ダイハツ コペン ▲軽自動車でありながら、電動ルーフや4気筒ターボエンジンを搭載し、クラスレスの魅力を放つ初代コペン

車好きなら一度は憧れるオープン2シーター!

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにしてはじき出したランキングで、その年の中古車の注目度&競争率が一目で分かる「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

そのランキングに、2018年から4年連続でトップ10入りを果たしているのがダイハツ コペン(初代)。最新の2021年も第8位と、上位入賞を果たしているモデルです。


維持費の面で優れる軽自動車でありながら、本格的な電動開閉式ルーフをもつ(一部仕様ではディタッチャブルトップを採用)オープン2シーターとして根強い人気をもっており、この記事を読んでいる人も一度は中古車を検索したことがあるのではないでしょうか?

そんな初代コペンは2002年6月に販売がスタート。搭載されるエンジンは3気筒エンジンが主流の軽自動車でありながら、より上質さを求めて直列4気筒DOHCターボエンジンのJB-DET型を採用しているのが特徴です。

ダイハツ コペン ▲現時点では最後の4気筒エンジンを搭載した軽自動車こそが、この初代コペンなのです

組み合わされるミッションは、スポーツカーらしい節度感のあるクロスレシオの5速MTと、イージードライブだけでなく、いざというときはスーパーアクティブシフトでMTモードも楽しめる4速ATが用意されました。

コペン最大の特徴であるアクティブトップと呼ばれる電動メタルトップは、電動油圧ポンプによるもので、開閉所要時間はおよそ20秒。

ルーフ部分は後部のトランクの部分に収納されるため、ルーフを開けた状態ではトランクスペースがミニマムとなってしまいますが、ルーフを閉めた状態ではかなりのラゲージスペースとなるのも隠れた特徴です。

ダイハツ コペン ▲走行中の開閉は不可ながら、20秒あれば信号待ちでの開閉も十分可能

また、コペンは定期的に特別仕様車がリリースされたことも特徴で、中でも走りを追求したその名も「アルティメットエディション」には、ビルシュタイン製のダンパーやBBS製アルミホイール、MOMOステアリングなどが標準装備となって非常に人気を集めました。

その後、アルティメットエディションは複数回特別仕様車としてリリースされましたが、その人気ぶりから2010年8月からは「アルティメットエディションS」としてカタログモデルとなったほどだったのです。

ダイハツ コペン ▲ビルシュタインダンパー、BBSアルミホイール、レカロシートなどまさに究極の装備をもったアルティメットエディション

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ダイハツ コペン(初代) ×全国

ジワジワと上がってきている初代コペンの平均価格

そんな初代コペンも2012年8月をもって生産を終了。およそ2年後の2014年6月に2代目モデルが登場しますが、いまだに初代モデルは人気が衰えず、最近では価格が上昇しているのです。

生産終了からまもなく10年となりますが、デザイン性や新型にはない4気筒エンジンという点が再評価されつつあり、2020年後半あたりからジワジワと価格が上昇し始め、今年の夏に入るとついに平均価格が80万円台に突入しました。

ダイハツ コペン

一方の延べ掲載台数は、2019年から1000台前後を安定してキープしており、直近11月も1080台の掲載実績がありました。

そのことから、手ごろな価格の物件が淘汰されて高値の物件だけが残って価格が上がったわけではなく、初代コペンの価格帯が全体的にアップしているということが言えそうです。

ダイハツ コペン

つまり、初代コペンは価格が上昇するフェーズに突入したということになるため、購入を迷っている人は早めに行動しておかないと「あのとき買っておけば……」ということにもなりかねません。

では、今初代コペンを狙うとしたらどんな仕様が良いのでしょうか? 以下、筆者のオススメを紹介します!

