スバル XV▲コンパクトサイズだけど走りはオンロードもオフロードも本格的。充実した安全装備も魅力のスバル XV

中古車市場では前期型が狙い時に!

スバル XVは、インプレッサベースのクロスオーバー車として仕立てられた車だ。

もともとは「インプレッサXV」という名称で販売されていたが、2017年5月に登場した現行モデルからモデル名が「XV」となった経緯をもつ。

その現行型XVは、発売開始から約3年半たった2020年10月、大幅改良が実施された。この期を境に、前期、後期と分けることができる。

この変更ではフロントグリルやバンパーのデザインが変更されたが、その内容をよく見るとデザイン面がほとんどで、実質的には大きく変わっていない。

そして今、中古車市場では前期型の方が圧倒的に流通量が多く、価格的にも予算160万円から狙える状態となっている。ちなみに、最新型となる後期型の中古車最安値帯は総額260万円ほどとなっており、100万円もの開きがある。

選びやすさ、価格の両方の点で前期型は今が旬となっているのだ。

この記事ではそんなスバル XV前期型の特徴と、物件選びの際のオススメ条件を紹介する。

 

XV ▲インプレッサよりも車高が高いだけでなく、バンパーなどのデザインもXVのオリジナル

▼検索条件

スバル XV(現行型) × 前期型(2020年9月以前) × 全国
 

【ボディサイズ・デザイン】都市部、アウトドアフィールドを問わずに出かけていける機動力

XV ▲従来型(2代目インプレッサXV)から全長、全幅はやや拡大されたものの、1550mmの全高は変わらなかった

ボディサイズは全長4465mm、全幅1800mm、全高1550mmと国産クロスオーバーSUVの中でも、コンパクトな部類のXV。

力強いルックスでありながら、ほとんどの機械式駐車場に収まるサイズは都市に暮らす人にとってありがたいところ。最小回転半径も5.4mと小回りが利く。
 

XV ▲コンパクトなサイズ感ながら力強さあるフロントマスクが特徴的な現行・前期型のデザイン

デザイン面では、ヘキサゴングリルといったスバル車共通の意匠を採り入れつつ、バンパー下部をアンダーガード風に処理したり、フェンダーアーチを樹脂色としたりしてSUVテイストを表現したものとなっている。

車高は低く抑えられているが、最低地上高については本格SUVに匹敵する200mmを確保。河原やキャンプ場、スキー場などアウトドアに出かけるときにも安心できるクリアランスだ。

XV ▲ちなみに、こちらが2020年10月にマイナーチェンジした現行・後期型のデザイン

後期型ではバンパーのデザインが変更されたが、前期型もデザイン面では全く見劣りしていない。

ラギッドなイメージをもつ前期型の方が好み、という人も少なからずいるだろう。
 

XV ▲インテリアのデザインはシンプルで操作性、視認性を重視したもの
 

【動力性能・走行性能】燃費だけでなく動力性能にも優れたハイブリッド

XV前期型に用意されるパワーユニットは、下記の3種類。

・1.6L水平対向4気筒ガソリン【「1.6i アイサイト」、「1.6i-L アイサイト」】
・2.0L水平対向4気筒ガソリン【「2.0i-L アイサイト」、「2.0i-S アイサイト」】
・ハイブリッド(2.0L 水平対向4気筒ガソリンエンジン+モーター)【「2.0 アドバンス」、「2.0e-L アイサイト」、「2.0e-Sアイサイト」】

2.0L水平対向4気筒ガソリンエンジン車は2019年11月の変更で全車、ハイブリッド化された。

このハイブリッド、CVT(リニアトロニック)内に組み込まれるモーターの出力は13.6ps(10kW)しかない、いわゆるマイルドハイブリッドだ。

しかしながら、純粋な2Lガソリンエンジン車との違いは歴然で、アクセル踏み始めの加速感が全く異なる。

「X-MODE」というドライバーが任意に走行モードを切り替えられるアクティブトルクスプリット式4WD(シンメトリカルAWD)との相性も抜群で、悪路走行でも力強い。
 

