トヨタ C-HR(現行型)▲プリウスとプラットフォームが一緒とはとても思えない、攻めたビジュアルがC-HRの魅力

中古車市場では前期型のオトクな物件が続々

世界的に大流行しているコンパクトSUV。その人気に火を付けた立役者のひとつが、トヨタ C-HRと言えるだろう。

2016年12月に登場し、新車販売でも大ヒットを記録したC-HRは、中古車市場も活況。特にビッグマイナーチェンジ前の前期型は流通量が豊富で、人気のハイブリッドも総額170万円から狙える。走行距離2万km以下の低走行物件でも総額190万円~と、中古車として今まさに脂が乗っている状況なのだ。

この記事では今、オトクになっている現行型トヨタ C-HR前期型の魅力や機能、バリエーションを確認しつつ、オススメのモデルを紹介していきたい。
 

C-HR ▲運転席側を向いたセンターパネルなどは、C-HRのドライバーオリエンテッドな思想を感じさせる部分だ

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【ボディサイズ・見た目】全長はプリウスより短い

C-HR ▲ピラー上部、ルーフとの境目に隠すようにデザインされたC-HRの後席ドアハンドル

C-HRがここまでヒットしたのは、思い切ったデザインワークと優秀なハイブリッドを採用したことが主な理由だろう。

プラットフォームは現行型プリウスと共通だが、C-HRのボディサイズは全長:4360mm × 全幅:1795mm × 全高:1550~1565mmと独特。全長はプリウスより180mmも短いのに対して、全幅は35mmも幅広なのである。

サイズだけで言うならライズとRAV4の中間だが、両車が使い勝手を重視したコンベンショナルな作りなのに対して、C-HRはデザインコンシャス。キャラクターが全く違う。

大きく絞り込んだボディサイド、張り出したホイールフレアなどのデザインは特に個性的だ。なお、2019年10月以降の後期型ではフロントのエアインテークがワイド化されるなどフロント、リアまわりのデザインが若干手直しされている。

C-HR ▲ひざ前の空間は狭めだが、頭上空間はまずまずの後席。座り心地は決して悪くない

ホイールベースについてもプリウスより60mm短いため、リアシートの居住空間はミニマム。乗車定員5名となっているが、後席に大人が3人並んで座るとかなり窮屈と感じるかもしれない。また、リアドアも存在感を感じさせないデザインとした影響から窓面積が狭くなっており、開放感は少ない。

とはいえ、このアバンギャルドなデザインで、大人4名が普通に乗れる空間、そこそこ荷物を載せられるラゲージスペースを実現しているのは立派だ。

C-HRはSUVとしての使い勝手よりも、クーペに代わる新しいカテゴリーの車として美しいスタイリングや機動性を重視したクロスオーバーなのである。

C-HR ▲ちなみに、こちらが2019年10月にマイナーチェンジされた後期型
 

【エンジンタイプ】個性の全く異なるパワーユニット

C-HR ▲スペックではハイブリッドが上だが、小気味よさではガソリン車に分がある

C-HRのエンジンタイプは下記の2種類となっている。(「」内はグレード名)

・1.8L 直4ガソリンエンジン+フロントモーターのハイブリッド:「S」「G」
・1.2L 直4ガソリンターボエンジン:「S-T」「G-T」

デビュー当初、ハイブリッドはFF専用、1.2Lガソリンターボはフルタイム4WD専用だったが、2018年5月のマイナーチェンジで1.2Lガソリンターボ車にFF仕様が追加された。

ハイブリッドについてはプリウスと共通のシステムで、最高出力などのスペックも同じ。ただし、最終減速比がC-HR専用に変更されており、加速感を重視したセッティングとなっている。

日常ユースにおいて全く不足なく、メカニズムの信頼性も高いシステムだ。30.2km/L(JC08モード)という燃費、ハイブリッドとしてはリーズナブルな価格設定(デビュー時の新車価格は264万6000~290万5200円)も大きな魅力だろう。

1.2Lガソリンターボエンジンは排気量こそ小さいものの、瞬発力のある吹け上がりが魅力。前期型のトランスミッションは全車CVT(後期型では6速MT仕様が追加)だが、ガソリン車にはマニュアルモードが付いていて、スポーティな変速が可能だ。

なお、プリウスには4WD仕様も存在するが、C-HRのハイブリッドはFF専用となっている。

 

【機能・安全性能】先進的な予防安全機能も充実

C-HR ▲「G」「G-T」には本革+ファブリックのコンビシートを装備。このクラスとしては十分に上質感ある仕立てだ

ガソリン車、ハイブリッド車それぞれにスタンダードグレード(「S-T」「S」)、上位グレード(「G-T」「G」)が設定されている。

「S-T」「S」と「G-T」「G」の違いは、ホイールサイズやフォグランプ、Bi-Beam LEDヘッドランプ、リアのシーケンシャルターンランプ、本革ステアリングなどだ。2018年5月以降のモデルでは、「S-T」「S」のランプ類を「G-T」「G」と同様のフルLEDとした「LEDパッケージ」が追加された。

安全装備については、衝突回避支援パッケージである「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備。

ブラインドスポットモニターは「G-T」「G」専用装備で、その他の駐車支援機能はほぼオプションとなっている。新車価格200万円台のコンパクトSUVであることを考えると、非常に充実した内容と言えるだろう。

 

 

【オススメの中古車】ハイブリッド車が特にリーズナブル

C-HR ▲ハイブリッドは流通量が豊富で、価格帯も幅広い。グレードによる装備差は少なめなので、走行距離などコンディションを重視して選びたい

C-HRの中古車平均価格は約250万円。中古車流通量も2500台近くとかなり豊富で、その大半が前期型となっている。

オトクにC-HRを手に入れたいなら、ハイブリッド車の「S」が狙い目。

新車価格ではガソリン車の方が安い価格設定となっているが、中古車市場では逆転現象が起きており、ハイブリッドの方が新車との価格差が大きい=リーズナブルなのである。走行距離5万km程度の物件でも170万円から狙えるのは魅力的だ。

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トヨタ C-HR(現行・前期型) × 「S」

小気味よい走りが好みなら、ガソリン車の「S-T」をオススメしたい。中古車市場におけるC-HRのハイブリッド車とガソリン車の比率は8:2となっているが、全体の流通量が多いためにガソリン車の物件数も決して少なくない。

購入予算の目安はハイブリッドとほぼ同じで、走行距離5万km以下の物件で170万円~となっている。

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トヨタ C-HR(現行・前期型) × 「S-T」

ガソリン車、ハイブリッド車とも予算を190万円台に上げると、走行距離2万km以下の物件が見つけられる。新車価格が250万円以上(デビュー時)であることを考えると、いずれもリーズナブルと言えるだろう。

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トヨタ C-HR(現行型) × 走行距離2万km以下

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トヨタ C-HR(現行型) × 全国

※記事内の情報は2022年8月25日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/トヨタ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。