日産 ノート▲先代の途中で追加された「e-POWER」が大人気となり、3代目モデルはe-POWER専用車となったノート

ノート(現行型)の最新相場

扱いやすいサイズと高い燃費性能で人気の日産 ノート。3代目の新型はe-POWER専売モデルとなり、「クロスオーバー」のグレードが設定されるなど、バリエーションも豊富だ。

新車を検討している人でも納期の観点などから、中古車の情報もチェックすることをオススメしたい。

この記事では、2020年12月に登場した日産 ノート(現行型)の最新中古価格や流通量を紹介する。

2022年5月時点では、中古車の平均価格と流通台数は下記のとおりとなっている。

■日産 ノート(現行型)
・中古車平均価格:232.1万円
・中古車流通量:417台
 

日産 ノート ▲日産 ノート(現行型)の月間延べ流通台数と中古車平均価格の推移

新型の3代目ノートは、1.2Lの発電用エンジンとモーターという構成自体に変化はない。
しかし、モーターとインバーターを刷新した第2世代のe-POWERとなり、動力性能、燃費性能ともにアップ。

また世界初となる、路面状況からロードノイズが大きいと判断した場合に積極的にエンジンを始動して発電を行う制御システムを搭載した他、遮音性能の向上やエンジンの作動頻度低減なども行われており、静粛性や快適性も向上している。

さらに、リアに50kWの出力を誇る高出力モーターを採用したことで、綿密かつ瞬時に制御を行う本格的な電動4WDシステムを構築。

雪国ユーザーだけでなく、上質な走りを求めるユーザーからも高い評価を集めている。
 

日産 ノート ▲滑りやすい路面だけでなく、ドライ路面でも質感の高い走り味を見せてくれる4WDモデルも魅力的

新型ノートのカタロググレードは通常モデルが3グレード、オーテック系が2グレードの合計5グレード。実質的な“燃費スペシャル”的なグレードとなる「F」以外では4WDも選択可能となっている。

・「F」:燃費性能に特化したグレードで、29.5km/L(WLTCモード)という低燃費をたたき出している。装備を極限まで省いており、オプションで選択できるのもLEDヘッドランプのみ。新車価格は、エントリーグレードの「S」よりも2.5万円ほど高い。

・「S」:実質的なエントリーグレード。先進安全装備は一通り標準装備されている。オプションとして、アラウンドビューモニターや後側方衝突防止支援システム、後側方車両検知警報、後退時車両検知警報といったさらなる安全装備の追加が可能。ただし、運転支援システム「プロパイロット」はオプションでも選択できない

・「X」:実質的な最上級グレードだが、標準装備は「S」と大差はない。しかし、運転支援システム「プロパイロット」がニッサンコネクトナビゲーションシステムとセットでオプション設定される他、本革シートや16インチアルミホイールといった上級装備もオプションで用意
 

日産 ノート ▲アクセルやブレーキ制御だけでなく、ステアリング操作もアシストしてくれる「プロパイロット」は長距離ドライブでの疲労軽減にも寄与する

・「AUTECH(オーテック)」:プレミアムスポーティを標榜するグレードで、ベースの「X」とパワートレインは同様。内外装の加飾やマテリアルが、上質かつスポーティな装いとなる
 

日産 ノート ▲ベースモデルに対し、外装だけでなく内装もプレミアム感あふれる仕立てとなる点も「AUTECH」の魅力のひとつ

・「AUTECH クロスオーバー」:2021年10月に追加された、「AUTECH」をベースにクロスオーバーテイストを盛り込んだグレード。専用のホイールアーチガーニッシュやサイドシルプロテクター、ルーフモールがクロスオーバーSUV風となっている。また、専用のリフトアップサスペンションや標準モデルよりも大径化されたタイヤも備える
 

日産 ノート ▲人気のクロスオーバーSUVタイプもラインナップされるが、内外装だけでなく足回りなどメカニズムもしっかり変更される

グレードごとの流通状況(22年5月時点)

