日産 ムラーノ(2代目)▲「モダンアートデザイン」をテーマにデザインされた2代目日産 ムラーノ。スポーティな走りと上質な乗り心地を両立する最新のプラットフォームや、新開発されたサスペンションが採用された

未来的なデザインが賛否を呼んだグローバルモデル

初代ムラーノは北米専用車として開発されたモデルで、国内市場からの要望を受け、日本でも販売された。

最終的には世界80ヵ国以上で販売されるグローバルモデルとして成長し、日本では2008年9月に2代目へとフルモデルチェンジした。

2代目は初代の斬新なデザインをさらに深化させた未来感のあるフォルムだが、日本では好みが分かれることに。

その結果として、国内でのライバルとなるトヨタ ハリアーほどヒットすることなく、2015年3月に生産が終了。

しかし、中古車市場ではハリアーよりもお手頃な高級ミドルサイズSUVとして、根強い人気を得ている。

そんな2代目ムラーノも昨年から中古車平均価格が100万円を切るようになり、かなりお手頃感が増している。

以下、詳しい相場情報とともにモデルの変遷やオススメ物件をを紹介していく。

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日産 ムラーノ(2代目)×全国
 

ここ半年間はライバルよりお手頃な価格のまま、安定して推移

2015年3月以降、緩やかだが順調に値落ちし続けてきた2代目ムラーノ。2020年5月には最安値となる87.8万円を記録したが、その後は上昇し、2020年12月には105.7万円をつけた。

しかし、年が変わり2021年に入ると再び下落するようになったが、ここ半年ほどは90万円前後で推移している。

2019年1月には約130万円だったため、3年間で実に40万円も安くなっているということだ。

日産 ムラーノの平均価格推移グラフ▲2020年12月に一時105.7万円まで上がった理由は、中古車台数の減少が挙げられる。減少した理由は定かではないが、中古車の価格は需要と供給のバランスで決まるため、欲しいと思う人の数より中古車台数が少なくなると、価格は上昇しやすくなる

もともと大ヒットした車ではないため、中古車の台数もさほど多くないのだが、それでも現在では200台以上をキープしている。

とはいえ、生産終了からもう7年ほど経過している。日本では後継モデルが登場していないムラーノだけに、中古車台数は減ることはあっても急激に増えることもないだろう。

そして、現在の中古車の平均走行距離は原稿執筆時点で約7.6万kmに達し、今後もさらに延び続けるのは確実だ。

ちなみにライバルのハリアーの中古車平均価格は、3代目(2013年12月~2020年5月生産)が262.9万円と年式が新しいということもあり、圧倒的に2代目ムラーノを上回る。

2代目ハリアー(2003年2月~2013年7月生産)は82.8万円と似たような価格だが、2代目ムラーノより5年も前に登場したモデルだけに、当然ムラーノの方が機能や装備で優位だ。

そんなお手頃感の高い2代目ムラーノも、先述のとおり今後は走行距離が増え続け、台数は減っていくばかり。価格の急落は見込めないから、狙うなら早めの行動が正解だろう。

 

上質で使い勝手も良く、2.5Lの2WDも選べたラグジュアリーSUV

日産ムラーノ(2代目)▲4WDシステムはオールモード4×4-i。オールモード4×4と比べハンドルやアクセル操作、車両の挙動から判断して、前後に適切なトルク配分を行ってくれる

では、2代目ムラーノはどんなモデルだったのか、ここで簡単におさらいしてみよう。

2008年9月に2代目へとフルモデルチェンジしたムラーノ。

北米をはじめ世界中で販売されるグローバルモデルのため、全長約4.8m×全幅約1.9mと、国内のミドルクラスよりやや大きめのラグジュアリーSUVだ。

搭載されるエンジンは2.5Lと3.5Lで、いずれもCVTが組み合わされた。

デビュー時の車両本体価格は315万~404万2500円。この時は全車4WD(オールモード4×4-i)で、オンオフを問わず上質な走行性能を味わえることが魅力のひとつだった。