究極の走りを堪能したい!
アルティメットエディション系 × MT車

スポーティな走りが特徴のひとつでもある初代コペンだけに、走りに振ったアルティメットエディションは魅力的です。特にビルシュタイン製ダンパーやBBSアルミホイールは走りに直結する部分だけに、標準車との違いも大きいところ。

また、ホールド性に優れるレカロシートを装着した仕様も存在しているため、メーカー謹製のチューニングモデルとしてもアルティメットエディションはオススメの1台と言えるでしょう。

ダイハツ コペン ▲究極を意味するアルティメットの名にふさわしい雰囲気をもち合わせている

そんなアルティメットエディションシリーズのMT車は、執筆時点で50台弱がヒット。

4万km以下の低走行車だと、総額150万~170万円程度がメインの価格帯ですが、中には新車価格を超える200万円オーバーの本体価格となっている物件もあります。

流通台数は少なく、価格も決して安いとは言えません。しかし、今後ますます希少価値が見いだされ、掲載台数が少なくなり、価格が上昇することも予想できるため、今のうちに狙っておきたい1台と言えるでしょう。

また、総額100万円を切る物件もありますが、10万km以上の多走行車が中心となっています。せっかくのビルシュタインダンパーが本領を発揮できない……などの可能性もあるため、そういった物件はコンディションの見極めも大切でしょう。

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ダイハツ コペン(初代) ×アルティメットエディション系×MT車×全国

気軽にオープンエアモータリングを楽しみたい!
AT車 × 走行距離5万km未満 × 修復歴なし

初代コペンのもうひとつの魅力といえば、やはり気軽にオープンエアモータリングが楽しめる電動アクティブトップを備えているという点です。

そこで、どんな人でもオープン走行を気軽に楽しめるAT車かつ、修復歴なしで走行距離が5万km未満という条件で探してみました。

電動アクティブトップという複雑な機構をもつコペンだけに、修復歴がある物件や多走行の物件では電動トップの開閉に支障が出たり、雨漏りが発生したりという事案もあるため、なるべく状態の良いものを選びたいという観点での条件です。

ダイハツ コペン ▲AT車でもシーケンシャルパターンのMTモードがあるので、スポーティな走りもお手のもの

原稿執筆時点では70台がヒットし、安価な物件では車両価格60万円台から見つけることができました。

やはりコペンはMT車の方が人気が高く、同条件ではMT車の方が20万~30万円ほど高い物件が多そうですが、純粋にオープンエアモータリングを楽しむのであれば、シフトチェンジが不要なATという選択肢も大いにアリではないでしょうか。

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ダイハツ コペン(初代) ×AT車×走行距離5万km未満×修復歴なし×全国

コペンなのに電動ルーフじゃない!?
ディタッチャブルトップ仕様

最後は番外編となりますが、初代コペンには登場から2007年9月まで、電動アクティブトップをもたない「ディタッチャブルトップ」という仕様が存在していました。

その代わり樹脂製の脱着可能なハードトップが装着され、アクティブトップ仕様よりも30kg軽量となった他、チューンドサスペンションとパフォーマンスブレースも標準装備となるスポーツ度の高いモデルです。

外観での差異は一体式のハードトップとなるため、リアウインドウ前の分割ラインが存在しないことと、サイドウインドウが2分割となっていないこと程度で瞬時に判別するのは難しいレベルですが、実は全車ブラックのハードトップとなるのでそこが最大の違いとなります。

ダイハツ コペン ▲こちらがディタッチャブルトップ仕様のルーフ部分。全車ブラックアウトされたハードトップが備わる

やはりというかなんというか、電動アクティブトップがウリの初代コペンだけに、ディタッチャブルトップ仕様はおよそ5年で250台ほどしか販売されておらず、執筆時点での掲載台数もたった2台のみ。

ただ、スポーツ度の高い初代コペンをお探しであれば、検討してみるのもアリかもしれません。

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ダイハツ コペン(初代) ×ディタッチャブルトップ仕様×全国

今年の「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」の結果からもお分かりのとおり、注目度が依然として高い初代コペン。

すでに低走行、高年式の物件では新車価格を上回る価格が付けられている物件も出始めています。

趣味性の高い車だけに、多走行の手ごろな物件を購入して手を加えながら乗るというのも選択肢のひとつですが、早めに行動しないと手ごろな物件自体がなくなってしまう可能性も大いにありそうです。

気になっている方は、ぜひ早めにチェックしてみてください。

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ダイハツ コペン(初代) ×全国
文/小鮒康一 写真/ダイハツ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。