GLKクラス▲コンパクトだが、メルセデス・ベンツらしい上質な走りが自慢のGLKクラス。角張ったスタイリングも魅力だ

メルセデス・ベンツ GLKクラスの中古車は今

メルセデス・ベンツ初のコンパクトSUVとして2008年に登場したGLKクラス。

ボディサイズは現行型の日産 エクストレイルやスバル フォレスターなど国産のミドルサイズSUVに近いもので、日本の道路事情においても扱いやすいのが特徴だ。

1世代限りで2016年にGLCクラスにバトンタッチしたが、GLKクラス独特のスクエアなフォルムの方が好み、という人は少なくないだろう。

ただ、近年の輸入車としては珍しく、左ハンドル仕様しか設定されなかったため、新車時の販売は決して多くなかった。

中古車市場での流通台数も少なく、これと思える物件を見つけたら即決断するのがオススメという状況だ。新車時の乗り出しは600万円を超えるモデルだったが、予算200万円以下で狙うことができる。

ここではGLKクラスの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していく。

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メルセデス・ベンツ GLKクラス(初代) × 全国

GLKクラス(初代)の特徴と中古車相場

■GLKクラス(初代) DATA
生産期間:2008年10月~2016年2月
中古車流通量:約50台
中古車価格帯:110万~420万円
全長:4530~4550mm × 全幅:1840mm × 全高:1670mm
 

GLKクラス ▲SUVの中では低重心であり、オンロードでは乗用車ライクな乗り味となっていた。グラスエリアが広く、車内の開放感もある

■GLKクラス(初代)の特徴
ボディ各面が切り立ったスクエアなフォルム、巨大なフロントグリル、広いグラスエリア……と、メルセデス・ベンツの中でもかなり個性的なデザインをもつGLKクラス。

ボディサイズはコンパクトながら、前面に配置された大きなスリーポインテッド・スターの威光もあって、存在感は抜群だ。

4WDシステムはエンジンを縦に積み、遊星歯車式のセンターデフで前後不均等に駆動力を配分する方式。

GLKクラス ▲実際のサイズ以上の重厚感を感じられるリアデザイン

多くのコンパクトSUVが採用する横置きエンジン・FFベースの駆動系とは異なる、凝った駆動系レイアウトだ。

しかし、その駆動系が足かせとなり、右側にステアリングシャフトを通すことができなくなってしまった。

よってGLKクラスは全車、左ハンドル仕様であり、イギリスやオーストラリアなどの右ハンドル圏では販売されなかった。日本仕様も、左ハンドルのみである。

GLKクラス ▲左ハンドル仕様のみだったGLKクラス。内装の仕立てはクラス以上の上質感が感じられる

サスペンションについてはフロント・マクファーソンストラット式、リア・マルチリンク式というごく一般的な形式だが、そこはメルセデス・ベンツ一流のセッティングがなされていて、コンパクトなボディサイズを意識させない上質な乗り味となっている。

さらに、走行状況に応じて減衰特性が変化する「セレクティブダンピングシステム」や、車速に応じてステアリング操作トルクを調節する「パラメーターステアリング(車速感応式パワーステアリング)」といったハイテク機構を組み合わせた「AGILITY CONTROL(アジリティコントロール)」が採用され、俊敏性と快適性を高次元で両立している。

GLKクラス ▲台数は少ないがサンルーフを備えた物件も流通している

デビュー当初に設定されたパワーユニットは、3L V6ガソリン+7速AT(7G-TRONIC)のみ。この車格にしては贅沢な内容だ。

ラインナップも当初、「GLK300 4マチック」のみの1グレードだったが、2011年12月に装備を簡略化したエントリーモデル「GLK300 4マチック ライト」を追加。

さらに、2012年7月にはエンジンが「BlueDIRECTテクノロジー」を採用した3.5L V6ガソリンに変更となり、グレード名も「GLK350 4マチック ブルーエフィシエンシー」となった。

この変更では同時に下記の仕様変更も実施されている。

【エクステリア】
・大きなデザイン変更。LEDポジショニングライトを内蔵した新デザインのヘッドランプや型フロントグリル、クロームアンダーガードなどを採用
【インテリア】
・トリムパネルを拡大し、メーターパネル中央部にカラーディスプレイを採用
・ステアリングコラム右側に配した電子セレクターレバーとステアリングに組み込まれたパドルシフトでシフト操作する「DIRECT SELECT(ダイレクトセレクト)」を新たに採用
・カーナビやAV、ハンズフリー電話やインターネット接続を一元管理する「COMANDシステム」を採用
【パワーユニット】
・高効率7速AT「7G-TRONIC PLUS」を採用
・ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を採用し、燃費を向上
【安全性能】
・アテンションアシストやアダプティブハイビームアシストなどの先進安全装備を標準装備
【オプション】
・「AMGスポーツパッケージ」「AMGエクスクルーシブパッケージ」をパッケージオプションとして設定

モデルライフの中で唯一、設定された特別仕様車が2013年7月に100台限定で販売された「GLK350 4マチック エディション シュバルツ」だ。

「オブシディアンブラック」のボディカラーや、専用20インチアルミホイール、ブラック基調のインテリアの他、「AMGスポーツパッケージ」などの豪華な内外装備、多くの快適装備を採用。

さらにGLKクラスとして初めて、5つのミリ波レーダーセンサーと1つのカメラを用いて前方や左右後方の車両との衝突の危険を低減し安全運転をサポートする「レーダーセーフティパッケージ」も装備されるなど、充実した内容の特別仕様車だった。

GLKクラス ▲2012年7月のマイナーチェンジでエンジンの排気量をアップするとともにフロントマスクが一新された

■GLKクラス(初代)の中古車相場
現在、GLKクラスの中古車平均価格(車両本体価格)は260万円前後。新車時の価格が600万円台だったことを考えると、破格と言えるリーズナブルさだ。

ただし、中古車市場での流通量は50台ほどしかない。モノグレード、しかも左ハンドルのみという選択肢の少なさが理由だろう。

安全性能を重視するなら、2013年に発売された「GLK350 4マチック エディション シュバルツ」を選びたい。現在の価格帯は200万円台後半だが、新車当時の価格が684万円だったことを考えるとかなりお得な水準と言えるだろう。

100台の限定販売だったゆえ、中古車市場での流通量は数台ほど。もし物件を見つけたら即決したいところだ。

一方で、コスト重視なら2012年以前の年式となる3L V6仕様がオススメ。流通量は全体の3分の1ほどと少なめだが、100万円台後半から手に入る。

3.5L V6仕様よりも年式は古くなるが、装備内容は当初から充実しており、全く不足なし。

フロントノーズが軽く、GLKクラスらしい軽快感を味わえるという長所もある。ハンドリング性能重視の方は積極的にこちらを選んでも良いだろう。

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※記事内の情報は2021年10月15日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/メルセデス・ベンツ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。