スズキ ランディ ▲5ナンバーサイズの3列シートミニバンをお探しならスズキ ランディも忘れずにチェック!

知名度は低いものの、中身は全く同じ!

世界的なクロスオーバーSUVブームがきている昨今ではありますが、ファミリーカーとして根強い人気を誇っているのが5ナンバーサイズの3列シートミニバンではないでしょうか。

いざというときは大人が3列しっかり座れる室内空間をもち、背の高いボディと便利なスライドドア、そして取り回しのしやすい5ナンバーサイズのボディ。必要十分な力と燃費性能をもつ2L前後のエンジンを搭載しているため、日常使いの相棒としては非常に便利。

それだけに、各社力を入れているジャンルのひとつ。ざっと車種を挙げるだけでも、トヨタのノア、ヴォクシー、エスクァイア3兄弟や日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンといった有名車種が多く存在しています。

その中でも安定した人気をもつ車種のひとつ、日産 セレナ(先代型)を探している人にとってはぜひともチェックしていただきたい車種があります。それが「スズキ ランディ」です。

スズキというとアルトやワゴンRといった軽自動車や、スイフトに代表されるコンパクトカーを得意とするメーカーというイメージが強いため、ランディという車名に耳馴染みがない人も多いかもしれません。

しかし、車両の外観を見れば、きっとピンとくる人もいることでしょう。では写真をご覧ください(といってもトップ画像もありますが)。
 

スズキ ランディ ▲こちらがスズキの3列シートミニバン、ランディです
日産 セレナ ▲ちなみにこちらが日産 セレナ。グレードが異なるためアルミホイールやフォグランプなどが付いてはいますが、見た目はほぼ同じ!

はい、そうです。見てのとおり日産 セレナにうり二つ。といってもセレナのパクり車ではなく、日産自動車から正式に供給を受けて販売されている「OEMモデル」というもの。

これは、自社のラインナップにない車種を協力関係にある他メーカーから供給してもらうもの。

スズキは日産からセレナを供給してもらう代わりに、軽商用車&ワゴンのエブリイを日産に供給し、日産はクリッパーという名前で販売しています。

そのため、日産 セレナとスズキ ランディは一部のデザインとメーカーのエンブレムや車名は違うものの、中身は全く同じ。ですから、セレナを狙うならランディもチェックしないと損というワケなのです。
 

スズキ ランディ ▲当然ながらシートのレイアウトなどもセレナと同一なので、ステアリングのエンブレムだけが判断材料です

ただし、何から何まで全く同じかというとそうではありません。

ランディにはセレナで高い人気を誇るエアログレードの「ハイウェイスター」に該当するグレードが存在しません。また、当然ではありますが、日産車のカスタマイズグレードを手がけるオーテックジャパンがリリースした「ライダー」シリーズもありません。

とはいえ、メカニズムはセレナと共通です。そのため、2012年8月に追加されたスマートハイブリッド仕様の「S-HYBRID」搭載車も同じタイミングで追加されていますし、2014年1月には前月にセレナに搭載された衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全装備も搭載されています。

にもかかわらず、知名度が圧倒的にセレナより低いランディは、セレナより相場が若干安いという状態となっています。そのため、エアロが備わる外観にこだわりがないのであればぜひ同時にチェックしてもらいたい1台というワケなのです。

では、どのくらい相場が異なるのかチェックしてみましょう。
 

マイナーゆえの安さ?
ランディとセレナの平均価格は?

スズキ ランディ

グラフを見れば分かるように、年を追うごとにジワジワと価格を下げているランディ。2019年の時点では100万円前後だった平均価格も現在では66.2万円と30万円以上の下げ幅となっています。
 

スズキ ランディ

ご覧の通り、2019年からの平均価格を見てみると、常にランディの方が30万~40万円ほど安いことがわかります。直近では、セレナが97.6万円なのに対し、ランディは66.2万円と、30万円ほど安くなっています。

セレナにはハイウェイスターシリーズも含まれていることも考慮しなければなりませんが、それでも大きな価格差と言えるでしょう。

ただし、先代セレナの掲載台数が執筆時点で3000台弱あるのに対し、先代ランディの掲載台数は40台弱と圧倒的に少ないという点は要注意です。

ではランディを狙うのであれば、どんな仕様がオススメなのか独断と偏見でピックアップしてみました!
 

▼検索条件

スズキ ランディ(2代目) × 全国

家族を乗せるからこそ安心を!
2014年以降の衝突被害軽減ブレーキ搭載車×車両本体価格100万円

大切な家族を乗せる機会の多いミニバン。

それだけに、いざというときの安全装備にはこだわりたいもの。そこで、2014年1月に実施されたマイナーチェンジで搭載された衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報を備えたモデルを選びたいところです。
 

スズキ ランディ ▲2014年のマイナーチェンジでは装備の充実だけでなく、エクステリアにも手が加えられて近代的なルックスに

ちなみに、マイナーチェンジ直後は「2.0 S」グレードには先進安全装備が設定されていませんでしたが、2015年11月の仕様変更で全車に標準装備となりました。

この条件では10台弱がヒット。車両本体価格100万円の予算で比較的低走行な物件を狙うことができます。
 

▼検索条件

スズキ ランディ(2代目) × 車両本体価格100万円 × 2014年以降 × 全国

できるだけ安く手に入れたい!
車両本体価格80万円以内

ファミリーカーとして考えるのであれば、コストパフォーマンスも重要な要素。そこで、車両本体価格80万円以内の物件に絞ってチェックしてみました。

すると、掲載台数の半数以上の30台弱がヒット。中には車両本体価格50万円以内で走行距離10万km未満という物件もチラホラ。

家族の成長に合わせて乗り替えられることも多いミニバンだけに、割り切って安いものを購入するというのもひとつの手ではないでしょうか。
 

スズキ ランディ ▲中古車物件の掲載数を見ても圧倒的マイナーなランディだが、スズキのお膝元である静岡県ではよく見かける1台だとか!?

▼検索条件

スズキ ランディ(2代目) × 車両本体価格80万円以下 × 全国

このように、知名度的にはセレナに全く及ばないランディではありますが、その不認知ぶりを逆手に取った価格の安さが魅力のひとつ。

また、マイナー車好きとしては、見た目は知られたスタイルなのに、見覚えのないマークが付いているという点もマニア心をくすぐります。中には、ランディをベースにハイウェイスター化をしているツワモノもいる様子なので、ランディであることを逆手に取るのも面白いかもしれません。
 

▼検索条件

スズキ ランディ(2代目) × 全国

※記事内の情報は2021年12月6日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/スズキ、日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。