トヨタ セリカ ▲スペシャリティクーペとして、モータースポーツベース車として人気を集めた歴代セリカ

トヨタ セリカ/セリカコンバーチブルの中古車は今

トヨタ初のスペシャリティカーとして、1970年12月に初代モデルが登場したセリカ。

当初はユーザーが好きなエンジン、ミッション、内装を自由に組み合わせることができる「フルチョイスシステム」を導入し、より特別感を演出したモデルだった。
 

トヨタ セリカ ▲国産車初のスペシャリティカーともいわれる初代セリカは1970年12月に登場

3代目では、のちのスープラとなる派生車種「セリカXX」が誕生し、4代目は時代の流れをくんでそれまでのFRレイアウトからFFレイアウトへ変貌を遂げるなど、常に進化を続けるモデルでもあった。

また、初代からモータースポーツ、特にラリーでの活躍が目立ち、4代目モデルからはフルタイム4WDとターボエンジンを組み合わせた「GT-FOUR」が登場している。

その一方で、コンバーチブルモデルもラインナップし、モータースポーツベース車としてだけではなく、スペシャリティカーとしての需要もしっかり満たすようになっていた。

ここでは中古車として流通している5代目から7代目にスポットを当てて紹介する。

現在の各世代の中古車流通量と平均価格は、それぞれ下記のとおり。

・5代目:約10台/221万円
・6代目:約30台/89万円
・7代目:約110台/60万円

ここからはセリカの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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セリカ(5代目・T180型)の特徴と中古車相場

■セリカ(5代目・T180型) DATA
生産期間:1989年9月~1993年9月
中古車流通量:約10台
中古車価格帯:50万~390万円
全長:4420~4480mm × 全幅:1690~1745mm × 全高:1295~1305mm
 

トヨタ セリカ ▲流線形のボディとリトラクタブルヘッドライトが特徴的な5代目セリカ

■セリカ(5代目・T180型)の特徴
1989年9月に登場した5代目セリカは、先代と同様にリトラクタブルヘッドライトをもっていたが、ボディは角ばっていた先代に対して流線形の形状になっている。

エンジンは全車直列4気筒DOHC 2Lのものを搭載し、125psの3S-FE型、165psの3S-GE型、そして「GT-FOUR」にはターボエンジンとなる225psの3S-GTE型が搭載されている。

また、一部のグレードには世界初のアクティブコントロールサスペンションや、デュアルモード4WSを搭載し、先進性もアピールしていた。
 

トヨタ セリカ ▲ターボエンジンを搭載した「GT-FOUR」

ホットモデルの「GT-FOUR」には、1990年8月にワイドボディの「GT-FOUR A」が追加。

さらに91年9月には、世界ラリー選手権(WRC)用のホモロゲーションモデル、「GT-FOUR RC」をリリース。これは1800台限定となっており、水冷式インタークーラーの採用で+10psの235psを発生させる。
 

■セリカコンバーチブル(2代目)DATA
生産期間:1990年8月~1993年9月
中古車流通量:1台
中古車価格:75万円
全長:4480mm × 全幅:1690mm × 全高:1325mm
 

トヨタ セリカ ▲コンバーチブル化によって独立したトランクをもった2代目セリカコンバーチブル

■セリカコンバーチブル(2代目)の特徴
1987年10月に4代目セリカに追加されたコンバーチブルモデルは、90年8月に5代目セリカをベースとした2代目へとフルモデルチェンジを果たす。

ベースとなったのは3S-GE型エンジンを搭載した4WS装着車で、5速MTと4速ATの両方がラインナップされていた。

幌は油圧式の電動開閉装置を備えており、ミニマムながら4人分の座席が用意される4座オープンとなっている。
 

■セリカ(5代目・T180型)の中古車相場
最も新しい物件でも28年落ちということもあり、流通台数は10台ほどとごくわずか。そのうち半数以上が「GT-FOUR」となっており、通常の2WDモデルはほとんどない。

大半の物件が走行距離10万kmオーバーとなっているが、このくらいの年式になると走行距離よりもどの程度メンテナンスをされてきたかの方が重要になる。

とはいえ極端な低走行車は、やはり高額なプライスタグが掲げられており、執筆時点では走行距離2万km台の「GT-FOUR」が398万円という価格となっていた。

相場と言えるほどの掲載台数はないが、非「GT-FOUR」系で総額150万円~、「GT-FOUR」では総額200万円~というのが最低ラインとなっているようである。

なお、執筆時点でのコンバーチブルの流通台数は1台のみ。車両価格は81万円となっている。
 

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セリカ(6代目・T200型)の特徴と中古車相場

■セリカ(6代目・T200型) DATA
生産期間:1993年10月~1999年8月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:20万~390万円
全長:4420~4435mm × 全幅:1750mm × 全高:1305mm
 

トヨタ セリカ ▲丸目4灯のヘッドライトはひと目で6代目セリカと分かる個性的なもの

■セリカ(6代目・T200型)の特徴
6代目セリカは引き続き流線形のボディをもちながらも、ヘッドライトはリトラクタブルから丸目4灯の新鮮なエクステリアへと変貌を遂げた。

先代では「GT-FOUR」以外は5ナンバーサイズボディだったが、6代目は全車3ナンバーのワイドボディとなった。それにより、スペシャリティクーペらしいグラマラスなデザインとなったことも特徴と言えるだろう。

エンジンは先代に引き続き2Lの3S系が採用され、「SS-1」には140ps仕様が、「SS-II」とモデル途中で追加される「SS-III」には180ps仕様(ATは170ps)が搭載されている。

