フォルクスワーゲン T-Cross▲コンパクトなのに装備は豪華、走りもドイツ車らしいシッカリ感があるT-Cross。鮮やかなボディーカラーも魅力

T-Cross(現行型)の最新相場

2019年11月に新規車種として登場したフォルクスワーゲン T-Crossは、日本で販売される輸入SUVの中で最もコンパクトなモデル。

それでいながら、車内空間は見た目から想像されるよりもずっと広くて快適な1台だ。

2021年に最も売れた輸入SUVでもあるが、新車を検討している人でも納期の観点などから、中古車の情報もチェックすることをオススメしたい。

この記事では、現行型フォルクスワーゲン T-Crossの最新中古価格や流通量を紹介する。

2022年4月時点では、中古車の平均価格と流通台数は下記のとおりとなっている。

■T-Cross(現行型)
・中古車平均価格:275万円
・中古車流通量:144台

T-Cross ▲フォルクスワーゲン T-Crossの月間延べ流通台数と中古車平均価格の推移

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フォルクスワーゲン T-Cross(現行型) × 全国
 

フォルクスワーゲン T-Cross(現行型)とは?

全幅は1760mmと一般的なコンパクトSUV並みだが、全長は4115mmとトヨタ ヤリスクロスよりも短いT-Cross。

しかし、車内空間は見た目以上に広く、リアシートのスライド機構まで備わっているパッケージの巧みさは、さすが古くからコンパクト車を作り続けてきたフォルクスワーゲンといったところ。

エンジンの排気量は1Lと小さめだが、ターボによる過給で必要十分なトルクを発揮する。組み合わされるトランスミッションも7速DSGと贅沢だ。

SUV的なルックスだが、駆動方式はFFのみ。そうした実用性重視の割り切りも、ドイツ車らしいと言える。
 

T-Cross ▲トランスミッションには7速DSGを採用。小排気量エンジンでも力強く走る

安全装備については、レーンキープアシストシステム「Lane Assist」や、駐車支援システム「Park Assist」といった運転支援システムはパッケージオプションだが、歩行者対応衝突被害軽減ブレーキは全車標準。

全車速対応追従機能付きクルーズコントロールも、多くのグレードに装備されている。

スモールカーであっても基本的な作りに手を抜かず、安全性能も追求する姿勢こそ、人気の理由に違いない。
 

T-Cross ▲シンプルなデザインで高級感のあるインテリアも、フォルクスワーゲンらしいもの

T-Crossの主なグレードは、下記の3種類となっている。

・「TSI アクティブ」:最廉価ながらスマートエントリー&スタートシステム、リアビューカメラなどの便利装備を備えたグレード

・「TSI スタイル」:アダプティブクルーズコントロール、スポーツコンフォートシート、パドルシフトなどを備えた上級グレード

・「TSI Rライン」:専用エクステリアやファブリックシート、セーフティパッケージを装備する最上級グレード

上記の常設グレードが出揃ったのはデビューから1年以上たってからのことで、それまではアダプティブクルーズコントロールやカーナビなど装備が充実した日本導入記念特別限定車「TSI 1st」「TSI 1stプラス」のみが設定されていた。  

T-Cross ▲最小回転半径は5.1m。コンパクトなボディと相まって取り回しは抜群
 

グレードごとの流通状況(22年4月時点)

T-Cross ▲アンダーガード風に処理されたバンパー下部など、外観はしっかりSUVテイストに仕上げられている

デビューからまだ時間がたっておらず、常設グレードが設定されてから間もない現段階では、中古車市場に流通している物件のほとんどが日本導入記念特別限定車だ。

T-Cross全体の中古車流通量は144台。そのうち日本導入記念特別限定車が111台。

中でも装備が充実した「TSI 1stプラス」が全流通量の半分程度を占めている。

常設グレードでの分布は「TSI スタイル」、「TSI アクティブ」「TSI Rライン」の順。いずれも物件数は2桁未満もしくは1桁台だ。

中でも最上級グレードの「TSI Rライン」は追加されてからまだ間もないため、現在の物件数は8台とごく少数。価格も新車価格と同等か、やや高くなっている。

この割合や価格帯は今後、大きく変わっていくだろう。

 

価格別の流通状況(22年4月時点)

T-Cross ▲グレードの違いによる外観上の差異は少ない

ここではT-Crossの流通状況を価格別に見てみよう。まずは最安値物件。そして総額300万円未満と300万円以上のゾーンに分けて紹介する。

■T-Cross(現行型)の最安値
支払総額で最安値となるのは、2020年式「TSI 1st」の青・走行距離1.9万kmの物件で、総額243.7万円となっている。

初度登録からまだ2年程度、しかも走行距離2万km未満でありながら、新車価格より70万円も安い。

他にも240万~250万円台の物件が複数台、存在している。
 

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フォルクスワーゲン T-Cross(現行型) × 総額の昇順

■T-Cross(現行型)|総額300万円未満
T-Crossで支払総額300万円未満の物件の流通量は121台。そのほとんどが「TSI 1st」「TSI 1stプラス」となっている。

走行距離のゾーンは0.1万~3.7万km。

■T-Cross(現行型)|総額300万円以上
支払総額300万円以上の物件の流通量は56台。ここでも「TSI 1stプラス」の割合が多く、物件数は28台。

続いて「TSI 1st」が10台、残り18台が常設グレードだ。

走行距離のゾーンは15km~1.8万kmとなっている。
 

 

22年4月時点|コンディション別の流通状況

T-Cross ▲荷室も実用的なスペースをしっかり確保

続いてコンディション別の流通状況を紹介する。走行距離1万km以上か、それ以下で分けた。

■T-Cross(現行型)|走行距離1万km以上
T-Crossの走行距離1万km以上の物件の流通量は60台。そのうち「TSI 1stプラス」は33台、「TSI 1st」は24台となっている。

1万km以上走っている物件のほとんどが、デビューから約1年半にわたって設定されていた限定車ということになる。

■T-Cross(現行型)|走行距離1万km以下
T-Crossの走行距離1万km以下の物件の流通量は90台。そのうち「TSI 1stプラス」は44台、「TSI 1st」は16台、残り30台が常設グレードとなっている。

現在の中古車市場に流通しているT-Crossの多くが走行距離1万km以下であり、比較的良好なコンディションに保たれている物件が多いようだ。

価格帯は254.9万~380万円。

走行距離と価格、年式との相関関係はあまり見られず、現状の中古車市場価格はグレードによって決まる部分が大きいようだ。

■T-Cross(現行型)|登録済未使用車
ナンバー登録はしてあるものの未使用で、新車に近いコンディションを保持しているのが登録済未使用車だ。

T-Crossで登録済未使用車の物件の流通量は6台。デビューから既に2年以上経過しているがゆえ、登録済未使用車はそう多くない。

価格帯は支払総額で311.1万~325.3万円。

新車との価格差はおおむね20万円程度となっている。

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※記事内の情報は2022年4月27日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/フォルクスワーゲン
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。