各エンジン搭載車にXLとXVというグレードがあり、XVは本革シートやガラスルーフなどが備わるなど、装備が充実した上級グレードとなる。

日産 ムラーノ(2代目)▲上級グレードのXVには前後席頭上にまたがる大開口のガラスルーフと、ルーフレールが標準装備される。全車バックドアは電動で、スイッチやリモコンで開閉できる
日産 ムラーノ(2代目)▲純正カーナビゲーションは上級グレーのXVに標準、XLにオプションで用意された。全車フルオートエアコンで、左右別々に温度設定ができる
日産 ムラーノ(2代目)▲上級グレードのXVは前席が電動シートで本革が備わるなど、上質なインテリア。全車、後席背もたれはラゲージルームにあるレバーで倒すことができる。オプションでラゲージまたは運転席にあるスイッチで背もたれが戻る機能も用意された
日産 ムラーノ(2代目)▲ラゲージ容量は402Lでゴルフバッグを5セット収納可能。ボタンを押すだけで写真のようにラゲージ床から仕切りネット付きのボードが立ち上がり、荷物を整理して収納できる

2010年1月には、2.5L車のみ2WDモデルが追加された。

2011年1月にはマイナーチェンジが行われ、内外装の上質感が高められるとともに、XVグレードにクルーズコントロール機能が追加された。

そして、2015年3月に生産終了。アメリカでは3代目が登場したが日本では販売されることはなかった。

以上を踏まえて、2代目ムラーノの狙い目はどんな物件か見てみよう。

 

手頃な価格でも装備は十分な「250XL」

同時期の同社のSUVであるエクストレイルと比べ、ラグジュアリーに仕立てられたムラーノ。

そのため2つあるグレードのうち、下位のXLでもサイド&バックビューモニターや本革巻きステアリング&シフトノブ、フルオートエアコンなどが標準装備されている。

上位のXLと比べて標準装備ではなかったのは純正ナビや大型ガラスルーフ、本革シート程度。しかも、純正ナビについては装着率が高かったのか、ほとんどの物件に装着されている。

ということで、街乗りが中心で手頃な価格で狙いたいなら、250XLをオススメしたい。

もともとムラーノの中では最も安いグレードで、3.5Lエンジン車より燃費もいい。そして、平均価格以下の90万円以下の物件が約4割を占めるなど、中古車の価格もお手頃だ。

予算を本体価格100万円、総額で言うと120万円程度まで上げると、台数は少ないが走行距離5万km未満も狙える。

なお、4WDにこだわらないのであれば、250XLの2WDも合わせて検討してみよう。

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日産 ムラーノ(2代目)×250XL/250XL FOUR×全国
 

アウトドアも楽しめる「250XV FOUR」

日産 ムラーノ(2代目)▲250XVにはアウトドアユースで活躍するルーフレールが標準装備される

アウトドアを楽しみたいなら、やはり4WD車の方が安心。

2.5L車と3.5L車の4WDでは2.5L車の方が多く、2.5Lの4WDでXLとXVはともに、4WD車の4割以上を占めている。つまり、どちらも選びやすいのだが、だとすれば装備の充実したXVがオススメだ。

新車時には両車の価格差は約40万円ほどあった(デビュー時)が、中古車ではかなり縮まっていることもポイント。

そして、XLにはオプションでも設定のない「ルーフレール」がXVには標準で備わる。そのためスノーボードなどのギアや、ルーフキャリアを簡単に載せることができるので、アウトドアを楽しみやすい。

ちなみに、3.5L車は全体の約1割とそもそも台数が少ないし、燃費面でも不利。2.5L車のXVの4WDなら、海でも山でも十分楽しむことができるだろう。

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日産 ムラーノ(2代目)×250XV FOUR×全国

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日産ムラーノ(2代目)×全国
文/ぴえいる、写真/日産、篠原晃一

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。