2シリーズアクティブツアラー ▲「背が高いプレミアムハッチバック」という独自性で高い人気を誇っているBMW 2シリーズ アクティブツアラーですが、今年6月に新型が登場したことで、先代(初代)のスッキリしたデザインの魅力が再び気になってきました。そんな先代2シリーズ アクティブツアラーの中古車事情は今、どんな感じなのでしょうか? いろいろと調査してみましょう!

先代2シリーズ アクティブツアラーの中古車平均価格は約195万円

「ちょっと背の高い5ドアハッチバック」であるBMW 2シリーズ アクティブツアラーは、広々とした居住空間とBMWらしい運動性能の良さが両立した、なかなか魅力的でプレミアムな実用車です。

そんな2シリーズ アクティブツアラーが2022年6月にフルモデルチェンジを受けたわけですが、新型はフロントまわりのデザインがかなりアグレッシブな印象に激変しました。

そのため「自分は先代の方が好きだったのになぁ……」と、軽く落胆している人もいらっしゃるかもしれませんが、落胆する必要はまったくありません。

なぜならば、世の中ではまだまだたくさんの「先代BMW 2シリーズ アクティブツアラーの中古車」が平均価格195万円ほどで、330台ほど流通しており、その中の1台を買えば、問題(?)はソッコーで解決されるからです。

では今、先代BMW 2シリーズ アクティブツアラーの中古車事情はどうなっており、具体的に「何年式のどれ」を、いくらぐらいで探すのが正解なのでしょうか?

次章以降、具体的に検討してみることにしましょう。
 

2シリーズアクティブツアラー▲いわゆる華はさほどないかもしれませんが、使い勝手にはやたらと優れているのがこの車。そしてやっぱり「BMW」であるため、「スポーティな走り」を存分に楽しむこともできる

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BMW 2シリーズアクティブツアラー(初代) × 全国
 

モデル概要:背は高いが、立体駐車場にも収容可能なサイズ感

まずは初代BMW 2シリーズ アクティブツアラーの概要をざっくりおさらいします。

日本では2014年10月に発売された初代BMW 2シリーズ アクティブツアラーは、現行型ミニと共通のプラットフォームに、やや背が高い5ドアハッチバックボディを組み合わせたプレミアムコンパクト。とはいえ、ボディサイズは全長4350mm×全幅1800mm×全高1550mmで、一般的な機械式駐車場に収まる寸法ではあります。

車内空間を広くしやすいFFレイアウト(前輪駆動)を採用した関係で、初代2シリーズ アクティブツアラーの居住性は「ひとクラス上」とすらいえるレベル。後席は前後に130mmスライド可能で、40:20:40の3分割式バックレストの角度も3段階に調整可能。荷室容量は5人乗車時で468L、最大で1510Lになります。
 

2シリーズアクティブツアラー▲先代BMW 2シリーズ アクティブツアラーを真横から見ると、こんな感じ。ややミニバン的フォルムの5ドアハッチバックといえる
2シリーズアクティブツアラー▲全幅は1800mmあるが、全長は約4.3mと比較的短いため、街中での取り回しに苦労するケースは少ない
2シリーズアクティブツアラー▲グレードや年式によって細部はいろいろ異なるが、先代2シリーズ アクティブツアラー前期型の運転席まわりは、おおむねこのようなデザイン
2シリーズアクティブツアラー▲標準モデルのデフォルトはファブリックシートだが、「ラグジュアリー」ではダコタレザーシートが標準に
2シリーズアクティブツアラー▲後席は前後に130mmスライドできる他、背もたれの角度も3段階の調節が可能
2シリーズアクティブツアラー▲荷室容量は5名乗車時でも468Lとまずまず。後席を倒せば1510Lまで拡大することもできる

搭載エンジンは現行型ミニにも使われている新世代の直噴ガソリンターボが2種類と、ディーゼルターボエンジンが1種類。FFの「218i」は最高出力136psの1.5L直3ターボ+6速ATという組み合わせで、4WDの「225i xDrive」は最高出力231psの2L直4ターボ+8速AT。「218d」は、33.7kgmもの最大トルクを発生させる2L直4ディーゼルターボ+8速ATという組み合わせです。

なお2016年1月には、やや特殊な「225xe アクティブツアラー」という4WDのプラグインハイブリッド車も追加されました。

初代BMW 2シリーズ アクティブツアラーは、いわゆる安全装備も普通に充実しています。

カメラにより前方を監視し、危険時にブレーキを作動させ衝突回避と被害軽減に貢献する「ドライビングアシスト」と、視認性に優れる「iDriveナビゲーションシステム」、夜間や悪天候の中でも視認性を高めるLED ヘッドライトなどは全車標準装備。

そしてドライビングアシストの機能をさらに強化した「ドライビング・アシスト・プラス」や、そこにヘッドアップディスプレイを組み合わせた「アドバンスド・セーフティ・パッケージ」を装着している中古車も多数流通しています。

2018年6月にはマイナーチェンジが行われ、新デザインのキドニーグリルとLEDヘッドランプを採用するとともに、前後バンパーなどの形状を変更することで、スポーティさと存在感を強調。またこのときにフロントシートの座面も拡大したことで、いわゆる座り心地も微妙に向上しています。さらにこの一部仕様変更では218iアクティブツアラーのトランスミッションが6速ATから7速DCTに変更され、2L直4ガソリンターボ+4WDの225ixDriveは終売となっています。
 

