日産 キックス▲全グレードe-POWERを搭載し、先進性をアピールした日産 キックス

キックス(現行型)の最新相場

日産 キックス(現行型)は2020年6月にデビューした、ハイブリッド専用のコンパクトSUV。

キックスは販売開始からまだ2年しかたってないので、新車と比較検討したい人、状態のいいコンパクトSUVを中古車で探したい人にもオススメのモデルだ。

この記事では、日産 キックス(現行型)の最新中古価格や流通量を紹介する。

2022年5月時点では、中古車の平均価格と流通台数は下記のとおりとなっている。

■キックス(現行型)
・中古車平均価格:255.8万円
・中古車流通量:470台
 

日産 キックス ▲日産 キックス(現行型)の月間延べ流通台数と中古車平均価格の推移

流通量は2021年8月にかけて減少傾向にあったが、その後は少し増えた状態で安定。中古車平均価格は過去1年の間、 10万円以内の変動にとどまっている。

価格が安定しているので狙い目の時期を見極めなくていいのは大きなメリットだが、この状態がいつまで続くかはわからない。そのため、欲しい人は流通量が比較的多く価格が安定している今のうちに購入することをオススメしたい。
 

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日産 キックス(現行型)とはどんなモデルか?

かつて三菱 パジェロミニのOEMモデルに使用されていたキックスというネーミング。現行型は日産のオリジナルモデルとなる。

日産のコンパクトSUVといえば、2010年6月にデビューしたジュークが有名。ジュークは2019年にグローバルでフルモデルチェンジが行われたが、このモデルは日本には導入されず初代を継続販売。そして2020年6月に初代ジュークの販売が終了し、ジュークより一回り大きなキックス(グローバルで見るとマイナーチェンジモデル)が日本に導入された。

現行型キックスのパワーユニットはエンジンで発電し、その電気でモーターを駆動するe-POWERのみの展開。駆動方式は全グレードFF(フロントエンジン・前輪駆動)になっている。
 

日産 キックス ▲大きなダブルVモーショングリルで力強さを表現したエクステリア。ピラーをブラックアウトしてルーフが浮いているようなデザインを採用

クーペルックだったジュークに比べると、キックスはSUVとしてベーシックなボディ形状をしていることもあり、コンパクトながら後部座席の居住性もしっかり確保されている。

ラゲージルームも、Mサイズのスーツケースを4つ積載できる423Lのスペースが確保された。
 

日産 キックス ▲コンパクトSUVながら十分な容量が与えられたラゲージルーム

また、先進安全装備として高速道路の運転支援技術であるプロパイロットが全グレード標準装備となっている。

グレードは「X」と「Xツートーン インテリアエディション」。それに加え、2021年3月には日産のカスタムカーを手がけるオーテックジャパンが味付けした「AUTECH」も設定された。
 

日産 キックス ▲「AUTECH」は専用のプロテクターやグリルフィニッシャーで上品なイメージに仕上げられている
日産 キックス ▲ブルーとブラックでまとめられた「AUTECH」のインテリア

「AUTECH」はスポーティさと高級感が与えられたグレードで、専用のエアロパーツでカスタマイズされたエクステリア、ブルー&ブラックのコンビレザレットシート、ブルー&ブラックの本革ステアリングなどが与えられた。

また、インテリジェントアラウンドビューモニターとインテリジェントルームミラーは標準装備となっている。
 

 

グレードごとの流通状況(22年5月時点)

日産 キックス ▲「X」のインテリア。シートヒーターはオプション設定になる。欲しい人は物件選びの際に要確認

キックスのベースグレードとなる「X」。

先進安全装備は標準装備で、シートは合皮と織物のコンビシートになる。また、ステアリングヒーターと前席シートヒーターはオプション設定になっている。ベースグレードといっても、装備が十分満足できる内容と言える。

