古車状況も簡単に見てみよう。

前期型の中古車掲載台数は1000台以上とかなり豊富な状況で、登場直後のモデルを中心に総額50万円以下で狙うことができる。一方で、前期型の根強いファンも多いためか、高年式モデルでは400万円超のものも。

そんな中でもオススメは、やはりデリカD:5のキャラクターにピッタリな燃費が良くトルクフルなディーゼル車だろう。

デリカD:5に初めて2.2Lクリーンディーゼルが搭載されたのは2013年1月。

当時ミニバンとしては唯一のクリーンディーゼルエンジン搭載モデルであり、SUVとして見ても他に同社の最終型パジェロや旧型マツダ CX-5、2代目日産 エクストレイルくらいしかなかった。

原稿執筆時点でデリカD:5のディーゼルエンジン搭載車は、前期型の約4割の400台程度が見つかった。

安いものでは、支払総額約150万円から狙うことができ、走行距離5万km以下だと支払総額約260万円から狙え、後期型よりもだいぶ手頃に狙うことができる。

前期型の見た目に抵抗がなく、改良前のパワートレインでも十分ということであれば、ぜひチェックしてみてほしい。

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三菱 デリカD:5(現行型)×2007年1月~2019年1月生産×ディーゼル×全国

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三菱 デリカD:5(現行型)×2007年1月~2019年1月生産×全国
文/ぴえいる、写真/三菱自動車

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。

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