XV ▲X-MODEは路面ごとにアクティブトルクスプリットの駆動力配分などの制御を切り替えられる装備

乗り心地とハンドリングを高次元で両立した走行性能、高いボディ剛性については、XVにおいて最も評価の高いところだ。

乗り味からはコンパクトな車体サイズが感じられず、欧州製SUVのような上質感に満ちている。

最近では近い車格の国産クロスオーバーSUVも増えてきたが、走りに関しては断トツと言っていい。
 

 

【安全性能・装備】安全装備はクラストップレベル

デビュー時から、歩行者保護エアバッグと先進運転支援システム「アイサイトver.3」を全車に標準とするなど、XVの安全性能はとても充実している。

さらに、2018年10月の変更では後退時自動ブレーキシステムを標準装備に追加、2019年11月には全車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする「アイサイトツーリングアシスト」を追加するなど、進化を続けてきた。

同クラス国産SUVの中では、ズバ抜けた安全性能へのこだわりだ。

一方で、パワーシートなど快適に寄与する装備については標準的。装備されていたとしても、最上級に近いグレードから、となる。

中古車を探す際は、年式による安全装備の違いとグレードによる装備の差を見極めながら狙いを絞りたい。
 

XV ▲最廉価グレードであってもアイサイトが装備されるなど、安全装備が充実しているのもXVの魅力
 

【オススメの中古車】予算160万円から探せる「1.6-L アイサイト」

動力性能にはそれほどコダワリがなく、とにかく安く手に入れたい、ということであれば、「1.6-L アイサイト」がオススメ。

リーズナブルながらアイサイトや「X-MODE」、パドルシフトなど走りに関する装備は充実している。

こちらの価格帯は総額160万円から。最も古いものでも登場から5年程度と日が浅いため、総額190万円以下の最安値帯でも走行距離5万km以下の物件を見つけることができる。

先進的な安全装備であるアイサイトが備わっていて、この価格なら満足度の高い買い物になるのではないだろうか。
 

▼検索条件

スバル XV(現行型) × 前期型(2019年7月以前) × 「1.6-L アイサイト」 × 全国

中古車市場での流通量は2Lガソリン車が最も多いが、スバル車らしい運動性能を生かせるモデル、という意味ではハイブリッド車がオススメ。理由は前述したとおりだ。

「2.0e-S アイサイト」あたりも魅力的なグレードではあるが、登場から2年強ほどしかたっていないために流通台数が極端に少ない。

ということで、狙い目はデビュー翌年の2018年10月から設定されていたハイブリッドモデルであり、最上級グレードでもある「2.0 アドバンス」。

走行距離5万km未満の良コンディションな物件でも、総額210万円台から狙うことができる。

前期型「2.0 アドバンス」の新車時価格は約280万円超なので、かなりお得な状況と言えるだろう。
 

XV ▲アドバンスは走りに関する性能も、装備内容も充実した最上級グレードだ

▼検索条件

スバル XV(現行型) × 前期型(2019年7月以前) × 「2.0 アドバンス」 × 全国
 

【結論】現行型XVを狙うならお得な前期型をチェックしない手はない

このようにハイブリッドも上級グレードも、お得な価格で手に入る前期型のXVの中古車。

マイナーチェンジの前と聞くと、“古くささ”を感じる人もいるかもしれないが、前期型と後期型で大きく変わった点は、エクステリアの細部のみ。

乗り味はチューニングされ、オプション装備も追加されているが、XVの根幹に関わる部分は前期型も後期型も共通だ。

「後期型のデザインでなければ絶対にイヤ」、「絶対に新車でなければ」という人以外、前期型は魅力いっぱいの選択肢と言える。

今後、新車のデリバリーの状況によっては、前期型の中古車流通量が減ったり価格が上がる可能性もある。お得度の高く走行距離の少ない物件が多い今の買い時を逃さずチェックしてみほしい。

▼検索条件

スバル XV(現行型) × 前期型(2020年9月以前) × 全国

※記事内の情報は2022年4月26日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/スバル
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。