日産 ノート ▲「AUTECH」シリーズの物件数は、他グレードと比べて少ない

434台流通しているノートの中で、最も掲載台数が多いのは「X」で、317台とおよそ8割を占めている。

次いで多かったのは「S」で92台。燃費スペシャルの「F」は1台も掲載がなく、プレミアム仕様の「AUTECH」シリーズは、通常の「AUTECH」が19台、「AUTECH クロスオーバー」は1台も掲載されていない。

また、4WDモデルは52台で、「X」が36台、「S」が10台、「AUTECH」が6台、「AUTECH クロスオーバー」が0台という内訳。新車価格で25万円以上高くなる4WDは、まだ流通台数が少ない。
 

価格別の流通状況(22年5月時点)

日産 ノート ▲ベース価格は手頃だが、オプションをプラスしていくと予想以上の価格になることも多い

ここではノートの流通状況を価格別に見てみよう。まずは最安値物件、そして250万円未満と250万円以上のゾーンに分けて紹介する。

■ノート(現行型)の最安値

執筆時点で最も安い支払総額となっていたのは184万円で、2021年式、走行距離0.9万kmという物件。車検整備付きで、修復歴はあり。

メーカーオプションのLEDヘッドランプとアラウンドビューモニターを含むパッケージオプションが備わっている。

この仕様を新車で購入しようとすると、車両本体価格だけでおよそ225万円となるため、修復歴の状態が納得できるものであれば非常にお買い得と言えそうだ。
 

▼検索条件

日産 ノート(現行型) × 総額の昇順

■ノート(現行型)|総額250万円未満
支払総額が250万円未満となるノートの物件の流通量は168台。

「X」の装備が充実した物件もあるが、ディーラー系中古車店が多いことから、ディーラーの試乗車として使われていたものが中心とみられる。低走行でありながら修復歴があるものもチラホラ混ざっているので注意したいところだ。

■ノート(現行型)|総額250万円以上
 

日産 ノート ▲総額250万円以上の物件は「AUTECH」シリーズや上級グレードの「X」が中心

支払総額が250万円以上となるノートの物件の流通量は160台。

総額が300万円を超えるものは、プレミアムグレードの「AUTECH」系や、上級グレードの「X」の4WDモデルにオプションをフル装備したような物件が中心となっている。

また、ディーラー系中古車店では新車未登録という物件も多く、これらは新車価格と比較しても特別安価というわけではない点に注意したいところ。ただ、一部グレードでは納期がかかっているという情報もあるため、希望の仕様にピッタリの物件があれば即納できるという点は魅力的と言えるかもしれない。
 

コンディション別の流通状況(22年5月時点)

■ノート(現行型)|走行距離1万km以上
ノート(現行型)の走行距離1万km以上の物件の流通量は102台で、最も多いグレードは「S」となっている。

新型登場から1年ほどのため、最も走行距離の多いもので4.2万kmという状況だ。

■ノート(現行型)|走行距離1万km以下
ノートの走行距離1万km以下の物件の流通量は324台で、最も多いグレードは「X」となっている。

約9割の物件の走行距離は1万km以下であり、大半が3000km以下となっている。
 

■ノート(現行型) 登録済未使用車
 

日産 ノート ▲オプション設定とはなるが、「S」以上ではRCTAを含む更なる先進安全装備がプラスできる点も嬉しい

ナンバー登録はしてあるものの未使用で、新車に近いコンディションを保持しているのが登録済未使用車だ。

ノートで登録済未使用車の物件の流通量は20台。ノート全体の流通量のうち、登録済未使用車の割合は1割弱ということになる。

価格帯は車両本体価格で179.8万~264.8万円。

ほとんどが上級グレードの「X」で残りは「S」となっており、「AUTECH」系は1台もない。

新車と比較する際は、一部の安全装備や運転支援システム「プロパイロット」、LEDヘッドランプや本革シートなど、メーカーオプションとなっているものは購入後に装着することができない。どんなオプションが備わっているのか確認が必要だ。
 

▼検索条件

日産 ノート(現行型) × 全国

※記事内の情報は2022年5月18日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。