「GT-FOUR」には先代と同じくターボ仕様が搭載されていたが、255psまで最高出力が引き上げられている。

また、「GT-FOUR」とFFモデルの一部のグレードの足回りにはスーパーストラットサスペンションが採用され、よりスポーティな走りが楽しめるように進化していた。

1997年12月のマイナーチェンジでは、3S-GE型エンジンが可変バルブタイミング機構のVVT-i付きへと進化し、最高出力が200psへと大きく向上している。
 

トヨタ セリカ ▲後期型のリアデザイン

■セリカコンバーチブル(3代目)DATA
生産期間:1994年9月~1999年8月
中古車流通量:約5台
中古車価格帯:50万~140万円
全長:4505mm × 全幅:1750mm × 全高:1325mm
 

トヨタ セリカ ▲幌のメカニズムが一新され、リアシートの居住性も向上した3代目セリカコンバーチブル

■セリカコンバーチブル(3代目)の特徴
1994年9月に、6代目セリカをベースとした3代目セリカコンバーチブルが登場。

先代と同じく3S-GE型エンジンを搭載した「SS-II」系がベースとなっており、幌はオール電動モーター式へ進化。その結果、リアシートのスペースも先代よりも拡大され、なんとか実用に耐えうるサイズとなった。

歴代セリカコンバーチブルの架装作業はアメリカの専門業者が担当しており、いったん日本からベース車を輸出し、アメリカで架装した後に日本に送り返すという贅沢な手法が採られていた。
 

トヨタ セリカ ▲幌を閉じた状態の3代目セリカコンバーチブル

■セリカ(6代目・T200型)の中古車相場
5代目モデルよりは流通台数が多いとはいえ、30台強しか物件がない6代目セリカ。

注目度の高い「GT-FOUR」はそのうち10台が該当し、走行距離10万kmを超える数台は車両価格100万円台だが、それ以外は軒並み総額200万円超となっている。

そもそもが、モータースポーツベース車としての性格が強い「GT-FOUR」であるからやむを得ないところだが、状態が良いものでは車両価格300万円台から400万円に届くほどのものもある。

一方の非「GT-FOUR」系は、「SS-1」のAT車などであれば走行距離10万km以下でも総額40万円台から狙えるものも複数存在する。

高出力エンジンを搭載した「SS-II」、「SS-III」のMT車などは最低でも総額70万円からで、状態の良いものは120万~150万円ほどの予算を見ておきたいというのが現状だ。

コンバーチブルの流通台数は5台程度にとどまっており、相場もあってないようなものという状態。

安いものでは総額70万円から高いものでは総額150万円超とかなりの幅の広さとなっている。

コンバーチブル車で気になるのは幌の状態だ。

社外品の供給もあるが、幌を開閉するメカニズムの一部はすでに部品の供給がストップしているものもあるようなので、購入する際は幌の開閉動作がスムーズかは特に念入りにチェックしたいところである。
 

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セリカ(7代目・T230型)の特徴と中古車相場

■セリカ(7代目・T230型) DATA
生産期間:1999年9月~2006年4月
中古車流通量:約110台
中古車価格帯:20万~170万円
全長:4335mm × 全幅:1735mm × 全高:1305mm

トヨタ セリカ ▲ダウンサイジングによって、ライトウェイトスポーツカー的なキャラクターとなった7代目モデル

■セリカ(7代目・T230型)の特徴
最後のセリカとなった7代目。

アメリカのデザインスタジオが手がけた斬新なエクステリアデザインで、切れ長のヘッドライトとスパッと切り落とされたリアが特徴的なモデルだ。

先代までラインナップされていた4WD+ターボの「GT-FOUR」や、コンバーチブルモデルは存在しない。

コンパクトクーペのカローラレビンやスプリンタートレノユーザーの受け皿ともなったことで、排気量は1.8Lへ縮小されているが、同時に軽量化も実施されたため、動力性能的には先代のNAモデルに匹敵するか、それ以上のポテンシャルを秘めていた。
 

トヨタ セリカ ▲先代までと比べると直線的なラインが取り入れられている7代目(写真はモデル末期の「SS-1」)

エンジンはともに1.8Lながら145psの1ZZ型と190psの2ZZ型が用意され、前者には5速MTと4速ATが、後者には6速MTと4速ATが用意されていた。

2000年2月にはTRDから専用エアロパーツやサスペンション、ホイールなどを備え、専用チューニングによって+10psの200psを発生させた「TRDスポーツM」がリリースされた。

「GT-FOUR」ほどではないが、よりスポーツ性を高めたモデルに仕上がっている。
 

■セリカ(7代目・T230型)の中古車相場
最終型となる7代目セリカは比較的高年式なモデルということもあり、100台を超える流通量がある。

最安値帯は総額30万円台後半から50万円。ほとんどがローパワーな「SS-1」のAT車となっている。

「SS-II」のMT車となると総額50万円台から存在しているが、そのほとんどが走行距離10万kmオーバーで、中には20万kmという物件もある。

裏を返せばそれだけ丈夫ということも言えるのだが、10万km以下の物件を狙うのであれば予算80万円は見ておきたい。

一方、総額100万円を超える高価格帯でも先代や先々代のようにプレミアム価格というほどではなく、どちらというとアルミや足回り、エアロパーツといったカスタマイズが多数なされたものが中心だ。

中には低走行・フルノーマルといった物件もあるが、車両価格120万円前後といった状態なので、今のうちに押さえておくのもアリかもしれない。
 

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※記事内の情報は2021年8月25日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/トヨタ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。