「X」の中古車は211台流通していて、価格帯は総額209万~312万円。

低価格帯は2020年式で走行距離が1万km台や2万km台のものが中心。総額240万円を超えると走行距離1万km未満のものが見つかるようになる。
 

日産 キックス ▲「Xツートーン インテリアエディション」のインテリア

上級グレードの「Xツートーン インテリアエディション」は、その名のとおりインテリアがタンとブラックの2トーンカラーでまとめられている。

シートはダブルステッチ付きの合皮になり、シートヒーターやステアリングヒーターが標準装備になる。

ただ、日産の人気装備であるインテリジェントアラウンドビューモニターとインテリジェントルームミラーは、「X」「Xツートーン インテリアエディション」ともにオプション扱いだ。欲しい人は装備されているか確認が必要である。

「Xツートーン インテリアエディション」の中古車は249台流通していて、価格帯は総額220万~333万円。「X」よりもおおむね10万円程度高いと考えていいだろう。

低価格帯には修復歴があるものも多いが、総額250万円を超えると走行距離1万km未満で修復歴がないものや、登録済未使用車(ナビなし)も見つかるようになる。

2021年3月に追加された「AUTECH」の中古車は2台と流通量が極めて少ない。価格は総額300万円前後。「AUTECH」に的を絞って探したい人は即断即決が求められる状況となっている。
 

 

価格帯別の流通状況(22年5月時点)

日産 キックス ▲高速道路で前車に追従してアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストしてくれるプロパイロットは全グレード標準装備

ここではキックスの流通状況を価格別に見てみよう。まずは最安値物件。そして総額250万円未満と250万円以上のゾーンに分けて紹介する。

■キックス(現行型)の最安値
支払総額で最安値となるのが、総額209.9万円・「X」の物件。走行距離は2.1万kmとキックスの中では多めだが(それでも一番多いわけではない)、地デジ対応の純正ナビが付いていて、インテリジェントアラウンドビューモニターも装備されている。

価格が安い理由は、ボディカラーが趣味性の強いイエローであることが影響しているのかもしれない。
 

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■キックス(現行型)|総額250万円未満
総額250万円未満の中古車は77台流通していて、グレードは「X」が中心。

総額250万円近くの価格帯には、ディーラーのデモカーアップの中古車が多くなっている。

■キックス(現行型)|総額250万円以上
総額250万円以上の中古車は393台流通している。この価格帯だと「Xツートーン インテリアエディション」が見つけやすくなる。

「Xツートーン インテリアエディション」の場合、総額250万円付近だと走行距離1万km前後のものが多いが、総額270万円前後から登録済未使用車が見つかるようになる。
 

 

コンディション別の流通状況(22年5月時点)

日産 キックス ▲「X」、「Xツートーン インテリアエディション」ともにインテリジェントアラウンドビューモニターがオプション設定になる。こちらも購入時は必ず装備されているか確認しよう

続いてコンディション別の流通状況を紹介する。走行距離1万km以上か、それ以下で分けた。

■キックス(現行型)|走行距離1万km以上
走行距離が1万kmを超えるものは87台流通。価格帯は総額197万~333万円だった。最高値付近は社外エアロでカスタムされた「Xツートーン インテリアエディション」が中心になる。

■キックス(現行型)|走行距離1万km以下
走行距離1万km以下のものは381台流通。まだデビューから2年しか経過していないこともあり、全体の8割以上が走行距離1万km以下になる。

価格帯は「X」が総額214万~312万円、「Xツートーン インテリアエディション」が総額220万~332万円だった。

■キックス(現行型)|登録済未使用車
登録済未使用車は112台流通していて、価格帯はX(31台)が総額241万~312万円、「Xツートーン インテリアエディション」(80台)が252万~317万円だった。

新車価格は「X」が275万円で「Xツートーン インテリアエディション」286万円。最安値だと30万円以上安くなっているので、かなりお買い得だ。
 

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※記事内の情報は2022年5月10日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/日産

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL