スバル インプレッサG4 ▲リアの形状が違うだけでハッチバックモデルのインプレッサスポーツとほぼ同一の性能、装備をもつセダンのインプレッサG4

不人気なセダンこそが狙い目!?

ミニバンやクロスオーバーSUVの人気に押されて、近年は不人気となってしまった4ドアセダン。

しかし、独立したトランクをもつボディ形状は、ボディ剛性の点でも静粛性の点でも有利。

そして、万が一後方から追突されるようなケースでも、そのトランクスペースがクラッシャブルゾーンになり安全性が高いなど、意外とメリットも多いもの。

そのため、他のボディタイプを検討している人にも、実はオススメしたいタイプなのです。

今回はそんな4ドアセダンの中から、最近手頃な価格になっており、装備内容も充実しているお得モデルの、初代スバル インプレッサG4をご紹介しましょう。

スバル インプレッサG4 ▲独立したトランクをもつことで実はメリットも多いセダンボディ

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スバル インプレッサG4(初代) ×全国

装備が充実しており、「アイサイト」設定グレードもあり!

インプレッサと言えば、世界ラリー選手権(WRC)で勝つために生まれたホッテストモデルの「WRX STI」が有名なところです。

しかし、元をただせば当時のコンパクトカーであるジャスティ(1Lクラス)とレガシィ(2Lクラス)の間を埋める車種として登場したのが始まりでした。

初代から4ドアセダンと、5ドアハッチバックに近ステーションワゴンの2タイプのボディをもっており、2011年に登場した4代目モデルからはセダンを「G4」と呼称するようになりました。

そのため、今回紹介する“初代インプレッサG4”とは4代目モデルのセダンということになります。

スバル インプレッサG4 ▲初代モデルからセダンボディをもつインプレッサ。4代目からは「インプレッサG4」として新たなるスタートを切った

そんな初代インプレッサG4の基本骨格はハッチバックモデルと共通であり、ホイールベースも同一。全長はハッチバックよりも165mm長くなっていますが、これはリアのトランク部分にすべて充てられていました。

搭載されるエンジンは全車水平対向4気筒エンジンで、排気量は1.6Lと2Lの2種類。駆動方式は前輪駆動の他、水平対向エンジンと並んでスバルのアイデンティティとなっている四輪駆動も用意されました。

スバル インプレッサG4 ▲1.6Lモデルには加飾を最小限に抑えたシンプルなグレードも設定した他、4WDモデルには5速MTも用意された

組み合わされるミッションは、基本的にリニアトロニックと呼ばれるCVTとなりますが、1.6Lモデルの4WDにのみ5速MTが設定されていました。

そして、先進安全装備の「アイサイト」装着グレードが設定されていたのもポイントです。

デビュー当初は「Ver.2」でしたが、2014年11月のマイナーチェンジのタイミングで「Ver.3」へと進化。また、搭載グレードは当初2Lモデルのみでしたが、2015年10月の一部改良で1.6Lモデルにも搭載されるようになりました。

ただし、翌2016年9月にはフルモデルチェンジで販売が終了してしまったため、アイサイトver.3を搭載した物件はごくわずかとなっているようです。
 

スバル インプレッサG4 ▲ステレオカメラによって前方の状況を読み取りドライバーをアシストしてくれる「アイサイト」

なお、アイサイトVer.2でも、条件によっては完全停止まで可能となった衝突被害軽減ブレーキや、全車速域で追従が可能となったクルーズコントロール、先行車発進お知らせ機能などが備わっています。

Ver.3ではカメラの高性能化によって各機能の性能が向上した他、操舵支援をしてくれるアクティブレーンキープ機能と車線逸脱抑制機能がプラスされるなど、より安心で安全なものへと進化しました。

スバル インプレッサG4 ▲アイサイトには高速道路での長距離移動の疲労軽減にもつながるレーダークルーズコントロールも備わる

2020年半ばより底値の状態に入っている

このように充実の先進安全装備を設定し、終売からまだ5年半ほどしか経過していない初代インプレッサG4ですが、前述したセダン不人気の影響もあってか、すでに中古車の平均価格が70万円台になっています。

スバル インプレッサG4の平均価格推移グラフ

上記グラフのとおり、2019年初頭には平均価格100万円超でしたが、2020年中盤には早くも30万円以上平均価格が下がりました。

そして、以降は70万円前後を行ったり来たりと、完全に底値の状態となっているのが現状。

一方の掲載台数は、2019年度から200~250台の範囲で安定しており、年式と価格のバランスを考えるとまさに今が狙い時! と言えのではないでしょうか?

では、今初代インプレッサG4を狙うのであれば、どんな仕様がいいのか考えてみました。

より安全性能が高い「アイサイトVer.3」装着車

スバル インプレッサG4 ▲頼りきるのはNGだが、いざというときのためになるべく新しいものを選びたいのが先進安全装備だ

初代インプレッサG4には、前述のとおり先進安全装備の「アイサイト」を搭載したグレードが存在します。

今となってはこのような装備が当たり前に装着されているため、「アイサイト」装着車、それもver.3を搭載しているものを狙ってみるのはいかがでしょうか?

もちろん、Ver.2でも十分という方もいらっしゃるかもしれませんが、機能的にやや古さを感じるのも事実。

ということでver.3搭載車に絞ると、原稿執筆時点で12台がヒットし、安価な物件では5万km台、修復歴なしでも総額100万円未満というものも狙え、お得度は高いと言えます。

また、アイサイト搭載車は全車4WDとなり、スバルらしい高い走行安定性を得られるのもおススメしたい理由です。

なお、搭載エンジンは1.6Lと2Lが用意されます。

当然アイサイトの性能は一緒ですが、どちらも自動車税の区分は同じであり、中古車となってからはそこまでの価格差もないため(ちなみに燃費性能は最終型同士で比較すると2Lの方が良い)+400ccの恩恵を受けられる2Lモデルの方がオススメです。

1.6L車と2.0L車を同時に探し、予算に合わせて選んでみてください。

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スバル インプレッサG4(初代)×アイサイトVer.3搭載グレード×全国

総額70万円台以下のお手頃価格でアイサイト付きを狙う

スバル インプレッサG4 ▲アイサイトはVer.2になるものの、手頃な価格となる前期型も魅力的だ

もう少し安価なモデルが欲しい、という人は平均価格以下となる総額70万円台以下の「衝突被害軽減ブレーキ付車両」を狙ってみるのはいかがでしょうか?

さすがに、ほとんどがマイナーチェンジ前のアイサイトVer.2搭載物件になりますが、総額50万円台から見つけることができ、総額70万円台まで予算をアップすれば走行距離5万~6万km台の物件も射程圏内となります。

前期型のアイサイト付きは全車2Lの4WDモデルとなるので、走りに余裕があるのは後期型と変わりなく、手頃な価格で安定した走行性能と安全装備を手に入れたいという人にはオススメできる条件となっています。

同じような年代の同条件の物件と比較してみても、初代インプレッサG4の中古車はお得だと言えそうです。

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スバル インプレッサG4(初代)×総額70万円台以下×衝突被害軽減ブレーキ付き×全国

このようにセダンであるというだけで、予想以上の低価格で手に入れることができてしまう初代インプレッサG4。

ちなみに同型のハッチバックモデル、インプレッサスポーツの中古車平均価格はおよそ85万円(執筆時点)ですから、そのお買い得さがお分かりになるのではないでしょうか。

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スバル インプレッサG4(初代) ×全国
文/小鮒康一、写真/SUBARU
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。