2シリーズアクティブツアラー▲こちらが2018年6月以降の後期型。フロントバンパーは大型エアインテークを左右に配した新形状に変更されている
 

相場状況:流通の中心は前期型の218iと218d。後期型はやや少なめ

お次は初代BMW 2シリーズ アクティブツアラーの「相場概況」を見てみましょう。

2022年8月下旬現在、同モデルの中古車流通台数は約320台となかなか豊富で、全体の中古車価格は総額90万~480万円と、かなり上下に幅広い状況です。

そのうち、2014年10月のデビュー時から2018年6月のマイナーチェンジまでに販売された「前期型」の流通台数は約220台で、中古車価格は総額90万~270万円といったところ。マイナーチェンジ後の「後期型」は約100台と若干少なめで、中古車価格は総額170万~480万円といったところです。

とはいえ、これではあまりにも価格と年式、グレードの幅が広すぎていまひとつ実態をイメージしにくいため、もう少し細分化してみましょう。

【前期型の流通状況】
●218i系(1.5L直3ガソリンターボ/FF)|約100台|総額90万~240万円
●225i系(2L直4ガソリンターボ/4WD)|約4台|総額200万~250万円
●218d系(2L直4ディーゼルターボターボ/4WD・FF)|約110台|総額110万~270万円
●225xe系(プラグインハイブリッド/4WD)|約10台|総額190万~270万円

2Lのディーゼルターボを搭載する225i系とプラグインハイブリッドの225xe系は流通量がちょっと少なすぎるため、前期型における選択肢は、実質的には「218iか218dの二択」ということになるでしょう。

【後期型の流通状況】
●218i系(1.5L直3ガソリンターボ/FF)|約30台|総額250万~460万円
●218d系(2L直4ディーゼルターボターボ/4WD・FF)|約70台|総額200万~480万円
●225xe系(プラグインハイブリッド/4WD)|約3台|総額250万~290万円

後期型でも「218iか218dの二択」という状況は変わりませんが、1.5Lガソリンターボを積む218i系の流通量はやや少ないため、実質的には「218dのほぼ一択」に近いといえます。
 

 

中古車のオススメ:格安志向なら前期218i、「いいモノ」志向なら後期218dか?

前章でご説明したとおりの相場状況の中、それでは具体的に「何年式のどれ」を、いくらぐらいで狙ってみるのが得策なのでしょうか?

まず「なるべく手頃な予算で初代BMW 2シリーズ アクティブツアラーが欲しい!」と考える場合の狙い目は、総額100万~150万円ほどのゾーンにある走行5万km以内の前期型 218i系でしょう。
 

2シリーズアクティブツアラー▲豊富な数が流通している前期型の218i

このあたりの価格帯ですと、同じ走行5万km以下というスペックでも実際のコンディションは玉石混交なのですが、ある程度時間をかけて何台もの前期型 218i系の現車をチェックするようにすれば、“当たり”の1台に出会える可能性は高いはずです。

前期型 218iには「スタンダード」と「ラグジュアリー」「Mスポーツ」という3タイプがありますが、スタンダードであっても装備レベルが著しく劣るということはないため、ここは「見た目の好み」で選んでしまっていいでしょう。タイプうんぬん以上に「中古車としてのコンディションと整備履歴」を重視するのが、格安中古車探しの鉄則です。

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BMW 2シリーズアクティブツアラー 218i(初代・前期型) × 全国

「人気のディーゼルターボエンジン搭載グレードを、しかしなるべく手頃な価格で手に入れたい!」と考える場合には、総額150万~190万円ほどのゾーンにある走行5万km以内の前期型 218d系が狙い目となります。
 

2シリーズアクティブツアラー▲ディーゼルターボエンジン搭載の前期型218dも、218iに負けず劣らずの流通量

218d系にも「スタンダード」と「ラグジュアリー」「Mスポーツ」という3タイプが存在しますが、こちらも218i系と同様、タイプうんぬん以上に「コンディションと整備履歴」を重視しながら探した方が、おそらくは幸せになれます。

また218dは2017年1月に4WD版の「218d xDrive」を追加しているのですが、こちらの流通量は極めて少ないため、実質的にはFFのみで検討することになります。

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BMW 2シリーズアクティブツアラー 218d(初代・前期型) × 全国

「予算うんぬんより、“ナイスな先代”に長く乗りたい!」と考えるならば、オススメは総額200万~250万円付近の後期型218d系になるでしょう。このぐらいの予算を出せば、相当いい感じの中古車を、具体的には走行1万km台から2万km台程度の、オプション装備がいろいろ付いている物件を見つけることが可能です。
 

2シリーズアクティブツアラー▲後期型の218d。総額200万円台前半で低走行物件を普通に見つけることができる

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BMW 2シリーズアクティブツアラー 218d(初代・後期型) × 全国

総額200万円以上の予算ともなると、一瞬「ならばいっそのこと新型を新車で……」とも思いますが、先代2シリーズ アクティブツアラーのシンプルなデザインが持つ価値は無限大……というのは大げさかもしれませんが、総額200万~250万円ほどの予算を拠出するだけの価値は普通にある車です。

ぜひ先代BMW 2シリーズ アクティブツアラーで、自分と周囲の人と、そしてその荷物とをガンガン積んで、快適かつスポーティに疾走する歓びを手に入れてみてください。
 

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文/伊達軍曹 写真/BMW
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。