スバル レガシィB4 ▲スポーティセダンとして名をはせたレガシィB4。最後の5ナンバーサイズとなったのがこの3代目モデルだ

最後の5ナンバーサイズレガシィ

レガシィというと、俊足ステーションワゴンの代表でもあった「ツーリングワゴン」や、新型が登場したばかりの「アウトバック」のイメージが強いかもしれませんが、スポーツセダンという側面をもっていることも忘れてはいけません。

特にインプレッサが登場するまでは、水平対向ターボエンジンとフルタイム4WDを武器にラリーフィールドでも活躍しており、その座をインプレッサに譲ってからも高いポテンシャルを秘めたスポーツセダンとして高い評価を集めていたのです。

そんなレガシィのセダンモデルの中でも、最後の5ナンバーサイズとなった3代目・BE型は、登場から20年以上経過したこともあり、ここ最近の中古車価格は底値で推移していました。

しかしここへきて、ジワジワと価格が上昇し始めているようなのです。今回は改めてこのモデルを振り返ってみたいと思います。
 

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最後の5ナンバーサイズレガシィ

スバル レガシィB4 ▲3代目レガシィからはセダンモデルに「B4」というサブネームが付いた。これは「BOXER」の「B」と「4WD」の「4」をとったもの

1998年12月に登場したレガシィのセダンモデルは、半年前に登場していたワゴンモデルに遅れてのデビューとなりました。この世代からセダンには「B4」のサブネームが付き、デビュー当初はツインカムエンジンのみをラインナップするなど、よりスポーツセダンであることを強調したものとなっています。

中でも名機と名高いEJ20ターボエンジンを搭載したMT車は、自主規制値いっぱいの280psを発生。リアサスペンションをストラットからマルチリンクへと改めたことで、より高い操縦安定性を実現している点も見逃せません。

1999年12月には、ポルシェデザインと共同開発で生まれたエアロパーツをまとった特別仕様車「BLITZEN(ブリッツェン)」をリリース。以降2003年モデルまで継続リリースされる人気仕様となりました。
 

スバル レガシィB4 ▲ポルシェデザインと共同開発したエアロパーツが目を引く「ブリッツェン」

また、2001年5月には後期型へとマイナーチェンジを実施し、新たに水平対向4気筒2.5Lエンジンを搭載する「RS25」を追加し、翌2002年1月には水平対向6気筒3Lエンジンを搭載する「RS30」を追加するなど、ワイドバリエーション化もなされました。

そしてモデル末期となる2002年11月には、STIが手がけたコンプリートモデル「S401 STi Version」が400台限定で登場。

手作業によるピストン、コンロッド、クランクシャフトのバランス取りを始め、フロントLSDの採用、サスペンションまわりの見直し、ブッシュやボディ剛性の強化といった細かな部分に加え、ブレンボブレーキの採用や、この世代のレガシィとしては唯一となる6速MTの採用など全域にわたって手が加えられた、いわば究極の3代目レガシィB4と言えるものでした。
 

スバル レガシィB4 ▲3代目レガシィB4の集大成とも言えるのが、この「S401 STi Version」だ

BE型レガシィB4の平均価格と掲載台数の推移は?

では、気になるBE型レガシィB4の中古車の状況を見てみましょう。

デビューから20年以上が経過した現在でも十分に通用するポテンシャルを持ち合わせている点や、扱いやすい5ナンバーサイズのボディ、そして2020年をもって搭載車種が消滅してしまった名機、EJ20ターボを搭載するグレードを擁することなどもあってか、ここのところ価格が上昇に転じています。
 

スバル レガシィB4 ▲2020年後半頃までは50万円前後で推移していたが、その後価格は上昇。現在は70万円を超えている

しばらくは安価で購入することができるスポーツセダンというイメージが先行していましたが、2021年に入ってからはほぼ上昇の一途をたどっており、2021年1月の時点で56.8万円だったものが12月には70.8万円と14万円もハネ上がっているのです。

一方の掲載台数は、2019年1月の152台をピークに現在は100台以下まで減少しており、デビューから20年以上が経過したことを否が応にも感じさせる状態となっています。

ただ裏を返せば、今市場に流通している物件はそれなりに状態の良いものが中心となっているとも言え、ある程度厳選されているとも言えそうです。

では、今このBE型レガシィB4を狙うとしたら、どんな仕様がオススメなのか考えてみました。
 

特別感溢れるエクステリア
「ブリッツェン」シリーズ

1999年12月に登場した特別仕様車「ブリッツェン」は、ポルシェデザインと共同開発したエアロパーツが最大の特徴。

ただベース車がターボモデルということもあって、フロントLSDやアルミボンネットなど、走りを意識したモデルでもありました。

そして2001年1月には2001モデルが、2002年2月に2002モデル、2003年1月には2003モデルと、毎年のようにブリッツェンをリリース。2002モデルからはベースが後期型となったことでエクステリアデザインも一新され、やや落ち着いたものとなっています。
 

スバル レガシィB4 ▲こちらがエアロのデザインが改められた後期型ベースのブリッツェンとなる

また、2002年8月には3Lの6気筒エンジンを搭載したRS30をベースとした「ブリッツェン6」もリリース。こちらはATのみでしたが、大人のスポーツセダンに仕上がっていました。

そんなブリッツェンシリーズですが、特別仕様車にもかかわらず執筆時点では14台の掲載があり、安いものでは総額60万円台から狙うことができ、一方の高額車両も車両本体価格150万円程度となっています。
 

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スバル レガシィB4(BE型) ×ブリッツェン系グレード×全国

走りを重視!
ターボ × 5速MT × 走行距離10万km未満

90年代に存在していたハイパワーターボ車が軒並み高騰し、車種によっては新車価格を上回るような価格となっている現在。それでもハイパワーターボ車に乗ってみたい! と思うのであれば、このレガシィB4は適任かもしれません。

さすがに登場から20年以上が経過しているということで、物件の多くが10万kmオーバーとなっているところですが、ここはあえて10万km未満のターボMT車に限定してみました。
 

スバル レガシィB4 ▲どんどん価格が高騰している90年代国産ハイパワー車の中で、まだ手の届く価格にあるのが3代目レガシィB4だ

すると14台がヒットし、中には総額100万円未満で購入できる物件も。さすがに低走行車についてはもう少し価格帯はアップしますが、150万円前後の予算を見ておけば、それなりに該当車種もヒットするという感じで、他のハイパワーターボモデルに比べるとまだまだ買いやすい価格と言えそうです。

執筆時点では、日本には新型が導入される予定がないというレガシィB4。新型のWRX S4も海外で設定されているMT仕様は現状日本では販売されていないということで、4WDターボMTはいよいよ希少なモデルとなりつつあります。

そのため、3代目レガシィB4が手の届く価格で流通するのもあとわずか!? 気になっている人は早めに行動に移した方がいいかもしれません。
 

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スバル レガシィB4(BE型) ×過給器あり×MT×走行距離10万km以下×全国

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文/小鮒康一 写真/スバル
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター、S660。