スバル インプレッサスポーツ ▲ラリーのイメージを一新し、車格や価値観を超えたクラスレスの魅力をもって登場した初代インプレッサスポーツ

クラスレスの価値観をもったハッチバックモデル

「インプレッサ」と聞くと、世界ラリー選手権に参戦していた頃のモデルの鮮烈なイメージを記憶している人も多いかもしれません。

しかし、2011年登場した4代目モデルからはターボエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルが「WRX」へと分離し、5ドアハッチバックモデルの「スポーツ」と4ドアセダンの「G4」というラインナップとなりました。

スバル インプレッサスポーツ ▲通算4代目となるインプレッサのハッチバックモデルが初代の「インプレッサスポーツ」となる

その中で今回取り上げるのが、4代目インプレッサのハッチバックモデル、初代インプレッサスポーツです。

生産終了から5年以上経ち着々と値落ちが進んだ結果、総額100万円以下でも状態の良い物件を見つけやすいフェーズとなってきました。

2019年頃は100万~120万円台で推移していた平均価格でしたが、2021年に入ると80万円台に突入。その後は80~85万円台で安定していることから、いったん底値の段階に入ったようです。

スバル インプレッサスポーツの平均価格推移グラフ ▲昨年初めに90万円を切ってからは、80万円台半ばで推移している

一方の物件数は安定して900~1000台あたりをキープしているので、実用的な5ドアハッチバック車を探している人にはピッタリの1台と言えるでしょう。

では、初代インプレッサスポーツはどんなモデルだったのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

▼検索条件

スバル インプレッサスポーツ(初代) ×全国

「アイサイト」の設定もある、新しい価値をもった車

2011年12月から販売がスタートした初代インプレッサスポーツは、1.6Lと2Lの水平対向4気筒エンジンを搭載したモデルで、トランスミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVTがメインとなり、1.6Lの4WDモデルにのみ5速MTも用意されました。

そしてもちろん、スバルのアイデンティティのひとつでもあるシンメトリカルAWDはインプレッサスポーツにも設定されました。

降雪地域に住む人にはもちろんオススメですが、雨天時などの滑りやすい路面でも安定した走りをすることができるという美点もあります。

スバル インプレッサスポーツ ▲ラリーで培った4WDの技術は、日常生活で車を使う人たちにも安心を与えてくれるもの

そんなインプレッサスポーツは、クラス観やセグメント分けに縛られることなく、これまでの時代にない新しい価値を提供するため、「ニューバリュークラス」をコンセプトに誕生しました。

スタイリッシュな外観と質感が高く広く快適な内装、そして走りの気持ち良さと新しい価値をもった車として開発されています。

スバル インプレッサスポーツ ▲幅広い価値観をもったユーザーをターゲットにしたということもあり、上級グレードには本革シートの設定もあった

そのためか、このクラスの車種としては他メーカーに先駆けて先進の運転支援システムである「アイサイト(Ver.2)」を2Lモデルに搭載。

このアイサイトは2014年11月の改良で危険回避の精度が高まったVer.3に進化した他、2015年10月には1.6Lモデルにも搭載グレードを設定しました。

また、2015年7月からは2Lエンジンにモーターを組み合わせた「SPORT HYBRID」モデルを追加。これはその名のとおり燃費性能だけでなく、モーターアシストによるリニアで軽快な走りと上質でスポーティなハンドリングを実現したものとなっていたのです。


スバル インプレッサスポーツ ▲ハイブリッドではあるが、燃費だけを追求するのではなく、モーターアシストを積極的に使ったスポーティな走りも両立

このように幅広いユーザー層にマッチするように作り上げられたモデルだけに、新車販売時は150万円台のエントリーグレードから、240万円台の上級グレードまで幅広いラインナップとなっていました。

前述のとおり、手頃な価格になってきた今、現在インプレッサスポーツを狙うとするならばどんな仕様が狙い目なのでしょうか?

安定したAWDモデルも低価格で狙える!
4WD × 走行距離7万km以下 × 車両本体価格80万円以下

スバル車と言えば、やはり安定した走りが魅力のひとつ。ということでAWDモデルを狙っているの人も多いのではないでしょうか?

そこで、4WDのモデルの中から走行距離が7万km以下かつ、現在の平均価格よりも少し安い車両本体価格80万円以下の物件に絞って探してみることに。

すると40台ほどがヒットし、安価な物件では総額70万円台から狙うことができるものも複数存在していました。

なお、1.6Lと2Lが存在するインプレッサスポーツですが、中古車になると排気量の差はそこまで価格差に反映されていないことから、2Lモデルの方が買い得感があると言えます。

ここはぜひ2Lモデルを狙ってみてください!

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スバル インプレッサスポーツ(初代) ×2Lモデル×4WD×走行距離7万km以下×車両本体価格80万円未満×全国

先進の運転支援システムを実感!
アイサイトVer.3装着車 × 走行距離5万km未満

今から車を購入するのであれば、気になってくるのが先進装備の有無。

この初代インプレッサスポーツではアイサイトがデビュー当初から用意されていますが、2014年11月以降の後期型はVer.2からVer.3へと進化しているため、どうせならマイナーチェンジ後のモデルを狙いたいものです。

スバル インプレッサスポーツ ▲万が一のときの被害を軽減してくれる衝突被害軽減ブレーキの他、長距離運転時の疲労を軽減してくれる支援システムも魅力のアイサイトVer.3

そのため、今回は後期型のアイサイト搭載車で、走行距離5万km以下に絞って検索してみました。すると60台ほどがヒット。

モデル末期となるため、平均価格よりはだいぶ高めな物件も多くなりますが、それでも安価なものでは100万円を切る物件も見つけることができました。装備の内容を考えれば決して高い買い物とは言えないでしょう。

▼検索条件

スバル インプレッサスポーツ(初代)×2014年11月以降生産モデル×アイサイト搭載グレード×走行距離5万km以下×全国

ターボエンジンを搭載したホットモデルがラインナップされないことで、それ以前のインプレッサシリーズよりも地味な印象のインプレッサスポーツ。

しかし、クラスを超えた上質さやスバルらしい走り味、そしてアイサイトという先進の運転支援システムが備わるグレードもあり、実用車としてはかなり高いレベルにあるモデルです。

もし、あなたが普段使いとして安心して使える車を探しているのであれば、初代インプレッサスポーツを候補に入れてみてはいかがでしょうか。

現在の価格以上の価値がある1台であることは間違いありませんよ。

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スバル インプレッサスポーツ(初代) ×全国
文/小鮒康一、写真/SUBARU
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター、S660。